記事公開:2024.8.6
赤ちゃんが下痢をするのはよくあること。特に、新生児から離乳食前の赤ちゃんのうんちは、基本的に水分が多くやわらかいものです。
とはいえ、あまりにゆるいうんちが続くと心配になってしまいますよね。本記事では、赤ちゃんが「下痢かな?」と思ったときにチェックすべきことや、赤ちゃんの下痢の主な種類と原因、下痢だったときの対処法、病院を受診するポイントなどをご紹介します。
「赤ちゃんが下痢かも?」と心配になったら、まずは落ち着いて、赤ちゃんに下痢以外の症状がないかを確認してください。38.5℃以上の高熱があったり、吐いてしまったりするときや、ぐったりしているときはすぐに病院に連れて行きましょう。そのまま下痢が続くと、赤ちゃんが脱水を起こすことがあります。
ここでは、赤ちゃんが下痢のときに確認すべき症状のチェックリストをご用意しました。1つでもあてはまるときは、早めに病院を受診してください。
■赤ちゃんの下痢で注意すべき症状
赤ちゃんのうんちが多少ゆるくても、母乳やミルクをしっかり飲んで、機嫌も良いようなら特に心配はいりません。極端にうんちの回数が多かったり、チェックリストに挙げた病的な症状があったりしなければ、注意深く2~3日様子を見守ってみてください。
ただし、下記のような状態が見られるときは、別の病気が潜んでいたり、赤ちゃんが脱水を起こしたりする危険性があります。すぐに病院を受診しましょう。
<赤ちゃんの下痢で病院を受診したほうがいい症状>
・1週間以上、下痢が続く
・水のようなうんちが1日10回以上出る
・機嫌が悪く、泣きやまないことが多い
・おなかが張っている、おなかをさわると痛がる
・目が落ちくぼんでいる
・おしっこの量が少ない
赤ちゃんが下痢をしやすいのには、理由があります。生まれたばかりの赤ちゃんは、腸が未発達な状態。消化器系がまだ成長途中で、腸内環境を整える腸内細菌も定着していません。そのため、水分のとりすぎやおなかの冷え、初めての食材、ちょっとしたストレスといった些細な刺激で下痢をしやすいのです。
また、離乳食が始まるまでの赤ちゃんは、母乳やミルクといった液体から栄養をとっています。そのため、うんちは基本的にゆるめです。
さらに、1歳前後から始める指しゃぶりで、病原体のついた指を口に入れてしまったり、兄姉がいる場合は、あやしてくれるお兄ちゃんやお姉ちゃんから感染したりするケースもあります。
赤ちゃんはよく下痢をするものですが、その原因によって対処法が異なります。ここでは、赤ちゃんに起こりやすい下痢の種類と、その対処法についてご紹介します。
単一症候性下痢とは、下痢以外にはっきりとした症状が見られないタイプの下痢です。赤ちゃんは、離乳食や水分を多めにとっただけでも、一時的に下痢をすることがあります。
下痢をしていても、赤ちゃんが元気で食欲も通常どおりある場合、特に治療の必要はありません。おしりがぬれたままにならないよう、こまめにおむつ交換を行いながら赤ちゃんの様子を見守りましょう。
感染性の胃腸炎は赤ちゃんにとって、一般的な病気です。大きく「ウイルス性胃腸炎」と「細菌性胃腸炎」に分けられ、原因となるウイルス・菌によって現れる症状が異なります。
どちらの場合も、下痢で菌やウイルスが出てしまえば症状は改善しますが、赤ちゃんは脱水を起こしやすいので、感染性胃腸炎が疑われる場合はすみやかに病院を受診してください。
ウイルス性胃腸炎は、ロタウイルスやノロウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが胃腸に感染することで起こる胃腸炎です。ウイルスに感染すると激しい嘔吐が見られるほか、下痢や発熱などが起こります。特に、赤ちゃんのウイルス性胃腸炎の原因として一般的なのがロタウイルスで、酸っぱいにおいのする、白っぽい下痢が見られます。
ウイルス性胃腸炎を治療する薬はないため、下痢や嘔吐などへの対症療法を行うことになります。医師の指示のもと、適切な対応を行ってください。特に注意したいのが、下痢による脱水。少量の水分をこまめに与えましょう。
細菌性胃腸炎は、サルモネラ菌やカンピロバクター属菌、腸管出血性大腸菌、エルシニア菌などの細菌が胃腸に感染することで起こる胃腸炎です。激しい嘔吐のほか、血液の混じった下痢、腹痛などが起こります。乳幼児の場合、重症化するリスクがあるため、こうした症状が現れたときはすみやかに病院を受診してください。
なお、症状が強い場合は、細菌を殺す抗生物質を使うこともありますが、基本的には水分補給と安静、整腸剤などの対症療法が行われます。
乳糖不耐症とは、母乳やミルクに含まれる乳糖という成分を消化吸収することができず、下痢を起こしてしまう病気です。乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)不足が原因で、生まれつき乳糖が分解できない「先天性」と、ウイルス性・細菌性胃腸炎などの影響で、一時的に乳糖が分解できなくなって下痢が続く「二次性」のものがあります。
乳糖不耐症の場合、乳糖分解酵素剤が処方されたり、乳糖を含まないミルクへ切り替えたりといった対処法をとることがあります。授乳やミルクのたびに赤ちゃんが下痢をするようであれば、一度病院にご相談ください。
食物アレルギーとは、食べ物に含まれるたんぱく質などに対するアレルギー反応で下痢を起こしてしまう疾患です。下痢だけでなく、じんましんや咳、ゼーゼーとした荒い呼吸などが現れることもあります。離乳食を始めた頃などに、特定の食物を食べるたびに下痢を起こす場合、食物アレルギーかもしれません。
重症化すると、アナフィラキシーショックという重篤な状態に陥ることもあるので、早めに受診することをおすすめします。
病院で処方された抗生物質により腸内細菌のバランスが乱れてしまい、一時的に下痢になることがあります。また、抗生物質自体に対するアレルギー反応で下痢を起こすケースもあります。薬を服用してから下痢がひどくなった場合は、すみやかに医師に相談してください。
なお、自己判断で抗生物質の服用を中止してしまうのは、元々の病気の治療ができなくなるため厳禁です。
赤ちゃんが下痢になったとき、ママ・パパがとれる対処法としてはどのようなものがあるでしょうか。赤ちゃんの下痢のつらさをやわらげ、二次感染を防ぐための基本的な対処法をご紹介します。
赤ちゃんが下痢をしているときは、おむつを頻繁に交換してください。下痢のうんちは肌への刺激が強いため、ぬれたままにしていると、おむつかぶれを起こしやすいのです。
おむつ交換の際、おしりが赤くなっていたら、おしりふきで拭くのではなく、シャワーや洗面器に溜めたぬるま湯でやさしく洗い流します。その後、よく乾かして保湿クリームを塗ってからおむつをつけましょう。
赤ちゃんは下痢が続くと脱水しやすいため、こまめに水分補給をしてあげましょう。人間は体重の約60%が水分といわれますが、赤ちゃんの場合は体重の70~80%が水分とされています。そのため、下痢で体内の水分が減ってしまうと、脱水症になりやすいのです。
生後6ヵ月未満の場合は母乳やミルクを、生後6ヵ月以上の場合は水や経口補水液を、小さなスプーンや哺乳瓶を使って5~10分おきに与えてください。1回の量を少なめにして、与える回数を多くするのがポイントです。
赤ちゃんの下痢の原因が、ウイルスや細菌による胃腸炎だった場合、おむつやうんちを処理したママ・パパが二次感染してしまうことがあります。
おむつ替えの後はきちんと手洗いや消毒を行い、使用済みのおむつはしっかりと密封して捨てましょう。
赤ちゃんの下痢で病院を受診するときは、医師の質問に的確に答えられるよう、あらかじめ準備をしておくのがおすすめです。下記のチェックリストに従って情報をまとめておくと、医師の診察がスムーズに進むでしょう。
■赤ちゃんの下痢で診察時に医師に伝える情報
診察時は、下痢のうんちがついたおむつを持って行くのがベストですが、難しい場合は、スマートフォンでうんちの写真を撮るなど記録を残しておいてください。下痢をするまでの生活や、いつ頃どんなものを口にしたかなど、詳細がわかればわかるほど、医師が下痢の原因を特定しやすくなります。
下痢の原因としては、食べ物、水分量、温度変化、感染症のほか、腸の構造によるもの、先天的な病気など、さまざまなものが考えられます。赤ちゃんの下痢で心配なときには、遠慮なくかかりつけの病院を受診してください。大人ではなんてことのない下痢でも、赤ちゃんは脱水になりやすく、急に症状が悪化してしまうことがあるため、早い段階での判断が必要です。
必ず受診していただきたいのは、「飲めない」「食べられない」「機嫌が悪くぐったりしている」「尿量が減った」「嘔吐が止まらない」「下痢の色が母子手帳の裏にある正常な色の範囲にない」といったときです。また、白い便や血の混じった便が出たときも、自己判断せず病院を受診してください。
監修者のご紹介
竹中 美恵子先生(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
難病指定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、キレーション認定医。小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で診られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。
女医によるファミリークリニック
赤ちゃんの肌はとってもデリケート。下痢などでぬれたままにしてしまうと、おむつかぶれしてしまいます。そこで、赤ちゃんのおしりをやさしく守る紙おむつ、「グーン」シリーズがおすすめです。
「グーンプラス 敏感肌設計」は、大人よりも敏感な赤ちゃんの肌について考えた、テープタイプの紙おむつ。「グーンプラス 肌快適設計パンツ」は、肌へのやさしさに動きやすさをプラスした、パンツタイプの紙おむつです。どちらも、肌に触れる表面シートに、エリエール贅沢保湿と同じ保湿成分を配合。滑らかな肌ざわりでこすれ負担を減らします。
また、おむつ表面の吸収スポットが、ゆるうんちもおしっこも瞬時に吸収。下痢の赤ちゃんにもやさしいおむつです。
「グーンプラス 敏感肌設計」「グーンプラス 肌快適設計パンツ」については、下記のページをご覧ください。
グーンプラス
「グーン 肌にやさしいおしりふき」は、不純物を取り除いた純水を99%使用したおしりふき。下痢のうんちで汚れたおしりも、たっぷりの水分で洗い流すようにサッと拭き取れます。ノンアルコール、パラベンフリー、無香料だから、手やからだふきにも使えます。
「グーンプラス 汚れすっきりおしりふき」は、厚手のシートに乳液成分を配合。下痢のうんちも、お肌にはりついてカピカピになったうんちも、浮かせてすっきり落とせます。
「グーン 肌にやさしいおしりふき」「グーンプラス 汚れすっきりおしりふき」については、下記のページをご覧ください。
グーン 肌にやさしいおしりふき/グーンプラス 汚れすっきりおしりふき
消化器系が成長途中の赤ちゃんは、些細な刺激で下痢をしやすいもの。赤ちゃんが下痢をしたときには、食欲や元気はあるか、熱はないか、呼吸は苦しそうではないかといった症状のほか、うんちの色や状態、においなども注意深く確認してください。
いつもと様子が違うときには、すみやかに病院を受診するのがおすすめです。そのほか、下痢のときはこまめにおむつを交換し、赤ちゃんが脱水を起こさないよう、水分補給に気をつけましょう。
赤ちゃんが下痢をしているときは、まず落ち着いて、赤ちゃんに下痢以外の症状がないかを確認してください。38.5℃以上の高熱があったり、吐いてしまったりするときや、ぐったりしているときはすぐに病院に連れて行きましょう。そのまま下痢が続くと、赤ちゃんが脱水を起こすことがあります。
赤ちゃんのうんちが多少ゆるくても、母乳やミルクをしっかり飲んで、機嫌も良いようなら特に心配はいりません。極端にうんちの回数が多かったり、病的な症状があったりしなければ、注意深く2~3日様子を見守ってみてください。
赤ちゃんが下痢をしやすいのには、理由があります。生まれたばかりの赤ちゃんは、消化器系がまだ成長途中で、腸内環境を整える腸内細菌も定着していません。そのため、水分のとりすぎやおなかの冷え、初めての食材、ストレスといった刺激で下痢をしやすいのです。
また、離乳食が始まるまでの赤ちゃんは、母乳やミルクといった液体から栄養をとっているため、うんちは基本的にゆるめです。
さらに、1歳前後から始める指しゃぶりで、病原体のついた指を口に入れてしまったり、あやしてくれる兄姉から感染したりするケースもあります。
赤ちゃんが下痢をしているときは、おむつを頻繁に交換してください。下痢のうんちは肌への刺激が強く、おむつかぶれを起こしやすいのが特徴です。おしりが赤くなっていたら、シャワーや洗面器に溜めたぬるま湯でやさしく洗い流し、よく乾かして保湿クリームを塗ってからおむつをつけましょう。
また、赤ちゃんは下痢が続くと脱水しやすいため、こまめに水分補給をしてあげましょう。生後6ヵ月未満の場合は母乳やミルクを、生後6ヵ月以上の場合は水や経口補水液を、小さなスプーンや哺乳瓶を使って5~10分おきに与えてください。
そのほか、家庭内での二次感染を防ぐため、おむつ替えの後はきちんと手洗いや消毒を行い、使用済みのおむつはしっかり密封して捨てます。
画像提供/PIXTA
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