記事公開:2024.8.6
生まれたばかりの赤ちゃんのうんちはゆるめで、1日に何度も排泄されることが多いもの。ですが、うんちの硬さや回数、排便周期には個人差があり、1日に数回する赤ちゃんもいれば、数日に1回という子もいます。
とはいえ、便秘を放置すると、おなかの中でうんちがどんどん硬くなり、ますます出にくくなってしまうことも。赤ちゃんが便秘かどうかは、ママ・パパが判断しなければいけません。
本記事では、赤ちゃんが便秘のときの症状や、病院に行くべきかの判断基準、便秘の原因や改善法について解説します。
赤ちゃんは、自分で便秘かどうかを伝えられないので、ママ・パパが様子をチェックして判断する必要があります。そもそも便秘とは、うんちが出なかったり、出ても固いうんちだったりする状態のことですが、「何日うんちがでなかったら便秘」というはっきりとした定義はありません。
うんちの回数には個人差が大きく、毎日うんちが出なくても、赤ちゃんの体調や機嫌に問題がなければ便秘ではないのです。そこで、赤ちゃんが便秘かどうかを判断する、チェックポイントをご紹介しましょう。
赤ちゃんによって排便周期は違うため、いつもと比べてうんちの回数が少ないかどうかを確認してください。「1日数回出ていたのに、昨日からうんちが出ていない」といった場合は、便秘の可能性があります。
赤ちゃんがうんちをしても、いつもと比べてうんちの量が少なかったり、硬かったりするときも便秘の可能性があります。うんちの量が少ないのは、まだおなかの中にうんちが残っていて出しきれていないのかもしれません。また、おなかの中に長時間残ったうんちは、水分が減って硬くなります。
母乳やミルクをたっぷり飲んで、おむつもちゃんと替えているのに、赤ちゃんの機嫌が悪く泣いてばかりいるときは、便秘かもしれません。
うんちがおなかに溜まった不快感から、赤ちゃんの機嫌が悪くなることがあります。
赤ちゃんがうんちをするときに、顔を真っ赤にして力強くいきんだり、苦しそうにしたりしている場合は、便秘の可能性があります。うんちをするときの様子を、いつもと比べてみてください。
授乳前なのに赤ちゃんのおなかが張っていて苦しそうにしていたり、おならばかり出てうんちが出なかったりというときは、便秘の可能性があります。
ただし、おなかにガスが溜まっているだけのこともあるので、うんちが出ているかどうかを確認してください。
いつもより母乳やミルクを飲む量や、離乳食を食べる量が減っている場合、おなかに溜まったうんちが苦しくて、食欲が減退しているのかもしれません。
赤ちゃんは消化器官が未発達で、些細なことで便秘になるため、過剰に心配する必要はありません。うんちが出なくても機嫌が良く、食欲もあって体重が増えているようであれば、多くは問題ないでしょう。
ですが、便秘とともに下記のような症状が見られるときは、何らかの病気や、内臓の異常などの可能性もあります。すみやかに病院を受診してください。
■病院を受診すべきチェックポイント
赤ちゃんが便秘になるのはよくあることで、その原因は大きく3つあります。ここでは、赤ちゃんの便秘の主な原因とされる、「水分不足」「腸内の善玉菌」「腹筋の力」について解説します。
赤ちゃんの便秘の原因として最も多いのが、水分不足です。赤ちゃんは新陳代謝が活発で、老廃物を次々とおしっことして排出しています。そのため、体内の水分量が不足しやすく、うんちが硬くなりやすいのです。特に、夏場や熱が出たときなどは、汗をかきやすいため便秘になりやすい傾向があります。
赤ちゃんは、体を守る大切な役割を持つ、腸内環境がまだ整っていません。特に、腸内の善玉菌として知られるビフィズス菌が少ないと、便秘を起こしやすくなります。
ビフィズス菌は、腸の動きを活発にするほか、うんちに含まれる水分量を増やす働きがあります。
赤ちゃんは筋肉がまだ発達しておらず、特に腹筋の力が足りないと、きばってもうんちを押し出すことができないケースがあります。
また、そうして押し出しきれなかったうんちが腸内に長くとどまると硬くなり、さらに出しにくくなります。
赤ちゃんの成長において、便秘になりやすい時期があります。これは、赤ちゃんの体の成長だけでなく、生活リズムや食事の変化など、さまざまな事柄が絡んでいます。
ここでは、赤ちゃんが便秘になりやすい時期について、詳しく見ていきましょう。
新生児期は、便秘になりやすい時期でもあります。この時期の赤ちゃんは、ほとんどの時間を眠っているか、仰向けの姿勢で過ごしています。そのため、運動不足により便秘になりやすいのです。
また、母乳を飲む赤ちゃんよりも、ミルクを飲む赤ちゃんのほうが便秘になりやすい傾向があります。これは、母乳よりもミルクのほうが消化するのに時間がかかるため。なお、母乳を与えているのに便秘をする場合は、母乳が不足している可能性もあります。ちゃんと体重が増えているか確認してみてください。
生後2~3ヵ月頃の赤ちゃんは、消化器官が発達して、おなかの中にうんちが溜められるようになります。その結果、便秘の症状を起こしやすくなるのです。
赤ちゃんが生後5~6ヵ月頃になり離乳食を開始する時期も、便秘になりやすいとされています。固形物を食べるようになったことで、食事からとれる水分量が減ってうんちが固まりやすくなるほか、腹筋が未発達で、いきむ力が足りないことにより便秘がちになります。
離乳食の後期である生後9~11ヵ月頃も便秘になりやすい時期です。食事における離乳食の割合が増えて食物繊維や水分不足になりやすいこと、また、睡眠リズムの変化や運動不足などの影響で、うんちが硬くなりやすいとされています。
赤ちゃんが便秘になっても、食欲もあって機嫌が良いようであれば、自然と回復するのを待ってもいいでしょう。
しかし、数日便秘が続いて気になるときには、便秘ケアをしてあげるのも効果的です。ここでは、家庭でできる赤ちゃんの便秘改善法をご紹介します。
運動不足で便秘がちな赤ちゃんには、マッサージを試すのがおすすめです。
おへその下あたりに手をあて、「の」の字を描くように、手のひらでおなかをやさしくさすってあげましょう。腸を刺激することで、うんちが出やすくなります。
また、仰向けに寝かせた赤ちゃんの足首をやさしく握り、自転車を漕ぐように両足を交互に屈伸させたり、肛門周辺を指で軽く押して刺激してあげたりするのも効果的です。なお、赤ちゃんの体はデリケートなので、力を入れずそっと触れる感じで行ってください。
生活リズムを整えることは、排便のリズムを整えることにもつながります。なるべく決まった時間に食事をあげるようにして、夜寝かせる時間もできるかぎり同じようにします。
食事や睡眠の時間のリズムが整うと、自然に排便のタイミングも調整されるようになるでしょう。
離乳食は、母乳やミルクに比べると水分量が少ないため、食事からとれる水分が減ってしまい便秘になることがあります。
離乳食が始まった赤ちゃんには、白湯や麦茶などを意識的に与えるようにして、水分たっぷりの生活を意識しましょう。
便秘がちな赤ちゃんの離乳食は、おなかに良いメニューを用意してあげましょう。サツマイモや海藻、リンゴなど、食物繊維の多い食材をすりおろして与えたり、ビフィズス菌や乳酸菌の多いヨーグルトなどを与えたりするのも効果的です。
赤ちゃんの好き嫌いやうんちの様子を確認しながら、無理のない範囲で試してみてください。
赤ちゃんの便秘には、綿棒でおしりを刺激する「綿棒浣腸」も効果的です。綿棒にベビーオイルやオリーブオイルなどをつけて、おしりの穴をつついて刺激を与えます。それでもうんちが出ないようであれば、そっとおしりの穴に差し込み、円を描くようにゆっくりと綿棒を動かして刺激してください。綿棒ではなく、和紙で作ったこよりなどを使用してもいいでしょう。
なお、綿棒浣腸は効果が出るのが早く、浣腸をしている最中にうんちをし始めるケースも多々あります。替えのおむつをスタンバイしてから始めてください。
以前、便秘と肌のトラブルで受診された赤ちゃんで、浣腸をしたら肌の状態が良くなったというケースがありました。便秘は、全身の体調変化とも関連が深いのです。
水分不足で便が硬くなると、排便時に大泣きすることがあります。また、硬い便で肛門が切れてしまい、肛門の痛みから便秘になってしまうケースも。赤ちゃんが便秘のときは、水分不足にならないようご注意ください。
そのほか、便が出にくくなっている原因が、肛門の病気というケースもあります。便が出ないだけでなく、「食べられない」「飲めない」「ぐったりしている」「元気がない」「いつもと様子が違う」といった状態が見られたら、すぐに病院を受診してください。
監修者のご紹介
竹中 美恵子先生(小児科・内科・皮膚科・アレルギー科)
難病指定医、小児慢性特定疾患指定医、子どもの心相談医、高濃度ビタミンC点滴療法認定医、キレーション認定医。小児科医としての臨床を積みながら皮膚科や内科を学び、家族全員を1つの病院で診られるワンストップの病院を目指して姉妹で開業する。
女医によるファミリークリニック
赤ちゃんの肌はとってもデリケートなので、ずっとつけているおむつにもこだわりたいもの。おしっこやうんち、おむつの摩擦による刺激と肌の乾燥などに着目した、肌にやさしい「グーン」シリーズがおすすめです。
「グーンプラス 敏感肌設計」は、大人よりも敏感な赤ちゃんの肌について考えた、テープタイプの紙おむつ。「グーンプラス 肌快適設計パンツ」は、肌へのやさしさに動きやすさをプラスした、パンツタイプの紙おむつです。どちらも、肌に触れる表面シートに、エリエール贅沢保湿と同じ保湿成分を配合。滑らかな肌ざわりでこすれ負担を減らします。
「グーンプラス 敏感肌設計」「グーンプラス 肌快適設計パンツ」については、下記のページをご覧ください。
グーンプラス
「グーン 肌にやさしいおしりふき」は、不純物を取り除いた純水を99%使用したおしりふき。うんちで汚れたおしりも、たっぷりの水分で洗い流すようにサッと拭き取れます。ノンアルコール、パラベンフリー、無香料だから、手やからだふきにも使えます。
「グーンプラス 汚れすっきりおしりふき」は、厚手のシートに乳液成分を配合。お肌にはりついてカピカピになったうんちも、浮かせてすっきり落とせます。
「グーン 肌にやさしいおしりふき」「グーンプラス 汚れすっきりおしりふき」については、下記のページをご覧ください。
グーン 肌にやさしいおしりふき/グーンプラス 汚れすっきりおしりふき
いつでも快便というイメージのある赤ちゃんですが、実は便秘ぎみな赤ちゃんも多いもの。便秘しがちな赤ちゃんも、成長とともに消化器官が発達する5歳くらいになれば、お通じが良くなるようです。
うんちが出なくてもご機嫌で、食欲もあるようであれば問題はありません。ただし、様子がいつもと違うようなときは、すみやかに病院を受診してください。
赤ちゃんは、自分で便秘かどうかを伝えられないので、ママ・パパが様子をチェックして判断する必要があります。下記の症状があてはまるときは、赤ちゃんが便秘かもしれません。
・赤ちゃんのうんちの回数がいつもと比べて少ない
・いつもと比べて、赤ちゃんのうんちの量が少なかったり、硬かったりする
・母乳やミルクを飲ませて、おむつも替えているのに、赤ちゃんの機嫌が悪く泣いてばかりいる
・赤ちゃんがうんちをするときに、顔を真っ赤にして力強くいきんだり、苦しそうにしたりしている
・授乳前なのにおなかが張って苦しそうにしていたり、おならばかり出てうんちが出なかったりする
・いつもより母乳・ミルクを飲む量や、離乳食を食べる量が減っている
赤ちゃんが便秘の原因は大きく3つあります。
・水分が足りない
赤ちゃんは新陳代謝が活発なため、体内の水分量が不足しやすく、うんちが硬くなりやすい。
・腸内の善玉菌が少ない
赤ちゃんは、腸内環境がまだ整っておらず、特に、善玉菌として知られるビフィズス菌が少ないと、便秘を起こしやすい。
・腹筋の力が足りない
赤ちゃんは筋肉がまだ発達しておらず、特に腹筋の力が足りないと、きばってもうんちを押し出すことができない。
赤ちゃんの便秘が数日続くとき、家庭でできる赤ちゃんの便秘改善法は下記のとおりです。
・マッサージをする
赤ちゃんのおへその下あたりに手をあて、「の」の字を描くように、手のひらでおなかをやさしくさすってあげる。また、仰向けに寝かせた赤ちゃんの足首をやさしく握り、自転車を漕ぐように両足を交互に屈伸させたり、肛門周辺を指で軽く押したりするのも効果的。
・生活リズムを整える
生活リズムを整えることは、排便のリズムを整えることにもつながる。なるべく決まった時間に食事をあげ、夜寝かせる時間もできるかぎり合わせる。
・水分をたっぷり与える
離乳食が始まった赤ちゃんには、白湯や麦茶などを意識的に与える。
・おなかに良い離乳食メニューを用意する
サツマイモや海藻、リンゴなど、食物繊維の多い食材をすりおろして与えたり、ビフィズス菌や乳酸菌の多いヨーグルトなどを与えたりするのが効果的。
・綿棒浣腸を行う
綿棒にベビーオイルやオリーブオイルなどをつけて、おしりの穴をつついて刺激を与える。それでもうんちが出ないときは、そっとおしりの穴に差し込み、円を描くようにゆっくりと綿棒を動かして刺激する。
画像提供/PIXTA
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