残尿感の原因とは？不快な追っかけモレや尿モレの解消法を紹介

記事公開：2024.7.25

残尿感とは、排尿後も尿が残っているように感じ、すっきりしない状態のこと。「トイレに行ったばかりなのにまたトイレに行きたい」「おしっこを出しきれていない感じがする」といった症状に悩む方は少なくありません。すぐにトイレに行けるように、お出掛けを控えているという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、日々の生活にまで影響を与える、残尿感の原因と解消法を解説します。

残尿感は40代から表れやすい

残尿感は、40代から表れやすいとされる排尿障害の症状のひとつです。実際に膀胱に尿が残っている場合だけでなく、膀胱に尿は残っていないのに残尿感を覚える場合もあります。
残尿感の原因はさまざまで、実際に残尿がある場合は、何らかの原因で尿を出し切れていない可能性があります。尿が残っていないのに残尿感がある場合は、「おしっこをしたい」と感じる知覚に何かしらの異常が発生しているかもしれません。
残尿感は、数ある排尿障害の中でも「排尿後症状」に分類される症状です。排尿後症状としてはほかに、男性に多い排尿後尿滴下（追っかけモレ）などがあります。

追っかけモレについては、下記のページをご覧ください。
男性の尿モレ「追っかけモレ」調査！尿トラブルの原因と対処法

男女に共通する残尿感の原因

排尿の仕組みは男女で異なるため、残尿感の原因には、男女共通のもの、男性特有のもの、女性特有のものがあります。ここではまず、男女に共通する残尿感の原因を解説します。

過活動膀胱

残尿感の原因のひとつが、過活動膀胱です。過活動膀胱とは、膀胱が過敏になって、尿が少ししか溜まっていないのに、我慢できないほどの尿意を覚える症状のこと。通常、尿を溜めているあいだは膀胱がゆるんでいます。やがて、十分な量の尿が溜まるとその刺激が脳に伝わり、「おしっこがしたい」と感じるのです。その後、脳が「おしっこをする」という指令を出すと、膀胱が収縮して勢いよく尿を排出します。

ところが、過活動膀胱のときは、膀胱内に十分な尿が溜まっていなくても尿意を感じたり、脳が指令を出していないのに膀胱が収縮したりしてしまいます。そのため、トイレに行っても出す尿がなく、残尿感を覚えてしまうのです。

過活動膀胱になる原因は、はっきりとはわかっていません。ですが、何らかの病気によって膀胱のコントロールが効かなくなるケースのほか、加齢による老化現象も原因のひとつとされています。

膀胱結石

膀胱にできた結石（尿に含まれる成分が結晶化したもの）が、残尿感の原因となることもあります。膀胱に結石ができると、結石が膀胱壁にあたって直接刺激を与え、尿が溜まっていないのに残尿感を覚えます。
また、結石が尿の流れを止めて排尿しづらくなり、実際に残尿が長らく膀胱にとどまってしまうことも。残尿の中で結石の結晶化が進んでしまい、膀胱結石が大きくなることもあります。

神経因性膀胱

膀胱が正常に尿を溜めたり出したりすることができなくなる神経因性膀胱も、残尿感の原因となります。神経因性膀胱とは、神経の異常によって膀胱の収縮力が弱まり、尿がうまく出せなくなる症状。そのため、多量の尿が膀胱に残り、頻尿や残尿感を引き起こすのです。
神経因性膀胱の原因となる神経異常は、脳や脊髄などの中枢神経、脊髄から膀胱までの末梢神経のいずれかで起こるとされています。病気によって神経に異常が現れる場合もあれば、加齢による神経障害の場合もあります。

女性特有の残尿感の原因

女性は尿道が短いため膀胱に細菌が侵入しやすく、さらに加齢や出産で骨盤底筋の筋力が低下しやすいことが残尿感につながります。女性の残尿感の主な原因についてご紹介しましょう。

膀胱炎

女性の残尿感の原因のひとつが膀胱炎です。膀胱炎は、尿道から膀胱に細菌が侵入することで起こります。膀胱炎の原因となる細菌の約8割は、肛門付近にいる大腸菌。女性の場合は尿道の長さが3～4cmと短く、肛門からも近いために、大腸菌に感染しやすくなります。
膀胱炎になると膀胱の知覚異常が起こり、膀胱に尿が残っていないのに残尿感を覚えます。男性でも膀胱炎になることはありますが、発症率が圧倒的に多いのは女性です。

腎盂腎炎

女性の残尿感の原因として、腎臓が細菌に感染する腎盂腎炎（じんうじんえん）のケースもあります。腎盂腎炎は、尿道から侵入した細菌が膀胱、尿管をさかのぼって、腎臓に達して炎症を起こします。膀胱炎に続いて発症することが多く、さらに妊娠中は腎盂腎炎のリスクが高まることも。これは、子宮によって尿管が圧迫されたり、尿管の収縮力が下がったりするためです。
症状としては残尿感のほかに、排尿時の痛みや頻尿、高熱、強い腰痛・背部痛が出ることもあります。

骨盤臓器脱

女性の残尿感の原因に、骨盤臓器脱があります。通常、膀胱や直腸、子宮といった臓器は、骨盤の底をハンモックのように覆っている筋肉群（骨盤底筋群）に支えられています。骨盤臓器脱は、出産や加齢によって骨盤底筋群がゆるみ、膀胱や子宮が正しい位置を保てず下がってくる、女性特有の疾患です。
下がってきた臓器が尿道を圧迫することで尿が出にくくなり、残尿感が出ることがあります。

男性特有の残尿感の原因

男性の場合、尿道が約20cmと長く、曲がった形をしているので、そもそも排尿後も少量の尿が尿道に残りやすくなっています。加えて、男性特有の臓器である前立腺が残尿感に影響します。男性特有の残尿感の原因について、詳しく見ていきましょう。

前立腺肥大症

男性の残尿感の原因で多くを占めるのが、前立腺肥大症です。前立腺肥大症とは、膀胱のすぐ下で尿道を取り囲んでいる前立腺が大きくなる病気のこと。肥大した前立腺は尿道を圧迫して尿が出にくくなるため、膀胱に尿が残り残尿感を覚えます。
前立腺肥大症になる原因はわかっていません。しかし、年齢とともに発症しやすくなることから、男性ホルモンの分泌量の変化が影響しているのではないかと考えられています。

前立腺炎

男性の残尿感の原因のひとつとして、前立腺炎もあります。前立腺炎とは、細菌感染などによって前立腺が炎症を起こす病気です。前立腺の炎症により尿道が狭くなることで、排尿が困難になり膀胱内に尿が残ってしまい、残尿感を覚えます。
前立腺炎には、発熱や寒気を伴う急性型と、発熱はしないけれど鈍い痛みを伴う慢性型があります。急性型の原因は主に尿路からの細菌感染です。慢性型は20～40代の若い男性にも多い疾患で、細菌感染がなくてもストレスなどで発症することがあります。

残尿感を解消する5つの方法

残尿感は不快なだけでなく、日常生活にも影響を及ぼしますので、早めに対処して快適に過ごせるようにしましょう。ここでは、残尿感を解消する方法を5つご紹介します。

原因の病気を治療する

残尿感の解消法として、まずは病院で原因を特定することが大切です。残尿感にはさまざまな原因があり、例えば細菌感染による炎症が原因だった場合には、投薬治療でしか治すことができません。また、うまく排尿できず膀胱内に尿がたくさん残ってしまうと、頻尿や尿モレなどの排尿障害が悪化することもあります。
本来は体の外に排出するはずの尿が長時間残っている状態は、腎臓などにも負担がかかってしまい、ほかの病気の原因にもなりかねません。軽い残尿感だからと放置せず、早めに病院を受診しましょう。

骨盤底筋トレーニングをする

残尿感の解消法のひとつが、骨盤底筋トレーニングです。骨盤底筋群がゆるむと、尿をせき止める尿道括約筋もゆるんでしまいます。骨盤底筋トレーニングによって尿道括約筋が鍛えられると、尿を出しきったり、尿を止めたりするコントロールがしやすくなります。骨盤臓器脱が原因の残尿感に有効です。また、女性の尿モレや男性の追っかけモレの改善も期待できます。

骨盤底筋トレーニングについては、下記のページをご覧ください。
骨盤底筋トレーニングで不意の尿モレ対策！毎日続けて不安を解消

膀胱トレーニングで尿を溜める訓練をする

過活動膀胱など、尿が溜まっていないのに尿意や残尿感がある場合の解消法として、膀胱トレーニングがあります。膀胱トレーニングは、尿意を我慢し、トイレに行く間隔を徐々に延ばしていくことで、膀胱に溜められる尿量を増やす訓練です。10分、15分と短い時間から訓練を始め、トイレに行く間隔が2～3時間になることを目指します。
ただし、膀胱炎などの感染症のときや、残尿が多すぎる場合には症状を悪化させてしまうため、尿意を我慢するのは厳禁です。膀胱トレーニングを行う際は、医師の診断と指導を受けましょう。

男性はミルキングで尿を出しきる

男性特有の残尿の解消法に、ミルキングという方法があります。ミルキングは、牛の乳しぼりのように、尿道に残った尿を絞り出す対処法です。男性の尿道は長いため、排尿後、陰茎のつけ根部分に溜まった尿を指でこするようにしてしぼり出します。しぼり出した尿は、トイレットペ－パーなどで受け止めましょう。

尿モレパッドや紙パンツを利用する

残尿感を伴う疾患による尿モレや、追っかけモレの不快さを解消するには、尿モレパッドや紙パンツを利用するのもおすすめです。骨盤底筋トレーニングや膀胱トレーニングを毎日続けても、効果が出るまでには時間がかかります。
また、病気の投薬治療などを始めても、薬を飲んだその日に病気が治るというわけではありません。しばらく尿モレパッドや紙パンツを使えば、切迫した尿意や追っかけモレがあっても安心です。

監修者のご紹介

伊藤 友梨香先生（泌尿器科専門医）
日本泌尿器科学会所属。大学病院の泌尿器科医局に所属し、一般泌尿器、不妊治療などの経験を積んだ後、療養透析を中心とした全身疾患を扱う療養型病院に勤務。雑誌・テレビなどのメディアでも活躍する。

【商品紹介】残尿による尿モレや追っかけモレ対策に「アテント」シリーズ

残尿による尿モレや、追っかけモレが気になる方には、下着のように身につけられる「アテント」シリーズがおすすめです。初めての尿モレパッド・紙おむつとしても取り入れやすい商品をご紹介します。

アテント ふだんの下着に使えるパッド

「アテント ふだんの下着に使えるパッド」は、＜5点ズレ止めテープ＞でいつもの下着※に固定できる尿モレパッドです。45cmのロングサイズと超立体ギャザーで、尿が服に染み出す心配もありません。不意の失禁や急な尿意でトイレに間に合わなくても、パッドを交換すればいつでも清潔。外出先でも安心な消臭機能付きです。

※体に密着する下着（パンツ）との使用をおすすめします。

「アテント ふだんの下着に使えるパッド」については、下記のページをご覧ください。
アテント ふだんの下着に使えるパッド

アテント 超うすパンツ 下着爽快

「アテント 超うすパンツ 下着爽快」は、普段の下着と同じように着用できるパンツタイプの紙おむつです。プレミアム伸び・ワザ素材を使用したこだわりの＜めだたずフィット設計＞で、自然なはき心地を実現し、全身のラインにも影響しません。また、洋服の上からはみ出しにくい＜ウエストすっきりカット＞を採用しています。清潔感のある「シンプルホワイト」と、おしゃれな「エレガントピンクベージュ」の2つのカラーからお選びいただけます。

「アテント 超うすパンツ 下着爽快」については、下記のページをご覧ください。
アテント 超うすパンツ 下着爽快 シンプルホワイト M
アテント 超うすパンツ 下着爽快 シンプルホワイト L
アテント 超うすパンツ 下着爽快 エレガントピンクベージュ M
アテント 超うすパンツ 下着爽快 エレガントピンクベージュ L

アテント うす型パンツ 下着気分 ボクサータイプ

「アテント うす型パンツ 下着気分 ボクサータイプ」は、脚まわりにしっかりフィットするボクサータイプの紙パンツです。約2回分のおしっこをしっかり吸収※。吸収体のゴワつきを解消する＜すっきりストレッチライン＞で、アウターにひびきにくいのが特長です。グレーとホワイトのスタイリッシュなカラーもポイント。全面通気性シート採用、消臭機能付きで、外出時でも安心です。

※1回の排尿量150mlとして 大王製紙測定方法による。

「アテント うす型パンツ 下着気分 ボクサータイプ」については、下記のページをご覧ください。
アテント うす型パンツ 下着気分 ボクサータイプ M
アテント うす型パンツ 下着気分 ボクサータイプ L

残尿感の悩みを解消してアクティブに活動しよう！

年齢を重ねると増える排尿の悩み。不快な残尿感は、できるだけ解消したいものです。日常生活にも支障が出かねないので、すみやかに病院を受診して、原因を特定しましょう。
また、不意な尿モレや追っかけモレに悩んでいる方には、「アテント」の下着につける吸水パッドや、下着感覚で着用できる紙パンツがおすすめです。お出掛けを心から楽しんで、日々をアクティブに過ごすことができます。

よくあるご質問

残尿感とは何？

残尿感とは、排尿後も尿が残っているような感覚があり、スッキリしない感じのことです。「トイレに行ったばかりなのにまたトイレに行きたい」「おしっこを出しきれていない感じがする」といった症状をいいます。残尿感があるときは、実際に膀胱に尿が残っている場合と、尿がないのに感じる場合があります。

残尿感の原因は？

残尿感の原因には、過活動膀胱や膀胱結石などの病気のほか、尿道括約筋の衰えがあります。また、男性の場合は前立腺肥大症や前立腺炎といった病気が、女性の場合は膀胱炎や腎盂腎炎などの病気が原因で残尿感を覚えるケースもあります。そのほか、加齢や出産によって女性に起こる骨盤臓器脱でも、下がってきた臓器が尿道を圧迫して、残尿感などの症状が出ることもあります。

尿が出しきれないときはどうすればいい？

尿が出しきれない感じがするときは、骨盤底筋トレーニングが有効です。骨盤底筋トレーニングで尿道括約筋が鍛えられ、排尿をコントロールしやすくなります。また、男性の場合は陰茎のつけ根部分に尿が溜まりやすいため、尿道を指でこするようにしてしぼり出すミルキングという方法も有効です。

画像提供／PIXTA

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