記事公開:2024.05.31
日頃からトイレやお散歩のときにワンちゃんが排便する様子を観察するのは、ワンちゃんの健康管理のために大切なことです。
この記事では、ワンちゃんが1日にするうんちの回数の目安や、うんちの回数が増えたり減ったりした場合に考えられる原因について解説。さらに、硬さや色、ニオイなど、うんちの回数以外にもチェックしておきたいポイントについてご紹介します。愛犬の健康維持のためにぜひ役立ててください。
そもそもワンちゃんが1日にするうんちの回数の目安は、何回ぐらいなのでしょうか。
ワンちゃんが1日にするうんちの回数は、成長とともに変化していきます。消化器官が未発達な子犬は、食事回数が1日に3~4回と多いことから、うんちの回数も多く、1日に5~6回ぐらいすることがあります。その後、成長とともに消化器官が発達し、食事回数が減ることでうんちの回数も減少。成犬になると、一般的に食事は1日2回、うんちの回数はだいたい1日1~3回が目安です。
また、ワンちゃんの食事の内容や運動量などによって異なるほか、個体差もあるため、オーナーさんは普段からワンちゃんの排泄回数を把握しておくことが大切です。
ワンちゃんのうんちの回数が増える原因はさまざまです。それほど心配のないケースもありますが、体調の異変や病気のサインである可能性もあります。排泄以外の様子も観察した上で、必要な対応をしましょう。
ワンちゃんのうんちの回数が増える原因のひとつは、食事の影響です。食事の量が増えたり、食事の内容が変化したりすることで、うんちの回数が増えます。
例えば豆や穀物、野菜などに多く含まれる不溶性食物繊維は水に溶けない性質があり、うんちのかさを増やして腸の働きを刺激します。そのため、手作りフードで食物繊維が豊富な食材を使ったり、食物繊維を多く含むダイエット用のドッグフードに切り替えたりしたときに、うんちの回数が増えることがあるでしょう。
なお、食物繊維には水に溶ける性質を持つ可溶性食物繊維もあります。可溶性食物繊維は果物や野菜などに含まれており、腸内細菌の栄養源となって、腸内環境を整える働きがあるといわれています。不溶性食物繊維と可溶性食物繊維はバランスよくとることが大切ですので、どちらか一方に偏ることのないように注意しましょう。
ワンちゃんの体に合わない食事をとっている場合も、十分に消化ができないなどの理由でうんちの回数が増えることがあります。うんちの回数以外にも体調の変化や気になる点がないか、確認しましょう。
散歩などの運動によって腸が刺激され、排便が促されることもあります。
例えば冬から春、夏から秋へと季節が移り変わり、ワンちゃんのお散歩の量が増えると、それに伴って、うんちの回数も増えることがあります。
急な環境の変化やストレスが原因で、ワンちゃんの腸内環境が悪化すると下痢になりやすく、うんちの回数が増えることがあります。
「留守番が多い」「スキンシップ不足」など、ワンちゃんのストレスの原因として思い当たることがあれば、改善していくことが大切です。また、ワンちゃんの腸内環境を整えるために、無糖のヨーグルトや加熱したさつまいもを少量与えたり、ワンちゃん用のサプリメントを試したりしてもいいでしょう。
ワンちゃんのうんちがゆるくて回数が多い場合は、細菌性やウイルス性の下痢を起こしている可能性もあります。ワンちゃんの脱水を避けるため、いつでも水分補給ができるよう水をたっぷり用意してあげましょう。
水のような下痢を繰り返したり、食欲もなかったりするようであれば、すぐに動物病院を受診してください。
ワンちゃんのうんちの回数が増える場合、細菌性腸炎や急性膵炎などの病気のほか、鞭虫症(べんちゅうしょう)や条虫症(じょうちゅうしょう)など、寄生虫の感染が隠れている可能性もあります。
軟便や下痢などの症状を伴うことが多いため、後述するうんちのチェックポイントを参考に観察しましょう。もし気になる症状がある場合は、すぐに動物病院を受診することをおすすめします。
ワンちゃんの下痢については、下記のページをご覧ください。
犬が下痢になる原因は?動物病院へ行く目安や家庭でできることも解説
さまざまな理由から、ワンちゃんのうんちの回数が減る場合もあります。ワンちゃんの場合「うんちが◯日以上出ないと便秘」という明確な定義はありませんが、明らかに普段よりも回数が減った場合は、何らかの問題があるのかもしれません。ワンちゃんのうんちの回数が減ったときに考えられる原因は、主に下記のようなものです。
ワンちゃんの食事の量が減ったり、食事の内容が変化したりすることで、うんちの回数が減ります。
例えば、消化吸収率の高い食事の場合、ワンちゃんの体に食事が効率良く吸収されることでうんちの量や回数が減るでしょう。
また、ワンちゃんの体質に合わない食事は、うんちの回数が減る原因にもなります。うんちの回数が少ないことが気になるときは、食物繊維の多いフードを試してみるのもひとつの方法です。
ワンちゃんの水分摂取量が不足していると、うんちが硬くなって排便回数が減ることがあります。水をあまり飲まないワンちゃんの場合、水飲み場を部屋の数ヵ所に用意するのもひとつの方法です。
ドライフードを与えているのであれば、白湯やスープなどでふやかしてから与える、野菜など水分の多い食材をトッピングするなどして、水分を補給する工夫をしましょう。
ワンちゃんが運動不足になると、腸への刺激が減り、消化器官の動きが鈍って便秘気味になることがあります。ワンちゃんの体重管理やストレス解消のためにも、できるだけ散歩をしたり一緒に遊んだりして、運動の時間を増やしてあげてください。
動物病院で見られるワンちゃんの便秘で最も多いのが、病気やケガが原因となっているものです。
例えば、腸の腫瘍やポリープ、会陰ヘルニア、肛門まわりの炎症などでうんちが出づらくなったり、肛門の痛みによって排便が困難になったりすることがあります。また、骨折などケガの影響で排便姿勢が取りづらいために、うんちを我慢してしまうケースもあります。
ワンちゃんのうんちの回数が少ない状態が続くようなら、早めに動物病院を受診しましょう。
ワンちゃんの便秘については、下記のページをご覧ください。
犬が便秘になるのはなぜ?原因や動物病院へ行く目安、予防法を解説
排便の回数だけでなく、どのようなうんちをしているかを観察することも、ワンちゃんの健康状態を把握するために大切なことです。ここからは、ワンちゃんのうんちのチェックポイントについて紹介します。
理想的なワンちゃんのうんちは、きちんと形があり、手でつかんでも形が崩れないくらいの硬さがあります。拾い上げたときに、ペットシーツや地面にうんちの跡がほぼ残らない状態が目安です。
なお、うんちの硬さも、食事の内容や水分摂取量、ストレス、病気などの影響で変化します。
理想的なワンちゃんのうんちの色は、茶色からやや濃い茶色をしていますが、食べているものによっても多少異なります。基本的に同じものを食べていればうんちの色は変わらないため、普段のうんちがどんな色をしているかを把握しておきましょう。
食事の内容を変えていないのに、うんちの色がいつもと大きく違う場合は、病気のサインである可能性もあるため、動物病院に相談することをおすすめします。
ワンちゃんのうんちの色については、下記のページをご覧ください。
犬のうんちの色がいつもと違う?黒や赤など色が変わる原因とは
理想的なワンちゃんのうんちは、それほどきついニオイはしません。食事の内容を変えていないのにうんちのニオイが変わったり、急にニオイがきつくなったりしたときは、何らかの体調の異変や、病気が関係している可能性があります。特に、特定の菌や原虫(寄生虫)が増えている場合は、特徴的な腐敗臭がします。
理想的なワンちゃんのうんちは、表面につやがあってしっとりと水分を含んでいます。
表面にドロッとしたゼリー状のものが付着していたり、血がついていたり、異物が混ざっていたりする場合は、何らかの病気や誤飲・誤食の可能性も考えられます。そのようなうんちが出たら、動物病院を受診するようにしましょう。
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
大王製紙の「キミおもい」は、ペットとの暮らしがもっと幸せになることを目指したペット用品ブランドです。ワンちゃんシリーズでは、トイレ関連商品のほか、お手入れ用品もそろっています。
「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」は、ワンちゃんが芝生を感じる成分を配合したペットシーツ。まるでお外でトイレをしているような気分にさせてくれます。
各商品については、下記のページをご覧ください。
キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート
「キミおもい 肌にやさしい ウエットティシュー」は、水分をたっぷり含んだ、ワンちゃんの肌にやさしいウエットティシュー。洗い流すように汚れをふき取ることができます。手足や顔まわりのケアはもちろん、おしりまわりのふき取りにもおすすめです。
「キミおもい 肌にやさしい ウエットティシュー」については、下記のページをご覧ください。
キミおもい 肌にやさしい ウエットティシュー
ワンちゃんのうんちは、さまざまなことがわかる健康のバロメーターです。
普段から1日の排便回数やそのときの様子、うんちの形状などを把握し、いつもよりも回数が増えた・減った、硬さや色が違うなど、気になる変化が現れたら、動物病院に相談することをおすすめします。
消化器官が未発達な子犬はうんちの回数も多く、1日に5~6回ぐらいすることがあります。その後、成長とともに消化器官が発達して、うんちの回数も減っていきます。成犬の場合、一般的なうんちの回数は1日1~3回が目安です。個体差もあるため、ワンちゃんの普段の回数を把握しておきましょう。
ワンちゃんのうんちの回数が増える主な原因は、食事の影響です。例えば、食物繊維が多い食事に切り替えると、うんちのかさが増えて回数が増えることがあります。また、運動量が増えることによっても、排便が促されることがあります。
そのほか、ストレスなどによる腸内環境の悪化、細菌やウイルス感染による下痢、病気や寄生虫が原因でうんちの回数が増えることも。うんちの回数だけでなく、硬さや色、ニオイなどもチェックすることが大切です。
ワンちゃんのうんちの回数が減る原因としては、食事の量が減ることや食事の内容による影響のほか、水を飲む量が不足していてうんちが硬くなっていたり、運動不足によって腸の動きが鈍くなっていたりすることも考えられます。
また、腫瘍やポリープ、炎症が原因でうんちが出にくくなっていたり、排泄痛を伴うようになっていたりする可能性も。さらに、骨折などのケガの影響で排便姿勢が取りづらいために、うんちを我慢してしまうケースもあります。
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