記事公開:2024.11.27
人間と同様、ワンちゃんもマッサージをされるのが好きという子は多いもの。マッサージをしているときに、ワンちゃんが気持ち良さそうにしているのを見ると、オーナーさんもうれしくなってしまいますよね。
マッサージには、ワンちゃんがリラックスできる以外にもさまざまな効果が期待できるため、スキンシップの一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。
この記事では、ワンちゃんをマッサージすることで期待できる効果や、ワンちゃんに喜んでもらうためのポイントのほか、部位別のマッサージ方法をご紹介します。
人間がほかの人にマッサージをされて、体の疲れや心が癒やされるように、ワンちゃんにとってもマッサージは、心身に良い影響をもたらすと考えられています。ワンちゃんをマッサージすることで期待できる主な効果として、下記の5つが挙げられます。
マッサージでワンちゃんの関節や筋肉などを刺激することで、体のこわばりがほぐれ、血液やリンパの流れを促進することが期待できます。血液やリンパの流れが悪くなると、冷えや体のコリなど体の不調を引き起こす原因に。マッサージで血液の流れが良くなると、体温が上がり、免疫力の向上も期待できると考えられます。
マッサージで、ワンちゃんの筋肉をほぐすこともできます。例えば、運動前のマッサージは、ウォーミングアップとして有効です。体をほぐしてから運動することで、ケガのリスクを軽減できます。
また、運動後のマッサージは、筋肉の緊張を和らげ、クールダウン効果が期待できるため、疲労回復をサポートできるでしょう。
マッサージでワンちゃんの体に触れることは、コミュニケーションの手段としても有効です。ワンちゃんが心地よい刺激を感じてリラックスできれば、オーナーさんとの絆もより深まります。
愛犬の様子を見ながら体をさわったり、声をかけたりすることで、信頼関係も築きやすくなるでしょう。マッサージは、スキンシップのひとつとしておすすめです。
おもちゃで遊ぶ、お散歩をするといったことと同じように、マッサージもワンちゃんのストレス解消に有効です。緊張でこわばった体をほぐすことで、ワンちゃんはリラックスすることができます。
また、オーナーさんがワンちゃんにやさしく触れることで、心理的なストレスも軽減できるでしょう。一説によると、オーナーさんとのスキンシップが増えることで、ワンちゃんとの絆をより深められ、さらにストレス緩和が期待できるといわれています。
マッサージを通じて、オーナーさんはワンちゃんの体を丁寧に観察できるので、病気や体の異変に気づきやすくなります。定期的にマッサージを行い、ワンちゃんの皮膚の状態や筋肉の張り具合、しこりの有無などをチェックして健康管理に役立てましょう。
ワンちゃんにマッサージをすることはさまざまな効果が期待できるものの、やり方が適切でなければ、ワンちゃんに負担を与えてしまうかもしれません。ワンちゃんが喜ぶマッサージのポイントを押さえておきましょう。
マッサージをする際は、ワンちゃんがリラックスしているときを選ぶことが大切です。ワンちゃんが興奮しているときや、空腹・満腹時は避けるようにしてください。
また、いきなり体をさわるとワンちゃんを驚かせてしまうことがあるため、「マッサージを始めるね」などやさしく声をかけてから始めるといいでしょう。オーナーさん自身もリラックスして行うことで、ワンちゃんに安心感を与えることができます。
マッサージをする際は、ワンちゃんに気持ち良く感じてもらいやすい場所から、体をなでるスキンシップの延長として始めるのをおすすめします。
ワンちゃんが気持ち良く感じている場合には、体の緊張がゆるみ、眠たそうにしたり、呼吸がゆったりとしたりします。反対に、マッサージ中にワンちゃんが急に起き上がったり、振り向いたり、体をひねって逃げようとしたりする様子を見せたりした場合は、嫌がっているサインです。無理強いせず、マッサージを中止しましょう。ワンちゃんの様子をよく観察しながら行うことが大切です。
マッサージを行う前に、オーナーさんは手の爪を切り、腕時計やアクセサリーを外しておくといいでしょう。これは、ワンちゃんにケガをさせないために大切なポイントです。
また、冷たい手でさわられるのを嫌がるワンちゃんもいます。手が冷えていると感じたら、マッサージの前に両手をこすり合わせたり、手をぬるま湯につけたりして温めてから始めることをおすすめします。
ワンちゃんに気持ちいいと思ってもらうためには、力を入れず、やさしくゆったりとしたリズムでマッサージを行うのがポイントです。人間のマッサージでは、揉む・叩くといった方法もありますが、ワンちゃんのマッサージは、なでるように行うのが基本。強い力で行うと、ワンちゃんに痛みや不快感を与えてしまう可能性があるため注意が必要です。
ここからは、ワンちゃんの基本的なマッサージ方法を、代表的な部位別にご紹介します。
マッサージは必ずしも、すべての部位を行う必要はありません。ワンちゃん、オーナーさん双方にとって負担にならないよう、できる範囲でよいので、愛犬とのスキンシップを楽しむ気持ちで行ってみてください。
ワンちゃんの背中をマッサージする際は、毛並みに沿って頭からしっぽのほうまで手のひらでやさしくなでるように行います。背中はワンちゃんが立った状態でも伏せている状態でも行いやすく、マッサージの最初に行う部位としておすすめです。背中をなでることでワンちゃんがリラックスし、マッサージの効果を高めることが期待できます。
ワンちゃんはオーナーさんを見上げるシーンが多いため、首はこりやすい部位のひとつです。ワンちゃんの首をマッサージする際は、力を入れずに、さするような感覚で首から背中に向かってなでるといいでしょう。
また、首の後ろを軽くつかんで揉む、少し引っ張り上げてゆっくり戻す動きを繰り返すという方法もあります。
ワンちゃんの脚のマッサージは、脚の付け根から足先にかけて、手のひらでゆっくりとなでる方法が効果的です。指先で円を描くようにマッサージをするのもいいでしょう。脚のマッサージには血行を促進し、疲れをやわらげる効果が期待できます。
ワンちゃんの肉球は、非常に敏感な部位です。指先に向かって肉球を軽く押すようにマッサージすることで、リラックス効果が得られます。肉球のかさつきや乾燥が気になる場合には、肉球用のクリームを塗ってから行うといいでしょう。
ワンちゃんのおなかは急所にあたる部分なので、いきなりさわらないよう注意してください。まずは胸をゆっくりなでて、おなかに向かって手を下ろしていくのがポイントです。もしワンちゃんがおなかを見せることに抵抗がなければ、仰向けの状態で行うのもいいでしょう。
仰向けの状態で行う場合、上から下に向かっておなかをなでた後、円を描くようにゆっくりなでることで、ワンちゃんが安心してリラックスできるようになります。また、おなかのマッサージは、消化を助け、便秘解消の効果も期待できます。
ワンちゃんの顔まわりをマッサージする際は、鼻先から眉間に向かって指先でなでるようにやさしくマッサージします。目のまわりや口まわりも同様に、指でゆっくりとなでることで、ワンちゃんがリラックスできるでしょう。顔まわりは特に敏感な部位なので、やさしく行うことが重要です。
ワンちゃんの体調が悪いときには、マッサージを控えてください。ワンちゃんに炎症や腫瘍がある場合や、体調が全体的に悪い場合には、マッサージがかえって状態を悪化させてしまうおそれがあります。自己判断でマッサージを行うことは避け、まずは獣医師に相談してください。
また、ワンちゃんがマッサージを痛がったり嫌がったりする場合も、無理に行わないようにしましょう。特にワンちゃんに椎間板ヘルニアや関節炎がある場合、背中や関節部は強い痛みを感じることがあります。そのような場合は、動物病院で治療を受け、その後にマッサージで状態を維持するなど、段階的に対応することをおすすめします。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ワンちゃんとの信頼関係を育むには、ワンちゃんの気持ちを理解しながら一緒に暮らしていくことが大切です。
「キミおもい」は、「キミにやさしい、一緒にうれしい」というブランドの想いから、「傾聴飼育」を推奨しています。傾聴飼育とは、ワンちゃんが発するサインをよく観察し、その意味を理解しながら一緒に暮らすという考え方です。「ワンちゃんの幸せを想うからこそ、気持ちを理解してあげたい」というオーナーさんは多いことでしょう。「キミおもい」は、そんなオーナーさんの「おもい」とワンちゃんの「おもい」が通じ合えるよう、お手伝いをしています。
「傾聴飼育」の詳しい内容については、下記のページをご覧ください。
キミともっと幸せに 傾聴飼育で、「おもい」が通じ合う暮らしへ
マッサージなどワンちゃんとのスキンシップを通じて信頼関係を深めるとともに、ワンちゃんの環境を整えてあげることも大切です。「キミおもい」のワンちゃんシリーズには、吸収・消臭力のあるペットシーツのほか、シーン別に選べるおむつ、ワンちゃんの肌にやさしいウエットシートなど、愛犬との暮らしがより快適になるアイテムがそろっています。
「キミおもい」のワンちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Dog - ワンちゃん –
ワンちゃんにマッサージをすることは、ワンちゃんの心身にとってさまざまな効果が期待できます。マッサージを通じてワンちゃんと向き合うことで、オーナーさんとの絆がより深まるだけでなく、ワンちゃんの健康管理にも役立ちます。スキンシップの一環として、ぜひマッサージを取り入れてみてください。
ワンちゃんにマッサージをすることで、血液やリンパの流れを促進できるほか、体をほぐす効果が期待できます。こわばった体がほぐれることは、ストレス解消にも有効です。
また、オーナーさんがワンちゃんをマッサージすることでコミュニケーションを図れるほか、スキンシップによってワンちゃんの心理的なストレスも軽減できるでしょう。さらに、マッサージを習慣的に行えば、体の異変に気づきやすくなるため、健康管理にも役立ちます。
ワンちゃんが喜ぶマッサージのポイントは、次の4つです。
・ワンちゃんがリラックスしているときに行う
・ワンちゃんに気持ち良いと感じてもらいやすい場所から、スキンシップの延長として始める
・オーナーさんは事前に爪を切り、アクセサリーなどを外しておく
・力を入れず、やさしくゆったりとなでる
これらのポイントを押さえることで、ワンちゃんが気持ち良く感じられるマッサージができるでしょう。
ワンちゃんの体調が悪いときには、マッサージをしないほうがいいでしょう。特に、ワンちゃんの体に炎症がある、腫瘍があるといった場合、マッサージをすることで、かえって状態を悪化させてしまうおそれがあります。自己判断でマッサージをすることは避け、まずは獣医師に相談してください。
画像提供/PIXTA
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