記事公開:2024.01.19
気温が下がるにつれて、トイレが近くなったり、尿モレをしたりする人が多くなります。大量に汗をかき、頻繁に水分補給をする夏よりも、冬にそれが起きるのはなぜなのでしょうか。
本記事では、寒いとトイレが近くなる理由と、尿モレ対策などについて解説します。
寒くなることでトイレに行きたくなる原因は、大きく3つ考えられます。まずは各原因について、詳しく見ていきましょう。
暑い夏はじっとしていても汗をかきますが、冬は激しく運動しない限り、あまり汗をかきません。
汗や尿には体内の水分量を調整する働きがあり、汗をかく量が多ければ尿が少なくなり、反対に汗をかく量が減れば余分な水分を体外へ排出するために尿の量が増えます。
そのため、気温が下がって汗をかかなくなると、トイレに行く回数が増えるのです。
寒くなると、手足の先が冷えると感じる人は多いでしょう。これは、体温が奪われるのを防ぐため、手足をはじめとする体の末端の血管が縮むからです。
その結果、末端へ流れる血液量が減り、その分、主に内臓へ流れる血液量が増えます。尿を作る内臓である腎臓へ送られる血液量も増えるため、尿の生産量が増加します。
寒さによる刺激で交感神経の働きが強くなることも、トイレが近くなる大きな原因です。交感神経とは、自律神経の中でも臓器や器官などの働きを活性化する神経のこと。寒さによって交感神経の働きが優位になると全身の筋肉が緊張し、膀胱の筋肉も収縮してしまうため尿を溜めにくくなり、トイレが近くなります。
寒くなるとトイレが近くなるだけでなく、尿モレの心配も増えます。尿モレは生活の質を低下させるため、気になる症状があれば、泌尿器科や婦人科の診察を受けましょう。
ここからは、尿モレについて下記の4つのタイプについて解説します。
咳やくしゃみをする、重い物を持つ、笑うなど、おなかにぐっと圧力がかかることをきっかけに尿がモレる症状を腹圧性尿失禁といいます。主に、膀胱や尿道を支え、尿道を締める役割を持つ骨盤底筋の衰えが原因です。この筋力が衰えると、尿意が生じたときに尿道を締めることができず、尿モレにつながります。
骨盤底筋は、妊娠・出産でもダメージを受けるため、女性が経験する尿失禁の原因の中で最も多いものです。そのほか、加齢や排便時の強いいきみなども原因になります。一般的に骨盤底筋を強化する運動や、肥満の場合は減量で症状が軽減されます。
切迫性尿失禁は、突然の尿意を我慢できずトイレにたどり着く前にもらしてしまう症状です。腹圧性尿失禁よりモレる量が多く、生活に支障をきたします。服薬により、症状が改善されることが多いです。
溢流性(いつりゅうせい)尿失禁は、何らかの原因で尿路が閉塞してしまい、尿を出したいのに出せない、または少しずつモレ出してしまう症状です。主に前立腺疾患や骨盤臓器脱、糖尿病などが原因で、服薬や手術などの治療が有効です。
機能性尿失禁は、尿を出す機能には異常がないにもかかわらず、身体機能の低下や認知症が原因で尿モレを発症するタイプです。歩行障害でトイレに行くこと自体が間に合わない、あるいは認知症でトイレに行くことを忘れてしまうなどのケースがあります。おむつをしたり、ポータブルトイレを設置したりするのがおすすめです。
一般的に、1日の平均的な排尿の回数は5~7回です。年齢などによっても異なりますが、寝ているあいだにトイレに行く回数の平均も0~1回程度。しかし、中にはこれを超えてトイレに行きたくなる人がいます。
平均的な回数を明らかに超えてトイレに行く回数が多い場合には、膀胱腫瘍、尿路感染症、腎疾患、子宮筋腫など、さまざまな病気が潜んでいる可能性もあるため注意が必要です。
気になる場合は医師に相談してみるといいでしょう。
尿モレがあると、外出が怖くなったり、気持ちが落ち込んだりすることが増えるかもしれません。こうした事態を避けるために大切なのが、冷え対策と尿モレ対策です。
ここからは、冷え対策と尿モレ対策のポイントを見ていきましょう。
頻尿対策として第一に挙げられるのが、体を冷やさないことです。特に、人間ドックや健康診断で内臓などに異常が見つからなかった場合は、冷えによる頻尿であることがほとんどです。
冷たいものや水分のとりすぎは体を中から冷やし、頻尿につながるため避けましょう。利尿作用があるカフェインやアルコールの摂取量にも注意が必要です。
冷たい飲み物を避けるなど、体を体内から冷やさないようにするのと同時に、温かい服装をして体を外気の冷えから守ることも大切です。血流の多い動脈が走っている首、手首、足首を包むような服装を心掛けると、体を効率的に温めることができます。
寒くなると汗をかく量が減り、その分だけ体内の水分を排出するために尿量が増えるため、意識的に汗をかくようにしましょう。適度に汗をかくウォーキングやジョギングなどがおすすめです。
尿を体内にとどめるストッパーのような役割を果たす骨盤底筋のゆるみは、簡単に鍛えることができます。
横になり、尿道や肛門、膣を締めたりゆるめたりする動きを2、3回繰り返すだけ。立位や座位でも同じ効果が期待できるので、ぜひ試してみてください。
万全の対策をしたつもりでも、尿モレが起こることはあります。不快感があったり、ニオイが心配で外出を楽しめなくなったりすることがないよう、「もしも」に備えて吸水ケア用品を使用しましょう。機能性が高く、吸収力や消臭機能に優れているものなら、万が一の際もしっかりフォローしてくれます。
監修者のご紹介
伊藤 友梨香先生(泌尿器科専門医)
日本泌尿器科学会所属。大学病院の泌尿器科医局に所属し、一般泌尿器、不妊治療などの経験を積んだ後、療養透析を中心とした全身疾患を扱う療養型病院に勤務。雑誌・テレビなどのメディアでも活躍する。
もしもの尿モレに備えるなら、エリエールの「ナチュラ」がおすすめです。
「専用品を買うのは面倒」と、生理用ナプキンやおりものシートでの代用を考えている方は多いかもしれません。しかし、尿は血液にくらべて粘性が低く、出るスピードが速い上に一度に排出される量が多いものです。生理用ナプキンでは、尿モレをキャッチしきれない可能性もあります。
一方、吸水ケアは、尿の特性に特化した商品です。「ナチュラ」は赤ちゃんのおむつなどに使われている吸水材を使用しており、尿をサッと吸収して逆戻りを防ぎます。
そのため、ムレや不快感、ニオイなどを軽減し、肌に触れる場所はいつでもさらさらの状態を保っています。
エリエールの「ナチュラ」なら、尿モレの量や必要な機能に応じて使い分けが可能です。全部で3つのタイプがあり、自分の悩みにフィットするタイプを選べます。
せきやくしゃみなど、止めようのない不意の尿モレが多い場合は、「ナチュラ さら肌さらり おまもり吸水ライナー」がおすすめ。生理用ナプキンよりも薄くて軽い※2mmの吸収体でムレにくく、さらっとした肌ざわりです。
※大王製紙調べ。当社、昼用生理用ナプキンと比較。
「ナチュラ さら肌さらり おまもり吸水ライナー」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ さら肌さらり おまもり吸水ライナー
頻度は少ないけれど、尿意が強くトイレに間に合わないことが多い場合は、水分をキャッチする力が強い「ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン」がおすすめです。
<しなやかフィットライン>と<ズレ防止テープ>が理想の形をキープして、ズレ・ヨレを予防します。吸水後もサラサラ感が続くのがうれしいポイント。
「ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ さら肌さらり ちょこっと吸水ナプキン
朝起きた瞬間に強い尿意があったり、長時間トイレに行けなかったりすることが多い場合は、夜から使う、朝専用の「ナチュラ 夜つけて朝あんしん 吸水パッド」をお試しください。ドッと出た水分も素早く吸引※し、表面に水分を残さない<瞬間吸収スリット>が採用され、いつでもさらっと快適に過ごせます。
※大王製紙測定方法による。
「ナチュラ 夜つけて朝あんしん 吸水パッド」については、下記のページをご覧ください。
ナチュラ 夜つけて朝あんしん 吸水パッド
体の内側からも外側からも冷えやすい寒い季節は、性別や年齢にかかわらず頻尿や尿モレに悩みやすい時季です。基本的な対策に加えて吸水ケア用品を活用して、毎日を快適に過ごしましょう。
尿モレが起きたと思ったら、できるだけ早く交換しましょう。汚れていないときもトイレに行ったら交換するようにして、最低でも1日1回は交換することをおすすめします。
寝る前は、利尿作用のあるお酒やカフェインの摂取を控えましょう。体を冷やさないようにして寝るのも効果的です。
こまめにトイレに行くことを第一として、ゆるみがちな骨盤底筋を鍛えるトレーニングをおすすめします。尿道や膣、肛門をきゅっと締めたり、ゆるめたりすることで簡単に鍛えられます。
画像提供/PIXTA
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