記事公開:2023.1.19
気温が低くなり、空気が乾燥するにつれて流行し始める「インフルエンザ」。治療のタイミングを逃すと、重症化する危険性もあるため、初期段階での適切な対処が重要です。
ですが、鼻水や鼻づまり、喉の痛みなど、インフルエンザと風邪(かぜ)の初期症状は似ていることがあります。そのため、「ただの風邪だと思って油断していたら、実はインフルエンザだった」ということも珍しくありません。
そこで今回は、インフルエンザと風邪の違いや、発症したときの対処法と予防法などについて解説します。
「なんとなく調子が悪いけど、風邪だろう」と自己判断するのは危険です。まずはインフルエンザかどうか、簡単なチェックをしてみましょう。あてはまる項目が多いほど、インフルエンザの可能性が高いといえます。
■インフルエンザ チェック項目
特に、関節痛や筋肉痛、倦怠感といった全身症状が急に現れた場合は、インフルエンザが疑われます。
インフルエンザと風邪の初期症状は似ていることがありますが、進行の仕方や経過は大きく異なります。感染初期のうちに正しく対処するため、まずはインフルエンザと風邪の特徴について見ていきましょう。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる、全身症状を伴う感染症です。主な症状は38℃以上の発熱のほか、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などで、1~2日間の潜伏期間ののち、比較的急速に現れるのが特徴。一方で、鼻水、くしゃみ、喉の症状、せきといった症状もあるため、初期は通常の風邪とあまり変わらないように見えるケースもあります。
日本では、例年11~12月にかけて患者が増え始め、翌年の1~2月頃に患者数のピークを迎えた後、4~5月にかけて収束していくのが一般的です。
子供が感染すると、まれに熱性けいれんや急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している人では、二次性の肺炎を引き起こすなど、重症化することがあります。
風邪は、実は病名ではありません。正式名称は「風邪症候群」といい、ウイルスなどに感染して起こる、上気道(鼻や喉)の急性炎症の総称です。主な症状は、くしゃみや鼻水、鼻づまり、喉の痛み、せき、頭痛などで、症状は通常2~3日程度で治まります。なお、風邪を引き起こすウイルスの数は200種類以上ともいわれており、原因となったウイルスを特定するのは困難です。また、一年を通して散発的に発症します。
インフルエンザとの最大の違いは、症状の現れ方が弱く、進行も緩やかであることです。ただし、風邪に続いて細菌による二次感染が起こると、気管支炎や肺炎、中耳炎、髄膜炎、脳炎など、さまざまな合併症を引き起こし、重症化することがあります。
■インフルエンザと風邪の違い
インフルエンザに感染している可能性が高いとなった場合は、早めの対処が重要。対処のポイントは、「正しい検査」「病院の受診」「適切な投薬」です。
「インフルエンザに感染したかも」と思ったら、医療機関でインフルエンザの検査を受けてください。ただし、正しい診断のためには、症状が出てから半日以降に検査を受けることが重要です。
医療機関では一般的に、綿棒で鼻の奥や喉をぬぐって粘膜を採取し、インフルエンザの検査を行います。ただし、発症から検査までの時間があまりにも早いと、ウイルス量が少なく、正しい検査結果が出ないことも。そのため、インフルエンザの検査を受けるタイミングは、症状が現れてから12時間以降が良いとされています。
自己判断で市販薬を服用せず、病院の受診を
風邪かインフルエンザか判断できないとき、「とりあえず風邪薬を飲んで様子を見よう」と、自己判断で市販薬(一般用医薬品)を服用しないようにしましょう。市販の風邪薬や解熱鎮痛薬の中には、インフルエンザのときに服用すると、合併症を引き起こしたり、重症化したりする危険性のある成分を含むものがあります。風邪かインフルエンザか判断できないときは、病院で医師の診察を受けることが重要です。
インフルエンザと判明した場合、病院で抗インフルエンザウイルス薬が処方されることがあります。抗インフルエンザウイルス薬は飲み薬・吸入薬・点滴の3種類があり、発症から48時間以内に投与することで、症状の早期改善が期待できます。病院で処方された薬は、必ず医師の指示に従い、用法・用量をきちんと守って使用してください。
では、風邪にかかった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。対処のポイントは、人間の体に備わった防御システム、「免疫力」を高めることです。
薬局・薬店にはたくさんの風邪薬が並んでいますが、これらの薬は「風邪を治す薬」ではありません。風邪の原因であるウイルスや菌を退治する薬ではなく、「風邪のつらい症状を抑える薬」なのです。
風邪を治すのは自分の免疫力。ですから、風邪を引いたときは栄養バランスの良い食事をとり、十分な休養・睡眠で体力を回復させ、体の中でウイルスと戦ってくれる免疫力を高めることが大切です。でも、鼻症状やせき、頭痛などがつらいと、ゆっくり休むこともできません。そこで、こうした症状をやわらげる(対症療法)ために、風邪薬を使用するのです。
なお、風邪のさまざまな症状を抑えられるように、複数の成分を配合した「総合感冒薬」よりも、今つらい症状だけ抑える薬を選ぶのがポイント。どれを選べば良いかわからないときは、薬局・薬店の薬剤師に症状を伝えて、最適な薬を選んでもらいましょう。
インフルエンザも風邪も初期症状は似ており、正しく対処すれば悪化を防ぐことができます。ですが、できればつらい思いをせず、元気に過ごしたいものですよね。
そこで、ここからはインフルエンザや風邪を寄せつけないための予防法を、5つご紹介します。
インフルエンザの予防法として最も有効なのは、流行前のワクチン接種です。インフルエンザワクチンを接種することで、下記の効果が期待できます。
・発症を抑制する
・発症した場合の重症化を防ぐ
ワクチンを接種してから抗体がつくまでには2週間程かかり、ワクチンによってできた免疫は5ヵ月程持続するとされています。流行のピークから逆算して、早めに接種しましょう。
2 外出後の手洗い&うがい
風邪やインフルエンザの原因となるウイルスの多くは、目、鼻、口、喉の粘膜などから体内に入り込みます。そこで、外出先から帰宅したら、ウイルスがついている可能性が高い手と指をきれいに洗いましょう。喉の粘膜を洗い流すには、うがいが効果的です。
なお、流水で手が洗えないときは、消毒用アルコール液や消毒用ウエットティシューを使用することが有効です。また、不特定多数が触れるドアノブなどは、アルコールタイプのウエットティシューで拭き取りましょう。
エリエールのウエットティシューの種類や違いについては、下記のページをご覧ください。
ウエットティシューラインナップ表
目や鼻、喉などの粘膜には、ウイルスや細菌などの異物を除去する粘膜免疫という機能が備わっています。空気が乾燥すると、この粘膜免疫の力が弱まってしまい、ウイルスが侵入しやすくなってしまいます。
空気が乾燥しやすい冬は加湿器などを使って、室内を50~60%の適度な湿度に保ちましょう。
体調を崩しやすい季節の変わり目や、インフルエンザの流行期を元気に乗り切るには、ウイルスや細菌を寄せつけない抵抗力=体力が必要です。体力をつけるには、食事・運動・休養(睡眠)が重要。日頃から、「栄養バランスの良い食事」と「適度な運動」「良質な睡眠」の3つを意識しましょう。
換気の悪い密閉空間にウイルスが持ち込まれると、吸い込んで感染してしまうリスクが高まります。気温の低い冬であっても、30分に1回を目安に窓を開け、定期的に外気を取り入れて換気しましょう。
風邪やインフルエンザは、免疫力を高める生活をしたり、ワクチンを接種したりといった予防が重要です。それでもかかってしまったときは、医療機関を受診しましょう。
また、肌触りの良いティシューペーパーをはじめ、体調が回復するまでの数日間を、少しでも快適に過ごせるアイテムを活用してみてください。
画像提供/PIXTA
風邪やアレルギーでつらい症状のひとつが、鼻水や鼻づまり。鼻のかみすぎで鼻の周りの肌が荒れてしまったという経験のある人も、多いのではないでしょうか。
そんな鼻症状がつらいときにおすすめなのが、エリエール史上最高にやさしいティシューペーパー「エリエール 贅沢保湿ティシュー」です。
化粧水にも使われる保湿成分「グリセリン」「コラーゲン」「ヒアルロン酸」に加えて、なめらか成分を配合。エリエール独自の「うるおいバリア製法(※)」で、肌の水分・油分を奪いにくいのが特長です。
※肌へのこすれリスク軽減を目指した当社製法
つらい鼻症状に、肌への負担を考慮した「エリエール 贅沢保湿ティシュー」を、ぜひお役立てください!
▼▼「エリエール 贅沢保湿ティシュー」については、以下バナーよりページをご覧ください▼▼
監修者のご紹介
木村 聡子先生
医師 医学博士 日本耳鼻咽喉科学会専門医 日本アレルギー学会専門医 補聴器適合判定医
大学病院、総合病院などを経て都内クリニック勤務。耳鼻咽喉科疾患全般において年齢層を問わず幅広く対応。丁寧な説明を心掛けている。