記事公開:2024.9.6
おむつ替えをするときに、赤ちゃんのおしっこがいつもと違うと心配になりますよね。
色やにおいが変だ、量が明らかに異なるなど、いくつかの判断ポイントがあります。
おむつについたおしっこの色・においなどで赤ちゃんの健康状態をチェックしてみましょう。
赤ちゃんのおむつ替えは肌を衛生に保つだけでなく、体調をチェックする役割もあります。おしっこやうんちをしっかり見てあげることは、体のどこかに異常がないかを知る上で大切です。
まずは健康なときの赤ちゃんのおしっこの状態を知っておきましょう。
薄い黄色、黄色、茶色がかった黄色が正常なおしっこの色です。離乳食を始めたあとは、摂取したものによって色が濃くなることもあります。
夏場の場合、汗を大量にかくことでおしっこの濃度が上がり、茶色やオレンジ色など、黄色を濃くした色になるケースもあります。
また、排尿してから時間が経った場合は、成分の一部が変色してオレンジに近い色になります。
母乳やミルクだけを口にしている赤ちゃんのおしっこは、大人の尿よりもにおいが強くありません。ただし排出されてから時間が経つと、アンモニア臭が強くなります。また、離乳食を始めたあとは食べたり飲んだりしたものによってにおいが変化することもまれにあります。
低月齢(新生児から生後6か月)なら1時間から2時間に1回、それ以上であれば2時間から3時間に1回が正常な回数です。赤ちゃんは膀胱(ぼうこう)が小さいため、大人より排尿の回数がかなり多いのです。
いつものおむつ替えのペースで漏れずにおしっこが出ていれば正常な量と判断できるでしょう。夏場の汗をたくさんかく時期は少なくなることもあります。
では、どのようなおしっこをしていたら疑ったほうがいいのでしょう。おむつを見て、「あれ?いつもと違う…」と思ったら黄色信号です。
赤やオレンジ、茶色またはコーラのような褐色のおしっこは注意してください。これらの色はおしっこに血が混じっている、いわゆる血尿の疑いがあります。まだら模様に鮮血が混じっている場合もあります。
血尿がある場合、膀胱や尿道などからの出血、腎臓機能の問題、尿路感染症、腎炎、結石などの可能性が考えられます。先天性の腎異常がある場合もあります。
夏場に汗をかいて体内の水分量が減ることや、排尿から時間がたつことでおしっこのにおいが強くなることはありますが、アンモニア臭が強い場合や普段と異なる強いにおいには注意してください。おむつ替えの際にいつものにおいと明らかに違ったら体調不良のサインかもしれません。尿路感染症や脱水、まれに代謝異常症の可能性があります。
おしっこの量が極端に少なくなったり、出なくなったりしてしまったら、ママやパパはとても心配になりますね。どのぐらい出なかったら病院を受診するべきでしょうか。
赤ちゃんは体の成長に伴い膀胱も大きくなるので、1回に出るおしっこの量が増え、回数は少なくなっていきます。また、お昼寝中や夜間も徐々におしっこをしなくなっていきます。そのため、回数が徐々に少なくなるのは問題ありません。
ただし、いつものペースでおむつ替えをしようとしたときに、おしっこを全く、もしくはほとんどしていないことが数回続いたら注意が必要です。
半日以上おしっこが出ていないときは脱水症状になっている可能性があるため、かかりつけ医のもとを受診しましょう。ぐったりしている、口が乾いている、目がうつろになっている、発熱している、嘔吐があるといった場合は、夜間でも救急外来を受診してください。
ちなみに、尿崩症(にょうほうしょう)という病気に罹った場合、おしっこの量が急激に増えます。体内の水分が尿となってどんどん出て行ってしまうためです。尿量が今までの3倍から4倍に増えたり、赤ちゃんが大量に水分を欲するようになったりしたらこの病気が疑われます。
おしっこの色やにおい、回数がおかしいと感じたら、赤ちゃんの機嫌もチェックしてみてください。体調が悪い場合は機嫌が悪いケースや、元気がないケースがほとんどです。
また、体重増加が順調でないときや、授乳量・食欲が落ちているときの尿の変化にも注意が必要です。
おしっこの色やにおいがおかしいと思い病院を受診する場合は、使用済みのおむつを持参すると正確に症状を伝えられます。持参が難しい場合はスマートフォンのカメラでおむつの状態を撮影して医師に見せてもよいでしょう。
おしっこは、赤ちゃんの体調のバロメーターでもあります。おむつ替えの際は、正常なおしっこがきちんと出ているか確認してあげましょう。
監修者のご紹介
山中 岳先生
東京医科大学小児科 准教授。子供の心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医と数多くの認定資格を所持。東京医科大学講師として、次世代の医師の育成にも力を入れている。
健康な赤ちゃんのおしっこは下記のような状態です。
・おしっこの色が、薄い黄色や黄色、茶色がかった黄色であれば正常です。離乳食開始後は、摂取した物によって色が濃くなることもあります。夏場は、汗を大量にかくことでおしっこの濃度が上がり、茶色やオレンジ色など、黄色を濃くした色になるケースも。また、排尿してから時間が経った場合は、成分の一部が変色してオレンジに近い色になります。
・母乳やミルクだけを口にしている赤ちゃんのおしっこは、においが強くありません。ただし、排出されてから時間が経つと、アンモニア臭が強くなります。また、離乳食を始めた後は、食べたり飲んだりした物によってにおいが変化することもまれにあります。
・新生児~生後6か月なら、1~2時間に1回、それ以上であれば2~3時間に1回が、正常なおしっこの回数です。
・いつものおむつ替えのペースで漏れずにおしっこが出ていれば、正常な量と判断できます。また、夏場の汗をたくさんかく時期は、少なくなることもあります。
赤ちゃんのおしっこが、赤やオレンジ、茶色またはコーラのような褐色の場合は注意してください。これらは、おしっこに血が混じっている、血尿の疑いがあります。まだら模様に鮮血が混じっている場合もあります。
また、おしっこのアンモニア臭が強い場合や、普段と異なる強いにおいがしているときも注意してください。おむつ替えの際に、いつものにおいと明らかに違ったら体調不良のサインかもしれません。
おしっこの色やにおいがおかしいと思い病院を受診する場合は、使用済みの紙おむつを持って行くと、正確に症状を伝えられます。紙おむつを持って行くのが難しい場合は、スマートフォンのカメラで紙おむつの状態を撮影して医師に見せてもいいでしょう。
画像提供/PIXTA
・おむつの悩みいろいろ おむつかぶれやおしっこをかけられるなどの対策
・おむつのモレ対策 背中モレや夜中のおしっこモレの対処法を紹介
・赤ちゃんの下痢の注意点は?受診の目安と下痢の原因・対処法を解説
・赤ちゃんの便秘で注意することは?便秘の原因・受診の目安と改善法
・新生児はうんちの色で健康チェック!赤ちゃんのこんなうんちは要注