記事公開:2024.08.23
新生児のみならず、赤ちゃんのうんちは健康のバロメーターです。赤ちゃんはまだ言葉を発せませんが、ママ・パパはうんちの色で赤ちゃんの体調の変化に気づいてあげることができます。
この記事では小児科医監修のもと、新生児をはじめとする赤ちゃんのうんちの色ごとの体調の見分け方や便秘・下痢の確認方法のほか、医療機関を受診する目安などを解説します。
赤ちゃんは成長とともに、うんちの色や形状が変化していきます。ママ・パパは赤ちゃんのうんちの状態を毎日チェックすれば、健康状態を確認することが可能です。
新生児期など低月齢の赤ちゃんは、大人のような茶色のうんちではなく、基本的に黄色や緑色のうんちをします。生後5ヵ月頃になり、離乳食を食べるようになると、徐々に大人と同じような茶色のうんちへと変化していきます。
ここでは、新生児をはじめとする低月齢の赤ちゃんの健康的なうんちの色や、受診が必要なうんちについて解説しましょう。
赤ちゃんが生まれて2、3日は、「胎便(たいべん)」という緑がかった黒色のうんちを出します。胎便には、ママのおなかの中で飲み込んだ羊水や胆汁の色素、腸管の分泌物などが含まれており、ネバネバとしています。色に少し驚くかもしれませんが、特に心配はありません。
胎便を出し切ると、赤ちゃんのうんちは徐々にマスタードのような黄色に変化します。これは、離乳食が始まる前の、母乳やミルクを飲む赤ちゃんに見られるうんちの色で、健康な状態です。赤ちゃんによっては明るい茶色になることもあります。母乳もミルクも液体のため、うんちの硬さはゆるゆるとしています。
赤ちゃんは、黄色が濃くなったような緑色で、甘酸っぱいニオイがするうんちを出すことがありますが、これも健康なうんちで問題はありません。おなかの中に長くとどまったうんちが酸化して黄色から緑色に変化したり、母乳に含まれる乳糖が腸内の乳酸菌などによって緑色に変化したりすることがあるのです。
なお、黄色や緑色のうんちに、白い小さなつぶつぶが混ざっていることがあります。これは、母乳やミルクの脂肪分が腸の中で固まったものなので、特に心配する必要はありません。
新生児のうんちに鮮血が混ざって赤色をしている場合は、消化器官からの出血による新生児メレナという病気の可能性があります。また、うんちに血と粘液が混ざっている場合は、細菌性腸炎の可能性も。生後3~4ヵ月以降で、いちごジャムのような真っ赤な血便が出たときは、腸重積症が疑われます。赤ちゃんが赤色のうんちを出した際に、繰り返し泣いたり、吐いたりする場合は、うんちがついたおむつを持って、すぐに病院を受診してください。
なお、離乳食を食べている赤ちゃんは、トマトやスイカ、ニンジンなど赤色の食べ物を食べたとき、赤色のうんちが出ることがあります。消化器官が未熟な赤ちゃんは、食べた物がそのまま出てくることもあるので、この場合は問題ないでしょう。
生まれたばかりの赤ちゃんの黒色のうんちは、前述した胎便のため問題ありません。ただし、それ以降の時期に、粘り気のある黒い、または赤黒いうんちが出る場合は、注意が必要です。
胃や腸といった消化器官の上部で出血すると、肛門からうんちとなって出てくるまで時間がかかるため、血が酸化して黒色になります。赤ちゃんが黒色のうんちをしてぐったりしていたら、すぐに病院を受診しましょう。
なお、赤ちゃんが鼻血を出していて、それを飲み込んでいるため、黒色のうんちが出ている可能性もあります。黒色のうんちが出たときは、赤ちゃんが鼻血を出していないかもチェックしてください。
生後1週間を過ぎた赤ちゃんで、母乳やミルクを飲んでいても、うんち全体が白色・クリーム色・うすいグレー色の場合は、肝臓から胆汁が分泌されていない状態と考えられます。胆道閉鎖症や胆道狭窄症といった先天性の病気が疑われるため、早めに受診しましょう。
また、月齢に関係なく、赤ちゃんがお米の研ぎ汁のような液体状の白いうんちをする場合は、ウイルス性胃腸炎などの可能性があります。白色・クリーム色・うすいグレー色のうんちが出たら、すぐに病院を受診してください。
赤ちゃんのうんちがいつもと違うように見えるとき、お医者さんに診てもらうべきかどうか迷ってしまうかもしれません。そこで、離乳食が始まる前の新生児期~生後5ヵ月頃までで、赤ちゃんのうんちの色が変化して、病院を受診したことがあるか、クラブエリエール会員の先輩ママ・パパに聞いてみました。
【調査概要】
調査対象:家族に3ヵ月~未就学のお子さまがいるクラブエリエール会員の20~70代男女
調査期間:2024年5月28日~6月2日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:277件
先輩ママ・パパの中で、「離乳食が始まる前の新生児期~生後5ヵ月の赤ちゃんで、うんちの色が変化して病院を受診したことがある」と答えた人は13.4%となりました。約1割と少数ではありますが、実際に受診に至るケースはあるため、日頃から赤ちゃんのうんちの色を観察しておくことは大切といえるでしょう。
次に、Q1で「はい」と答えた先輩ママ・パパに、赤ちゃんのうんちの色の変化で受診した際の月齢を聞きました。一番多い回答は生後1ヵ月、続いて生後3ヵ月、新生児期の順となり、生後3ヵ月以内に受診した人が多い結果となりました。
赤ちゃんのうんちは、与えているのが母乳のみ・ミルクのみ・母乳とミルクの混合といった違いでも、少しずつ変化します。これは、母乳のほうが腸内で消化しやすく、摂取の回数もミルクより多いためです。一般的にそれぞれのうんちの色や形状、硬さは、下記のとおりになります。
<与えているもの別・赤ちゃんのうんちの特徴>
・母乳のみ:淡い黄色から緑色のゆるゆるとした液体またはペースト状で、甘酸っぱいニオイがする
・ミルクのみ:銘柄により黄土色や緑色などになり、少し硬めの粘り気がある形状で、ニオイは強くない
・母乳とミルクの混合:母乳とミルクの中間の色、硬さ、ニオイのうんちになる
赤ちゃんのうんちは、成長とともに状態や回数が変わることも特徴のひとつです。
新生児期は、母乳やミルクなどの液体のみ摂取するため、うんちは液体状のゆるゆるで、1日に1回する子もいれば1日10回以上する子もいます。その後、成長して離乳食が始まる生後5ヵ月頃になると、離乳食を摂取することにより、少しずつ硬いうんちになっていきます。うんちの回数も徐々に減っていきますが、1日1~2回する子、2~3日に1回する子などさまざまです。
さらに、離乳食が終わる生後9ヵ月以降になると、大人のうんちの硬さに近づいてきます。うんちの回数は、1日1~2回する子や2~3日に1回する子もいます。
いずれの時期も、赤ちゃんのうんちの状態や頻度には個人差があるので、普段のうんちの状態や回数に変化がなければ、基本的には心配ないでしょう。
うんちをする頻度は個人差があり、赤ちゃんが毎日うんちをしないからといって、必ずしも便秘とは限りません。ただ、まだ活発に動くことが少なく、寝ている時間が多い低月齢の赤ちゃんは、便秘になることがよくあります。ここからは、赤ちゃんが便秘になっているサインや、便秘のときの対処法を解説します。
前述したように、うんちの頻度は個人差がありますが、普段の様子と違って下記のようなサインがあれば、一般的に便秘と判断できます。
<赤ちゃんが便秘になっているサイン>
・うんちの回数がいつもより少ない
・うんちの量がいつもより少ない、硬い
・おならばかり出て、うんちが出ない
・母乳やミルクを受けつけない、または吐き戻す
・機嫌が悪い
赤ちゃんのうんちをする頻度が2日に1回のペースでも、いつものことであれば問題ないことが多いでしょう。しかし、いつもよりうんちの回数や量が少ない、硬い、おならばかり出てうんちが出ないなどの変化があれば、便秘であることが考えられます。
また、おなかに便が溜まって食欲がないと、母乳やミルクを受けつけなかったり、吐き戻したりすることも。おなかに便が溜まると不快なため、不機嫌になる赤ちゃんもいます。
赤ちゃんの便秘の対処法は、生活の見直しや、マッサージなどでおなかやおしりに刺激を与える方法があります。「便秘かな?」と思ったら、下記の方法をいくつか試して様子を見てください。
<赤ちゃんの便秘の主な対処法>
・生活リズムを整える
・ミルクを飲ませすぎてないか確認する
・おなかや足をマッサージする
・綿棒で肛門を刺激する
赤ちゃんが便秘の場合、決まった時間に授乳をすることで自律神経が整い、排便リズムが安定することがあります。また、ミルクのあげすぎによる、過剰なカルシウム摂取が便秘の原因になることも。ミルクのパッケージに書かれた調乳量を確認して、赤ちゃんにあげる量を調整してみましょう。
そのほか、赤ちゃんのおなかを「の」の字を描くようにやさしくマッサージしたり、足を屈伸させたりするなど、物理的な腸への刺激も便秘の解消に役立ちます。
さらに、ベビーオイルなどをつけた綿棒を赤ちゃんの肛門から1センチ程入れ、やさしく「の」の字を描くように動かす「綿棒浣腸」もおすすめです。
赤ちゃんの便秘については、下記のページをご覧ください。
赤ちゃんの便秘で注意することは?便秘の原因・受診の目安と改善法
新生児期から離乳食が始まる前までの赤ちゃんのうんちは、基本的にゆるゆるのため、下痢をしているのか判断しにくいことも多いでしょう。
ここからは、赤ちゃんが下痢をしているのかどうかを確認する方法と、受診の目安をご紹介します。
赤ちゃんが下痢をしているのかどうかを確認するには、うんちの状態と赤ちゃんの様子をよく観察することが大切です。うんちの状態で確認するべき主なポイントは、下記のとおりです。
<確認するべき赤ちゃんのうんちの状態>
・普段よりも水っぽい
・粘液や血液を含んでいる
・ニオイがいつもと違う
・うんちの回数がいつもより多い
これらのうち1つでもあてはまるなら、下痢の可能性があると考えていいでしょう。この場合、病気が隠れていることもあるので、赤ちゃんの様子をよく観察してください。
特に、新生児など低月齢の赤ちゃんが下痢になると、脱水症状を起こしやすいので注意が必要です。
赤ちゃんが下痢をしており、高熱や嘔吐もあってぐったりしている場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。すぐに受診したほうがいい症状の目安は、下記のとおりです。
<受診が必要な赤ちゃんの症状の目安>
・下痢の回数や量が多い
・白色のうんちが出る
・うんちに血が混じっている
・発熱、嘔吐、発疹などがある
・母乳やミルクを飲まない、もしくは飲む量が極端に減った
・おしっこの量が少ない
・唇や口の中が乾いている
・元気がなく、ぐったりしている
受診する際は、医師が症状を正確に把握するためにも、うんちのついたおむつをビニール袋に入れて、病院に持っていきましょう。
赤ちゃんの下痢については、下記のページをご覧ください。
赤ちゃんの下痢の注意点は?受診の目安と下痢の原因・対処法を解説
新生児などの低月齢の赤ちゃんは、肌が敏感な上にうんちの回数が多いため、おむつかぶれを起こしがちです。特に、下痢のうんちは肌への刺激が強いので、こまめにおむつ替えをしましょう。
また、おしりをきれいに洗ったり、肌にやさしいおむつにしたりすることも、おむつかぶれの予防につながります。
監修者のご紹介
竹中 美恵子先生(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
難病指定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、キレーション認定医。小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で診られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。
女医によるファミリークリニック
新生児期の赤ちゃんは、肌がとても敏感です。おしっこやうんちによる刺激、おむつの摩擦による肌の乾燥などに着目した肌にやさしい「グーン」シリーズで、赤ちゃんのおしりをやさしく守ってあげましょう。
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「グーンプラス 敏感肌設計 新生児用」については、下記のページをご覧ください。
グーンプラス 敏感肌設計 新生児用|グーン
「グーン 肌にやさしいおしりふき」は、不純物を取り除いた純水を99%使用したおしりふき。たっぷりの水分で、こびりついたうんちも洗い流すようにやさしく拭き取れます。ノンアルコール、パラベンフリー、無香料で、生まれたその日から新生児に使えるのが特長です。
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グーン 肌にやさしいおしりふき|グーン
新生児をはじめとした低月齢の赤ちゃんは体調が変化しやすく、ママ・パパは赤ちゃんのうんちで健康状態を見極めることが大切です。赤色、黒色、白色・クリーム色・うすいグレー色のいずれかのうんちが出たときや、赤ちゃんが下痢をした場合などは、病院の受診をおすすめします。
もしものときに慌てないように、かかりつけ医の診察時間や、時間外でも受診してくれる病院などをあらかじめ調べておくと安心です。
新生児が赤色、黒色、白色・クリーム色・うすいグレー色のいずれかのうんちをした場合は、すぐに病院の受診をおすすめします。ただし、生まれて2~3日の赤ちゃんが出す、ネバネバとした緑がかった黒色のうんちは「胎便」のため、問題ありません。
赤ちゃんのうんちの状態が「普段よりも水っぽい」「粘液や血液を含んでいる」「ニオイがいつもと違う」「うんちの回数がいつもより多い」といった場合、下痢をしている可能性があります。
さらに、「下痢の回数や量が多い」「白色のうんちが出る」「うんちに血が混じっている」「母乳やミルクを飲まない、もしくは飲む量が極端に減った」「発熱・嘔吐・発疹がある」「おしっこの量が少ない」「唇や口の中が乾いている」「元気がなく、ぐったりしている」といった症状があるときは、早めに病院を受診してください。
新生児期に便秘を疑われるときの対処法には、「生活リズムを整える」「ミルクを飲ませすぎていないか確認する」「おなかや足をマッサージする」といったものがあります。
また、ベビーオイルなどをつけた綿棒を赤ちゃんの肛門から1cm程入れ、やさしく「の」の字を描くように動かす「綿棒浣腸」もおすすめです。
画像提供/PIXTA
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