記事公開:2024.06.20
ネコちゃんは、起きているあいだの多くの時間をグルーミングに費やすほどキレイ好きな生き物ですが、それにもかかわらず、トイレで寝てしまう子もいます。
特にネコちゃんを迎えたばかりのオーナーさんは、びっくりして「何か良くないことのサインでは?」と心配になってしまうかもしれませんね。
この記事では、ネコちゃんがトイレで寝てしまう場合に考えられる理由と対処法について解説します。
ネコちゃんが寝床ではなく、トイレで寝てしまう理由はさまざまです。ネコちゃんをよく観察して、トイレで寝てしまう理由を探りましょう。
元々ネコちゃんは、自分の身を隠せる囲まれた空間を好む傾向があり、「狭くて暗い場所」が好きといわれています。また、縄張り意識がとても強いため、自分のニオイがついた場所でないと安心して休めないという習性も持ち合わせています。
そんなネコちゃんにとって、用意された寝床よりもトイレのほうが安心できて落ち着く場所であれば、そこで寝てしまうこともあるでしょう。
引越しや部屋の模様替えなどで環境が大きく変化したとき、ネコちゃんがストレスや不安を感じて、トイレで寝てしまうこともあります。
新しい環境で落ち着く場所が見つけられない場合、自分のニオイがついているトイレに引きこもって、そのまま寝てしまうケースがあります。
「気ままな生き物」といわれることもあるネコちゃんですが、とても寂しがり屋な一面もあります。そのため、お迎えしたばかりの子猫が母親や兄弟を恋しがっているときや、オーナーさんが外出しがちでいっしょに過ごす時間が少ないときなどに、寂しさをまぎらわせようとして、トイレで寝てしまうこともあるようです。
おうちに迎えたばかりの子猫や、トイレトレーニングが完了していない子の場合、トイレが排泄をする場所だと認識できていないケースもあります。狭くて暗く安心感があるため、寝床にぴったりの場所だと感じてしまうのでしょう。トイレがその子にとって「ちょうどよい囲い」になっている可能性も考えられます。
ネコちゃんがトイレで寝てしまう行動は、病気のサインである可能性もあるため注意が必要です。膀胱炎や尿路結石、腎不全などで、頻尿やおしっこが出にくい症状がある場合は、トイレにいる時間が長くなり、そのまま寝てしまうケースもあります。また、高齢になって認知症を発症している場合、トイレを認識することが難しくなっている可能性もあります。
ネコちゃんのトイレの回数や量、排尿時の様子、食欲があるかなどもよく観察した上で、トイレで寝ること以外に気になる症状があれば、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。
ネコちゃんがトイレで寝てしまうのは衛生上好ましくないため、オーナーさんとしてはなるべくやめさせたいものですよね。
ネコちゃんがトイレで寝るのを無理なくやめさせる対処法を、病気のサイン以外のケースについて解説します。
迎えたばかりの子猫や、引越しで環境が変化したばかりのときは、不安やストレスからトイレで寝る行動が増える傾向があります。そんなときは無理に寝床へ移動させようとしたりせず、そっとしておいてあげましょう。
ネコちゃんによって新しい家やオーナーさんに慣れるまでの期間は異なりますが、時間の経過とともに自然とトイレで寝なくなることも多いものです。まずはネコちゃんの気持ちを尊重して、様子を見守ってあげてください。
1~2週間様子をうかがってもトイレで寝る行動がなくならないのなら、寝ているネコちゃんをトイレ以外の場所に移動させるのもひとつの方法です。そのときもあまり無理強いをせず、おもちゃやおやつを使って、ネコちゃんが自分でトイレから出るように誘導するのが望ましいでしょう。
生活環境を見直して、トイレ以外にネコちゃんが安心して落ち着ける場所を作ってあげることも大切です。人の行き来が少なく、音の出る家電などがない静かな場所に、ネコちゃん専用のベッドやキャリーバッグ、キャットタワーなどを設置しましょう。また、寝床にネコちゃんやオーナーさんのニオイがついたブランケットなどを置いてあげるのもおすすめです。
ネコちゃんが快適に過ごすには、部屋の温度管理も大切。ネコちゃんの先祖は砂漠に住んでいたといわれており、比較的高温の環境を好みます。エアコンなどを活用して、梅雨時から夏までは27~30℃ぐらい、冬場は18~23℃くらいを目安に室温を調節してください。
ネコちゃんがトイレで寝る場合、寝床よりもトイレが落ち着ける場所になっている可能性があるため、トイレの環境を見直すこともおすすめです。フード付きのトイレを使用しているなら、フードを取り外すか、フラットタイプのトイレに変更すると、トイレの中がまわりからよく見えてしまうため、寝ることをやめるかもしれません。また、使っている猫砂の感触が気に入っている可能性もあるので、違う素材や種類の猫砂に変更してみるのも一案です。
ただし、急なトイレ環境の変化により、ネコちゃんがトイレしなくなるということがないように、様子を見つつ行いましょう。
寂しくてトイレで寝てしまう子の場合は、一日のうちいっしょに思い切り遊ぶ時間を作るなど、コミュニケーションのとり方を見直してあげると、行動が改善されることもあります。
ネコちゃんに長時間のお留守番をさせた、いっしょに遊ぶ時間が減っているなど、思い当たる原因があればネコちゃんとの接し方を見直しましょう。
特に子猫の場合、自分が寝ている場所がトイレだと認識できていない可能性があります。そのようなときはトイレトレーニングをして、トイレの場所をしっかりと覚えさせましょう。
食後や遊んだ後にそわそわする、床のニオイをかぐなどの行動が見られたら、トイレに連れて行くことを根気良く繰り返します。
ネコちゃんのトイレのしつけについては、下記のページをご覧ください。
猫のトイレのしつけのポイントは?うまくいかない場合の対処法も解説
監修者のご紹介
松田 唯さん
埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。
2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)を開設、院長となる。大学時代は医療の専門用語が苦手だったこともあり、治療法や薬についてわかりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解してオーナーさんが選択できる診療を心掛けるようにしている。
ガイア動物病院
大王製紙の「キミおもい」のネコちゃんシリーズは、ネコちゃんとの暮らしがもっと幸せになることを目指したペット用品ブランド。機能別に素材を選べる猫砂や、各社システムトイレ本体に使えるシステムトイレ用猫砂・シート、トイレまわりのお掃除や粗相してしまったときの汚れ・ニオイをサッと拭き取れるおそうじシートなどがそろっています。
「キミおもい」のネコちゃんシリーズについては、下記のページをご覧ください。
キミおもい Cat- ネコちゃん -
ネコちゃんがトイレで寝ると、最初はびっくりするオーナーさんが多いかもしれませんが、無理にやめさせようとするのは逆効果。まずはネコちゃんの気持ちを考えて、安心して寝床で寝られるよう環境を整えてあげましょう。
ただし、ネコちゃんがトイレで寝る理由として、病気が潜んでいる可能性もあるため、おしっこの量や回数なども観察し、気になる症状があればすぐに動物病院を受診してください。
元々狭くて暗い場所や囲われた空間が好きなネコちゃんは、トイレを「落ち着ける場所」だと認識することがあります。また、環境が変化してストレスや不安を感じたり、お迎えしたばかりで家族を恋しがっていたり、オーナーさんと触れ合う時間が少なくて寂しがっているときなども、トイレで寝てしまうケースがあります。トイレトレーニングが不十分な場合、そもそもトイレと寝床の区別がついていないために、トイレで寝てしまうこともあるでしょう。
気をつけたいのは、何らかの病気が原因となっているケースです。頻尿やおしっこが出にくいなどの症状がある場合は、すぐに動物病院に連れて行くことをおすすめします。
ネコちゃんは元来、キレイ好きな生き物なので、「トイレは排泄をする場所である」と認識させ、トイレよりも寝床で快適に寝られるように環境を整えてあげれば、トイレで寝る行動は自然に少なくなります。
特にお迎えしたばかりの頃は、そっと様子を見守って、ネコちゃんから出てきてくれるのを待つといいでしょう。
ネコちゃんがトイレで寝てしまうときは、まずおやつやおもちゃでトイレ以外の場所へ誘導してみてください。また、ベッドやキャットタワーなど、ネコちゃんが落ち着ける場所を複数作る、暑さ・寒さ対策を万全にする、フード付きのトイレを使っているのならフードを外すなどして、ネコちゃんが「トイレよりも寝床で寝るほうが快適」と感じるように環境を整えてみましょう。
寂しくてトイレで寝てしまう子なら、いっしょに遊ぶ時間を増やすことも効果的。お迎えしたばかりの子猫の場合、トイレのトレーニングをしっかりして、「トイレは排泄をする場所」だと認識してもらうことでも、トイレで寝なくなることが期待できます。
画像提供/PIXTA
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