記事公開:2025.2.20
新生児の赤ちゃんにとって、沐浴は体の清潔を保つ大切なケアです。しかし「沐浴のやり方がわからない」「どんなものが必要?」など、不安に思う新米ママ・パパも多いのではないでしょうか。
この記事では、沐浴の目的や必要なもの、洗い方の手順について徹底解説。また、先輩ママ・パパに聞いた、沐浴に関するアンケート結果もご紹介します。
沐浴は、新生児にとって単なるお風呂ではなく、健康を保つための重要な清潔ケアです。また、沐浴を通じて、ママ・パパは赤ちゃんについてさまざまな情報を得ることができます。
まずは、新生児に沐浴をさせるメリットと、沐浴時にチェックすべきポイントについて解説しましょう。
新生児期については、下記のページをご覧ください。
新生児期はいつまで?特徴や生活リズム、お世話のポイントを紹介
赤ちゃんに沐浴をさせるメリットのひとつは、赤ちゃんの体を清潔に保てることが挙げられます。生まれたばかりの赤ちゃんは大人よりも皮膚が薄く、細菌などへの抵抗力も弱いため、体を清潔に保つことが病気を予防する上でも大切です。
ですが、大人といっしょに浴槽に入ることは、感染症による肌トラブルといったリスクを高めてしまうため、専用のベビーバスで体を洗う沐浴が推奨されています。
また、沐浴により赤ちゃんの血行が促進されて、新陳代謝が高まり、哺乳意欲を促す効果が期待できます。さらに、沐浴を通じてスキンシップを図ることは、赤ちゃんの情緒的な発達にも良い影響を与え、親子の信頼関係の構築にもつながるでしょう。
沐浴は、赤ちゃんの体調や皮膚の状態を観察する良いタイミングでもあります。目やにの有無や耳の裏の汚れ、爪の伸び具合、おへその汚れ、おむつかぶれの有無、肌に赤みや湿疹はないかなど、全身をチェックしましょう。
乳児湿疹については、下記のページをご覧ください。
乳児湿疹の原因は?症状やスキンケアの方法を解説
新米ママ・パパにとって、赤ちゃんの沐浴は不安なもの。「何が必要なの?」「どれくらいの頻度で行うの?」「何時頃に行えばいいの?」といった、多くの人が疑問を抱きやすいポイントについて解説します。
赤ちゃんの沐浴関連アイテムは、選びきれないほどたくさんの種類があります。あれもこれもとそろえるのではなく、まずは沐浴を行う上で絶対必要なものだけをそろえ、必要に応じて買い足していくのがおすすめです。沐浴に最低限必要なアイテムは、下記のとおりです。
<赤ちゃんの沐浴に最低限必要なアイテム>
・ベビーバス:赤ちゃん専用の浴槽です。たらいや衣装ケースなどでも代用できます。
・洗面器:洗顔用と、かけ湯用の2つを用意しておくと安心です。
・湯温計:お湯の温度を適切に保つために必要です。
・ベビー石鹸・ベビーソープ:赤ちゃん専用の低刺激なものを選びます。固形タイプでも大丈夫ですが、初めから泡で出るタイプがおすすめです。
・沐浴布:赤ちゃんをお風呂に入れるときにかける、大きめのガーゼや薄いタオルです。お湯から出ている部分の湯冷めを防ぐほか、赤ちゃんの不安感を取り除く効果もあります。
・ガーゼ:赤ちゃんのデリケートな肌を、やさしく洗うために使います。
・バスタオル:やわらかく吸水性の良いものを選びましょう。
・スキンケアグッズ:ベビーローションやベビーオイル、綿棒など、保湿やケアに必要なグッズを用意します。
基本的に、沐浴は毎日1回行います。赤ちゃんは新陳代謝が活発なため、汗や皮脂をたくさん分泌しますし、吐き戻したミルクや体についたおしっこ・うんちが肌への刺激となることもあります。そうした汚れを落として清潔に保つため、毎日の沐浴が必要になります。
ただし、赤ちゃんの体調や機嫌が悪そうなときは、無理に沐浴をする必要はありません。そのようなときは、ぬるま湯でぬらしたガーゼで体を拭いてあげましょう。
沐浴は日中に行うのがおすすめです。季節や環境にもよりますが、夜に沐浴をすると赤ちゃんの体が冷えてしまうことがあります。また、生活リズムを作るためにも、できるだけ毎日同じ時間帯に沐浴をしてあげましょう。
なお、長湯は赤ちゃんに負担がかかります。赤ちゃんがお湯につかる時間は3~5分以内とし、衣服を着せる時間も含めて10分以内を目安に、手早く沐浴を済ませてください。
沐浴をするタイミングに決まりはありませんが、空腹時や授乳直後は避けたほうがいいでしょう。空腹時は赤ちゃんがグズりやすく、授乳直後でおなかがいっぱいだと、沐浴中に吐き戻してしまうことがあります。
沐浴に使うお湯は、大人にとってぬるいと感じる程度が目安です。夏は38℃、冬は40℃ぐらいが適温といえるでしょう。
沐浴は、生後すぐから生後1ヵ月くらいまで行うのが一般的です。赤ちゃんの1ヵ月健診のときに、もう大人といっしょに入浴して良いかどうか、医師に確認するといいでしょう。
初めての沐浴は誰もが不安なもの。ですが、やり方をしっかり覚えておけば難しいことはありません。沐浴に決まったやり方はありませんが、手早くスムーズに行う手順を紹介します。実際に洗っている場面を、頭の中に思い浮かべながらご覧ください。
沐浴後、手早く着替えられるように、あらかじめ着替えを用意しておきます。スムーズに着せられるよう、下からベビーウェア、肌着、おむつの順に重ねておきましょう。さらに、一番上に体を拭くバスタオルをセットしておきます。
ベビーバスを用意し、7割くらいまでお湯を張ります。また、洗顔用とかけ湯用の洗面器にも、お湯を溜めておきましょう。
赤ちゃんが服を着たままの状態で、ガーゼを洗顔用のお湯でぬらして、目尻から目頭に向かってやさしく目元を拭きます。目やにも丁寧に取ってあげましょう。
その後、おでこ、鼻周り、頬、口元と全体的に拭いていきます。ガーゼは1回拭くたびに面を変えるか、お湯で洗ってください。
赤ちゃんの服を脱がし、発疹や赤み、おむつかぶれなどがないか観察します。
赤ちゃんに沐浴布をかけ、足先からゆったりとお湯につけていきます。「あったかいねー」「きもちいいね」などと、声をかけながら入れてあげましょう。
ベビー石鹸を泡立てて、赤ちゃんの頭全体をなでるように洗います。洗い終えたらぬらしたガーゼで、泡を拭き取ります。
首、胸、脇、腕、手、おなか、足の順に、上から下に向かってなでるように体を洗います。首、脇の下、足のくびれなど、しわのある部分は汗や汚れが溜まりやすいので、丁寧に洗ってください。
赤ちゃんをうつ伏せにして、首の後ろ、背中、お尻を洗います。
全身を洗い終えたら赤ちゃんを仰向けにして、かけ湯用の洗面器のお湯で洗い流します。
赤ちゃんをバスタオルの上に寝かせてくるみ、やさしく押さえるようにして水分を吸収します。首まわりや脇の下、おしりなど肌が重なる部分は水分が残りやすいので、丁寧に拭いてください。
ベビーローションやベビーオイルで、しっかり保湿をします。その後、体が冷えてしまわないように、おむつと肌着、ベビー服を手早く着せます。鼻や耳に水分が残っているときは、綿棒で軽くケアしてあげてください。
また、おへその消毒が必要であれば、消毒液をつけた綿棒でやさしくケアしてあげましょう。
初めての沐浴は、不安でいっぱい。みんなはどうやって沐浴をしているのか、知りたくありませんか?そこで、クラブエリエール会員の先輩ママ・パパに、「沐浴に関するアンケート」を実施しました。
※コメントは一部抜粋しています。
【調査概要】
調査対象:家族に未就学のお子さまがいるクラブエリエール会員の20~70代男女
調査期間:2024年12月5日~12月10日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:487件
初めに「新生児期、沐浴を行っている(行っていた)のはどなたですか?」と質問したところ、最も多かったのは「ママとパパ」で、以下「ママ」「パパ」の順となっています。
■新生児期、沐浴を行っている(行っていた)のはどなたですか?
次に、「沐浴を行っている(行っていた)場所はどこですか?」と聞いたところ、「浴室」が6割近いという結果となりました。
浴室での沐浴は、こぼれたお湯などで周囲をぬらす心配がないため、沐浴に集中できる点がメリットといえるでしょう。一方で、浴室の床にベビーバスを置くと、沐浴中、前かがみになるため、ママ・パパの腰に負担がかかってしまいます。
そこで最近は、キッチンのシンクや洗面台にセットできるタイプのベビーバスも登場しています。事実、アンケートでは「浴室」に次いで、「キッチン(シンク)」「洗面台」という順位となりました。
■沐浴を行っている(行っていた)場所はどこですか?
「沐浴を行うのはなるべく日中がいい」というものの、日中は忙しくてなかなか時間が取れないと悩む人もいるかもしれません。
そこで、「沐浴を行っている(行っていた)時間帯は?」と質問したところ、「17:00~18:00」が最も多く、15:00~20:00のあいだに沐浴を行う人が7割弱という結果となりました。
■沐浴を行っている(行っていた)時間帯は?
最後に、「沐浴に使用している(使用した)アイテムを教えてください(複数回答)」と聞いたところ、8割以上の方が「ベビー石鹸・ベビーソープ」「ベビーバス」「ガーゼ」「ベビー用保湿剤」などを使用していました。
また、「その他」のアイテムとしては、「折りたたみバケツ」「(ベビーバスの代わりに)バスマット」「泡立てネット」「ベビー用くし」といった声がありました。
■沐浴に使用している(使用した)アイテムを教えてください(複数回答)
沐浴中には、ちょっとしたトラブルが発生するかもしれません。いざというときに慌てることがないよう、沐浴中によく起こりがちな出来事と、その対処法をご紹介します。
赤ちゃんを洗っている最中に、ベビーソープが目に入ってしまったときは、きれいなぬるま湯でやさしく目を洗い流します。赤ちゃんの目を無理にこすらないよう、注意してください。ベビーソープは刺激の少ない成分を使用していますが、万が一、異常が現れたときは小児科医を受診しましょう。
赤ちゃんが沐浴中にうんちをしてしまった場合は、かけ湯用の洗面器のお湯で赤ちゃんをきれいにしてあげます。それから、ベビーバスのお湯をすべて交換して、沐浴を続けましょう。
赤ちゃんが沐浴を嫌がるときは、無理に沐浴を続ける必要はありません。ぬるま湯に浸したガーゼで体を拭いてあげましょう。
また、部屋の温度やお湯の温度が適切かを確認し、いつも沐浴を嫌がる場合は小児科医に相談してください。
監修者のご紹介
竹中 美恵子先生(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
難病指定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、キレーション認定医。小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で診られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。
女医によるファミリークリニック
新生児の肌は大人よりも薄く、外部からの刺激に非常に敏感です。沐浴などの適切なケアに加えて、新生児の敏感な肌のことを考えた、やさしい「グーン」シリーズをご活用ください。
「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ 新生児用」は、生まれたばかりの赤ちゃんの、敏感な肌へのやさしさにこだわった紙おむつです。やわらかい肌触りの<ぽこぽこクッションシート>は、肌に触れる部分を最小限※にするとともに、凹凸でゆるうんちを広げずキャッチします。
また、「エリエール贅沢保湿」と同じ保湿成分を配合し、保湿ティシューのような滑らかさで、こすれ負担を軽減。おむつ内の湿気を追い出す<全面通気性シート>や、交換タイミングがわかりやすい<おしっこお知らせライン>など、赤ちゃんとママ・パパにやさしいこだわりを満載しています。
※大王製紙ベビー用紙おむつ従来品との比較。
「グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ 新生児用」については、下記のページをご覧ください。
グーンプラス 敏感肌にやわらかタッチ 新生児用
「グーン 肌にやさしいおしりふき」は、不純物を取り除いた純水を99%使用したおしりふきです。たっぷりの水分で、こびりついたうんちも洗い流すようにやさしく拭き取れます。
ノンアルコール、パラベンフリー、無香料で、生まれたその日から赤ちゃんに使用できます。
「グーン 肌にやさしいおしりふき」については、下記のページをご覧ください。
グーン 肌にやさしいおしりふき
沐浴は、赤ちゃんを清潔に保つだけでなく、親子のスキンシップを深める時間です。沐浴中は赤ちゃんの体に触れながら、肌の状態や健康状態を観察するとともに、やさしく声をかけて赤ちゃんをリラックスさせましょう。
なお、沐浴は新生児期にしか体験できないものです。「毎日決まった時間にやらないと」「手順を間違えないようにしなきゃ」とシリアスに考えず、赤ちゃんといっしょに幸せな時間を楽しんでください。
生まれたばかりの赤ちゃんは大人よりも皮膚が薄く、細菌などへの抵抗力も弱いため、体を清潔に保つことが病気を予防する上でも大切です。ですが、大人といっしょに浴槽に入ることは、感染症による肌トラブルといったリスクを高めてしまうため、専用のベビーバスで体を洗う沐浴が推奨されています。
また、沐浴により赤ちゃんの血行を促進することで、新陳代謝を高め、哺乳意欲を促す効果が期待できます。さらに、沐浴を通じてスキンシップを図ることは、赤ちゃんの情緒的な発達にも良い影響を与え、親子の信頼関係の構築にもつながるでしょう。
沐浴は、赤ちゃんの体が冷えてしまわないように、日中に行うのがおすすめです。また、生活リズムを作るためにも、できるだけ毎日同じ時間帯に沐浴をしてあげましょう。
沐浴をするタイミングに決まりはありませんが、空腹時や授乳直後は避けたほうがいいです。空腹時は赤ちゃんがグズりやすく、授乳直後でおなかがいっぱいだと沐浴中に吐き戻してしまうことがあります。
沐浴は基本的に毎日1回行いますが、赤ちゃんが嫌がるときは無理に続ける必要はありません。ぬるま湯に浸したガーゼで体を拭いてあげましょう。
また、部屋の温度やお湯の温度が適切かを確認し、いつも沐浴を嫌がるようなら、小児科医に相談するようにしてください。
画像提供/PIXTA