記事公開:2024.8.21
認知症による排泄トラブル対策として、介護を受ける方におむつを使ってもらうことがあります。ところが、気がつくと、おむつやパッドを外してしまっていて、衣服や寝具が汚れていることも。連日のように片付けや洗濯が続くと、介護をする方もぐったり疲れてしまいますよね。
本記事では、認知症の方がおむつを外してしまう理由とその対策のほか、介護をする方が注意すべき点について解説します。
認知症の方は、なぜおむつを外してしまうことがあるのでしょうか。ご本人に聞いても、理由をうまく表現できないことがあります。
まずは、認知症の方がおむつを外してしまう、代表的な4つの理由をご紹介します。
認知症の方が、おむつやパッドを着けることを恥ずかしいと感じているため、おむつ外しをしてしまうことがあります。認知症の進行により、たとえ状況が把握できなくなっても、感情がなくなるわけではありません。おむつを使うことを「情けない」「恥ずかしい」と思い、自尊心を傷つけられたように感じて、目を背けたい気持ちから外してしまうことが考えられます。
認知症が進行すると、おむつやパッドの必要性が理解できなくなることがあります。なぜおむつをしているのかがわからないので、なんとなく外してしまうのです。
また、おむつという認識がないため、「排泄の前には下着を外すのが当然」という習慣から、排尿・排便時におむつを外してしまうこともあります。
おむつやパッドを装着していることへの違和感や不快感も、おむつ外しの原因のひとつです。吸収量の多いおむつは、装着感がモコモコとしがち。その違和感から、おむつを外してしまうことがあります。
また、おむつの締め付けがきつかったり、排泄物でぬれたおむつを着けていたりすると、そうした不快感からおむつを外してしまうケースが考えられます。
おむつの装着で肌がかぶれてしまい、かゆみをやわらげるために、おむつを外してしまうことがあります。高齢者は肌が敏感で、皮膚トラブルが起こりやすいもの。さらに、おむつの中は高温多湿で雑菌が繁殖しやすいほか、肌についた排泄物が刺激となって、発赤や湿疹を引き起こしてしまうことがあるのです。
認知症の方がおむつを外してしまう理由によって、効果的な対策は異なります。ここでは、認知症の方のおむつ外しの対策について、具体的に解説します。
「おむつやパッドが恥ずかしい」と感じている方には、「おむつ」という言葉を使用しないことが効果的です。「紙パンツ」や「使い捨て下着」といった言葉を使うことで、着用することへの心理的抵抗感をやわらげることができます。
「おむつをしている理由がわからない」方や、「装着の違和感・不快感」からおむつ外しをしてしまう方には、排泄リズムを把握することが大切です。
1日の排泄パターンを記録して、排泄するタイミングでトイレに誘導したり、排泄後すぐにパッドやおむつを交換したりすることで、おむつ外しを防ぐことができます。
「装着の違和感・不快感」や「かぶれによるかゆみ」からおむつを外してしまう場合、介護を受ける方が気に入る付け心地の良いおむつを選ぶことも重要です。
肌ざわりや通気性の良さはもちろん、形状や吸水量、サイズも合ったおむつを使用すれば、おむつかぶれを起こしにくく、装着時の不快感も軽減できるでしょう。
認知症の方がおむつを外してしまったとき、介護をする方はがっかりしたり、疲れを感じてしまったりするかもしれません。ですが、認知症の方を感情的に責めてしまうのは、症状を悪化させてしまう危険性があります。おむつ外しに気づいたときは、下記の3点に注意しながら対応しましょう。
認知症の方がおむつを外してしまったとき、「どうして外したの?」「何度言ったらわかるの?」などと問い詰めてはいけません。認知症の方は、自分の行動の理由を説明できないことが多く、問い詰めたところで意味はありません。それどころか、問い詰められたことで混乱してしまい、強い不安や恐怖を感じてしまいます。
なお、言葉がわからなくても、表情や声の調子で自分が責められていると感じ取ってしまうもの。穏やかな声でやさしく接するように心掛けましょう。
おむつ外しで、寝具や衣類が汚れてしまったとき、「早く着替えて」「体を拭いて」などと、急がせてはいけません。認知症の方は、思考や行動のスピードが低下するため、新しい状況や指示に対する反応が遅れてしまうことも多くなります。そのため、急がされることで焦りや強いストレスを感じてしまうのです。
心に余裕を持って、ゆったりと接するように心掛けてください。
おむつ外しによる汚れには、素早い対応が必要ですが、シーツ交換などでバタバタと慌ただしく行動するのは禁物です。
認知症の方は、環境の変化に敏感なもの。バタバタと慌ただしい状況に置かれると、パニックを起こすことがあります。「交換するので、ゆっくりしててくださいね」などとやさしく声をかけ、静かに手際良く行動しましょう。
監修者のご紹介
伊藤たえ先生
日本脳神経外科学会専門医、日本脳卒中学会専門医。浜松医科大学医学部卒。浜松医科大学脳神経外科のほか、都内の総合病院で脳神経外科医として手術や外来治療を担当。2019年10月から医療法人社団 赤坂パークビル脳神経外科 菅原クリニック 東京脳ドック院長就任。頭痛、物忘れ、めまい、頭部外傷、生活習慣病などの治療や、脳ドックによる適切な早期治療・予防を行っている。
菅原クリニック
「アテント」シリーズは、介護をする方・介護を受ける方の双方にやさしいおむつシリーズです。認知症の方にも違和感なくご使用いただける、やさしい着け心地とモレのない安心感を両立した、アテントの紙パンツをご紹介します。
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適」は、アテント紙パンツ史上最高※1の吸水力を誇るパンツタイプの紙おむつです。1枚でおしっこ約8回分※2の吸収量で、朝まで安心して眠れるのが特長。また、背中からのモレを軽減する<背モレ防止ポケット>の採用により、仰向けで寝られるのもうれしいポイントです。
※1 国内大人用紙パンツ2023年9月時点。大王製紙調べ。
※2 1回の吸収量150mlとして。数値は大王製紙測定法によるもの。
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適
認知症の方がおむつを外してしまう代表的な理由は下記のとおりです。
・おむつやパッドを着けることを恥ずかしいと感じているため、おむつを外してしまう
・おむつの必要性が理解できず「排泄の前には下着を外すのが当然」とおむつを外してしまう
・おむつを装着していることの違和感や、装着中の不快感からおむつを外してしまう
・おむつの装着で肌がかぶれてしまい、かゆみをやわらげるために、おむつを外してしまう
認知症の方が恥ずかしさからおむつを外してしまうときは、「おむつ」という言葉を使用せず、「紙パンツ」や「使い捨て下着」といった言葉を使って、おむつ着用への心理的抵抗感をやわらげるのが効果的です。また、1日の排泄パターンを記録して、排泄のタイミングでトイレに誘導したり、排泄後すぐにパッドやおむつを交換したりすることで、おむつ外しを防ぐことができます。そのほか、肌ざわりや通気性が良く、サイズがきちんと合ったおむつを選ぶことも重要です。
認知症の方がおむつを外してしまったとき、「どうして外したの?」「何度言ったらわかるの?」などと問い詰めてはいけません。また、「早く着替えて」などと急がせたり、シーツ交換などでバタバタと慌ただしく行動したりするのも禁物です。認知症の方を感情的に責めてしまうのは、症状を悪化させてしまう危険性があります。穏やかな声でやさしく接するように心掛けましょう。
画像提供/PIXTA
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