記事公開:2024.8.23
ネコちゃんが、やわらかい毛布やクッションの上で前足を交互に動かして「ふみふみ」しているのを見たことはありませんか?ふみふみをしているネコちゃんはとても愛らしくて、ずっと眺めていたくなりますが、この不思議な仕草にはどのような意味や理由があるのでしょうか。
この記事では、ネコちゃんがふみふみをする理由や、この仕草をする子としない子がいる理由、さらに「注意が必要なふみふみ」についてもご紹介します。
ふみふみとは、ネコちゃんが足踏みをするように前足をゆっくり交互に動かす仕草のことです。足踏みのような動きと同時に、手を「グーパー」と閉じたり開いたりするのを見たことがある人もいるでしょう。
なぜネコちゃんはふみふみをするのか、考えられる理由を解説します。
ネコちゃんのふみふみは、元々子猫がお母さんのおっぱいを飲むときに見られるものです。子猫は、母猫のおなかをふみふみして刺激することで母乳が出るのを促します。子猫時代だけでなく、成長してからもふみふみする場合は、子猫時代の名残で、「甘えたい」「かわいがってほしい」という愛情表現のひとつだと考えられます。
ふみふみは、ネコちゃんが安心してリラックスしているときにも見られる仕草です。お気に入りの毛布やベッド、あるいはオーナーさんの体の上などで、母猫に守られていた子猫時代を思い出してふみふみすることがあります。
ネコちゃんの中には、お休み前に寝床を念入りにふみふみする子もいます。ふみふみはネコちゃんにとって睡眠導入効果があるといわれており、寝る前にふみふみをしてリラックスすることがルーティーンになっているのかもしれません。また、ふみふみは寝床を整えるための行動という説もあり、寝る前に毛布やベッドをふみふみしてそのまま横になるネコちゃんは、自分好みに寝床を整えている可能性があります。
ネコちゃんのふみふみは、マーキング行動である可能性もあります。ネコちゃんの肉球には「臭腺」というニオイを分泌する腺があり、お気に入りの毛布やオーナーさんに自分のニオイをつけることで、「これは私のもの!」と周囲にアピールしているのかもしれません。
ネコちゃんによっては、何かの原因で不安やストレスを感じたときに、それを解消するためにふみふみをするケースもあります。その場合、同時に毛布や布団を吸ったりかじったりするなどの行動を伴うことがあります。
ネコちゃんがおもちゃで遊んでいるときなどに、床を踏みしめるように前足でふみふみすることもありますが、これはネコちゃんの「やるぞ!」という意欲の表れ。狩りをするときなどによく見られる行動で、運動前のウォーミングアップのようなものだと考えられています。
ネコちゃんのふみふみは、すべての子に見られる仕草ではありません。性格的にふみふみをまったくしない子もいれば、時間の経過とともにふみふみ行動が減っていく子もいます。ふみふみをしない・しなくなっていく理由として考えられるのは、次のようなものです。
そもそもふみふみは、授乳時の行動の名残と考えられるため、親離れができた成猫は、ふみふみをしないことも多いものです。子猫時代はふみふみをしていた子が、成長とともにしなくなっていくこともあります。オーナーさんにとって、ネコちゃんのかわいい仕草が見られなくなるのは寂しいかもしれませんが、愛猫の自立を喜んであげましょう。
ネコちゃんにとってふみふみしたくなるアイテムが近くにないために、行動に至らないこともあります。その場合、気に入った毛布などが見つかると、その日からふみふみし始める可能性もあります。
ふみふみをしているネコちゃんはリラックスした状態であることが多いため、基本的には見守ってあげれば大丈夫です。ただし、中には次のような注意が必要なケースもあります。
今までふみふみをしていなかったネコちゃんが、ある時期から急にするようになった場合は、何らかの原因で不安やストレスを感じ、自分を落ち着かせようとしているのかもしれません。以前と比べて長時間ふみふみをするようになった場合も同じことが考えられます。
最近、「部屋の模様替えをした」「家族が増えた」「自宅の近所で工事が始まった」などの変化はありませんでしたか。ネコちゃんのストレスの原因を探り、できるだけ落ち着いて生活できるように対策を考えましょう。
ネコちゃんがふみふみをしながら、毛布やタオルに吸い付いたりかじったりする「ウールサッキング」と呼ばれる行動が見られる場合も、何らかの不安やストレスが強いことが考えられます。
ウールサッキングが見られる場合、ほつれた糸や布などの異物を誤飲してしまうおそれがあるため注意が必要です。ウールサッキングが悪化すると、ネコちゃんを抱っこしているときに、オーナーさんの洋服をかじりとって飲んでしまうケースもあります。
ネコちゃんがウールサッキングをしていたら、遊びに誘うなどして気をそらすとともに、ストレスの原因を探って対処しましょう。また、誤飲を防ぐためにも、布製品はしばらく片付けて、ネコちゃんから遠ざけるようにすると安心です。
去勢をしていない男の子が、後ろ足でふみふみして腰を動かしている場合は、発情期のサインの可能性があります。交尾したくてもできない状態は男の子にとってストレスになるため、遊んであげるなどして発散させてあげましょう。頻繁に後ろ足でふみふみして腰を動かしているようであれば、去勢手術を検討するのもひとつの方法です。
ネコちゃんがふみふみする様子が普段と違うなど、気になる場合には、動物病院を受診して相談しましょう。ネコちゃんがどんなタイミングで、何に対してふみふみをしているのかなど、可能な限り書き留めておくと、診断に役立ちます。
ネコちゃんにおなかやひざをふみふみしてもらうことに、憧れを抱くオーナーさんもいるようです。ふみふみは母猫の愛情を求める行動のひとつでもあるので、母猫のように慕ってもらえる信頼関係を築くことができれば、その可能性は高まるかもしれません。
まずは普段から愛猫が好むスキンシップや接し方を探り、リラックスできる環境を整えてあげること。また、程良い距離感を保ってネコちゃんの気持ちを尊重し、決して無理強いをしないことが大切です。
たとえネコちゃんがオーナーさんに愛情を感じ、信頼していても、性格によってふみふみをする子もいればまったくしない子もいます。愛猫にふみふみされなくても、愛情が足りないわけではないため安心してください。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ネコちゃんがリラックスして快適に過ごせるよう、トイレ環境などを整えることも大切です。「キミおもい」のネコちゃんシリーズは、ネコちゃんとの暮らしがもっと幸せになることを目指したペット用品。機能別に素材を選べる猫砂や、各社システムトイレ本体に使えるシステムトイレ用猫砂・シート、トイレまわりのお掃除や粗相してしまったときの汚れ・ニオイをさっと拭き取れるおそうじシートなどがそろっています。
「キミおもい」のネコちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Cat - ネコちゃん -
ネコちゃんのふみふみは多くの場合、子猫時代の習性によるものです。基本的にはネコちゃんがリラックスしたりしていたり、心地良さを感じていたりするときに見られる行動なので、心配することはありません。
ただし、今まではしなかったのに、急にふみふみするようになったなど、注意が必要なケースもあります。日頃からネコちゃんの様子をよく観察し、安心して生活できるように環境を整えてあげましょう。
ネコちゃんが毛布やクッションにふみふみをする仕草は、子猫が母乳を飲むときに見られる行動の名残だといわれています。「甘えたい」という愛情表現であったり、安心や心地良さを感じていたり、寝床を整えるためにふみふみをしたりする子もいるようです。また、遊びのときに床を踏みしめるようにするふみふみは、運動前のウォーミングアップと考えられています。
ふみふみをしないネコちゃんがいる理由としては、すでに成長して親離れができていたり、単純にふみふみをしたくなるやわらかいアイテムが身近になかったりすることが挙げられます。また、性格的にまったくふみふみをしない子もいます。愛猫にふみふみされなくても、オーナーさんへの愛情が足りないわけではないため安心してください。
今までふみふみをしていなかった子が急にふみふみするようになった、ふみふみしながら毛布やタオルに吸い付いたりかじったりする「ウールサッキング」が見られるといった場合は、注意が必要です。ネコちゃんが不安やストレスを感じている可能性があります。
まず、ネコちゃんのストレスの原因を探して対処することが大切です。ウールサッキングが見られる場合は、誤飲を防ぐために、ネコちゃんのまわりにある布製品を片付けるようにしましょう。
また、男の子が後ろ足でふみふみをしながら腰を動かしている場合は、発情期のサインの可能性があります。交尾をしたくてもできない状態がストレスとなってしまうため、いっしょに遊ぶなどで発散させてあげてください。
なお、ネコちゃんのふみふみの様子が普段と違うなど、気になる場合は動物病院を受診して相談することをおすすめします。受診の際は、ネコちゃんがどんなタイミングで、何に対してふみふみをしているのかなどを伝えると、診断に役立ちます。
画像提供/PIXTA
・猫は抱っこが苦手?嫌がられない抱っこの仕方やコツを解説
・猫のトイレのしつけのポイントは?うまくいかない場合の対処法も解説
・猫のうんちで健康チェック!色や形など見るべきポイントは?