記事公開:2025.3.14
授乳後のげっぷは、赤ちゃんが飲み込んだ空気を外に出すために必要なケアです。しかし、新生児期は、ママ・パパも育児に慣れておらず、げっぷを出すコツがわからなかったり、出ないと不安になったりすることも多いでしょう。げっぷは授乳方法によって毎回出したほうがいいか、出さなくてもいいかが変わってきます。
この記事では、新生児がげっぷを出す重要性や出し方のコツ、出なかったときの対処法などについて解説します。
母乳で授乳している場合、授乳後にげっぷが出なくても、基本的に心配はありません。新生児がげっぷをすることは、授乳中に飲み込んだ空気を排出し、おなかの張りや吐き戻しを防ぐためにも重要です。ただし、母乳で授乳した場合は、赤ちゃんの唇が乳房に密着するため、空気を飲み込みにくい特徴があります。
そのため、げっぷが出なくても、おならやしゃっくりで空気が排出されることも多いので、赤ちゃんが苦しそうでなければ問題ありません。
一方、哺乳瓶での授乳は空気を飲み込みやすいため、赤ちゃんのおなかが張ったり、吐き戻しをしたりする原因になります。吐き戻しは窒息のリスクを高めるため、哺乳瓶で授乳する場合は、授乳後にげっぷをさせるようにしましょう。
新生児期の赤ちゃんの特徴については、下記のページをご覧ください。
新生児期はいつまで?特徴や生活リズム、お世話のポイントを紹介
新生児を含む低月齢の赤ちゃんは、授乳時に空気をいっしょに飲み込みやすい上、少しの刺激でも吐き戻しやすい胃の構造をしています。そのため、げっぷをさせることは、吐き戻しによる窒息を防ぐためにも重要です。ここからは、新生児のげっぷの出し方を紹介します。
まずは、ママやパパが新生児を抱っこしながら、げっぷさせる方法を紹介します。新生児は首がすわっていないので、常に首を支えながら行いましょう。
<抱っこしながらげっぷさせる方法>
1 赤ちゃんの首をしっかり支え、ママ・パパの肩にもたれかかるように縦抱きにします。赤ちゃんのあごが大人の肩に乗る位置で、おしりを支えます。
■抱っこしながらげっぷをさせるときの姿勢
2 赤ちゃんの背中を下から上へ優しくさすります。軽くトントンとたたいても効果的ですが、強くたたき過ぎると赤ちゃんの体が緊張してしまい、げっぷが出にくくなるので注意しましょう。
■抱っこしながら優しくさすってげっぷを出す
赤ちゃんをママのひざの上にすわらせて、げっぷさせる方法もあります。この場合も、必ず首が安定するように支えてあげましょう。
<ひざの上でげっぷさせる方法>
1 赤ちゃんをママ・パパのひざの上に横向きで座らせ、ママ・パパの手または腕で赤ちゃんの胸周辺を支えて、頭と胸を安定させます。首が不安定な場合は、赤ちゃんのわきの下にママ・パパの腕を通し、手のひらで胸を支えながら、親指と人さし指であごを支えると安定します。
■首が安定しない場合の姿勢
2 ママ・パパは、もう片方の手で赤ちゃんの背中を下から上へさすります。こちらも、軽くトントンとたたくことも効果的ですが、強くたたき過ぎると赤ちゃんの体が緊張してしまい、げっぷが出にくくなるので注意しましょう。
■座りながら優しくさすってげっぷを出す
新生児が、なかなかげっぷをしないときは、無理のない範囲でこれから紹介する方法を試してみるといいでしょう。ただし、5分程試してもげっぷが出なければ、自然と出るのを待つようにしてください。
<げっぷが出ないときの対処法>
・赤ちゃんの背中を伸ばす
・赤ちゃんの体勢を変える
・赤ちゃんの背中をリズミカルにやさしくトントンする
赤ちゃんの背中が丸まっていると、げっぷが出にくいこともあります。背中を伸ばすように姿勢を変えてみるといいでしょう。また、赤ちゃんの体勢を変えるのも効果的です。抱っこでげっぷが出ない場合は、赤ちゃんをママ・パパのひざの上にのせて背中をさすってみると、げっぷが出ることもあります。
それでもげっぷが出ないときは、ママ・パパの手のひらを軽く丸めて、赤ちゃんの背中をリズミカルにやさしくトントンとしてみてください。手のひらを丸めることで、刺激が赤ちゃんの胃に直接伝わり、げっぷが出やすくなります。たたく際は、赤ちゃんを寝かしつけるときのような力加減で行うのがポイントです。
新生児は、授乳後にげっぷをしないまま寝かせると、吐き戻しによる窒息のリスクがあるため注意してください。げっぷが出ない場合は、吐き戻した母乳やミルクがのどや気管に詰まらないよう、顔と体を横向きにして寝かせましょう。なお、横向きに寝かせるときは右を下にするほうが、消化がよくなります。
さらに、赤ちゃんがあお向けにならないように、丸めたバスタオルなどを背中側に差し込んで体勢を安定させるのもおすすめです。
ただし、赤ちゃんの体を傾けすぎると、うつ伏せになってしまい、窒息のリスクが高まるため、傾けすぎには注意してください。
赤ちゃんのうつ伏せ寝については、下記のページをご覧ください。
赤ちゃんのうつ伏せ寝は問題ない?注意するポイントを解説
新生児にげっぷをさせるタイミングは、授乳後だけではありません。下記のようなサインが見られたら、げっぷを促してあげましょう。
授乳後の吐き戻しが多い赤ちゃんは、授乳中に空気を飲み込みやすい傾向があるため、授乳後だけでなく授乳の合間にもげっぷを促してあげるといいでしょう。母乳のみの授乳の場合は、片方のおっぱいを飲ませたら、一度げっぷをさせることをおすすめします。また、母乳とミルクの混合授乳の場合は、母乳を飲ませた後、ミルクをあげる前にげっぷをさせると、吐き戻しが防げる上にミルクも飲みやすくなります。
赤ちゃんがぐずって機嫌が悪くなるのは、体に不快感があるサインです。不快感の原因の1つとして、おなかに空気が溜まり、苦しくなっている可能性があるため、げっぷをすると機嫌がよくなることもあります。
また、赤ちゃんはずっと泣き続けるとたくさんの空気を吸い込んでしまうため、長時間泣いているときもげっぷを促してあげるといいでしょう。
赤ちゃんの夜泣きについては、下記のページをご覧ください。
夜泣きはいつから始まり、いつまで続く?原因と対処法を解説
赤ちゃんがいきんだり、おなかが張っていたりするときは、おなかに空気や便がたまっている可能性があるため、げっぷを促すといいでしょう。げっぷをして様子を見てもおなかの張りが改善しない場合は、おなかを「の」の字にマッサージするなどして、排便やおならを促してあげるのもおすすめです。
赤ちゃんの便秘については、下記のページをご覧ください。
赤ちゃんの便秘で注意することは?便秘の原因・受診の目安と改善法
生後3~5ヵ月頃になると、授乳が上手になり、空気を飲み込む量が減るため、げっぷさせようとしても出ないことが増えてきます。また、首がすわり、寝返りができる生後5~6ヵ月頃には、おなかの空気を自然に排出できるようになり、げっぷをさせなくてもいい場面が増えてきます。
ただし、赤ちゃんによって差があるため、「授乳後に苦しそうな様子がない」「吐き戻しが減る」などの変化が見られたら、徐々にげっぷを出すサポートをやめてもいいでしょう。
生後3ヵ月の赤ちゃんの特徴については、下記のページをご覧ください。
「魔の3か月」生後3ヵ月の赤ちゃんの特徴や黄昏泣きの対処法
生後5ヵ月の赤ちゃんの特徴については、下記のページをご覧ください。
生後5ヵ月の赤ちゃんの成長や睡眠時間は?授乳間隔や離乳食を解説
監修者のご紹介
竹中 美恵子先生(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
難病指定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、キレーション認定医。小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で診られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。
女医によるファミリークリニック
新生児の中には、授乳やげっぷの後にうんちやおしっこをする赤ちゃんもいるので、このタイミングでおむつ交換も行うと効率的でしょう。赤ちゃんが気持ちよく眠れるように、おむつは肌への刺激が少ないものを選びたいものです。おしっこやうんちによる刺激、おむつの摩擦による肌の乾燥などに着目した「グーン」シリーズなら、敏感な新生児の肌をやさしく守れます。
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「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ 新生児用」については、下記のページをご覧ください。
グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ 新生児用
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「グーン 肌にやさしいおしりふき」については、下記のページをご覧ください。
グーン 肌にやさしいおしりふき
授乳後のげっぷは、新生児にとって吐き戻しを防ぎ、おなかの不快感をなくすためにも必要です。しかし、げっぷの出やすさには個人差があり、また、授乳方法によっておなかに溜まる空気の量も異なります。
げっぷがなかなか出なくても、おならやしゃっくりとして自然に排出されることが多いため、心配し過ぎる必要はありません。5分程げっぷを促しても出なければ、赤ちゃんの顔と体を横向きにして寝かせてあげましょう。
新生児の場合は、授乳後に毎回げっぷを促してあげることをおすすめします。ただし、毎回必ずげっぷが出るわけではないので、出なくても心配し過ぎる必要はありません。特に母乳授乳の場合は、いっしょに飲み込む空気の量が少ないので、げっぷが出なくても問題ない場合が多いでしょう。
新生児にげっぷをさせるときは、赤ちゃんの胸のあたりに軽く圧がかかるようにするのがポイントです。赤ちゃんを縦抱きにして、ママ・パパの肩に赤ちゃんのあごがのる高さに調整すると、げっぷが出やすくなります。また、ママ・パパのひざの上に赤ちゃんを座らせて、げっぷを出す方法もあります。
新生児が授乳後にげっぷをしないまま寝かせると、吐き戻しによる窒息のリスクがあるので、注意してください。げっぷが出ていない場合は、吐き戻した母乳やミルクがのどや気管に詰まらないよう、顔と体を横向きにして寝かせましょう。ただし、赤ちゃんの体を傾けすぎると、うつ伏せになってしまい、窒息のリスクが高まるため、傾けすぎには注意してください。
画像提供/PIXTA