記事公開:2024.10.29
「愛犬がトイレをはみ出してしまう」という悩みを抱えるオーナーさんは少なくありません。トイレトレーニングが完了したと思っていたのに、急にはみ出すようになったという場合もあるでしょう。ワンちゃんがトイレをはみ出す場合には、まず何が原因となっているかを探ることが大切です。
この記事では、ワンちゃんがトイレをはみ出す原因と、はみ出しを防ぐ方法について解説します。ワンちゃんがトイレをはみ出してしまったときの対応についても触れていますので、参考にしてください。
これまでトイレをはみ出さなかったワンちゃんが、急にトイレをはみ出すようになった場合は、病気のサインの可能性があります。特に注意が必要なのは、排泄回数や量の変化がある場合です。これらの変化は、内臓疾患や尿路感染症などの病気の兆候かもしれません。
排泄回数や量の変化も見られる場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。獣医師に愛犬の状況を説明し、適切な検査と治療を受けることで、ワンちゃんの健康を守ることができます。
また、病気の早期発見と治療により、トイレのはみ出し問題が解決する可能性も高まります。
病気のサイン以外でワンちゃんがトイレをはみ出す原因としてまず考えられるのは、トイレ環境に下記のような問題があることです。ワンちゃんがスムーズにトイレをできる環境ではないため、上手にできずにはみ出してしまうのかもしれません。ワンちゃんにとって快適なトイレ環境になっているか、一度見直してみましょう。
これまでトイレを失敗しなかったワンちゃんがトイレをはみ出すようになった場合、トイレまわりの環境の変化が影響しているのかもしれません。
例えば、トイレの設置場所を変えた場合や、トイレのまわりにワンちゃんが苦手なものがある場合、トイレをうまく使えずにはみ出してしまうことがあります。環境の変化がトイレをはみ出す原因だと考えられる場合には、トイレを元の場所に戻したり、ワンちゃんにとってトイレの妨げになっているものを取り除いてあげたりしましょう。
トイレのサイズがワンちゃんの体に対して小さいと、排泄物がトイレの枠内に収まりきらずに、はみ出してしまうことがあります。
子犬の頃から同じトイレを使っている場合には、成長に合わせて適切なサイズのトイレに変えてあげることが大切。ワンちゃんが、トイレの上でくるくると回れる大きさを目安にし、快適に使える広さを確保しましょう。
ワンちゃんによっては、ペットシーツが汚れていることが原因でトイレをはみ出すことがあります。汚れた場所で排泄するのを嫌がり、避けて排泄するため、結果的に排泄物がトイレからはみ出してしまうのです。
キレイなペットシーツを使用した際にワンちゃんがトイレをはみ出さないのであれば、こまめにペットシーツを交換するようにしましょう。トイレをキレイに保つことで、はみ出しを防ぐことが期待できます。
ワンちゃんの排泄スタイルがトイレに合っていない場合も、トイレをはみ出す原因となります。ワンちゃんによって、排泄時の体勢や癖は異なるもの。上手にトイレをしてもらうためには、愛犬の排泄スタイルを観察して、適したトイレを用意してあげることが大切です。
ワンちゃんがトイレの端で排泄をするスタイルの場合、どうしてもトイレからはみ出しやすくなるものです。大きめのトイレトレーに替えたり、トイレトレーのまわりにもペットシーツを敷いたりしてトイレスペースを広げることで、はみ出しを防ぐことが期待できます。
ただし、ワンちゃんによっては、トイレトレーのまわりに敷いたペットシーツにいたずらをしてしまう場合もあるため、様子を見ながら行いましょう。
ワンちゃんがペットシーツにいたずらをしてしまう場合や、トイレスペースを広げてもさらに端で排泄してしまう場合には、トイレのまわりを囲むか、囲い付きのトイレに替えるのが有効です。トイレが囲われていることで、ワンちゃんがトイレの中央で排泄しやすくなります。
ワンちゃんが足を上げて排泄をするスタイルの場合、はみ出しを防ぐには、足上げスタイルに対応したL字型のトイレトレーを使用するのがおすすめです。また、トイレの設置場所の壁側にもペットシーツを用意するといいでしょう。
そのほか、水を入れたペットボトルにペットシーツを巻き付けてトイレの中央に置き、ワンちゃんにペットボトルを狙ってトイレをしてもらうという方法もあります。
ワンちゃんがトイレの場所を認識できていない場合や、ペットシーツの上で排泄することを理解していない場合は、トイレのしつけが十分ではなかったと考えられます。このような場合、もう一度トイレのしつけをやり直してみましょう。
ワンちゃんにトイレをしつけるポイントは、「失敗させない」「できたらほめる」「失敗しても叱らない」こと。ワンちゃんのトイレサインを見逃さず、上手にできたらすぐにほめてあげることで、正しい場所でトイレができるようになっていきます。焦らず、根気良く続けることが大切です。
ワンちゃんのトイレのしつけについては、下記のページをご覧ください。
犬のトイレのしつけ方とは?粗相を防ぐポイントや必要なグッズを解説
ワンちゃんがシニアになると、加齢による身体機能の低下が原因で、トイレをはみ出すことがあります。シニア犬は、筋力低下や関節のトラブルから段差をうまく越えられなかったり、トイレまで間に合わなかったりする場合があります。このような場合には、動物病院に相談するのがおすすめです。獣医師から適切なアドバイスを受けることで、具体的な対策が立てられるでしょう。
また、自宅で対策できる方法としては、下記の2つが挙げられます。
シニア犬でトイレをはみ出す場合には、段差のないトイレトレーに替えることが有効です。段差をなくすことで、筋力が低下しているワンちゃんもトイレをしやすくなります。
また、ワンちゃんがトイレに行きやすいように、トイレの設置場所も見直しましょう。
ワンちゃんの加齢により、トイレのはみ出しが増えてきた場合には、おむつを使用する方法もあります。ただし、ワンちゃんがおむつに慣れていない場合、嫌がってすぐに脱いでしまうケースも。まずは、短時間の装着から少しずつ慣れさせていくことをおすすめします。
なお、おむつを使用する場合は、ワンちゃんの体や使用目的に合ったおむつを選ぶことが大切です。また、ワンちゃんがおむつかぶれを起こさないように注意し、定期的に交換するようにしてください。
シニア犬に限らず、病気以外の原因でトイレをはみ出す場合にも、おむつの使用は有効です。直接の原因改善にはなりませんが、おむつを使うことでワンちゃん・オーナーさんの悩みが軽減されるのであれば、良い選択肢といえるでしょう。
ワンちゃんのおむつの選び方や、おむつかぶれを防ぐ方法については、下記のページをご覧ください。
犬のおむつかぶれを予防しよう!おむつかぶれの原因や対処法も解説
ワンちゃんがトイレをはみ出してしまっても、決して叱らないでください。叱ってしまうと、ワンちゃんは排泄自体が悪いことだと、誤解してしまう可能性があるからです。
また、大きな声を出したり、強いリアクションをとったりしたとき、オーナーさんが反応してくれたと喜んでしまうワンちゃんもいます。すると、オーナーさんの気を引こうとして、あえてトイレの外で排泄するようになってしまうケースがあります。
ワンちゃんがトイレをはみ出した際には、静かにサッと片付けるなど、冷静に対応することが大切。反対に、ワンちゃんが上手にトイレをできた場合には、たっぷりほめてあげてください。
「ここでトイレをするといいことがある!」というポジティブなイメージをワンちゃんに持ってもらうことで、だんだんとトイレのはみ出しが減っていくことが期待できます。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ワンちゃんのトイレのはみ出しを防ぐには、ワンちゃんが快適にトイレをできる環境を整えてあげることが大切です。
「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」は、極小ポリマーがおしっこをサッと吸収して、気になるトイレのニオイを消臭してくれるペットシーツ。おしっこが逆戻りしにくいため、ワンちゃんの足裏がぬれて床が汚れてしまうといったお悩みも軽減してくれます。
「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」については、下記のページをご覧ください。
キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート
ワンちゃんがトイレをはみ出す原因はさまざまです。ワンちゃんが上手にトイレをできるよう、ワンちゃんの様子をよく観察して原因を探り、適切な対処をしていきましょう。
なお、急にワンちゃんがトイレをはみ出すようになった場合には、病気のサインである可能性もあります。トイレのはみ出し以外に気になる症状があれば、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
急にワンちゃんがトイレをはみ出すようになった場合は、病気のサインかもしれません。トイレのはみ出しのほかに、排泄回数や量の変化といった気になる症状がないかなどを合わせて確認し、動物病院を受診することをおすすめします。
病気以外でワンちゃんがトイレをはみ出す原因としては、以下のようなものが挙げられます。いずれの場合も、原因に合わせて適切な対処をすることが大切です。
・ワンちゃんのトイレ環境に問題がある
・ワンちゃんの排泄スタイルにトイレが合っていない
・ワンちゃんのトイレのしつけが十分ではなかった
・ワンちゃんの加齢による身体機能の低下
シニアになってワンちゃんがトイレをはみ出すようになった場合は、まず動物病院に相談することをおすすめします。愛犬の様子を伝えて獣医師に相談することで、どのような対策をとればいいかアドバイスをもらえるでしょう。
また、加齢によって筋力が低下している場合には、段差のないトイレトレーに替える、トイレの設置場所を見直すといった方法も有効です。加齢によってトイレのはみ出しの頻度が増えた場合には、おむつを使用するのも効果的。おむつを使用する場合には、ワンちゃんの体や使用目的に合ったものを選ぶことが大切です。
ワンちゃんがトイレをはみ出したときに、叱るのはご法度です。叱ってしまうと、ワンちゃんは排泄自体が悪いことだと誤解してしまったり、オーナーさんが反応してくれたと勘違いしてしまったりする可能性があります。
ワンちゃんがトイレをはみ出したときには、叱ったり大きなリアクションをとったりせず、冷静にサッと片付けましょう。また、ワンちゃんが上手にトイレをできたときには、たっぷりほめてあげてください。成功したらほめるという行動を繰り返すことで、ワンちゃんが上手にトイレをできるようになっていきます。
画像提供/PIXTA
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