記事公開:2024.11.15
突然、我慢できないほどおしっこ(尿)がしたくなったり、モレそうになったりした経験はありませんか? 実際、急に強い尿意が起こることで、外出できないほど悩んでいる人も少なくありません。
今回は、尿が作られる仕組みや突然強い尿意が起こる理由、尿意を抑えるポイントのほか、おしっこが我慢できないときの対処法などについて解説します。
私たちの体の中では、常におしっこ(尿)が作られています。尿の役割は、体にとって不要なものを体外に排出することです。
まずは、尿が体内で作られる仕組みと、尿意を感じたときにおしっこを我慢できる構造について見てみましょう。
尿は、腎臓で血液をろ過して作られます。血液は、体の隅々まで酸素や栄養素を届けるとともに、全身から老廃物や有害物質などを回収しています。全身を巡って汚れた血液は、腎臓で老廃物や毒素、余分な水分などが取り除かれ、再びキレイな血液となるのです。このとき、血液から取り除かれた不要なものが、尿となります。
腎臓では常に尿が作られており、尿管を通って膀胱に集められています。個人差はあるものの、膀胱の容量は通常350~600ml程度。健康な成人の場合、150~200ml程度の尿が溜まると信号が脳へと伝わり、尿意として感じられます。
尿意を感じても、おしっこをするのに適した状況・環境でなければ、排尿できません。そのため、膀胱の最大容量と、尿意を感じ始める容量には差があり、その分だけ排尿を我慢できるようになっています。
なお、成人の排尿回数は、一般的に1日5~7回程度です。
おしっこを我慢できるのは、膀胱の出口にある内尿道括約筋(ないにょうどうかつやくきん)と外尿道括約筋(がいにょうどうかつやくきん)という、2つの筋肉のおかげです。
内尿道括約筋は、自分の意思で動かすことができない筋肉(不随意筋)ですが、外尿道括約筋は自分の意思で締め付けたり緩めたりできる筋肉(随意筋)となっています。
この2つの筋肉がギュッと尿道を閉じることで、私たちはすぐにトイレに行けない状況でも、ある程度の時間、排尿を我慢することができるのです。
尿意を感じたとき、私たちは自分の意思でおしっこを我慢して、適切なタイミングで排尿することができます。ところが、突然我慢できないほどの強い尿意が起こり、トイレに間に合わないというケースもあるのです。そうした突然起こる強い尿意を、尿意切迫感といいます。尿意切迫感は主に、過活動膀胱や膀胱炎などによって起こります。
過活動膀胱は、十分な尿が溜まっていないのに、膀胱が過剰に収縮して強い尿意を感じる症状です。加齢のほか、脳・神経系の病気、男性の場合は前立腺肥大症などが原因で発症することがあります。
膀胱炎とは、何らかの原因により膀胱が炎症を起こした状態です。膀胱炎になるとトイレに行く回数が増えたり、排尿時に痛みを感じたりするほか、尿が濁る、血尿が出るといった症状が現れます。
「おしっこを我慢しすぎると膀胱炎になる」と聞いたたことがある人も多いのでは?結論からいうと、おしっこの我慢しすぎが、膀胱炎の直接の原因になることはありません。ただし、おしっこの我慢が、間接的に膀胱炎のリスクを高める可能性があります。
膀胱炎は、膀胱内で細菌が繁殖することで起こる「急性膀胱炎」と、急性膀胱炎の放置やほかの病気が原因で症状が長びく「慢性膀胱炎」、細菌感染ではなく何らかの原因により炎症が起こる「間質性膀胱炎」に大きく分けられます。このうち、一般的に膀胱炎と呼ばれているのは急性膀胱炎です。
おしっこには汚いイメージがあるかもしれませんが、体内で作られて膀胱に溜まった尿は無菌状態。そのまま我慢していても、細菌が繁殖することはありません。急性膀胱炎の原因となる細菌は、主に尿道から侵入してくるのです。
通常、尿路内の細菌は、排尿時に洗い流されます。ところが、細菌が膀胱内まで侵入した状態で尿を我慢し続けると、膀胱内で細菌が繁殖してしまいます。
特に、ストレスや疲労によって免疫力が低下している状態では、感染リスクが高まるので要注意。適切なタイミングで排尿することが、膀胱炎予防のひとつの方法ともいえます。
なお、膀胱炎が悪化すると、増殖した細菌が腎臓にまで達して、より重篤な「腎盂腎炎(じんうじんえん)」という病気になることがあります。膀胱炎の症状が見られたときは放置せず、泌尿器科を受診しましょう。
快適な日常生活を送るには、尿意を適切にコントロールすることが重要です。突然の尿意でお悩みの人は、水分摂取量を調整したり、利尿作用がある飲食物の摂取を控えたりすることも考えてみてください。
過剰な水分摂取は、頻尿の原因となります。頻繁にトイレに行けないときは、水分摂取量を調整しましょう。国土交通省の資料「健康のため水を飲もう講座」では、人間は1日あたり約2.5Lの水分摂取が必要で、そのうち1.2Lを飲料から摂取することとしています。普段、1.2Lを大きく上回るほど飲料を摂取していてトイレが心配な場合は、水分摂取量を調整するのがおすすめです。
ただし、摂取する水分量が少なすぎると、脱水症などを引き起こすリスクが高まります。特に、夏場や運動後などは無理をせず、喉が渇いたと感じる前にこまめに水分を補給してください。
尿意をコントロールするには、カフェインやアルコールなど、利尿作用がある成分を含む飲食物の摂取に注意してください。
コーヒーや紅茶、緑茶のほか、エナジードリンクなどにもカフェインが多く含まれています。ハーブティーやデカフェ(カフェインレス)飲料などを選びましょう。
おしっこが我慢できないことは、日常生活にも悪影響を及ぼします。急な尿意が不安で、外出できなくなってしまう人も少なくありません。そこで、おしっこが我慢できないときの対処法をご紹介します。
おしっこが我慢できずに悩んでいるなら、まずは専門医の診察を受けてください。突発的な強い尿意は、何らかの病気が原因で起きているのかもしれません。泌尿器科医を受診すれば、原因の特定や適切な治療法の提案をしてもらえるでしょう。
なお、なるべく早期に受診するほど症状の悪化を防ぎ、効果的な治療につながる可能性が高まります。
尿意をコントロールするには、骨盤底筋を鍛えることが効果的です。骨盤底筋は、骨盤の底を覆っている筋肉群の総称で、排尿と密接な関係があります。
骨盤底筋トレーニングを行うことで、尿意を我慢する能力の向上が期待できるでしょう。
骨盤底筋トレーニングのやり方については、下記のページをご覧ください。
骨盤底筋トレーニングで不意の尿モレ対策!毎日続けて不安を解消
膀胱訓練は、膀胱に溜められる尿量を増やすトレーニングです。具体的には、尿意を感じたときすぐにトイレに行かず、足を組んで深呼吸をしたり、ほかのことに集中して気をそらしたりしながら、ぐっと我慢してください。次の尿意がきたときにトイレに行きます。水分の取り方にもよりますが、最終的には排尿間隔が2~3時間となることを目標に、少しずつ我慢する時間を延ばしていきましょう。
不意の尿モレや、頻繁にトイレに行けないことが気になる場合は、不安対策として尿とりパッドや紙パンツなどの吸水ケア用品を活用するのもよいでしょう。
吸水ケア用品をおまもり感覚で身につけておけば、急に強い尿意が起こったときでも安心です。
監修者のご紹介
井上 雅先生
日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、日本女性骨盤底医学会専門医、漢方専門医、日本性機能学会専門医。高知医科大学医学部医学科卒業、岡山大学大学院医歯学総合研究科卒業。岡山大学附属病院泌尿器科や岡山中央病院泌尿器科、岡山労災病院婦人科勤務を経て、2013年にみやびウロギネクリニックを開院。泌尿器科と婦人科の両面からの診療を行っている。
みやびウロギネクリニック
おしっこが我慢できず、「尿モレが心配」「頻繁にトイレに行けない」と悩んでいる人におすすめなのが、吸水ケア用品の「ナチュラ」シリーズです。吸収量や使用シーンで選べる、さまざまな形状・サイズをラインナップし、尿モレの不安のない快適な毎日をサポートします。
突然の我慢できない強い尿意には、急な尿モレでも水分をしっかりキャッチできる「ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン」がおすすめです。スピード吸収で、一気に出た水分も素早く吸収してモレ安心。<しなやかフィットライン>が理想の形をキープし、<ズレ防止テープ>が体の動きに合わせて密着します。ムレを軽減する全面通気性バックシートや、汗と尿のニオイのダブル消臭機能も備えています。
「ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン 20.5cm 30cc
ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン 24cm 50cc
吸水ケア用品を使いたいけれど、肌が敏感でかゆみが心配という人におすすめなのが、「ナチュラ さら肌さらり コットン100% ちょこっと吸水ナプキン」です。表面シートはコットン100%を採用。スピード吸収で表面に水分を残さず、さらっとした肌ざわりが続きます。<しなやかフィットライン>と<ズレ防止テープ>で、ヨレ・ズレを気にせず快適。全面通気性バックシートでムレを軽減するほか、汗と尿のニオイをダブルで消臭する機能も備えています。
「ナチュラ さら肌さらり コットン100% ちょこっと吸水ナプキン」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ さら肌さらり コットン100% ちょこっと吸水ナプキン 20.5cm 30cc
ナチュラ さら肌さらり コットン100% ちょこっと吸水ナプキン 24cm 50cc
朝起きた途端に強い尿意を感じて、トイレに駆け込んだり、尿モレが不安でぐっすり眠れなかったりする人におすすめなのが、就寝前におまもり感覚でつける「ナチュラ 夜つけて朝あんしん 吸水パッド」です。ドッと出た水分も素早く吸引※し、表面に水分を残さない<瞬間吸収スリット>を搭載。寝ているあいだのムレを軽減する全面通気性バックシートや、汗と尿のニオイをダブルで消臭する機能も備えています。
※ 大王製紙測定方法による。
「ナチュラ 夜つけて朝あんしん 吸水パッド」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ 夜つけて朝あんしん 吸水パッド 26cm 85cc
ナチュラ 夜つけて朝あんしん 吸水パッド 29cm 130cc
突然の強い尿意で、おしっこが我慢できないときは、何らかの病気が原因かもしれません。尿意切迫感があるときは、早めに病院を受診しましょう。また、水分摂取量や飲食物に注意し、骨盤底筋や膀胱のトレーニングをすることも効果的です。
なお、おしっこが我慢できないことが心配なときは、吸水ケア用品を活用するのがおすすめ。おまもり感覚で身につけておけば、不意な尿意のときも安心です。
おしっこが我慢できないほど強い尿意を感じる理由は、過活動膀胱や膀胱炎などの可能性があります。 過活動膀胱は、十分な尿が溜まっていないのに、膀胱が過剰に収縮して強い尿意を感じる症状です。加齢のほか、脳・神経系の病気、男性の場合は前立腺肥大症などが原因で過活動膀胱になることがあります。
膀胱炎とは、何らかの原因により膀胱が炎症を起こした状態です。膀胱炎になるとトイレに行く回数が増えたり、排尿時に痛みを感じたりするほか、尿が濁る、血尿が出るといった症状が現れます。
おしっこを我慢すること自体が直接膀胱炎を引き起こすわけではありませんが、間接的に膀胱炎のリスクを高める可能性があります。
一般的に膀胱炎といわれる「急性膀胱炎」は、尿道などから侵入した細菌が、膀胱内で繁殖することで起こります。通常、排尿時に尿路内の細菌は洗い流されて排出されますが、細菌が膀胱内に侵入した状態で尿を我慢し続けると、膀胱内で細菌が繁殖してしまいます。
特に、ストレスや疲労によって免疫力が低下している状態では、感染リスクが高まるので、適切なタイミングで排尿することが膀胱炎予防のひとつの方法といえるでしょう。
おしっこが我慢できない場合の効果的な対処法には、下記のようなものがあります。
・医療機関の受診:泌尿器科医の診察を受け、原因を特定して適切な治療を受けましょう。
・骨盤底筋・膀胱トレーニング:排尿に関わる骨盤底筋を訓練することで、尿意を我慢できる能力が向上します。また、尿意を感じても排尿を我慢するようにすることで、膀胱に溜められる尿量を増やすことが期待できます。
・吸水ケア用品の活用:尿モレや頻繁にトイレに行けないことが気になる場合は、不安対策として尿とりパッドや紙パンツなどの吸水ケア用品を活用するのもよいでしょう。
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