記事公開:2024.12.23
1日の大半を寝て過ごす新生児。しかし、新生児が寝てくれないことで悩むママ・パパは多くいます。赤ちゃんが寝ない原因を理解して、適切な寝かしつけを行うと、ママ・パパの負担を軽減できるかもしれません。
この記事では、小児科医監修のもと、新生児が寝ない原因と対処法を解説します。先輩ママ・パパに聞いた、新生児期の寝かしつけについてのアンケート結果も、ぜひ参考にしてください。
※発育・発達には個人差がありますので目安として参考にしてください。
新生児とは、生まれた日(生後0日)から生後28日未満まで、約4週間の赤ちゃんを指します。新生児の睡眠時間は、1日平均10~18時間とされていますが、赤ちゃんによって個人差が大きく、眠るタイミングもさまざまです。そのため、「なかなか寝てくれない」「夜中に何度も起きてしまう」と悩むママ・パパも多いでしょう。
新生児が夜に眠らないのは、決して珍しいことではありません。まずは、新生児が夜寝ない原因について解説します。
新生児は、まだ昼と夜の区別がついていません。人間には、夜になると眠くなり、朝に光を浴びると目が覚めるという、地球の自転に合わせた体内時計が備わっています。
しかし、新生児は体内時計が未熟なため、昼夜を問わず睡眠と覚醒を繰り返します。そのため、夜にまとめて寝ることができない子が多いのです。
新生児の睡眠サイクルは大人と違い、昼夜関係なく2~5時間の睡眠と1~2時間の覚醒を繰り返すパターンが一般的です。しかし、睡眠のサイクルが安定せず、毎日の睡眠時間にばらつきが出ることが多くもあります。
大人と同じように、昼間に起きていて夜に眠るという睡眠リズムになっていくのは、生後3ヵ月を過ぎる頃といわれています。
ママのおなかから外に出てきたばかりの新生児は、刺激に敏感だったり、入眠の感覚を不快に感じたりすることから、まだうまく寝ることができない子もいます。寝るのが苦手な赤ちゃんの場合、入眠に時間がかかり睡眠時間も少なくなりがちです。
また、新生児の睡眠は、レム睡眠という浅い眠りが半分以上を占めているとされ、少しの刺激ですぐに起きてしまう場合もあります。
新生児は、母乳やミルクを一度にたくさん飲めません。そのため、授乳から2~2.5時間程経つと、おなかがすいて目が覚めてしまいます。ある程度まとまった量を飲めるようになると、睡眠時間が長くなる赤ちゃんもいます。
眠りが浅く刺激に敏感な新生児は、不快なことがあると泣いてしまい、スムーズに寝つくことができません。なかなか寝ない場合には、「おむつが濡れている」「暑い」「寒い」「げっぷが出なくて苦しい」「音や光が気になる」など、何かしら不快に感じている可能性があります。
赤ちゃんがなかなか眠らない上、ずっと泣いたりぐずったりしている場合は、体の調子が良くない可能性もあります。風邪による体調不良や鼻づまりのほか、肌のかゆみ、便秘によるおなかの張りなどが原因で眠れないのかもしれません。
夜になかなか寝てくれない新生児との生活は、大変なものです。そこで、クラブエリエール会員の先輩ママ・パパに、お子さまが新生児期に夜、寝てくれなかった経験の有無や、夜にまとまって寝るようになった時期などについてアンケート調査を実施しました。
【調査概要】
調査対象:生後3ヵ月~未就学のお子さまがいるクラブエリエール会員の20~70代男女
調査期間:2024年9月18日~9月27日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:1,017件
先輩ママ・パパに、お子さまが新生児だった頃、夜に寝てくれなかった経験があるか聞いたところ、75.8%が「はい」と回答しました。多くの先輩ママ・パパが、お子さまが新生児のときに夜寝てくれず、悩んだ経験があることがわかります。
続いて、先輩ママ・パパに赤ちゃんが夜にまとまって寝てくれるようになった時期を聞いたところ、最も多かった回答は「生後4~6ヵ月未満」の164人でした。次いで、「生後2~4ヵ月未満」の163人、「生後6~8ヵ月未満」の120人となっています。このアンケートでは、約半数の赤ちゃんが生後8ヵ月頃までに、夜にまとまった時間寝てくれるようになったことがわかりました。
ただし、「2歳以降」と回答したママ・パパも32人と一定数おり、赤ちゃんが夜まとまって寝てくれるようになるタイミングには、個人差が大きいことがわかります。
新生児が夜に寝てくれない場合、赤ちゃんのお世話をしているママやパパは睡眠不足になってしまいます。少しでも体を休めるためにも、寝かしつけや泣き止ませの対処法を覚えておきたいものです。
そこで、クラブエリエール会員の先輩ママ・パパに、新生児期の寝かしつけで最も効果があった対処法について聞いたところ、下記のような結果となりました。
新生児が寝てくれないときに最も効果的だった対処法は、「授乳をする」が339人と最も多く、次に「抱っこやマッサージなどスキンシップをとる」が300人でした。
この結果から、赤ちゃんのおなかを満たしてあげる、スキンシップを通して安心感を与えてあげることが、新生児期の寝かしつけにおいて重要であることがわかります。
ここでは、アンケートの結果を踏まえながら、赤ちゃんが夜に寝ない、または泣き止まないときの具体的な対処法についてご紹介します。
新生児が寝つけなかったり、泣き止まなかったりする場合は、何か不快なことがあるというサインかもしれません。赤ちゃんが不快に感じる主な原因は、「おなかがすいている」「おむつが濡れて気持ち悪い」「汗をかいて気持ち悪い」などです。
授乳やおむつ替え、お着替えなどをして、赤ちゃんが快適に過ごせるようにしてあげましょう。
新生児は、光の刺激にも敏感です。夜の授乳やおむつ替えの際、蛍光灯などの強い光をつけてしまうと、脳が活性化して寝つきが悪くなることもあります。
夜間のお世話では、薄暗い照明にしたり、手元だけを照らせるライトにしたりして、必要以上に明るくしないようにしましょう。
赤ちゃんは、ママと触れ合うことで安心し、気持ちが落ち着きます。夜に寝ない、または泣き止まない場合は、抱っこをしたり、ベビーマッサージをしたりするなど、スキンシップの時間を作ってみてください。赤ちゃんがリラックスして、眠りにつきやすくなります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、外部からの刺激に反応して、ビクッと両手足を広げる「モロー反射」という動きをします。モロー反射は日常生活の中の音や光、振動、温度など、些細な刺激で起こりますが、寝ているあいだにモロー反射が起きると目が覚めてしまう場合もあります。
おくるみなどで赤ちゃんを包んであげるとモロー反射が適度に抑えられ、赤ちゃんが目覚めにくくなるので試してみるといいでしょう。
モロー反射については、下記のページをご覧ください。
モロー反射って何?原始反射の種類と対処法、よく似た疾患を解説
おくるみの巻き方については、下記のページをご覧ください。
おくるみの巻き方 手順と注意点を解説
赤ちゃんの快適な睡眠には、寝室や寝床の室温・湿度が大きく影響します。特に新生児は、体温調節がまだ上手にできないので、ママやパパが赤ちゃんにとって快適な環境を整えてあげることが大切です。
赤ちゃんが快適に過ごせる室温の目安は、夏は25~28℃、冬は20~25℃です。湿度は、季節を問わず50~60%を目安に調整するといいでしょう。また、エアコンの風や直射日光が、寝ている赤ちゃんに直接あたらないようにすることも大切です。
新生児期の衣類は、大人より1枚多めに着せるのが基本ですが、衣類の着せすぎや布団のかけすぎで体温が上がると、赤ちゃんがぐずる原因になります。赤ちゃんが汗をかいて暑そうにしている場合は、着るものや掛け物を適宜調整してください。
いろいろな対処法を試しても、赤ちゃんがなかなか寝ない、もしくは泣きやまないときは、体調が悪いのかもしれません。
赤ちゃんが発熱していないか、便秘や下痢になっていないか、鼻が詰まっていないかなど確認し、場合によっては小児科医に相談しましょう。
赤ちゃんの発熱については、下記のページをご覧ください。
赤ちゃんの「発熱」の原因と対処法
新生児の便秘や下痢については、下記のページをご覧ください。
新生児のうんちの色で健康状態がわかる?
生まれてから半年くらいまでの赤ちゃんは、寝る時間もまちまちです。新生児時期に寝る時間は、1日のうち長ければ20時間にも及びますので、寝ないことがあっても、それが永遠に続くわけではありません。
私自身も子どもが新生児期に寝てくれなかったときには、夜抱っこして部屋の中を歩き回ったり、歌ったり、踊ったり…、ときにはバランスボールに座って軽くバウンドしながら寝かしつけるなど、本当にありとあらゆることをしました。今になってその頃の日記を見返してみると、子どもが寝てくれないときは自分も疲労困憊で、涙を流していた日が何日もありました。
でも、赤ちゃんがこれだけ泣いてくれるのも、元気だからです。きっとお母さまやお父さまの抱っこの充電が満たんになったらすやすやと寝てくれるに違いありません。今の時期限定の可愛らしい姿ですし、必ずまとまって寝てくれる日が来ます。
お母さまは、日中でも休めるときにはゆっくりと休むようにしてください。
睡眠サイクルが整っていない新生児ですが、この時期から少しずつ昼夜の区別をつけ、意識して生活リズムを整えていくと、徐々に夜寝てくれるようになります。
睡眠サイクルを整えるには、できるだけ起きる時間と寝る時間を毎日同じにすることが大切です。朝は7~8時には太陽の光で赤ちゃんを起こし、日中は明るく生活音のある環境で過ごします。そして、20~21時には間接照明などのほのかな明かりにし、できるだけ静かな場所で寝かせるようにしてください。
「日中は活動し、夜に眠る」という生活習慣を定着させていくと、睡眠サイクルも整っていきます。
新生児がなかなか寝てくれないと、ママ・パパも寝不足になり、ストレスを感じてしまうかもしれません。しかし、赤ちゃんが寝ないときでも、下記のようにいくつか注意すべきことがあります。
赤ちゃんが眠らずに泣き続けると、強くゆさぶりそうになることがあるかもしれませんが、これは絶対にしてはいけません。赤ちゃんを強くゆさぶると脳が損傷して、生命の危険に関わることもあります。
赤ちゃんを衝動的にゆさぶってしまうのは、お世話をする人にかなりのストレスが溜まっている可能性があります。ほかの人の手を借りて一時的に赤ちゃんから離れ、気分転換をしましょう。
ママやパパが、長時間赤ちゃんのそばを離れ、放置することは避けましょう。新生児は、思いがけない動きから、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めるとされる、うつ伏せ寝をしてしまうことがあります。また、赤ちゃんの体調が悪い場合、そのサインを見逃してしまうかもしれません。
ただし、いろいろ試しても赤ちゃんが寝なくてストレスを感じてしまうときは、赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、一時的に離れても問題ありません。
その場合、固さのある寝具の上に仰向けに寝かせ、窒息の危険がある掛け布団やタオル、枕、ぬいぐるみなどは、赤ちゃんのそばに置かないようにしてください。また、完全に目を離すのは10~15分程度にとどめましょう。
赤ちゃんのうつ伏せ寝については、下記のページをご覧ください。
赤ちゃんのうつ伏せ寝は問題ない?
寝かしつけの際に赤ちゃんとスキンシップをとることは効果的ですが、そのまま添い寝してしまわないように注意しましょう。
新生児との添い寝には、大人の体や寝具による窒息、ベッドからの転落などのリスクがあります。赤ちゃんを寝かしつけた後は、そっとそばを離れて、別々の寝具で寝るようにしてください。
新生児は、特に理由がなく、泣いたり寝なかったりする場合もあります。いろいろな対処法を試しても解決しないと、ママ・パパは心配やストレスを感じるかもしれませんが、親の感情が赤ちゃんに伝わり、さらに寝ないという悪循環になることもあります。
「今は、寝たくない気分なのかな」と、ゆったり構えて見守ることも大切です。
監修者のご紹介
竹中 美恵子先生(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
難病指定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、キレーション認定医。小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で診られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。
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睡眠リズムが整っておらず刺激に敏感な新生児は、なかなか寝てくれなかったり、すぐに起きてしまったりします。
でも、ほとんどの赤ちゃんは、成長とともに自然に眠れるようになるものです。あまりに改善しない場合は、専門家に相談してみてください。いろいろな対処法を試しながら、この時期を乗り越えていきましょう。
新生児には昼夜の区別がなく、一日を通して2~5時間の睡眠と1~2時間の覚醒を繰り返します。夜であっても、睡眠サイクルは同じです。
新生児をスムーズに寝かせるには、授乳や抱っこなどのスキンシップを通して、安心感を与えることが大切です。また、室温や湿度を調整したり、音や光などの刺激になるものを避けたりするといいでしょう。
新生児がなかなか眠らないからといって、強くゆさぶったり、長時間放置したりするのは、事故につながるので注意しましょう。また、新生児との添い寝は、窒息やベッドからの転落の危険があります。赤ちゃんが寝た後、親は別の寝具で寝るようにしてください。
赤ちゃんは理由なく、寝なかったり、泣きやまなかったりすることもあります。何をしても効果がない場合は、「今は、寝たくない気分なのかな」と、ゆったり構えて見守ることも大切です。
画像提供/PIXTA