記事公開:2025.4.25
「ネコちゃんと一緒に暮らしたい」と思ったときや、いよいよお迎えすることが決まったときは、どのような準備をすればいいのでしょうか。
この記事では、ネコちゃんのためにそろえたいグッズや、安全のための室内環境づくり、さらにオーナーさんの心の準備についてもご紹介します。事前に大切なことを確認し、ネコちゃんと暮らすときの参考にしてください。
新しくネコちゃんをお迎えする際に、まず大切なのはオーナーさんの心構えです。ネコちゃんが健康に、楽しく暮らし続けるためには、オーナーさんの知識と準備が欠かせません。
例えば、ネコちゃんにはワンちゃんのようなお散歩は必要ありませんが、毎日オーナーさんと一緒に遊んだり、触れ合ったりする時間はとても重要です。ときには病気になることもあるほか、年齢を重ねると長いシニア期を迎えます。また、ネコちゃんは群れで生活する生き物ではないので、一人でゆっくり過ごせる環境も大切です。
完全に室内で暮らすネコちゃんでも、ノミやダニに感染することがあるため、予防の継続が必須です。オーナーさんが外出時に着ていた衣服や靴にノミやダニの卵・成虫が付着して、帰宅後に室内へ持ち込んでしまうケースがあるからです。室内の環境を清潔に保つこと、また、獣医師の指導のもとノミ・ダニの予防薬の投与を続けることも求められます。
このようなネコちゃんが持つ習性や品種ごとの特徴などについて調べ、適切に関わることができるか、家庭でのケアを継続的にできるかなどをよく検討した上で暮らし始めることが大切です。責任を持ってネコちゃんをお迎えするために、下記のチェックポイントを確認しておきましょう。
<ネコちゃんをお迎えする前にチェックしたいポイント>
・家族やパートナーの中に、猫アレルギーを持つ人はいませんか?
・家族やパートナーの中に、ネコちゃんが苦手な人はいませんか?
・住んでいる家は、ネコちゃんの飼育が許可されている物件ですか?
・住んでいる家でネコちゃんと暮らせる場合、定められている頭数制限を超えていませんか?
・住環境を清潔に保ち、ノミ・ダニの対策を続けることはできますか?
・ネコちゃんと毎日、一緒に過ごす時間をとれますか?
・ネコちゃんの習性や生活スタイルに合わせることはできますか?
・自宅の近くに、動物病院やペットホテルなどの施設がありますか?
・万が一の際に預けられる施設や、代わりにお世話をしてくれる人が身近にいますか?
ネコちゃんをお迎えした当日から使うグッズは、事前に準備する必要があります。それぞれの選び方のポイントをご紹介しましょう。
ネコちゃんは砂のある場所をトイレと認識するので、あらかじめ猫砂を入れたトイレを準備しておくと、排泄の失敗を防いで、トイレを覚えてもらいやすくなります。
トイレのサイズは、ネコちゃんの体長の1.5倍以上が目安で、成長に合わせて買い換えていくようにします。トイレには、一般的なトレー型や屋根付きのドーム型、二段構造になったシステムトイレなど、さまざまな種類が市販されています。ドーム型のトイレはニオイがこもりやすいことが多く、ネコちゃんが嫌がるケースもあるので、様子を見ることが必要です。また、複数のネコちゃんと暮らす場合は、トイレの数は頭数+1個が望ましいでしょう。
猫砂の素材にも、紙や鉱物など複数の種類があるため、ネコちゃんの好みを探り、その子に合ったトイレ環境を整えてあげてください。
なお、ペットショップやブリーダーからネコちゃんを迎える場合は、お迎えをする前に使っていた種類の猫砂を選んだり、今まで使っていた砂を少し分けてもらって排泄物のニオイを猫砂につけておいたりすると、トイレを認識しやすくなるかもしれません。トイレで上手に排泄できたときはご褒美をあげるなど、忍耐強く対応してあげてください。
ネコちゃんのトイレや猫砂、しつけについては、下記のページをご覧ください。
猫のトイレのしつけのポイントは?うまくいかない場合の対処法も解説
キャットフードは「子猫用」「成猫用」など、ネコちゃんの成長段階や体重に合ったフードを選ぶようにしましょう。ペットショップやブリーダーからお迎えした場合は、そこで食べていたものと同じフードを最初に選ぶと、環境が変わっても、安心してネコちゃんが食べてくれることが多いようです。
どのようなフードを選ぶといいか悩んでしまった場合には、獣医師に相談してください。
ネコちゃんの食器は、フード用と水飲み用を別々に用意してあげましょう。子猫の場合は小さめのサイズを選ぶなど、身体に合った大きさや深さ、高さを考慮して選ぶことが大切です。
ネコちゃんはニオイに敏感なため、食器への好みが強い場合があります。食器の素材は、陶器、ガラス、ステンレス、プラスチックなどが市販されています。ネコちゃんの好みに合わせながら、安定して、動きづらい食器を選んであげましょう。
いずれの場合も、毎食後食器はキレイに洗い、清潔を心掛けてください。水も毎日取り替えます。
ネコちゃんをお迎えに行く際はもちろん、動物病院に行くときにも、キャリーバッグは必要です。万が一、地震などの災害が起こったときに、ネコちゃんと一緒に避難する際にもキャリーバッグが活躍します。
また、ネコちゃんがキャリーバッグを居心地の良い場所と認識してくれれば、お部屋では隠れ家や寝床として使うこともできます。ネコちゃんの大きさや体重に合わせてサイズを選ぶほか、通気性や丈夫さ、お手入れのしやすさなども考えて検討するといいでしょう。
ネコちゃんをお迎えする際、ケージを用意しておくとネコちゃんが自分の縄張りと認識して、安心につながります。いきなり広い部屋に放してあげると家具の隙間などに隠れてしまうこともあるため、まずはケージの中で新しいお家に慣れてもらうようにしましょう。ケージは、お家の中でも静かで落ち着ける場所に設置し、中にトイレや水飲み器、ベッドなどを設置してあげてください。
ケージは2階建て、3階建てなどの高さがあるものがネコちゃんにはおすすめです。ケージから出られるくらいお家に慣れた後も、寝床や遊び場所になるほか、お留守番をするときや、来客時などに落ち着ける場所としても活用できます。
爪とぎは、ネコちゃんにとって欠かせないグッズのひとつです。お部屋に設置することで、家具や壁で爪とぎをされてしまうのを、ある程度防ぐことができるかもしれません。段ボール製や布製など、いろいろな素材の商品が市販されているので、ネコちゃんのお好みのものを探しましょう。
爪とぎの好みはネコちゃんによって異なるため、床置きタイプのほか、壁かけ型、タワー型など、さまざまな形状を試し、ネコちゃんが使いやすいものを選んであげてください。壁や柱など、お気に入りの爪とぎしやすい場所がある場合は、そこに爪とぎを設置するのもおすすめです。
ここからは、お迎え当日までに準備しなくても大丈夫ですが、購入すると後々便利なネコちゃん用グッズをご紹介しましょう。
ベッドは、ネコちゃんが落ち着ける場所のひとつです。お迎え当日から用意しても良いですが、最初は毛布やタオルなどで代用も可能です。オープン型やドーム型など形状はさまざまなので、お家での過ごし方を観察しながら、愛猫の好みに合わせ選んであげるといいでしょう。なお、自宅で洗えるものを選ぶと、清潔を保つことができて便利です。
ネコちゃんは木などの高いところに登る習性があるため、室内で飼っているネコちゃんも高い場所に登ることを好みます。お部屋にキャットタワーを設置すれば、ネコちゃんが遊んだり、爪をといだり、くつろいだりすることができる居場所を提供することができるでしょう。キャットタワーを上り下りしたりジャンプしたりすることで、運動不足の解消にも役立ちます。
さまざまな高さや形状のキャットタワーが市販されていて、設置方法も置き型や突っ張り式など多彩です。お部屋の条件やネコちゃんの好みに合わせて選ぶようにしましょう。設置が難しい場合は、背の高い家具を階段式になるように置くことで、ネコちゃんの遊び場をつくることもできます。
猫じゃらしやボールなどのおもちゃは、ネコちゃんのストレスや運動不足を解消するとともに、オーナーさんと楽しくコミュニケーションをするためにも役立ちます。ネコちゃんによって好きな遊びが異なるため、どんなおもちゃを喜んでくれるか探りながら、いろいろなものを試してみるといいでしょう。
万が一、外に逃げて迷子になったときに備えて、普段から首輪や迷子札をつけると安心です。ネコちゃんの安全のために、何かにひっかかっても、一定以上の力が加わると外れる仕組みの首輪を選んでください。
また、子猫は首輪にも比較的慣れやすい傾向がありますが、中には首輪を嫌がるネコちゃんもいます。無理をせず、少しずつ慣れさせていきましょう。
ネコちゃんのトイレまわりのお掃除にさっと使えるお掃除シートや、カーペットなどに落ちた抜け毛を除去するためのアイテムや粘着クリーナーも便利です。また、ネコちゃんが粗相をしてしまったときなどに備えて、消臭剤や消臭スプレーなどもあると重宝します。
なお、消臭剤は猫喘息の原因になることがあるので、注意が必要です。数日間は少量で使い、ネコちゃんに変化がないかを確認してから、使用するようにしてください。
ネコちゃんをお迎えする前には、いろいろなグッズをそろえるだけでなく、ネコちゃんとオーナーさんの双方が困らないように、お部屋の飼育環境を整えることが大切です。ネコちゃんを迎える前にチェックしておきたいお部屋の環境について、解説します。
ネコちゃんを迎えるなら、完全室内飼いを徹底しましょう。ネコちゃんは縄張り意識が強いので、お家を自分の縄張りであると認識できれば、外に出なくても室内だけで十分に幸せに暮らすことができます。
しかし、どんなにお家が大好きなネコちゃんでも、窓やドアが開いていたら好奇心から外に出てしまうことはありえます。屋外は迷子のほか、事故や外猫とのケンカなど、危険がいっぱいです。ネコちゃんが外に出てしまわないよう、脱走対策を必ずしてください。
廊下と玄関が直結している場合などは玄関に脱走防止柵をつけ、窓や網戸にはロックできるストッパーを設置することをおすすめします。また、家族間で、玄関や窓を開けっ放しにしないことを確認し合うことも大切です。
子猫の時期は特に好奇心が旺盛で、いろいろな場所に飛び乗ったり、いたずらをしたりすることがあります。お部屋の中の倒れやすいものや壊れやすいものは、ネコちゃんの手の届かないところに片付けてください。
観葉植物やお花の中には、ネコちゃんが食べると中毒を起こすものもあります。植木鉢を倒してケガにつながるおそれもあるため、植物は室外かネコちゃんが入れない部屋へ移動させましょう。特にユリ系の植物は、植木鉢に溜まった水を舐めるだけでも重篤な中毒を起こすため注意が必要です。
また、誤飲・誤食を避けるためにも、人間の食べ物やポリ袋、ネコちゃんがじゃれて飲み込む可能性があるような小物は片付け、ネコちゃんの目に入らないようにすることも大切です。
遊び好きなネコちゃんは配線コードにじゃれついたり噛んだりして、感電してしまうおそれがあります。ネコちゃんが過ごす部屋では、配線コードにカバーをつけたり、家具の後ろなど見えない場所に隠したりする配慮が必要です。
お風呂場は、ネコちゃんの事故が多い場所です。お湯の入った浴槽に落ちたり、フタに跳び乗ってフタごと落ちたりする危険もあるため、家の中を自由に歩き回れる環境でも、お風呂場は立ち入り禁止にするほうが安全です。
ネコちゃんがいれば、爪とぎや爪切りを用意しても、壁や床はどうしても爪で傷つきやすくなります。特に賃貸住宅の場合は、事前に保護シートなどを貼って対策するのがおすすめです。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ネコちゃんと暮らすには、住環境を整えたり、グッズを揃えたりするほか、ネコちゃんとより良い関係を築き、お互いが幸せに暮らすための心づもりも大切です。毎日リラックスして過ごせるように、ネコちゃんの気持ちを理解してあげることも求められるでしょう。
「キミおもい」は、「キミにやさしい、一緒にうれしい」というブランドの想いから「傾聴飼育」を推奨しています。傾聴飼育とは、ネコちゃんの習性を学び、発するサインを観察し、その意味を理解しながら共生していくことです。「ネコちゃんの幸せを想うからこそ、気持ちを理解してあげたい」というオーナーさんは多いことでしょう。「キミおもい」は、そんなオーナーさんの「おもい」とネコちゃんの「おもい」が通じ合えるよう、お手伝いをしています。
「傾聴飼育」の詳しい内容については、下記のページをご覧ください。
キミともっと幸せに 傾聴飼育で、「おもい」が通じ合う暮らしへ
ネコちゃんをお迎えしたら、ネコちゃんにとっていつも心地いい環境を整えてあげたいもの。
「キミおもい」のネコちゃんシリーズは、ネコちゃんやオーナーさんの好みに合わせて選べる猫砂や、トイレを清潔に保てるおそうじシートなどをラインナップ。ネコちゃんと一緒に暮らす毎日を楽しく、快適にしてくれます。
「キミおもい」のネコちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Cat - ネコちゃん -
ネコちゃんの幸せと健康を守れるのは、オーナーさんだけ。ネコちゃんを迎える前は、オーナーさんとしての心構えを認識したり、さまざまなグッズをそろえたりするなど、多くの準備が必要です。ネコちゃんのためにも知識をつけ、環境を整えた上でネコちゃんとの暮らしを満喫してください。
ネコちゃんをお家に迎える前に必ず準備しておきたいのは、排泄のためのトイレと猫砂、キャットフードとネコちゃん用の食器、お迎えや動物病院に行くときにネコちゃんを運ぶキャリーバッグ、爪とぎなどです。ペットショップやブリーダーから迎える場合は、ネコちゃんが慣れているものと同じ商品を選ぶと、安心してくれるかもしれません。選び方に迷ったときは、かかりつけの獣医師に相談してもいいでしょう。
ネコちゃんを迎えた後に準備してもいい「あると便利」なグッズには、遊び場にもなるキャットタワー、一緒に遊ぶためのおもちゃ、ブラシや爪切りなどのケア用品のほか、ベッドや首輪などのアイテム、お掃除シートや粘着クリーナーなどのお掃除グッズです。ネコちゃんの行動や、好みを観察しながらそろえていくといいでしょう。
まず、ネコちゃんを外に出さないために、玄関や窓に脱走対策をすることが必須です。そのほか、部屋の中にある倒れやすいものや壊れやすいもの、誤飲や誤食につながりやすいもの、観葉植物などを片付けてください。また、電化製品の配線コードにいたずら防止用のカバーをつけるほか、浴槽での事故を防ぐためにお風呂場を出入り禁止にすることも大切です。
画像提供/PIXTA