そもそも花粉症ってどんな病気?
アレルギー反応でくしゃみ、鼻水、鼻閉、眼の痒みが起こる病気で、花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎のことを花粉症と言います。
原因となる春の花粉はスギ、ヒノキ、夏はカモガヤなどイネ科の植物、秋はブタクサ、ヨモギなどが代表的な花粉です。
どんな仕組みで花粉症になるの?(花粉症のメカニズム)
花粉症の人は花粉に対するIgE抗体※(リンパ球内の抗体)がたくさん作られていて、そこに花粉が入ることで抗原抗体反応が起きます。すると肥満細胞※からヒスタミンという物質が放出され、鼻や眼などの神経が刺激されることで、くしゃみ、鼻水、鼻閉や眼の痒みが発症します。
花粉の種類によってIgE抗体が作られる量が異なるため、スギ花粉で発症しやすい人やヒノキ花粉で発症しやすい人などの個人差があります。
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花粉(アレルゲン)に反応して、リンパ球でIgE抗体がたくさん作られます。
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たくさん作られたIgE抗体は肥満細胞と結合します。
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再び花粉(アレルゲン)が侵入するとIgE抗体と結合します。すると肥満細胞からヒスタミンが放出され鼻や眼などが刺激されます。
※IgE抗体とは
免疫グロブリンEというたんぱく質。花粉などの抗原(アレルゲン)が体内に侵入すると作り出され、皮膚や粘膜に多くある肥満細胞(マスト細胞)の表面に付着し、再び侵入した抗原(アレルゲン)と結合することでヒスタミン分泌の起因となる免疫抗体。
※肥満細胞(マスト細胞)
皮膚や粘膜など全身に広く分布する細胞。形が丸く肥満を連想させるため肥満細胞と呼ばれますが、肥満とは関係ありません。別名はマスト細胞と呼ばれています。アレルギー症状の原因物質を持っていて、免疫反応など身体を守ることに寄与する細胞です。
花粉の飛散量と症状に関係はあるの?
花粉の飛散量と症状はもちろん相関しています。花粉の量が多ければ多いほど症状は強くなりますし、発症する人も増加します。
飛散量が多い時期は、2月の後半から4月の半ばくらいまでがスギ花粉、その後4月の後半から5月の半ばくらいはヒノキ花粉が多い時期です。
徳永 雅一先生(とくなが耳鼻咽喉科院長)
東京慈恵会医科大学卒業後、聖路加国際病院など幾つかの病院勤務を経てとくなが耳鼻咽喉科を開業。地域に愛される医院を目指して、親切な対応と必要かつ十分な診療を心掛けている。日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。
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