記事公開:2022.9.30
「花粉症は春に起こるもの」と思っている方は多いかもしれません。確かに、春に飛散するスギ花粉やヒノキ花粉は、花粉症の原因になることが知られています。ところが、花粉が飛ぶのは春だけではありません。秋に飛散する花粉も、くしゃみや鼻づまりなど、さまざまな症状を引き起こすことがあるのです。
そこで今回は、秋の花粉症を引き起こす主な植物やその特徴のほか、ご家庭でできる花粉症対策についてご紹介します。
花粉症は、体内に入った異物(花粉)を排除しようとして起こる、「アレルギー性鼻炎」です。アレルギー性鼻炎は、大きく「通年性アレルギー性鼻炎」と「季節性アレルギー性鼻炎」に分けられます。
通年性アレルギー性鼻炎は、ホコリやダニ、ペットの毛などが主な原因で、一年中、鼻炎症状が起こるもの。一方の季節性アレルギー性鼻炎は、決まったシーズンに飛ぶ花粉などが原因で、一年の特定の時期にだけ鼻炎症状が現れるものです。
花粉症の人の数を、正確に調査したデータはありません。ですが、環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」には、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象に過去3回実施した、鼻アレルギーの調査結果が掲載されています。なお、最新の調査結果である2019年の花粉症有病率は、推定で42.5%でした(環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」P5「4.花粉症の患者数」より)。
「秋になると、なんだか鼻がグズグズする…」「くしゃみが止まらない」という方も少なくありません。そもそも、秋の花粉症とはどのようなものなのでしょうか。秋の花粉症を引き起こす植物や、花粉の飛散時期といった基礎知識をご紹介します。
秋の花粉症を引き起こす主な原因は、ブタクサやヨモギ、カナムグラといった背の低い雑草である、「草本植物(そうほんしょくぶつ)」の花粉です。草本植物の花粉は、スギやヒノキといった「木本植物(もくほんしょくぶつ)」の花粉のように、風に乗って数十~数百kmも飛散することはありません。ところが、これらの植物は、公園や河川敷、道ばた、家の庭など、身近な所によく生えています。
また、これらの草本植物は背丈が低いものも多く、外出先で靴や衣類に花粉がつきやすいのも特徴。付着した花粉に気づかず、そのまま家に持ち帰ってしまうことがあるのです。
さらに、花粉の粒子の大きさにも違いがあります。スギ花粉の大きさは30~40μm(マイクロメートル:1μm=0.001mm)ですが、ブタクサの花粉はその半分程度の18~20μm。換気口の隙間などから、簡単に家の中へと侵入してしまいます。これらの理由から、秋は花粉にふれる機会が多いのです。
・ブタクサ(キク科)
花粉の飛散時期:8月上旬~12月下旬
花粉の大きさ:18~20μm
・ヨモギ(キク科)
花粉の飛散時期:7月下旬~11月中旬
花粉の大きさ:22~25μm
・カナムグラ(アサ科)
花粉の飛散時期:8月中旬~11月中旬
花粉の大きさ:22~25μm
環境省の「花粉症環境保健マニュアル2022」によれば、ブタクサやヨモギ、カナムグラなどの花粉は、8月下旬~10月に飛散のピークを迎えます。ただし、地域によってはブタクサの花粉が12月頃まで飛ぶことも。
東京都福祉保健局の「東京都アレルギー情報navi.」のように、秋の花粉飛散状況を公開しているウェブサイトもあります。秋の花粉症でお悩みの方は、お住まいのエリアの花粉飛散状況を把握しておくといいでしょう。
秋の花粉症の代表的な症状は、春の花粉症と同様、何度も繰り返す「くしゃみ」、透明でサラサラとした「鼻水」、呼吸が苦しい「鼻づまり」の3つです。これらは、花粉症の3大症状とも呼ばれています。
ほかにも、目のかゆみや充血、涙といった症状のほか、喉の違和感や皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽさといった症状が現れるケースがあります。中には、リンゴや桃などの果物を食べたとき、口の中がかゆくなったり、腫れたりする「口腔アレルギー症候群」を発症する方も。さらに、こうしたさまざまな症状が原因で、睡眠不足や食欲不振となる方もいます。
秋の花粉症は、人によってさまざまな症状が現れるため、ほかの病気と間違えてしまうことがあります。症状改善のためには、安易に自己判断せず、病院の受診やドラッグストアの薬剤師へ相談することが大切です。ここでは、秋の花粉症と間違いやすい症状についてご説明します。
「花粉症は春になるもの」というイメージがあるため、くしゃみや鼻水、喉の違和感などの症状を、季節の変わり目の風邪症状と勘違いする方も少なくありません。そこで、秋の花粉症と風邪の症状の違いをまとめてみました。
■秋の花粉症と風邪症状の違い
毎年、夏の終わりから秋頃の時期になると、鼻や目などに不調が出やすく、症状も長く続きがち…という場合は、秋の花粉症である可能性があります。花粉症と風邪では、症状に対して効果のある医薬品も違うので、まずは病院を受診しましょう。
同じアレルギー性鼻炎でも、原因が花粉とは限りません。花粉症とよく間違えられるのが、ハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎です。
ハウスダストとは、1mm以下のホコリやちりのこと。服などの繊維のくずや、ダニの死骸、砂、カビ、細菌などの集合体で、1gあたり約2,000~3,000匹のダニの死骸が含まれているといわれます。
なお、ダニは目に見えないほど小さいため気づきにくいのですが、「ダニのいない家はない」といわれるほど身近な存在。家の中にいるダニの多くは、人間を刺したり吸血したりといった、直接的な害を加えることはありませんが、ダニの死骸やフンが体内に入ると、アレルギー症状を引き起こすことがあるのです。
また、ダニは高温・多湿を好むため、梅雨時期~夏に大繁殖しがち。ダニの寿命は2~3ヵ月なので、秋になるとダニの死骸が増え、アレルギーを起こしやすくなります。外出時よりも、家の中でのアレルギー症状がつらいときは、ハウスダストが原因かもしれません。まずは、病院で検査してもらうことをおすすめします。
秋の花粉症対策は、「なるべく花粉に接触しないこと」が重要です。秋の花粉にふれない、また、家の中に持ち込まないためのポイントを見ていきましょう。
花粉にふれたり、花粉が衣類に付着したりするのを避けるためにも、ブタクサやヨモギ、カナムグラなどには近づかないことが重要です。こうした植物が生えていることの多い公園や草原、川辺、土手などの場所には、なるべく行かないようにしましょう。
また、アレルギー症状を引き起こす植物の画像をチェックしておき、もし自宅の庭に生えていたなら、花が咲く前に除草することをおすすめします。さらに、通勤・通学時や、普段の散歩などで通る道にこれらの植物がないかを確認し、生えている場合はルートを変えることも検討してください。
秋の花粉症の原因となる植物に近づかないように注意しても、靴や衣類に花粉が付着してしまうことがあります。そこで、外出先から帰宅したときや洗濯物を取り込むときには、衣類や靴の表面についた花粉をよく払い落としてください。家に入る前に、花粉を落とすことが重要です。また、花粉シーズンの服装は、花粉がつきにくい凹凸の少ない生地のものを選ぶといいでしょう。
アレルギー性鼻炎を起こさないためには、体内に花粉を入れないことが重要です。マスクや眼鏡などで花粉が体に入らないようしっかりとガードし、体についてしまった花粉は、体内に入る前に洗顔やうがいで洗い流しましょう。
・マスクや眼鏡、帽子
マスクは、顔に花粉が付着するのを防ぐほか、吸い込む花粉の量を減らす効果が期待できます。また、眼鏡や帽子を着用することで、目の粘膜への花粉の付着や、髪の毛についた花粉が家の中に持ち込まれるリスクを軽減できます。
・洗顔、うがい、鼻うがい、洗眼
外出先から帰ったときは、まず洗顔をして顔についた花粉を落とし、うがいで喉に付着した花粉を洗い流しましょう。また、鼻や目の粘膜に付着した花粉には、鼻うがいや洗眼薬での洗浄が効果的です。
秋の花粉は非常に小さいため、窓や換気口などから家の中に侵入してしまう可能性があります。こまめに家の中をお掃除して、花粉をできるだけ残さないようにしましょう。ここでは、花粉が溜まりやすい家の場所別に、お掃除のコツをご紹介します。
・玄関
玄関周りは、靴やコートについた花粉が落下して溜まりやすい場所です。掃き掃除をすると、花粉が宙に舞う可能性があるため、水で濡らした新聞紙をちぎってまいてから掃き取りましょう。新聞紙に花粉が付着し、飛散防止につながります。
・フローリングや畳
フローリングや畳に落ちた花粉を吸い取ろうと掃除機をかけると、掃除機から出る排気により、花粉が部屋中に飛び散ってしまいます。花粉には、フロアワイパーなどを使った拭き掃除のほうがおすすめです。
・電化製品
テレビやオーディオなどの電化製品は、静電気によって花粉が付着しやすいという特性があります。こまめに拭き掃除をして、花粉を残さないようにしましょう。
・窓やカーテン、換気口
窓のサッシやカーテン、換気口は、風によって運ばれてきた花粉が溜まりやすい場所です。忘れずに拭き掃除をしましょう。
エリエールには、おしゃれな高機能マスクや肌に優しいティシュー、手軽に使えるお掃除グッズなど、秋の花粉症対策に効果的な商品がそろっています。ここでは、特におすすめのアイテムをご紹介しましょう。
「エリカラ」は、機能性と快適性を兼ね備えたハイパーブロックマスクです。3層構造の不織布と超極細高機能フィルターが、花粉やハウスダスト、PM2.5をしっかりブロック。肌になじむナチュラルカラーの4色展開で、毎日使用する秋の花粉対策マスクにピッタリです。
エリカラ~エリエール&カラフルマスク~
※『リラカラ』から『エリカラ』へと、在庫がなくなり次第、順次移行してまいります。
「エリエール 贅沢保湿」は、肌との摩擦を軽減させる、滑らか成分を配合したティシューです。保水成分+高分子保水成分+コラーゲンに加え、ヒアルロン酸を追加したことで、よりしっとりと滑らかな肌触りを実現。鼻をかむことが多い、秋の花粉症シーズンのお肌を優しくケアします。
贅沢保湿|エリエールティシューペーパー
「キレキラ!」は、拭き掃除にかかる手間と時間を大きく軽減させる、お掃除アイテムシリーズです。床に落ちた花粉は、掃除機をかけると宙に舞いやすいもの。そこで、フロアワイパーや湿ったシートでの拭き取りが効果的です。秋の花粉が気になる季節は、「キレキラ!ワイパー徹底キレイ ウエットシート/Light」と「キレキラ!ルームクリーナー 徹底キレイ お掃除クロス」が活躍します。
キレキラ!|お掃除用品
・キレキラ!ワイパー徹底キレイ ウエットシート/Light
除菌99.9%、ウイルス除去、24時間抗菌機能付きのフロアワイパー用ウエットシート。床に落ちた花粉はもちろん、汚れやベタつき、ウイルスも除去します。両面で約30畳拭くことができる「キレキラ!ワイパー徹底キレイ ウエットシート」と、スポット掃除にピッタリの「キレキラ!ワイパー徹底キレイ ウエットシート Light」の2つをラインナップ。最後までウエット感が長持ちします。
キレキラ!商品紹介「キレキラ!ワイパー 徹底キレイ ウエットシート」
・キレキラ!ルームクリーナー
植物由来の洗浄成分(中性薬液)を配合した、厚手で丈夫なルームクリーナー。花粉やハウスダストなどの汚れ落としに加え、除菌99.9%・ウイルス除去もできます(すべての菌やウイルスを除去できるわけではありません)。家具はもちろん、テレビやオーディオといった、静電気で花粉を引き寄せやすい家電類の拭き上げに適しています。
キレキラ!商品紹介「キレキラ!ルームクリーナー 徹底キレイ おそうじクロス」
花粉は春だけでなく、一年中飛散しているもの。本格的に秋の花粉が飛び始める前に、通勤・通学路にブタクサやヨモギなどが生えていないか、チェックしておきましょう。
秋の花粉症シーズンになったら、お住まいの地域の花粉飛散状況を確認し、外出時は「エリカラ」や眼鏡でしっかりガードします。帰宅後は、家の中に花粉を持ち込まないように注意し、「キレキラ!」シリーズでこまめにお掃除を。それでも花粉症の症状が出てしまったときは、お肌を優しくケアする「贅沢保湿」の使用をおすすめします。
きちんと花粉対策を行って、つらい秋の花粉シーズンを元気に乗り切ってください!