記事公開:2025.2.21
ネコちゃんが、自分のほっぺたやしっぽをオーナーさんの足元にこすりつける仕草は、とてもかわいらしいものです。この通称「すりすり」と呼ばれる行動には、どのような意味があるのでしょうか。
また、ネコちゃんにすりすりされやすい人と、あまりされない人の違いを知りたいと思うオーナーさんもいるでしょう。
ここでは、ネコちゃんがすりすりをする理由やこすりつける体の部位のほか、すりすりされやすい人とされない人の違いについてご紹介します。
ネコちゃんは人の足元のほかにも、家具の脚や、宅配便で届いた荷物などにもすりすりすることがあります。まずは、その理由について解説します。
ネコちゃんがすりすりをする主な理由は、「マーキング」です。嗅覚に優れたネコちゃんは、自分の周囲にあるものにすりすりをしてニオイをつけることで、「ここは自分の縄張りだ」と主張します。壁の角など頻繁にすりすりをする場所は、ネコちゃんにとってお気に入りの場所なのかもしれません。
また、宅配便の箱や買い物袋にすりすりをする行動は、外から家に持ち込まれたものに自分のニオイをつけ、安心感を得ようとしていると考えられています。
同様に、帰宅直後やお風呂上がりのオーナーさんにすりすりするのも、知らないニオイに自分のニオイを上書きし、安心感を得ようとしているからでしょう。
ネコちゃんのすりすりは、仲間への挨拶行動のひとつでもあります。複数のネコちゃんと暮らしているご家庭では、ネコちゃん同士がすりすりして、お互いのニオイを確かめ合っている様子が見られることもあるでしょう。
また、オーナーさんに「するり」と軽く体を触れさせて通り過ぎる仕草も、挨拶の一種だと考えられています。
ネコちゃんは、オーナーさんに「構ってほしい」「ご飯を食べたい」「トイレをキレイにしてほしい」といった要求を伝えるために、すりすりをすることもあります。ネコちゃんによっては、以前にオーナーさんが喜んでくれたり、要求に応えて遊んでくれたりした経験を覚えていて、すりすりをすることもあるでしょう。
普段はマイペースなネコちゃんが、親しげにすりすりをしてくるのは、オーナーさんを信頼して甘えてくれている証拠です。その気持ちをくみ取って、十分に応えてあげてください。
ネコちゃんの体には、「臭腺」と呼ばれるニオイの元となるフェロモンの分泌腺があります。臭腺が発達していてニオイを発生しやすいのは、おでこや顎、ほほ、耳の付け根、肉球、体の脇、しっぽの付け根・肛門など。そのため、ネコちゃんはこれらの部位をこすりつけてすりすりをすることが多いようです。
また、これらの部位は、こすったりなでられたりすると気持ちの良い場所でもあります。すりすりすることでネコちゃんは気持ちが良くなり、自分のニオイをつけることで安心感も得られるため、なるべく自由にすりすりさせてあげたほうが、ネコちゃんとより仲良く親密になれるかもしれません。
愛猫にすりすりされると、「信頼されている」と感じてうれしくなるオーナーさんも多いのではないでしょうか。とはいえ、実際にはネコちゃんにすりすりされやすい人もいれば、なかなかすりすりされない人もいます。その違いはどこにあるのでしょうか。
ネコちゃんにすりすりされやすい人は、基本的にネコちゃんから好かれていると考えていいでしょう。ネコちゃんにとって好ましい接し方ができており、適度な距離感を保てる人は、ネコちゃんから好意を持たれやすくなります。
そのため、すりすりで「構って」「遊んで」というおねだりをされやすい傾向があるようです。
ネコちゃんにすりすりされない人は、ネコちゃんにとって少し苦手な存在になっているのかもしれません。例えば、ネコちゃんを構いすぎたり、見すぎたりすると、ネコちゃんから「苦手な人」と認識されてしまうことがあります。また、大きな声や音を立てる行動も、ネコちゃんから敬遠されがちです。
「愛猫になかなかすりすりされない」と感じるオーナーさんは、思い当たる行動がないか一度見直してみることをおすすめします。ネコちゃんの気持ちに寄り添った対応を心掛けることで、すりすりされやすくなるかもしれません。
ネコちゃんのすりすり行動には個体差もあり、頻繁にする子もいれば、ほとんどしない子もいます。すりすりには仲間への挨拶や、オーナーさんへのアピールといった意味もありますが、愛情表現の仕方はネコちゃんによってさまざまです。
たとえ愛猫からすりすりされなくても、オーナーさんへの愛情がないというわけではありません。その子の個性を尊重し、安心して見守ってあげてください。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
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ネコちゃんが行うすりすりの仕草には、マーキングやオーナーさんへのアピールなど、さまざまな意味があります。
ネコちゃんがすりすりしてきてくれたら、「今はこんなことを考えているのかな?」と気持ちをくみ取ってあげながら、なでたり声をかけたりして、コミュニケーションを楽しんでください。
ネコちゃんがすりすりをする主な理由は「マーキング」で、自分のニオイをつけることによって縄張りを主張することです。また、ネコちゃん同士やオーナーさんへの挨拶のひとつとして、体をこすりつける行動をすることがあります。
さらに、「構ってほしい」「ご飯を食べたい」といった要求を伝えるために、オーナーさんにすりすりをすることもあるようです。
ネコちゃんがすりすりをするのは、ニオイの元となるフェロモンの分泌腺が発達している部分です。
おでこや顎、ほほ、耳の付け根、肉球、体の脇、しっぽの付け根・肛門などをこすりつけてニオイ付けをします。
ネコちゃんにすりすりされやすいのは、ネコちゃんに好かれている人と考えていいでしょう。ネコちゃんにとって好ましい接し方をし、程良い距離感を保てる人は、ネコちゃんから好意を持たれやすくなります。その結果、すりすりで「構って」「遊んで」などと、おねだりをされる傾向があるようです。
画像提供/PIXTA