記事公開:2024.9.30
ワンちゃんがペットシーツを食べるのは、特に子犬期に多く見られる行動です。外出先から帰宅したら、「愛犬がペットシーツをビリビリに破いて口にしていた」といった経験を持つオーナーさんもいることでしょう。ワンちゃんがペットシーツを食べることは健康への影響も気になりますし、できればやめさせたいですよね。
この記事では、ワンちゃんがペットシーツを食べる原因やその危険性のほか、ペットシーツを食べさせないようにするための対策について解説します。
なぜワンちゃんはペットシーツを食べるのか、適切な対処のためにも原因を知ることが大切です。まずは、ワンちゃんがペットシーツを食べる原因として考えられる理由を紹介します。
乳歯から永久歯に生え変わる時期、ワンちゃんは口の中に違和感を覚えます。そのため、違和感を解消しようとして、ペットシーツに限らずさまざまなものを噛みやすくなる傾向があるのです。
ペットシーツはやわらかい素材のため噛んでいると破れてしまい、間違って食べてしまうことがあります。
遊びやお散歩の時間が少ない場合、ワンちゃんはエネルギーを発散する手段を求めます。その結果、ペットシーツをビリビリに破いたり、引っかいたりして、食べてしまうことがあるでしょう。
また、適切なおもちゃがワンちゃんの近くにない場合も、ペットシーツをくわえたり、破いたりする場合があります。
留守番の時間が長いなど、ワンちゃんが不安を覚えたりストレスを感じたりすると、それを解消するためにペットシーツを食べることがあります。ワンちゃんによっては、ストレスを感じると口に入るものを探して噛んでしまう子もいます。
ワンちゃんは、オーナーさんの気を引こうとしてペットシーツを食べる場合もあります。ワンちゃんがペットシーツで遊んだり食べたりした際に、大きな声や高い声で反応してしまった経験はないでしょうか。このときの声のトーンやオーナーさんの様子によって、「オーナーさんが反応してくれた」「喜んでくれた」とワンちゃんが誤解してしまうことがあります。
そのため、オーナーさんの注意を引こうとしてペットシーツで遊んだり、食べたりしようとするのです。
ワンちゃんが異常にペットシーツに執着して食べようとする場合、「常同障害」という心の病気である可能性も考えられます。常同障害では、ペットシーツを食べる行動のほか、自分のしっぽを追いかける、同じ場所をぐるぐると歩き回るといった行動が見られるケースもあります。
この病気は、ストレスや不安、環境の変化などが原因で発症することがあり、早期に動物病院へ相談することが大切です。
ペットシーツには、水分を吸収する素材が使われています。そのため、ワンちゃんがペットシーツを食べてしまうと、消化管内で膨張して、詰まってしまうことがあります。これが腸閉塞を引き起こし、場合によっては手術が必要になることもあるため注意が必要です。
また、ペットシーツを食べる癖がついてしまうと、ほかの異物を誤飲するリスクも高まります。誤飲は消化不良やさまざまな健康問題を引き起こす可能性があるため、ワンちゃんがペットシーツを食べてしまうときは、早期の対処が重要です。
ペットシーツを食べる行動は、ワンちゃんの成長とともに減っていくことが多いですが、体に良い行動ではないため適切な対処が必要です。ワンちゃんの様子を観察して原因を探り、下記のような方法を試してみてください。
歯の生え変わる時期の子犬や、暇つぶしでペットシーツを食べる場合には、ワンちゃんに噛んでもいいおもちゃをあげましょう。おもちゃで遊んでいるときにほめることで、ペットシーツではなくおもちゃで遊ぶのがいいことだとワンちゃんが覚えやすくなります。
さらに、遊びや散歩の時間を増やすことで運動不足を防ぎ、エネルギーを発散させることも大切です。
留守番が長いことなどが原因でワンちゃんがペットシーツを食べると考えられる場合、ワンちゃんといっしょに過ごす時間やスキンシップを増やして、ストレスや不安を緩和してあげましょう。
ストレスが軽減されると、ペットシーツを食べる行動も減少することが期待できます。
ワンちゃんがペットシーツを食べようとしたら、「ダメ」と言ってやめさせることで、ペットシーツを食べないようにしつけができます。ただし、大きい声や高い声で叱ったり反応したりしてしまうと、ワンちゃんはオーナーさんがいいリアクションをしてくれたと誤解してしまい、かえってペットシーツを食べる行動につながることがあるため注意しましょう。
また、ワンちゃんがペットシーツを食べようとしたりいたずらしようとしたりしたら、音を立てて気をそらせる方法もあります。
メッシュカバー付きのトイレトレーを使用することで、ワンちゃんのペットシーツへのいたずらや誤飲を防げます。カバーがあることで、ワンちゃんがペットシーツに直接さわれなくなるため、安全性が高まるでしょう。トイレトレーの隙間からペットシーツがはみ出してしまうと、引きずり出して食べようとする子もいるので、トイレトレーにしっかり収めることも大切です。
ただし、ワンちゃんによってはカバー付きのトイレトレーを好まない子もいるので、愛犬の様子を観察し、適したトイレ環境を整えてあげてください。
ワンちゃんがペットシーツをかじったり破いたりしている場合、本当に食べてしまったかどうかをまず確認してください。ペットシーツを破ったりかじったりしているだけの場合もあります。ペットシーツの残骸から、食べた部分や量を把握しておきましょう。
もしワンちゃんがペットシーツを食べてしまった場合は、すぐに動物病院を受診してください。ペットシーツを食べてしまったかはっきりとわからない場合も、動物病院の受診をおすすめします。食べてから時間が経ってしまうと、吐かせることができなくなるケースもあるため、早期の受診が重要です。受診の際には、いつ、どのくらいの量を食べたのか、そして愛犬の様子に変化があるかを伝えるとともに、食べたペットシーツの破片や未使用のペットシーツを持って行くと、診断に役立ちます。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ワンちゃんがペットシートを食べるときは、不安やストレスを感じていたり、オーナーさんの気を引こうとしたりしているケースがあります。普段から、いっしょに過ごす時間やスキンシップの機会を増やして、ワンちゃんの不安やストレスを解消してあげましょう。
「キミおもい」は、ワンちゃんとオーナーさんのより幸せな暮らしを目指すペット用品ブランド。ワンちゃんシリーズには、吸収・消臭力の高いペットシーツのほか、ワンちゃんの肌にやさしいウエットティシューやおむつなど、愛犬との暮らしが快適になるアイテムがそろっています。
「キミおもい」のワンちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Dog - ワンちゃん -
ワンちゃんがペットシーツを食べる場合は、その原因を探り、適切な対処と予防のために環境を整えることが大切です。ワンちゃんの健康と安全を守るためにも、日頃からワンちゃんの様子を観察し、必要な対策を行いましょう。
万が一、ワンちゃんがペットシーツを食べてしまった場合には、できるだけ早く動物病院を受診してください。
ワンちゃんがペットシーツを食べる理由はさまざまです。
子犬の場合、歯が生え変わる時期は口の中に違和感があり、ペットシーツに限らずいろいろなものを噛む傾向があります。成犬の場合は、運動不足の解消や暇つぶしのためにペットシーツを破ったり引っかいたりすることがあり、その結果食べてしまうことがあるようです。
また、不安やストレスを感じている場合や、オーナーさんの気を引こうとしてペットシーツを食べる場合もあります。
ワンちゃんにペットシーツを食べさせないようにするには、噛んでいいおもちゃをあげる方法があります。いっしょに遊ぶ時間やお散歩の時間を長くするなど、運動不足にならないようにするとともに、コミュニケーションをとる時間を増やすのもいいでしょう。
また、ワンちゃんがペットシーツを食べないようにしつけをするのも大切。ワンちゃんがペットシーツに直接さわれないよう、メッシュ付きのトイレトレーを使うのも効果的です。
ワンちゃんがペットシーツを食べてしまったときには、まず、本当に食べたのかを確認してください。実際は、ペットシーツを破ったりかじったりしているだけの場合もあります。
確認した結果、ワンちゃんがペットシーツを食べてしまっていた場合には、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。また、はっきりと判断できない場合も、食べてしまった可能性がある場合は動物病院の受診をおすすめします。
画像提供/PIXTA
・犬のトイレのしつけ方とは?粗相を防ぐポイントや必要なグッズを解説