記事公開:2024.12.24
ネコちゃんが目やにを出すことは、生理現象のひとつなので、基本的には問題ありません。ですが、目やにの色や量がいつもと違ったり、ネコちゃんが目を頻繁に気にしたりしている場合は心配になりますよね。目の病気や傷などが原因で目やにが出ることもあるため、定期的なチェックが必要です。
この記事では、ネコちゃんの目やにの原因やチェックポイント、目やにが出た際の対応方法のほか、目薬のさし方について解説します。
ネコちゃんの目やには、主に新陳代謝に伴う分泌物です。老廃物や目のまわりのゴミが涙と混ざることで発生し、通常はまばたきをすることで、涙によって自然に流れます。寝起きのネコちゃんの目のまわりに目やにがついている場合が多いのは、寝ているあいだはまばたきをしないためです。
そのため、ネコちゃんの寝起きなどに目やにが付着していたとしても、少量であれば特に心配はありません。
ネコちゃんの目やには生理現象のひとつですが、定期的にチェックすることは、健康状態を把握する上でとても重要です。普段と目やにの様子が異なる場合は、早めに動物病院を受診することをおすすめします。ここからは、ネコちゃんの目やにをチェックするときのポイントを紹介します。
通常、ネコちゃんの目やには、白っぽい色や茶色~赤茶色で、量は少量です。目やにが黄色や緑色であったり、大量に出ていたりする場合、結膜炎や角膜潰瘍といった目の病気や感染症の可能性があります。早めに動物病院を受診しましょう。
通常時のネコちゃんの目やには、乾燥しているのが一般的です。
しかし、ネバネバと粘性がある場合や、反対にサラサラとした涙のような目やにが出ている場合は、細菌やウイルスの感染、アレルギーなど目への刺激が考えられます。そのような場合には、早めに動物病院での診察が必要です。
ネコちゃんの片目だけに目やにが出ている場合、片目にだけゴミが入ったり、ケガをしたりしている可能性があります。反対に、両目から目やにが出ている場合は、感染症やアレルギーの可能性が考えられます。いずれの場合も、早めに動物病院を受診することが大切です。
目やにのチェックだけでなく、ネコちゃんの行動や目の色も確認しましょう。例えば、目をしょぼしょぼさせている、目をこすっている、目が赤くなっているなどの症状が見られる場合は、目の病気のサインかもしれません。この場合も、動物病院を受診することをおすすめします。
普段よりもネコちゃんの目やにの量が多い場合、いくつかの原因が考えられます。ここからは、ネコちゃんの目やにが増える原因として、代表的なものを紹介します。いずれの場合も、できるだけ早く動物病院を受診し、適切な対処をすることが大切です。
ネコちゃんの目にゴミやホコリなどが入ると、目やにが増えることがあります。目に入った異物は自然に涙で洗い流されますが、炎症を引き起こすこともあるからです。また、ネコちゃんがかゆみから目をこすったりかいたりすることで角膜に傷がつき、その結果、目やにが増えることもあります。
猫風邪は、ウイルスや細菌による感染症で、主に目やにや鼻水が症状として表れます。特に、子猫やシニアのネコちゃんの場合は重症化することがあるため、注意が必要です。目やにが増え、鼻が詰まることで食欲が落ちることもあります。このような場合はできるだけ早く動物病院を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
結膜炎は、ネコちゃんの目の表面を覆う結膜に炎症が起こる病気で、目やにが増える原因のひとつです。結膜炎になると、目がかゆくなったり、痛みを感じたりすることが多く、涙の量も増えます。細菌やウイルスの感染で結膜炎になることが多く、適切な治療が必要です。
角膜炎は、ネコちゃんの目の表面の角膜に、炎症が起こる病気です。目やにの量が増えるほか、目の痛みを感じるケースもあり、目をしょぼしょぼさせるといった行動が表れます。角膜炎を放置してしまうと、視力に影響を与える可能性があるため、迅速な治療が求められます。
眼瞼内反(がんけんないはん)とは、ネコちゃんのまぶたが内側に向かって反ってしまう状態で、眼瞼外反(がんけんがいはん)はまぶたが外側に反る状態です。どちらもまぶたしっかりと閉じなくなってしまうため、目の表面が傷つきやすくなり、目やにが出やすくなります。
鼻炎は、鼻の粘膜に炎症が起こる病気です。目と鼻は鼻涙管(びるいかん)という管でつながっているため、鼻の炎症が目にも影響を与えることがあり、目やにが増えやすくなります。この場合、鼻炎の治療によって目やにの症状も緩和されることが期待できます。
アレルギー症状も、ネコちゃんの目やにの原因となることがあります。花粉やハウスダストなどにアレルギーを持っているネコちゃんは、アレルギー反応から結膜炎や角膜炎になるケースもあります。主な症状は、目やにが出やすくなるほか、涙が増える、かゆみや痛みから目を気にするようになるといったものです。
ネコちゃんの目やには、通常の範囲であれば日常的なケアで対処できます。目やにが少量で、普段の健康状態に問題がない場合は、ぬらしたコットンやガーゼ、ペット専用のウエットシートを使ってやさしくふき取るだけで十分です。目やにをふき取った後は、特に目のまわりに水分が残らないよう、乾いた部分で仕上げふきをしてあげましょう。
固まった目やには、蒸しタオルなどでふやかしてからふき取るのが効果的です。固まった状態で無理に取ろうとすると、ネコちゃんの目や皮膚を傷つけてしまうおそれがあります。一気に目やにを取ろうとせず、負担をかけないように、やさしく対応しましょう。
ネコちゃんが目に違和感を覚えて、頻繁に目をこすったり引っかいたりする場合は、何らかの異変のサインの可能性があるため、動物病院を受診しましょう。その上で、症状が悪化しないようにエリザベスカラーを装着することも有効です。
ネコちゃんに目やにの症状が表れて動物病院を受診する場合、目薬を処方されるケースもあるでしょう。ここからは、自宅でネコちゃんに目薬をさす際の手順を紹介します。
まず、ネコちゃんに目薬をさす前に、目薬を少し温めます。目薬が冷たいままだと、ネコちゃんがびっくりしたり嫌がったりする可能性があります。特に、寒い時期などは目薬が冷たくなりやすいため、手のひらで容器を包み、少し温めてからさすのがいいでしょう。
次に、目薬を安全にさすため、ネコちゃんが動かないように後ろから抱えて固定します。このとき、バスタオルなどでネコちゃんの体をやさしく包むようにすると落ち着く子が多いようです。
目薬は、素早くさすのが重要なポイントのひとつ。また、ネコちゃんから目薬が見えないよう、後頭部側からさしてあげるといいでしょう。ネコちゃんの顔を上に向くように片方の手でサポートしつつ、軽くまぶたを引っ張って、そっと目薬をさしてください。
目薬をさし終わったら、「上手にできたね」などと声をかけ、おやつをあげたり、いっしょに遊んであげたり、ネコちゃんが喜ぶことをしてあげましょう。たっぷりほめることで、ネコちゃんが目薬に対して抵抗感が薄まり、次回以降、よりスムーズに行えることが期待できます。
ただし、どうしてもネコちゃんが嫌がるなど、自宅で上手に目薬をさせない場合もあるかもしれません。そのような際は無理をせず、動物病院で獣医師に相談してください。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ネコちゃんの目やにケアは、やさしくふき取ることが大切です。「キミおもい 肌にやさしいウエットティシュー」は、たっぷりと水分を含んでいるのが特長。目のまわりのデリケートな部分にも負担をかけず、やさしく汚れをふき取ることができます。
さらに、顔まわりだけでなく、手足やおしりふきにも使用できるため、日常的なケアにも便利です。ネコちゃんの健康と快適さを考えた「キミおもい 肌にやさしいウエットティシュー」で、目やにケアをしっかり行いましょう。
「キミおもい 肌にやさしいウエットティシュー」については、下記のページをご覧ください。
キミおもい 肌にやさしいウエットティシュー
ネコちゃんの目やにが気になるとき、まずは問題ない目やにかどうかを見分けることが大切です。目やにの量が多かったり、ネバネバしていたりなどの異変がある場合、病気のサインかもしれません。
普段の目やにと様子が違ったり、ネコちゃんが目を気にしていたりする場合には、動物病院で診察を受けることが大切です。ネコちゃんの健康を守るために、日頃から定期的な観察と適切なケアを行いましょう。
ネコちゃんの目やには、新陳代謝による老廃物やゴミが涙と混ざってできる分泌物です。生理現象の一種であるため、通常は問題ありませんが、色や量によっては病気のサインの可能性があるため、定期的なチェックが必要です。
目やにが少量で正常な場合は、湿らせたコットンやガーゼでやさしくふき取りましょう。固まった目やには無理に取ろうとせず、蒸しタオルなどでふやかしてから取るようにしてください。
なお、ネコちゃんの目やにが普段と異なる場合、早めに動物病院を受診することをおすすめします。ネコちゃんが目をこすらないよう、エリザベスカラーを装着するのも、症状の悪化を防ぐために効果的です。
ネコちゃんに目薬を上手にさすコツは、事前に手のひらに包むなどして目薬を少し温め、ネコちゃんが動かないよう後ろから抱えてしっかり固定し、素早くさすことです。終わったらおやつをあげるなど、ネコちゃんをたっぷりほめてあげましょう。
画像提供/PIXTA