記事公開:2024.1.22
ネコちゃんのうんちは、健康チェックにとても役立つことをご存じですか?日頃からうんちを観察することで、ネコちゃんの体調の変化に、いち早く気づいてあげることができます。
ここでは、ネコちゃんのうんちをチェックするときのポイントや、健康な状態と要注意な状態の例のほか、うんちがいつもと違うときの対処法について解説します。
ネコちゃんのうんちは健康のバロメーター。うんちの異変には一時的なストレスの影響もありますが、胃や腸をはじめとする消化器官の不調や、脱水などの全身状態を反映することも多いものです。
また、うんちだけでなく、ネコちゃんが排便をしているときの様子からも、体のトラブルのサインを見つけることができます。
言葉を話せないネコちゃんの健康状態を、常に身近で把握できるのはオーナーさんです。うんちを日頃からチェックすることで体調の変化に気づき、早めに対処してあげましょう。
お家のネコちゃんのうんちを見慣れてしまうと、「どのような状態が正常なのか」を判断するのは難しいものです。まず、ネコちゃんの「理想的なうんち」とはどのような物か、どのような場合に注意が必要なのかを知っておきましょう。
成猫のうんちの回数は1日1~2回が理想的で、1回の量は人の親指1~2本分くらいが目安とされています。ただ、健康なネコちゃんでも、水分量や食事の変化で1日ぐらい排便がないことも。一時的なことであれば、問題ないでしょう。
うんちの回数や量には個体差もあるので、普段のネコちゃんの排便回数や時間帯、量を把握しておくことが大切です。うんちの回数や量がいつもより多かったり少なかったりする場合は、普段と比べて食欲はどうか、食べた物や水分の摂取量がいつもと違っていないかを確認しましょう。
また、ネコちゃんがトイレで踏ん張る時間は、30秒~1分くらいが一般的。踏ん張る時間がそれよりも長くなっている場合、下痢や便秘をしている可能性があります。排便直後のうんちの様子をよく確認しましょう。
理想的なうんちは、ある程度の大きさがあり、細長いバナナ形か丸い形をしています。いずれも形がしっかりして、崩れていない状態が理想的です。
形があっても、とても小さくコロコロしていたり、猫砂もつかないほど表面がカチカチに固まっていたりする物は、便秘の傾向があります。
反対に形が崩れているうんちや、水のようなうんちは下痢です。水分摂取量の影響で一時的に軟便になることもありますが、消化器官が炎症を起こしているなどの可能性もあります。
理想的なうんちは、食べているフードの色と同じ茶色か、それよりもやや濃くて黒っぽい色。また、適度な水分を含んでいるため表面にはツヤがあり、排便したばかりのときはまわりに猫砂が付着します。
一方、黒くてドロッとしたうんちや、赤い血が混じったように見えるうんちが出た場合は、消化器官から出血している可能性があると考えてください。血液は、腸を長い時間通過すると黒っぽくなります。黒くてドロッとしている場合には、胃や小腸といった消化器管の初めのほうから、赤い場合には大腸や肛門といった消化器管の終わりのほうからの出血が考えられるでしょう。
白っぽいうんちの場合は、脂肪が多く含まれている可能性が高くなります。脂肪を分解する分泌物は、膵臓から出ているため、白っぽいうんちは膵臓に異常がある場合が多いです。
また、うんちに毛が少し混じっていても、毛づくろいで飲み込んだ体毛が出てきただけなので問題ありません。ただしゼリー状の粘液や白い糸状の物など、毛ではない物が混じっていたときは要注意です。
元々ネコちゃんのうんちには、ツンとした独特のニオイがあります。時々ニオイを嗅いでみて、普段のニオイを覚えておくことが大切です。
注意したいニオイとしては、酸っぱいようなニオイや、食べ物が腐ったようなニオイ、普段よりも強いニオイなどです。また、フードを変えていないのに急にうんちのニオイが変化したときも、異変のサインである可能性があります。
ネコちゃんのうんちが普段と違うことに気づいたときは、どうしたらいいのでしょうか。ケース別に対処方法をご紹介します。
下痢や便秘が1日で済み、すぐに正常な状態に戻るようなら、一過性の変化である可能性があります。うんち以外に異常なところがなく、いつものように元気であれば、自宅で様子を見てもいいでしょう。
ネコちゃんのうんちが安定しないときに自宅でできることは、次のようなものです。
<うんちが普段と違う際に自宅でできる対応>
・1日絶食して様子を見る
・腸内環境を整えるフードや水分量の多いウェットフードを試してみる
・腸内環境を整えるため適度に運動させる
様子を見る際は、万が一症状が悪化した場合に備えて、ネコちゃんの様子や毎日の食事、排便の記録をとっておくことをおすすめします。また、すぐに動物病院に行かなくても、ワクチン接種や健康診断のときに、ネコちゃんのうんちを持っていって獣医師に相談すると安心です。
ネコちゃんのうんちが普段と違っている場合、次のようなケースはすぐに動物病院で受診することをおすすめします。動物病院を受診する際は、できるだけ排泄直後のうんちを持っていきましょう。そのほうが普段とうんちの様子が違う原因を特定しやすく、診断に役立てることができます。
うんちが黒い場合は上部消化管(食道・胃・十二指腸)からの出血、鮮血が混じっている場合は大腸や肛門からの出血が起きている可能性があります。また、所々白色の場合は、消化吸収できなかった脂肪が出てきた状態で、胆嚢や肝臓の異常が疑われます。
うんちに米粒状の物や白い糸状の物が混じっていたら、寄生虫がいる可能性が高いので、駆虫薬での治療が必要です。さらに、輪ゴムやタオルの切れ端などの異物が混じっていたときも、誤食の疑いがあるため、すぐに受診することをおすすめします。
うんちの異常に加えて、嘔吐や食欲不振、ぐったりするなどの様子が見られるときは、直ちに動物病院を受診するようにしましょう。
ネコちゃんがいつものように元気であっても、下痢や便秘が3日以上続く場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。長期的な下痢は脱水症状、便秘は自力排便ができなくなる「巨大結腸症」を引き起こすおそれもあります。
ネコちゃんのうんちの形や色などは健康状態を反映することが多いため、継続して観察することで、体調の変化や病気の兆候に気づくことができます。
日々のトイレ掃除のときに、うんちチェックの習慣をつけ、ネコちゃんの体調の変化のサインを見逃さないようにすることが大切です。
なお、ネコちゃんの健康診断で寄生虫が見つかるケースもあります。うんちの見た目に異常がなくても問題が見つかる場合もあるため、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
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猫のトイレのしつけのポイントは?うまくいかない場合の対処法も解説
成猫の場合、うんちの回数は1日1~2回で、1回の量は人の親指1~2本分くらいが目安です。ただ、健康なネコちゃんでも食べ物の変化などで、1日ぐらい排便しないこともあります。いつもどおり元気で、一過性のものであれば問題はないでしょう。
理想的なうんちは、細長いバナナ形か丸形で、しっかりと形があり、崩れていない状態です。色は食べているフードと同じか、やや黒っぽい色で、表面にはツヤと適度な水分があります。元々独特の強いニオイがありますが、普段と大きな変化がなければ、健康状態も問題がないといえるでしょう。
下痢や便秘が一過性のもので、ネコちゃんもいつもと変わらず元気であれば、ひとまず自宅で様子を見てもいいでしょう。ただ、便秘や下痢が3日以上続くようであれば、すぐに動物病院を受診してください。
うんちに血や白い粒状の物など、ネコちゃんの毛以外の異物が混じっている場合や、嘔吐や食欲不振も起きている場合も、直ちに動物病院を受診することをおすすめします。
画像提供/PIXTA
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院