気持ちよく眠れなかった次の日は健康な人にもつらいものです。それがお年寄りなら、なおさらのはず。少しでも、気持ちよく眠ってもらう、そのための環境づくりの条件、それはやはりこまやかな思いやりではないでしょうか。寝室はトイレや浴室の近くの部屋にするとよいでしょう。
乾燥しやすく、かたくなったお年寄りの皮膚には、シーツのしわが床ずれのもとになったりします。「シーツはピシッと」が基本です。
とりとめないおしゃべりをしたり、時にはいっしょに静かな音楽を聴いたり。そんな、ちょっとしたひとときがもたらす安らぎが大切です。
寝室と居室はべつにして、日中はできるだけ起きて過ごせるようにしましょう。肉体的には昼間の適度な疲労が、良い眠りを運んできます。
良い寝具は値段も張りますが、やはり寝心地がちがいます。思い切って良い眠りをプレゼントしてみませんか。なお、ギャッジベッド等は介護保険では貸与の対象になりますので専門家に相談されてはいかがですか。
シーツのたたみ方縦折りにして縦の中心線がすぐわかるようにたたんでおけば、寝具の中央に合わせ、手早く交換することができます。
1.ベットの一方に寝返りをうってもらい、汚れたシーツを背中の下に巻き込む。
2.きれいなシーツの縦の中心をマットレスの中心に合わせ、手前側を広げ、角を折り込む。
3.一時あお向けにもどってもらい、きれいなシーツのほうに(手前側)寝返りを。
4.反対側にまわって、汚れたシーツをはずし、きれいなシーツの残り半分を広げ、角を折り込む。
マヒがある場合、
・着せるとき→マヒ側から
・脱がせるとき→マヒのない側から
マヒがあっても、リハビリを兼ねて、なるべくお年寄りが自分で着替えるようすすめます。介護者はどうしても無理なところだけ手助けする、と最初に決めておくとよいでしょう。着脱の楽な寝巻きもいろいろ販売されています。
いつも同じ姿勢で寝ていると関節が固まったり、床ずれが起きやすくなります。からだのためにも、気分転換のためにも、ときどき体位を換えてあげましょう。
ひざを立てさせる。
肩と腰の下に手を入れ介護者の顔と足を進む方向に動かす。
手を胸の上に。
向かせたい方向の足の上に、他方の足を重ねる。
肩と腰に手をあて静かに手前に引き寄せる。
図のようにからだを持ち手前に引く。
1人の場合は上半身と下半身とに分けて手前に引く。
介護する人はマヒ側に立つ。
ひざを軽く曲げさせる。
動く手を介護する人の肩にかけさせる。
片手を頭の下に、他方の手を背中にまわし起こす。
いつも同じ姿勢で寝ていると関節が固まったり、床ずれが起きやすくなります。からだのためにも、気分転換のためにも、ときどき体位を換えてあげましょう。
めまいや吐き気、痛みがあったら中止しましょう。
おとしよりの骨は、もろくなっています。無理をしたら骨折したり皮下出血します。
寝まきと皮膚の間がすれて床ずれになるので、動かすときはからだを持ち上げましょう。