記事公開:2024.1.22
新しくワンちゃんを家に迎えたら、最初に行いたいのがトイレのしつけです。オーナーさんとワンちゃんが快適に暮らしていくためには欠かせませんが、なかなかうまくいかずに悩んでいる方も多いことでしょう。
ここでは、ワンちゃんのトイレトレーニングの考え方や準備したいグッズのほか、失敗させないためのポイントなどについてご紹介します。
ワンちゃんは本来、決まった場所で排泄する習慣がありません。そのため、トイレの場所をきちんと教えなければ、家のあちこちで排泄をしてしまいます。
ワンちゃんとオーナーさんがお互いに気持ち良く暮らしていくためには、最初に「排泄をしていい場所」を教えてあげることが必要。ワンちゃんを迎えた初日から、トイレトレーニングを始めましょう。
お散歩のときや庭でしか排泄ができないと、台風など悪天候で外に出られないときや、災害で避難したときなどに、ワンちゃんがトイレを我慢しなければならないかもしれません。そうしたケースに備えるためにもトイレトレーニングをして、室内のペットシーツで排泄ができるようにしておくと安心です。
ワンちゃんのトイレトレーニングで大切なのは、とにかく「失敗させない」「できたらほめる」「失敗しても叱らない」こと。排泄の回数が多い子犬の時期は、トイレを集中して教える絶好のチャンスですが、失敗を繰り返してしまうと、どんどん正しいトイレの場所を覚えにくくなってしまうおそれがあります。
まずはワンちゃんのトイレ環境を整えて、失敗させないための管理をしっかりと行ってください。排泄のタイミングを逃さずトイレに連れて行き、成功したら思い切りほめ、「正しい場所でトイレをするのが良いこと」だという印象を与えること。そして、失敗しても決して叱らないことを心掛けましょう。
一般的にワンちゃんのトイレは、ペットシーツとトイレトレーをセットで使います。また、最初はサークルも併用するのがおすすめです。それぞれのグッズがどのようなものか、詳しくご紹介しましょう。
ペットシーツの大きさは、主に「レギュラー」「ワイド」「スーパーワイド」の3種類。ワンちゃんが上でくるくると回れる大きさが基本ですが、最初は体に対して大きいほど、トイレを外す失敗を防ぐことができます。
ただ、子犬のあいだは排泄回数が多く量が少ないため、小さめのペットシーツを複数枚敷き、汚れたものだけを交換すると無駄がありません。
<ペットシーツのサイズの目安>
レギュラー:約45×30cm 超小型~小型犬向け
ワイド:約60×45cm 小型~中型犬向け
スーパーワイド:約90×60cm 中型~大型犬向け
トイレトレーもペットシーツと同様に大きさは3種類あり、ペットシーツの大きさに合わせて選ぶのが基本です。
トイレトレーを使うことで、ペットシーツがズレてしまうのを防ぐことができます。また、床と段差ができるため、ワンちゃんがトイレの場所を認識しやすくなるでしょう。
トイレトレーニング中は、扉のついたサークルでトイレを囲むと、失敗しにくく安心です。行動範囲を限定することで、目を離した隙にあちこちで粗相することを防げます。
なお、諸説ありますが、ワンちゃんを長時間ケージやサークルに入れておくことはおすすめできません。ワンちゃんがサークルから出たいのに長時間出られない状況が続くと、サークルが嫌な場所になり、トイレも嫌な場所になる可能性があります。
ワンちゃんがある程度トイレを覚えるまでは、トイレを置くと決めた部屋だけに行動範囲を制限しておき、ほかの場所へ行くのはトイレ直後など、失敗の確率が低い時間に限定するのがおすすめです。
トイレを早く覚えてもらうためには、ワンちゃんの失敗を防ぐことが大切です。トイレトレーニングでワンちゃんに失敗させないためのポイントを、詳しく見ていきましょう。
ワンちゃんのトイレは、落ち着いて排泄ができ、かつオーナーさんが見守りやすい場所に設置しましょう。また、ワンちゃんは、寝床や生活スペースの近くで排泄したがらないため、ベッドや食器からできるだけ離してあげることも必要です。寝る場所とトイレが近い環境で長時間過ごすと、それらの区別がつかなくなってトイレで寝たり、排泄物を踏むようになってしまったりすることがあります。
失敗を避けるために、最初のうちはトイレサークルやワンちゃんの生活スペースにも、全面にペットシーツを敷き詰めておくのがおすすめです。トイレを覚えてきたら徐々に範囲を狭め、最終的にはトイレトレーだけにしていきます。
なお、近くにカーペットやラグが敷いてあると、ワンちゃんは足裏の感触でペットシーツと勘違いして、そこで粗相を繰り返してしまうことも。足裏の感触でペットシーツを覚えるともいわれているため、トイレトレーニング中は、敷物類を撤去するのがおすすめです。どうしても撤去できない場合は、ペットシーツと勘違いしやすいものの場所へ行かせないように、バリケードを作る方法もあります。
ワンちゃんに排泄の失敗をさせないためには、オーナーさんがワンちゃんのトイレのタイミングを見逃さないことが非常に重要です。ワンちゃんをよく観察してトイレのタイミングを把握し、トイレに連れて行きましょう。ワンちゃんが排泄しやすいタイミングは「寝起き」「食後」「水を飲んだ後」「遊びやお散歩で運動した後」「興奮した後」などです。
特に子犬は排泄の間隔が短く、おしっこを我慢できるのは「月齢+1時間」(生後3ヵ月なら約4時間)といわれています。運動した後などは、もっと短い間隔で排泄をすることもあるため、最初は1時間おきぐらいにトイレへ連れて行くのもおすすめです。
ワンちゃんがトイレをしたいときのサインには、「床のニオイをくんくん嗅ぐ」「くるくる回る」「そわそわし始める」などがあります。ワンちゃんが排泄する前の様子をよく観察して、トイレのサインだと思われる行動があれば、すぐトイレへ連れて行ってあげてください。
また、ワンちゃんの排泄中に「ピーピー」や「ワンツー」などの掛け声をかけてあげると、掛け声で排泄を促してあげられるようになります。
タイミングが来たらワンちゃんをトイレサークルに誘導し、扉を閉めて排泄するまで待ちます。そして、上手に排泄ができたら「いい子!」「すごいね!」と、たくさんほめてサークルから出して遊んであげましょう。
ご褒美におやつを使うのも効果的。成功したらすぐにほめて与えられるよう、おやつをトイレサークル近くの、ワンちゃんには届かない場所に準備しておくと便利です。トイレトレーニングに限らず、ご褒美のおやつは、ワンちゃんに「もっと欲しい!」と思ってもらうのが重要になります。そのためには1回でたくさん与えるのではなく、ごく少量ずつ与えるのがポイントです。
このように、トイレで排泄ができたら、ほめてご褒美(遊びやおやつ)をあげることを繰り返し、「トイレで排泄をするといいことがあった」という印象をワンちゃんに与え続けてください。成功体験を繰り返すことで、トイレを次第に覚えられるようになります。
ワンちゃんがトイレの場所を認識するようになったら、トイレサークルの扉を常に開けておき、ワンちゃんが自分でトイレに入れるようにしてください。ワンちゃんがほかの場所で排泄しなくなったらサークルを外して、トイレトレーだけでできるように教えていきます。
ワンちゃんがトイレを失敗しても、決して叱ってはいけません。排泄物の前にワンちゃんを連れて行って叱ったり、粗相直後にトイレに連れて行き「トイレはここ!」など説教をしたりするなどはご法度です。
トイレの失敗を叱ってしまうと、ワンちゃんは排泄が悪いことだと認識したり、トイレは説教の場所だと覚えたりしてしまうことがあります。その結果、オーナーさんに隠れて排泄するようになり、きちんとトイレを覚えられなくなる可能性があるのです。
ワンちゃんが粗相をしたときは、声かけしたり騒いだりせず、静かに手早く片付けましょう。ニオイが残っているとまた同じ場所で排泄する可能性があるので、ペット用消臭剤などを使って、しっかりとニオイを取り除くことも大切です。
成犬は子犬より排泄回数が少ないこともあり、これまでのトイレ習慣を変えるのには時間がかかります。焦らず根気よくトレーニングを続けていくことが大切です。
まず、子犬と同じように排泄のタイミングを観察し、時間になったらトイレへと誘導します。屋外で排泄していた成犬の場合は、外の環境に近いベランダや庭にトイレを設置してみるなど、少しでもワンちゃんが受け入れやすいよう工夫しながら、新しいトイレに慣れさせていきましょう。
将来的にワンちゃんがシニアになって足腰が弱り、お散歩が難しくなったときも、ペットシーツに排泄ができれば安心です。あきらめずにトレーニングを続けていきましょう。
基本的にどんな犬種や性格のワンちゃんでも、適切な方法でしつけをすれば、トイレを覚えてくれます。うまくいかずにオーナーさんが焦ってしまうと、ワンちゃんにもその感情が伝わり、かえって逆効果になることも。
もし失敗させてしまっても、次に気をつければ大丈夫です。ワンちゃんのペースに合わせて取り組みましょう。
大王製紙の「キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート」は、極小ポリマーがおしっこのニオイを強力消臭、瞬間吸収してくれるペットシーツ。おしっこ後、ワンちゃんの足裏がぬれて床が汚れるお悩みも軽減します。ワンちゃんが好きな芝生の香り成分を配合していることも特徴です。
うれしい機能でワンちゃん・オーナーさんの暮らしをより快適にします。
「たっぷり吸収 パワフル消臭シート」については、下記のページをご覧ください。
キミおもい たっぷり吸収 パワフル消臭シート
できるだけ失敗させないこと。特に子犬は排泄回数が多いので、トイレのタイミングをしっかりと見極めることが重要です。排泄のサインが出たらすぐにトイレに連れて行き、上手にできたら思い切りほめることを繰り返しましょう。
トイレトレーニング中はサークルを使って行動範囲を限定したり、ワンちゃんの生活スペースにペットシーツを敷き詰めたりするなど、失敗させない環境づくりも大切です。
ワンちゃんが粗相をしたときは、何も言わずにすぐ片付けるのが基本です。叱ってしまうと、ワンちゃんは排泄が悪いことだと認識してしまい、正しいトイレが覚えられなくなってしまいます。
ニオイが残っているとまた同じ場所で排泄する可能性があるので、ペット用消臭剤などを使って、しっかりとニオイを取り除きましょう。
成犬のトイレのしつけは子犬より時間がかかりますが、焦らず根気よくトレーニングを続ければ、トイレを覚えてくれます。屋外で排泄していた場合は、外の環境に近いベランダや庭にトイレを設置してみるなどしながら、新しいトイレに慣れさせていきましょう。
画像提供/PIXTA
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院