記事公開:2024.04.30
愛犬とはマイカーだけでなく、電車でもお出掛けや旅行ができれば、行動範囲がもっと広がりますよね。一方で、「うちの子は電車に乗ってもいいのかな?」「どんな準備をすればいいのかな?」と心配になってしまうオーナーさんもいるかもしれません。
ここでは、愛犬と電車でお出掛けする場合の準備や、守りたいルール・マナー、注意点をご紹介します。正しい知識を持って、愛犬と楽しくお出掛けしましょう。
「そもそもワンちゃんは電車に乗せられるの?」と疑問に思うオーナーさんもいるかもしれません。ですが、基本的に各鉄道会社の設定した条件を満たしていれば、ワンちゃんを電車に乗せることは可能です。
ワンちゃんといっしょに電車に乗る場合のルールは、鉄道会社によって異なります。基本的には、「ワンちゃんの全身がケースなどの中に納まっていること」「ほかの乗客に対して迷惑がかからないように配慮すること」が共通のルールです。
鉄道会社によっては、ペットが乗車することに対して別料金がかかるケースもあります。また、有料・無料にかかわらず、ペットおよびケースのサイズや重量に制限があることが多いため、事前に鉄道会社のウェブサイトなどで確認しましょう。
例として、JR東日本を利用する際のルールは下記のとおりです。なお、ほかの乗客に迷惑をかけるおそれがある場合や、電車がとても混雑している場合などは、ワンちゃんといっしょに乗れないケースもあります。
<JR東日本のルール>
・縦・横・高さの合計が120cm以内の動物専用のケースに入れる
・ケースと動物を合わせた重さが10kg以内
・乗車駅の改札口などでケースを見せた上で、普通手回り品きっぷを購入(1ケースにつき290円)
・駅や車内ではケースから出さないこと
では、前述のJR東日本のルールで考えた場合、どのようなワンちゃんなら同乗ができるでしょうか。
まず、持ち込みサイズ・重量の規定から考えると、体重4〜5kgまでの超小型~小型犬は同乗できる可能性が高いです。体重5〜7kgの小型犬の場合は、クレートやキャリーなどケースとの総重量が規定内に収まるかどうかで変わってきます。体重10kg以上の中型犬〜大型犬は同乗できないため、自動車での移動を検討しましょう。
キャリーケースについては、ワンちゃんの全身が入り、顔や体の一部が出ないものに入れることが基本です。JR東日本をはじめ、ペットスリングは形状が変わるためケースとみなさない鉄道会社もあります。ワンちゃんの全身が入りカバーができるスリングでもNGとしている鉄道会社があるので注意しましょう。
ペットカートは、カートを含めた寸法がサイズ規定を超えてしまうため、基本的にはNGとなることが多いようです。ただし、JR東日本の場合、カート部分とケースが分離でき、ケースがサイズ規定の範囲内であれば持ち込むことができます(カート部分は折りたたんで乗車してください)。
ワンちゃんにとって、電車での移動はストレスになることが多いため、急に電車に乗せるのは避けたほうがいいでしょう。
まずはクレートやキャリー、振動や音、人混みに少しずつ慣れさせていくなど、下記のようなステップを踏むことが大切です。
まずはワンちゃんが、移動に使用するクレートやキャリーの中で落ち着けるようになることが大切です。普段からクレートやキャリーを身近な場所に置き、中でおやつをあげたり、遊ばせたり、ベッド代わりにして眠ったりする練習をします。クレートやキャリーの中が安心できる場所だと認識してくれれば、移動するときも落ち着いて過ごせるようになるでしょう。
次に、クレートやキャリーでの移動に慣れさせるために、ワンちゃんが入った状態で持ち上げて、家の中を歩き回る練習をしてみましょう。
さらに、外へ出て少し歩いてみたり、公園に行く際の移動に使ったりして、徐々に慣れさせていくのがおすすめです。
ワンちゃんがクレートやキャリーに慣れても、いきなり長い時間電車に乗せることはおすすめしません。最初は1駅だけ乗って様子を見つつ、大丈夫そうであれば徐々に移動距離や時間を延ばしていくといいでしょう。ワンちゃんに無理をさせないよう、十分配慮することが大切です。
ワンちゃんがクレートやキャリーでの移動に慣れたら、いよいよ電車でお出掛け。ここからは、お出掛け当日の準備についてご紹介します。
まだ電車の移動に慣れていないワンちゃんの場合、緊張やストレスから粗相をしてしまったり、途中で排泄したくなって吠えたりすることも考えられます。乗車の前は長めにお散歩をするなどして、必ずトイレを済ませるようにしてください。
また、クレートやキャリーの中にはペットシーツを敷き、場合によってはおむつやマナーベルトを装着することも検討しましょう。
食事をしてすぐの乗車や、空腹すぎる状態での乗車は、乗り物酔いの原因になります。ワンちゃんの食事は、電車に乗る2時間程前に済ませておくといいでしょう。
電車の中は空調が効いていることが多いため、車内と外気の温度差でワンちゃんが体調を崩すこともあります。乗車の際は、冷暖房の風が直接あたらない場所を選び、夏場は冷却マット、冬場は毛布をクレートやキャリーの中に入れるなど、適切な温度が保てるよう対策をしましょう。
ワンちゃんと電車で安全・快適にお出掛けをするために、注意したい点についてご紹介します。ワンちゃんを守るとともに、周囲への配慮が大切です。
人間と同様に、ワンちゃんにも乗り物酔いしやすい子がいます。心配な場合は、事前にかかりつけの動物病院に相談して、酔い止めの薬を処方してもらうこともひとつの方法です。
乗車中にワンちゃんがよだれをたくさん流したり、呼吸が荒くなったり、元気がなくなったりするようであれば、無理をせずに途中下車して休ませるようにしましょう。そのためにも、スケジュールに余裕を持って出掛けることをおすすめします。
ワンちゃんとのお出掛けをスムーズにするため、事前に鉄道会社のウェブサイトなどで、目的地までのルートや駅の設備、混雑する時間帯や車両などを確認しておきましょう。
できるだけ混雑を避けて移動することは、ワンちゃんへの負担を軽くするだけでなく、周囲の乗客への配慮にもつながります。
乗車中はワンちゃんの入ったクレートやキャリーから目を離さず、離席する際もいっしょに連れて行くようにしましょう。
「少しのあいだだから」と思っても、目を離した隙にワンちゃんがトラブルに巻き込まれるリスクはゼロではありません。また、オーナーさんがいなくなったことで、ワンちゃんが不安を感じて吠えてしまう可能性もあります。これはワンちゃんを守ると同時に、周囲の乗客に迷惑をかけないためのマナーです。
電車にはワンちゃんが苦手な人や、犬アレルギーがある人も乗車しています。ワンちゃんと電車に乗る際はそうした人たちに配慮して、周りの人たちと距離をとり、できるだけ静かに過ごしましょう。
乗車時にワンちゃんが騒いでしまっても、キャリーの扉を開けたり、外に出して抱っこしたりするのは控えてください。どうしてもワンちゃんが落ち着かないときは、いったん電車を降りるなどの配慮が必要です。
今回は、愛犬といっしょに電車に乗るときの基本的なルールや準備、注意点などについてご紹介しました。
事前にきちんと準備をした上で、各鉄道会社の決まり事やマナーを守ることができれば、ワンちゃんといっしょに行動できる範囲がグンと広がるはずです。ぜひ、ワンちゃんとのお出掛けや旅行を楽しんでください。
大王製紙の「キミおもい」ワンちゃんシリーズには、ワンちゃんとのお出掛けシーンでも頼りになるアイテムがそろっています。
「キミおもい のびのび動ける アクティブウェア」は、パンツタイプのおむつ。移動中はもちろん、活発なワンちゃんのデイリーユースにもぴったりです。「キミおもい おうちくつろぎ リラックスウェア」は、テープタイプのおむつ。移動中のほか、おうちでゆったりくつろぎたいときにもおすすめです。
そして、お出掛けの際に使用するクレートやキャリーには「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」を。吸収力のあるペットシーツで、レギュラーサイズで約3回分のおしっこ(約90ml)を吸収できるほか、強力消臭してくれるので、クレートやキャリーからニオイがモレにくく安心です。
各商品の詳細については、下記のページをご覧ください。
キミおもい のびのび動ける アクティブウェア
キミおもい おうちくつろぎ リラックスウェア
キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート
基本的には、ワンちゃんの全身がキャリーケースの中に納まっており、サイズや重量が鉄道会社の定める制限内であり、かつほかの乗客に対して迷惑がかかる状況でなければ、乗車することは可能です。ワンちゃんといっしょに電車に乗る場合のルールは鉄道会社によって異なるため、必ず事前に確認しましょう。
まず、移動に使うクレートやキャリーの中でワンちゃんにおやつをあげたり、遊ばせたりして、安心できる場所だということを教えてあげてください。次に、ワンちゃんをクレートやキャリーに入れたままで家の中やお散歩ルートを歩いて、移動に慣らしていきます。移動に慣れたら、1駅分だけ電車にいっしょに乗ってみるなど、短時間から電車の利用をしてみてください。その後、徐々に距離や乗車時間を延ばしていきましょう。
乗車の前にワンちゃんのトイレは必ず済ませ、食事も乗車の2時間前にはあげておきます。また、車内と外気の温度差でワンちゃんが体調を崩さないよう、夏場は保冷剤、冬場は毛布などを準備して、適切な温度が保てるようにしましょう。
画像提供/PIXTA
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
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