記事公開:2024.11.11
浴室や洗面所、キッチンなどにある蛇口の水が出る所(吐水口)は、普段のお掃除で見落としがちなポイント。そのまま放置してしまうと、気づいたときには白い結晶や黒い汚れがついて、ザラザラ・ベタベタしているなんてことにもなりかねません。
今回は、蛇口の水が出る所につく汚れの種類別に、効果的なお掃除方法をご紹介。さらに、汚れをつきにくくする対策についても見ていきましょう。
蛇口の水が出る吐水口は、下を向いていることが多いので、汚れに気づきにくくお掃除を忘れがちです。清潔な水が流れる部分なので汚れにくそうですが、実際に見てみると想像以上に汚れていることも。まずは、蛇口の水が出る所につく、代表的な4種類の汚れについて解説します。
吐水口につく、白い粉のような汚れは水垢です。水垢とは、水が蒸発した後、水道水に含まれているミネラル成分が残って結晶化したもの。主成分はカルシウムやマグネシウムで、放置するとどんどん蓄積されて落としにくくなります。
水自体が原因なので、吐水口だけでなく蛇口の根元やシンクなど、水を使用するあらゆる所についてしまう可能性があります。
蛇口付近についたピンクの汚れの正体は、ロドトルラです。ピンクカビや赤カビと呼ばれることもありますが、カビ(真菌)ではなく酵母菌の一種。
人体への害はほとんどありませんが、ぬるぬるとしていて見た目が気持ち悪いのも特徴です。浴室や洗面所など、湿気の多い場所によく発生します。
吐水口や蛇口の付け根付近などについた黒い汚れは、黒カビです。黒カビは見た目が不衛生なだけでなく、アレルギー症状などを引き起こす可能性があります。
暖かくジメジメとした環境を好むため、浴室やキッチンまわりに発生しやすいのが特徴です。
キッチンの蛇口付近についたベタベタとした汚れは、油汚れや皮脂汚れと考えられます。これは、調理中の油はねや、手指から付着した皮脂などによるもの。
放置すると汚れが固まって落としにくくなるほか、黒カビ発生の原因にもなります。
蛇口の水が出る吐水口の汚れは、その種類によって最適なお掃除方法が異なります。吐水口の汚れをチェックして、効率良く汚れを落としましょう。ここでは、汚れの種類別に、蛇口のお掃除方法と手順を解説します。
水垢を除去するには、クエン酸を使用するのが効果的です。酸性のクエン酸は、水垢の主成分であるカルシウムと反応して、落としやすくする効果があります。
また、クエン酸は食品添加物としても使用される安全な物質なので、キッチンや洗面所での使用に適しています。
<水垢掃除に用意するもの>
・クエン酸(粉末タイプ)
・歯ブラシ
・拭き取り用の布・ペーパータオル
・輪ゴム
・ポリ袋
<吐水口の水垢掃除の手順>
1. ぬるま湯200mlにクエン酸小さじ1杯(約5g)を溶かして、クエン酸水を作る。
2. クエン酸水をポリ袋に入れ、蛇口の吐水口が浸かるように被せ、輪ゴムで固定する。
3. 30分から1時間程放置した後、歯ブラシで汚れをこすって、水で洗い流す。
4. 乾いた布、またはペーパータオルで拭き取る。
なお、シャワーヘッドや泡沫ユニットのように複雑な形状をした吐水口は、分解してつけ置き掃除するのがおすすめです。説明書を見ながら分解した部品を、クエン酸水に30分から1時間つけ置きし、歯ブラシで軽くこすって水で洗い流します。その後、元通りに組み立てましょう。
また、蛇口のハンドルやパイプ部分についた水垢を落とすには、クエン酸水を含ませたペーパータオルを巻き付けて、乾かないように上からラップを巻き、1時間程放置します。
その後、巻いていたペーパータオルでこすって、汚れを落としてください。最後にしっかり水で洗い流して、乾いた布かペーパータオルで水気を拭き取ります。
ピンク色をしたロドトルラや、ベタベタとした油汚れ・皮脂汚れには、アルコール除菌スプレーを使ったお掃除が効果的です。アルコール除菌スプレーには除菌だけでなく、油汚れを溶かして落としやすくする効果があります。アルコールは病院の消毒にも使用される物質なので、浴室や洗面所、キッチンなどでの使用に適しています。なお、アルコール除菌スプレーは、アルコール濃度が70~80%のものがもっとも除菌・消毒効果があるとされています。
<ロドトルラや油・皮脂汚れ掃除に用意するもの>
・アルコール除菌スプレー
・拭き取り用の布・ペーパータオル
<吐水口のロドトルラ・油・皮脂汚れ掃除の手順>
1. 汚れにアルコール除菌スプレーを吹きかける。
2. 乾いた布、またはペーパータオルで拭き取る。
3. 落ちにくい場合は1~2を繰り返す。
黒カビ掃除には、クエン酸と重曹を組み合わせて使用するのが効果的です。クエン酸と重曹が反応して発生する泡(炭酸ガス)の力で、黒カビを浮かせます。
<黒カビ掃除に用意するもの>
・クエン酸
・重曹
・スプレーボトル
・歯ブラシ
・拭き取り用の布・ペーパータオル
<黒カビ掃除の手順>
1. ぬるま湯200mlにクエン酸小さじ1杯(約5g)を溶かして、クエン酸水を作る。
2. クエン酸水をスプレーボトルに入れ、黒カビの付着している部分に吹きかける。
3. 重曹を歯ブラシにつけて、黒カビ部分をこする(クエン酸と重曹が反応して泡立つ)。
4. 水で十分に洗い流し、乾いた布、またはペーパータオルで拭き取る。
浴室や洗面所、キッチンなどの蛇口の水が出る吐水口は、クエン酸や重曹、アルコールといった、食品にも使用される安全な成分でお掃除することができます。ただし、吐水口のお掃除にはいくつか注意すべき点があります。
ここでは、蛇口をお掃除する上で気をつけたいポイントをご紹介しましょう。
蛇口のお掃除をするときは、素手ではなく必ずゴム手袋をつけます。クエン酸や重曹、アルコールは食品にも使用される安全な成分ですが、肌の敏感な方は肌荒れを起こす原因にもなりかねません。
また、細かい部分のお掃除に夢中になっていると、クエン酸水や重曹水、アルコール除菌スプレーの飛沫が目に入ってしまう危険があります。メガネをかけるか、できれば目を守るゴーグルを着用すると、安心してお掃除に集中できるでしょう。なお、アルコールは引火しやすいため、火のそばでは使用しないでください。
お掃除の効率をよりアップさせるため、洗剤を併用したくなるかもしれません。ですが、クエン酸やアルコールでお掃除をしているときは、カビ取り剤や漂白剤などの「塩素系洗剤」を絶対に併用しないでください。クエン酸やアルコールと塩素系洗剤を混ぜると、有害な塩素ガスが発生するので非常に危険です。
また、クエン酸やアルコールを使った掃除の前後に塩素系洗剤を使用する場合は、先に使用した成分を水で十分に洗い流してから行ってください。
蛇口や水まわりのお掃除にメラミンスポンジを使用する場合は、強くこすらないように注意してください。メラミンスポンジは、汚れを削り落とすお掃除アイテムです。メラミンスポンジで強くこすると、蛇口やシンクなどの表面に、目に見えない細かい傷がついてしまいます。その傷に水垢や黒カビなどが入り込んでしまうと、落とすのが非常に困難です。
メラミンスポンジを使用する場合は、軽く押し当てる程度で、円を描くようにやさしくこすってください。
蛇口の水が出る吐水口をお掃除した後は、できる限りキレイな状態をキープしたいもの。ここでは、水まわりの輝きを長期間守るコツをご紹介します。毎日のちょっとした心掛けで、清潔な水まわりを維持することができるでしょう。
入浴時に体を洗ったときや、洗面所のハンドソープで手を洗ったとき、キッチンで食器を洗ったときなど、それぞれの泡を使って蛇口をさっと洗うことを習慣化しましょう。そうすることで、蛇口がきれいな状態を保つことができます。
入浴後や手洗い・洗顔後、調理後は、蛇口や水まわりを乾拭きして、こまめに水分を拭き取りましょう。水滴がついたままにしておくと、乾燥する際にミネラルが残って水垢となってしまいます。
また、湿った状態が続くと、ロドトルラやカビが発生する原因にもなりかねません。吐水口だけでなく、蛇口の根元や継ぎ目などの水が溜まりやすい場所も、サッと拭き取ってください。
蛇口をはじめとする水まわりに撥水コーティングを施すのも、水垢や汚れの付着防止に効果的です。撥水コーティングとは、物の表面に超薄膜の保護層を形成するもの。水や油をはじくようになるので、水垢や汚れの付着を防ぐ効果が期待できます。撥水コーティング剤は、ホームセンターなどで簡単に入手可能です。
使用法や効果の持続期間は製品によって異なりますが、一般的にはキレイにお掃除した後、コーティング剤を塗布して乾燥させるだけで、2週間~1ヵ月程、撥水効果が持続します。定期的にお掃除・再コーティングを行うことで、水まわりの美しさを保つことができます。
監修者のご紹介
本間 朝子さん
知的家事プロデューサー。自身が仕事と家事の両立に苦労した経験から、効率的な家事メソッド「知的家事」を考案。NHK「あさイチ」、日本テレビ「ヒルナンデス!」などのテレビや、「クロワッサン」「ESSE」などの雑誌に出演。産経新聞で「ゼロ家事のススメ」を連載中。便利な家事アイテムの商品企画も行う。著書に「60歳からの疲れない家事」「写真で分かる!家事の手間を9割減らせる部屋づくり」(ともに青春出版社)など。
オフィシャルサイト
浴室、洗面所、キッチンなどの蛇口や水まわりをキレイに保つには、普段からのこまめなお掃除が重要です。水垢や黒カビといった頑固な汚れになる前に、「水まわりを使ったらサッとお掃除」を習慣化しましょう。
毎日の手軽なお掃除におすすめなのが、住空間の“キレイを気楽に”する拭き掃除ブランド「キレキラ®!」シリーズです。
「キレキラ!バスルームクリーナー 徹底キレイ ウエットシート」は、スポンジや洗剤が不要なシートタイプのバスルームクリーナーです。3層構造の厚手シートには、独自形状の凸凹加工を施し、シート全面で汚れを徹底的にキャッチ。界面活性剤を配合した弱酸性の洗浄液を含んでおり、汚れを落とすだけでなく、除菌99.9%※1・防カビ効果※2もあります。ワイパーに取り付ければ、天井や壁の高い所のお掃除も簡単。浴室だけでなく、洗面所の蛇口や洗面ボウル、洗濯パン、扉のレールなど、家中いろいろな場所の拭き掃除に、サッと取り出して使用できます。
※1 特定の菌・条件下で試験。すべての菌に同様の効果が得られるものではありません。
※2 繊維強化プラスチック(FRP)で試験。すべてのカビに効果が得られるものではありません。
「キレキラ!バスルームクリーナー 徹底キレイ ウエットシート」については、下記のページをご覧ください。
キレキラ!バスルームクリーナー 徹底キレイ ウエットシート
浴室、洗面所、キッチンなどにある蛇口の水が出る吐水口は、毎日お掃除をしていてもつい見逃しがちなポイント。ふと気づくと、水垢やロドトルラ、黒カビ、油・皮脂汚れといった汚れが付着していることもあります。放置していた吐水口の汚れは、簡単には落ちないもの。今回ご紹介した方法で、徹底的に汚れを落としてください。
また、頑固な汚れにならないよう、普段からこまめにお掃除することが大切です。水まわりを使用した後の拭き掃除に、「キレキラ!」シリーズをぜひお役立てください。
浴室、洗面所、キッチンなどにある蛇口の水が出る所(吐水口)につく汚れは、下記の4種類が一般的です。
・白い汚れ:水垢。水に含まれるミネラル成分が、水分の蒸発後に残って汚れとなる。
・ピンクの汚れ:湿気の多い環境を好む、ロドトルラという酵母菌によるもの。
・黒い汚れ:黒カビ。見た目が不衛生なだけでなく、アレルギー症状を引き起こす可能性がある。
・ベタベタした汚れ:油・皮脂汚れ。調理中の油はねや手指から付着した皮脂などが原因。
蛇口の水が出る所(吐水口)のお掃除法は、汚れの種類によって異なります。
・白い汚れ(水垢)のお掃除:蛇口をクエン酸水に30分~1時間浸け、歯ブラシで軽くこすって、水で洗い流す。
・ピンクの汚れ(ロドトルラ)、ベタベタした汚れ(油・皮脂汚れ)のお掃除:アルコール除菌スプレーを吹きかけて、布やペーパータオルで拭き取る。
・黒い汚れ(黒カビ)のお掃除:クエン酸水をスプレーした後、重曹を歯ブラシにつけてこすり、水で洗い流す。
浴室、洗面所、キッチンなどの蛇口を常にキレイな状態に保つには、下記の3つのコツがあります。
・蛇口掃除を習慣化:入浴時に体を洗ったときや、洗面所のハンドソープで手を洗ったとき、キッチンで食器洗いをしたときに、蛇口もサッと洗う習慣をつける。
・こまめな水分の拭き取り:使用後に蛇口を拭いて水分を取ることで、水垢やカビの発生を防ぐことができる。
・撥水コーティング:ホームセンターなどで入手可能な撥水コーティング剤を使用することで、水滴や汚れの付着を軽減できる。
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