記事公開:2024.6.20
ワンちゃんによっては寝床ではなく、トイレで寝てしまうことがあります。これは、子犬期に特に多く見られる行動で、初めてワンちゃんと暮らし始めたオーナーさんなどは戸惑ってしまうかもしれません。体に排泄物のニオイがついたり、汚れてしまったりすることで「病気にならないかな?」などと心配になることもありますよね。
この記事では、ワンちゃんがトイレで寝てしまう理由と、寝てしまった場合の対処法について解説します。
ワンちゃんが寝床ではなく、トイレで寝てしまうケースでは、主に下記の5つの理由が考えられます。寝床とトイレの置かれた場所や、ワンちゃんが室内で自由に動けるかどうかなど、状況によって理由は異なるため、環境やワンちゃんの様子を観察して、原因を探りましょう。
ベッドが広すぎたり、狭すぎたり、素材や感触が好みではないなどの理由で寝床が気に入らず、トイレで寝てしまっているワンちゃんもいるかもしれません。そのほか、ワンちゃんの寝床の設置場所が暑い・寒い、人の出入りが多くて落ち着かないといった理由も考えられます。
ワンちゃんがペットシーツの肌触りを心地良く感じており、トイレで寝るケースもあります。ペットシーツの素材は、夏場はひんやりと涼しく、冬場は暖かく感じられるため、ワンちゃんが快適に感じて寝てしまうことが考えられます。
ワンちゃんは自分のニオイがついている場所を「縄張り」と認識するため、自分のニオイがついているトイレで安心して寝てしまうことがあります。また、程良く狭い場所を好む習性もあるため、ケージやトイレサークルなどでトイレトレーのまわりを囲っている場合、その中で安心して寝てしまうこともしばしば起こります。
さらに子犬の場合、オーナーさんの姿が見えていないとストレスを感じやすいため、ベッドよりもトイレのほうがオーナーさんに近い場合は、トイレを寝る場所に選ぶこともあるようです。
ケージ内など、ある程度区切られた場所で寝床とトイレが近くに設置されていると、ワンちゃんにとって寝床とトイレの区別が曖昧になることがあります。そのときにトイレのほうを心地良いと感じれば、トイレを寝床として選んでしまうことになるでしょう。
ワンちゃんがトイレで寝たときに、オーナーさんから「そこはだめ!」と注意された経験がある場合、叱られたのではなく「構ってもらえた」と思うことがあります。構ってもらいたいワンちゃんは、オーナーさんの気を引くためにトイレで寝ることもあるようです。
ワンちゃんがトイレで寝てしまう場合、どのような対処をするといいでしょうか。ここでは、6つの対処法をご紹介します。
まず、ワンちゃんが寝床を気に入ってくれるように、環境を見直してみましょう。ワンちゃん用のベッドを使っている場合、ベッドの大きさや素材などをワンちゃんの好みに合わせて見直してみるのもひとつの方法です。
寝床を設置する場所は、人通りの多い場所やテレビの近くといった騒がしい場所を避け、落ち着いて過ごせる場所を選んであげてください。ワンちゃんにとって快適な温度になるよう、夏場は冷却マット、冬場は毛布を加えるなど、暑さ・寒さ対策をするのも大切です。
また、寝床よりもトイレのほうがオーナーさんの様子がわかる、トイレの場所が過ごしやすいなどの理由でワンちゃんがトイレで寝てしまう場合、寝床とトイレの場所を入れ替えると、寝床で寝てくれるようになることもあります。
ワンちゃんがトイレトレーの大きさや感触を気に入っていて寝てしまうようであれば、トイレトレーを新しいものに交換するという方法もあります。メッシュ状のカバーがついたトイレトレーに変えて、直接ペットシーツの上で寝られないようにするのも一案です。
ワンちゃんがトイレと寝床を区別できていない場合、トイレトレーを変えることで寝床とトイレの区別が明確になり、トイレで寝なくなるケースもあります。
また、トイレトレーの周囲に囲みがあると中の空間で落ち着きやすくなります。トイレ用サークルを外す、囲い付きのトイレトレーを使っている場合はフラットなトイレトレーに変える、といったことも試してみましょう。
ワンちゃんは自分のニオイがついている場所に安心感を覚えるため、できるだけトイレのニオイを消すようにすれば、トイレで寝ることが少なくなるかもしれません。排泄後はすぐにペットシーツを交換する、トイレをこまめにお掃除する、排泄後に消臭スプレーを使うといった対策をしましょう。
ワンちゃんが構ってほしくてトイレで寝ている可能性がある場合、騒いだり注意したりするのは逆効果。何も反応せず、スルーするのがおすすめです。
反対に、ワンちゃんがきちんと寝床で寝たら、「上手にできたね」「いい子だね」などほめてあげてください。それによって、ワンちゃんは「ここに寝るのは良いこと」と認識するようになるでしょう。
ワンちゃんがトイレで寝る場合、トイレのしつけが十分にできていないのが原因かもしれません。「愛犬はトイレを覚えられていないのかも」と思ったら、今一度、トイレのしつけをやり直してみましょう。
ワンちゃんのトイレのしつけは「失敗させない」「できたらほめる」「失敗しても叱らない」ことが重要です。焦らず、ワンちゃんのペースに合わせて取り組んでみてください。
ワンちゃんのトイレのしつけについては、下記のページをご覧ください。
犬のトイレのしつけ方とは?粗相を防ぐポイントや必要なグッズを解説
ワンちゃんは元来、キレイ好きな生き物です。そのため、「トイレは排泄をする場所である」と認識できるよう、トイレトレーニングをしっかり行いましょう。
併せて、トイレよりも寝床が快適に感じられるように環境を整えてあげれば、トイレで寝る行動は自然に少なくなっていくと考えられます。特に子犬の場合は、成長とともにトイレで寝なくなるケースが多いものです。無理にやめさせようとせず気長に見守ってあげることは、ワンちゃんにとっても負担が少ない方法だといえます。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
ワンちゃんのトイレのニオイ対策には、消臭力のあるペットシーツを使用するのもおすすめです。大王製紙の「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」は、極小ポリマーがおしっこのニオイを強力に消臭してくれるペットシーツ。おしっこをサッと吸収するため、ワンちゃんの足裏がぬれて床が汚れるお悩みも軽減してくれます。ワンちゃんが好きな、芝生の香り成分を配合していることもポイントです。
「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」については、下記のページをご覧ください。
キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート
お迎えしたばかりのワンちゃんがトイレで寝ると、びっくりするオーナーさんが多いかもしれませんが、実はありがちなことです。そんなときに無理にやめさせようと叱ったり、オーナーさんが神経質になりすぎたりするのは逆効果。
ワンちゃんの様子をよく観察して原因を探り、寝床になる場所を快適にする、トイレと寝床の区別を明確にしてあげるなど、適切な対処をしましょう。
ワンちゃんが寝床ではなくトイレで寝てしまう理由はさまざまです。ワンちゃんが寝床を気に入っていなかったり、寝床の場所が落ち着かなかったりしてトイレで寝てしまうケースがあります。また、ワンちゃんがトイレやペットシーツの感覚を気に入っているなど、トイレがベッドよりも落ち着ける場所だと認識しているケースもあるでしょう。
さらに、トイレと寝床の区別がついていないためトイレで寝てしまうワンちゃんや、オーナーさんの気を引こうとしてトイレで寝てしまう子もいるようです。
子犬がトイレで寝る場合、成長とともに改善されることが多いため、焦らず気長に見守ってあげるといいでしょう。
また、ワンちゃんにトイレトレーニングをするとともに、トイレよりも寝床が快適に感じるように環境を整えてあげれば、トイレで寝る行動は自然に少なくなります。
ワンちゃんがトイレで寝るのをやめさせたい場合、ベッドの大きさや素材をワンちゃんの好みのものに変える、暑さ寒さ対策を万全にするなど、寝床の環境を見直してあげましょう。トイレトレーを別のものに変えたり、トイレと寝床の位置を入れ替えたりすることで、トイレで寝なくなることもあります。また、ワンちゃんは自分のニオイがついている場所で落ち着く習性があるため、トイレの消臭対策をすることもおすすめです。
ワンちゃんのトイレのしつけが完璧になっていない場合は、きちんとしつけを見直すことも効果的。加えて、オーナーさんに構ってもらいたくてトイレで寝るケースもあるため、ワンちゃんがトイレで寝ていても、反応しないことが大切です。
画像提供/PIXTA
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