記事公開:2024.10.30
介護をする方にとって、夜の排泄介助は心身ともに負担が大きいもの。特に、紙おむつからモレていた場合には、処理をするのも大変です。せめておむつモレを防げたらいいのに…と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、大人用紙おむつで夜にモレてしまう原因と、モレ対策のポイントをご紹介します。
介護の悩みで多い夜のおむつモレ。おむつ交換はもちろん、汚れてしまった衣服や寝具の取り換えなどを夜間に行うことは、介護をする方にとって大きな負担です。おむつモレの原因には、下記のようにいくつかのパターンがあります。
夜のおむつモレの原因のひとつは、紙おむつのサイズが介護を受ける方の体に合っていないことです。
サイズが大きすぎる場合は紙おむつと体とのあいだにすきまができやすく、そこからモレてしまいます。また、サイズが小さすぎる場合でも、紙おむつに締めつけられる不快感や、素材が皮膚に張り付く違和感から自分でずらしてしまい、すきまが生まれてモレの原因となることがあります。
紙おむつの吸収量に対して尿量が多いことも、夜のおむつモレの原因です。紙おむつは、製品によって吸収できる量が決まっています。
パッケージに「吸収回数2回分」と書かれているのを見て、紙おむつを選んでいる方も多いのではないでしょうか。この回数は、例えば「アテント」シリーズの場合、1回の排尿量を150mlとした場合の目安を表示しています。
しかし、尿量には個人差があるため、必ずしも1回の排尿量が目安の量に収まるとは限りません。その場合は、紙おむつの吸収可能量を超えてしまい、尿モレの原因となります。
また、大量の尿が勢い良く出て、紙おむつの吸収スピードが追いつかないこともあります。
軟便や水様便になりやすい方の場合、便が紙おむつの吸収面をふさいでしまうことが、夜のおむつモレの原因になっているかもしれません。通常の紙おむつは、シートの表面で水分を吸収する構造になっています。ところが、便がシートの表面を覆ってしまうと、尿の吸収が妨げられてモレてしまうことがあるのです。
特に、食事ができずチューブなどで経管栄養を摂取したり、慢性的な便秘のために下剤を服用したりする方は、軟便や水様便になりやすい傾向があります。
紙おむつは、おむつ交換の簡単さや経済的なメリットから、外側にはくおむつと、内側にあてるパッドを組み合わせて使うのが一般的です。紙おむつの内側にあてるパッドはモレの強い味方ですが、外側の紙おむつと種類が合っていないと、かえって夜のおむつモレの原因になってしまいます。内側にあてるパッドは、外側にはくおむつの種類に合わせた専用の設計になっているためです。
例えば、パンツタイプの紙おむつにテープ止め用パッドを組み合わせて使用すると、すきまが生まれて、そこからモレてしまいます。
紙おむつのサイズやパッドとの組み合わせが間違っていなくても、正しく着用できていないと、夜のおむつモレにつながります。紙おむつのギャザーが立っていなかったり、パッドが紙おむつに収まっていなかったりすると、すきまができてしまうからです。
なお、パッドを重ね付けしても、吸収量は変わりません。むしろ、脚まわりと紙おむつのあいだにすきまができ、モレの原因になってしまいます。
紙おむつを替えたときにはぴったりと着用できていても、寝返りなどの動きで紙おむつがズレてしまうと、すきまができて夜のおむつモレに直結します。
また、ウエストサイズは姿勢や体の向きによって変わることにも注意が必要です。テープ止めタイプの紙おむつをおなかまわりで固定してしまうと、動作に伴っておなかにすきまができやすくなるため、モレを誘発する可能性が高くなります。
介護を受ける方が男性で、いつも同じ場所からおむつモレする場合は、男性器の向きに原因があるかもしれません。
例えば、男性器を上向きにしたまま紙おむつを固定してしうと、吸収面に尿が流れず、おなか側からモレやすくなってしまいます。個人差はありますが、一般的には男性器を下向きに収めたほうが尿モレしにくくなります。
ただし、上向きや横向きに収めたほうが安定する場合もあるため、介護を受ける方に合った向きで着用することが大切です。
介護を受ける方が認知症をわずらっている場合は、紙おむつやパッドをいじったり、自分で外したりすることが、夜のおむつモレにつながっていることもあります。
おむついじりは、快感やストレスから無意識のうちに行っていることがほとんどです。声掛けなどでは防げないことも多いため、汚れがそのままになっていて気持ち悪く感じていないか、締めつけやムレによって装着感が悪くなっていないかなど、介護を受ける方の気持ちに寄り添って、違和感を取り除いてあげましょう。
夜のおむつモレは、介護を受ける方にとっても不快な上、自尊心が傷つくことにもなりかねず、大きな負担となります。夜のおむつモレを防ぐには、原因に合わせて下記のような対策をとることが大切です。
夜のおむつモレを防ぐために、まずは紙おむつやパッドのサイズを見直しましょう。
パンツタイプの紙おむつは、ウエストサイズで選ぶのが基本ですが、さらに、脚まわりにすきまがないかをチェックするのがポイント。おなかが出ていて足がやせている場合、ウエストサイズだけで選ぶと脚まわりにすきまができてしまうことがあります。おなかが苦しくなければ、脚まわりに合わせてサイズダウンするのがおすすめです。
テープ止めタイプの紙おむつは、ヒップサイズで選びます。サイズに迷った場合は、「アテント 夜1枚安心パッドのためのうす型テープ式 S~L」であれば、ワンサイズでさまざまな体型の方にぴったりフィットします。
「アテント 夜1枚安心パッドのためのうす型テープ式 S~L」については、下記のページをご覧ください。
「アテント 夜1枚安心パッドのためのうす型テープ式 S~L」
夜のおむつモレ対策として、使用している紙おむつの種類も見直しましょう。紙おむつには、吸収回数や厚みなどの異なる、さまざまな種類があります。昼と夜では過ごす体勢が違いますし、おむつの交換回数も変わるため、夜は睡眠時の使用に適した紙おむつを選ぶことが大切です。夜用の紙おむつには、吸収回数が多かったり、睡眠時に多い脚まわりからのモレをカバーする形状になっていたりするなど、寝た姿勢でもモレないようさまざまな工夫が凝らされています。
また、介護を受ける方が快適に眠れるよう、装着感や素材もチェックしてください。
夜のおむつモレを防ぐには、紙おむつの吸収量の見直しも重要です。介護を受ける方の尿量と紙おむつの吸収量を照らし合わせて、十分な吸収回数の紙おむつを選びましょう。
介護を受ける方の尿量をきちんと把握するには、排尿日誌をつけるのがおすすめです。排尿日誌には、排尿時刻またはおむつ交換をした時刻、尿の量、水分をとった時刻と摂取量、尿モレの有無などを記録します。常に紙おむつを着用していて、正確な尿量を知りたい場合は、使用前後の紙おむつの重さを測り、差分を調べる方法が有効です。日誌をつけるのは大変ですが、3日間程のデータがあれば、紙おむつの吸収回数を選ぶ目安になります。
夜のおむつモレを防ぐためには、外側の紙おむつに合ったパッドを選ぶことも大切です。モレを防ぐには、外側にはくおむつに合わせて専用のパッドを選びましょう。
間違って購入してしまった場合は、外側の紙おむつのギャザーをしっかりと立て、吸収面にぴったりと収まるようにパッドをあてて使用します。
軟便や水様便が尿の吸収を妨げておむつモレしている場合は、軟便用のパッドを使うのがおすすめです。例えば、「アテント 軟便も安心パッド」の場合、表面が目詰まりしにくい構造になっているので、尿と軟便のどちらもしっかり吸収して、おむつモレの不安を解消します。
「アテント 軟便も安心パッド」については、下記のページをご覧ください。
アテント 軟便も安心パッド
夜のおむつモレを防ぐには、すきまができないよう、紙おむつを正しく着用することが大切です。
おむつ交換が終わったら、おなかまわりがふさがっているか、ギャザーが足の付け根にぴったり沿っているかを確認しましょう。パッドを組み合わせて使う場合は、防波堤の役目を果たす立体ギャザーが内側に押し込まれないよう、しっかり立てて使用します。 また、介護を受ける方が男性の場合は、男性器の向きをチェックするのもポイントです。
紙おむつのつけ方については、こちらをご覧ください。
寝て過ごすことが多い方の介護 おむつ交換の事前準備と手順
夜のおむつモレ対策として、紙おむつの装着感にこだわってみるのもひとつの方法です。特に認知症の方の場合は、おむついじりが少しでも減るよう、紙おむつのフィット感や肌ざわりを確認しましょう。
ムレにくい素材や締めつけの少ない紙おむつを選ぶことで、介護を受ける方の不快感が解消でき、朝まで紙おむつをずらすことなく眠れるかもしれません。
睡眠時の大人用紙おむつは、夜用を選ぶのがおすすめです。介護をする方・介護を受ける方の双方に寄り添う「アテント」シリーズでは、朝まで安心して眠れる吸収量の多い紙おむつや、はき心地に着目して形状にこだわった紙おむつなど、さまざまな夜用タイプをラインナップしています。
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適」は、就寝中も使えるパンツタイプの紙おむつです。おしっこ約8回分※をしっかり吸収し、パッドを使わなくても1枚で朝まで安心。仰向け寝の状態でも<背モレ防止ポケット>が背中からのモレを軽減します。尿量の多い方や、こまめに交換できない方にもおすすめです。
※ 1回の排尿量150mlとして。大王製紙測定方法による。
「アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 男女共用 M
アテント 夜1枚安心パンツ パッドなしでずっと快適 男女共用 L
「アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり」は、うす型ではき心地を重視した、パンツタイプの夜用紙おむつです。脚を通しやすいすっきり形状で、片手での上げ下げも楽々。脚まわりの違和感を軽減した、下着のようなはき心地ながら、おしっこ約4回分※をしっかり吸収します。脚まわりにしっかりフィットするWブロックギャザー構造で、モレにくく朝まで安心して眠れます。
※ 1回の排尿量150mlとして。大王製紙測定方法による。
「アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり 男女共用 M
アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり 男女共用 L
「アテント 夜1 枚安心パンツ 脚まわりロング丈」は、うす型で丈が長い、ボクサータイプの夜用紙おむつです。+8.5cmのロング丈になっていて※1、脚まわりにふんわりフィット。夜間のモレに強く、おしっこ約4回分※2を吸収します。おしり全体をやさしく包むふんわりとしたフィット感で、一晩中ぐっすり眠れます。
※1 「アテント 夜1枚安心パンツ はき心地すっきり」との比較。
※2 1回の排尿量150mlとして。大王製紙測定方法による。
「アテント 夜1 枚安心パンツ 脚まわりロング丈」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1 枚安心パンツ 脚まわりロング丈 男女共用 M
アテント 夜1 枚安心パンツ 脚まわりロング丈 男女共用 L
「アテント 夜1枚安心パッドのためのうす型テープ式」は、「アテント 夜1枚安心パッド」とセットで使いやすい、テープタイプの紙おむつです。パッドがぴったりフィットしてズレにくく、さまざまな体型の方にしっかり固定できる<どこでもピタッと!だれでも※フィットテープ>付き。うす型の吸収体で「アテント 夜1枚安心パッド」を併用してもモコモコしにくいので、夜も気持ちよく眠れます。
※ S~Lサイズ(ヒップサイズ65~125cm)が対象。
「アテント 夜1枚安心パッドのためのうす型テープ式」については、下記のページをご覧ください。
アテント 夜1枚安心パッドのためのうす型テープ式 S~L
介護をする方、介護を受ける方、双方を悩ませる夜のおむつモレは、紙おむつと体とのあいだにできるすきまから発生します。また、紙おむつの吸収量より尿量が多かったり、便が吸収面をふさいでいたりすると、尿があふれ出てしまうことも。時には、介護を受ける方が不快に感じ、自分で外してしまう場合もあるかもしれません。
こうした問題を解決するには、使用する紙おむつのサイズや種類、つけ方をしっかり見直すことが大切です。紙おむつのフィット感や肌ざわりなど、介護を受ける方の好みも尊重しながら選びましょう。
「アテント」シリーズでは、夜にぴったりの紙おむつを豊富にラインナップしています。夜の排泄介助の負担を軽減するためにも、アテントの「夜1枚安心」シリーズをご活用ください。
大人用紙おむつのモレは、紙おむつと体とのあいだにできるすきまから発生します。そのため、「紙おむつのサイズが合っていない」「紙おむつとパッドの種類が合っていない」「介護を受ける方が動いて紙おむつがズレている」といった理由ですきまができると、おむつモレの原因になります。
また、紙おむつから尿があふれ出ている場合は、紙おむつの吸収量より尿量のほうが多い、軟便や水様便が吸収面をふさいでいるといったことが原因と考えられるでしょう。男性の場合は、男性器の向きがモレやすい方向になっているケースもあります。なお、介護を受ける方が認知症をわずらっている場合は、不快感からおむつをいじってズレたり、自分で外してしまうことがモレの原因となることもあります。
介護で発生しがちな夜のおむつモレを防ぐには、介護を受ける方に合った紙おむつを選ぶことが大切です。サイズや吸収回数、併用するパッドなどを見直してみてください。軟便が尿の吸収を妨げている場合は、軟便専用のパッドを利用するのもおすすめです。介護を受ける方が、不快感から紙おむつをいじったり、自分で外したりすることがないよう、フィット感や肌ざわりなど、好みに合ったものを選びましょう。
適切な紙おむつを選んでいても、正しく着用できていないと、おむつモレの原因となります。おなかや脚まわりにすきまができていないか、おむつ交換のたびにチェックするのもポイントです。
大人用紙おむつは、サイズと吸収回数で選ぶのが基本です。サイズが合わず体とのあいだにすきまができたり、吸収量より尿量が多かったりすると、おむつモレの原因になります。適切な紙おむつを選ぶには、介護を受ける方の体型や尿量を正しく把握しておくことが大切です。特に、おむつ交換のタイミングが難しい夜間には、吸収量の多い夜用タイプを選びましょう。
さらに、介護を受ける方が不快に感じないよう、装着感や肌ざわりなどを本人の好みに合わせておくと、おむついじりの予防にもつながります。
画像提供/PIXTA