記事公開:2024.12.11
「Theエリエール トイレットティシュー」は、エリエール45年間の技術を結集し、最高品質※を目指したトイレットペーパーです。
生活必需品のひとつであるトイレットペーパーですが、皆さんはどれくらいこだわっていますか?一般人である私(ライター)個人としては、「直接肌に触れるから質のいいものを使いたい反面、毎日使うものだからできるだけコストを抑えたい」というのが正直なところです。きっと、同じような考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
なお、「Theエリエール トイレットティシュー」の値段は、一般的なトイレットペーパーに比べてややお高め。にもかかわらず、発売6ヵ月で出荷数が71万パック(約850万ロール)を突破するほどの人気を集めています。
今回は、“未体験”の品質を追求したという「Theエリエール トイレットティシュー」のこだわりについて、担当者にインタビューを敢行。
さらに、「Theエリエール トイレットティシュー」を生産する工場内部の様子もレポートします。
※2023年12月時点のエリエールラインナップにもとづく(大王製紙調べ)
トイレットペーパー市場国内シェアNo.1ブランド※の「エリエール」。1979年の販売開始から45周年を迎えた2024年春に、「Theエリエール トイレットティシュー」が誕生しました。
※インテージSRI+ トイレットペーパー市場(2023年度メーカー別売上金額)
「毎日の暮らしにひとつ上のやさしさ」を届けることを目指したトイレットペーパーとは、いったいどのようなものなのでしょうか。
まずは、紙製品の開発からマーケティングに一貫して携わっている大王製紙の森脇哲平さんに、「Theエリエール トイレットティシュー」の開発で特にこだわった、4つのポイントを聞きました。
手に持った瞬間にわかるほど、ふわふわとした触感に感動する「Theエリエール トイレットティシュー」。従来品のトイレットティシューと比べてみると、表面のなめらかさはもちろん、ロール部分を押した際の弾力が違います。このふんわりとしたやわらかさは、柔軟剤によるものだそうです。
なお、従来品の「エリエールトイレットティシュー」にも柔軟剤が配合されていますが、「Theエリエール トイレットティシュー」が違うのはその配合量。
森脇さん:
自然由来の柔軟剤を、「エリエール トイレットティシュー(ダブル)」の2倍以上配合しました。柔軟剤がパルプ繊維のあいだに入り込んで隙間を広げることで、これまでにないふんわり感を出しているんです。
やわらかいだけのトイレットティシューでは、破れてしまいそうで安心して使用できません。そこで、「Theエリエール トイレットティシュー」は、丈夫さを出すために2枚のシートを糊で貼り合わせる、ラミネート加工を施しているそうです。
確かに、通常のダブルのトイレットペーパーは、2枚のシートを簡単にはがすことができますが、「Theエリエール トイレットティシュー」は、がんばってもなかなかはがせないくらいしっかりと貼り合わされていました。
森脇さん:
ラミネート加工は、「シャワートイレのためにつくった吸水力が2倍のトイレットペーパー」でも使用している、紙の強度を高める製法です。また、「Theエリエール トイレットティシュー」は、原材料となるパルプにこだわるだけでなく、紙のすき方や繊維の量を調整することによって、ふんわり感と丈夫さの両立を実現しています。
「Theエリエール トイレットティシュー」は、やわらかさ、丈夫さに加え、従来品に比べて約2倍の吸水力を実現しているといいます。
そこで、「エリエール トイレットティシュー(ダブル)」と「Theエリエール トイレットティシュー」を同じ枚数重ねて、スポイトで水を3滴ずつ垂らす実験を行ってみました。すると、「Theエリエール トイレットティシュー」は、1枚で水をたくさん吸い込んでいるため、下の紙まで染みていませんでした。
森脇さん:
紙の表面に凹凸を作って水を吸収できるスペースを増やし、2枚のシートの隙間に水を保持する<ネステッドエンボス加工>という手法で、吸水力を高めました。また、紙に含まれる繊維の量も通常のトイレットティシューより多めにして、紙自体の吸収力もアップさせています。
「Theエリエール トイレットティシュー」を手に取ったとき、触感とともに印象に残るのが、ふわりと広がるやさしい香り。「フローラルソープの香り」と名付けられた香りは、フルーティさの中にローズ、ムスクなどを感じるもので、トイレットペーパーの香りとしては感じたことのない上品さがあります。
森脇さん:
どなたでも受け入れやすい香りを目指し、9種類以上の香りをブレンドしています。普段使いしていただく中で、少しでもリラックスできるよう、心が安らぐ香りにこだわりました。
森脇さんに話を聞いたことで、「Theエリエール トイレットティシュー」は、これまでのトイレットティシュー開発で培ってきた、さまざまな技術の粋を集めた商品であることがわかりました。
それだけのこだわりがある商品は、どのように作られているのでしょう。ここからは、「Theエリエール トイレットティシュー」の製造を行う、ダイオーペーパープロダクツの前島辰哉さんに、生産工場の様子を案内してもらいます。
工場に足を踏み入れる前に、まずは「Theエリエール トイレットティシュー」が作られている工場について紹介しましょう。
今回、潜入するのは、静岡県島田市宝来町にある「島田事業所」。
10万平方メートルを超える広大な敷地を誇り、1日に生産する「Theエリエール トイレットティシュー」は、最大2万4,000パック。ロール数にすると28万8,000ロール、重さは約30tにもなるそう。
トイレットティシューを生産する工場は、清潔さが重要。髪の毛が落ちないようにヘアネットとキャップをしっかりかぶります。気持ち良く晴れた空の下、前島さんの案内でいよいよ工場見学に出発!
最初にやってきたのは、抄紙工程を行っているエリアの中の原料置き場。抄紙工程とは、紙の原料であるパルプから、トイレットティシューの元となる加工前の原紙を作るまでの、一連の工程です。
広大なスペースには、愛媛県と岐阜県の工場で生産されたパルプが大量に積み上げられており、フォークリフトが丁寧に運び出して行きます。
前島さん:
パルプは針葉樹からできているか、広葉樹からできているかによって、紙にしたときのやわらかさが違います。「Theエリエール トイレットティシュー」では、独自のやわらかさを出すために、針葉樹と広葉樹を専用の配分でミックスしたパルプを使っています。
続いて案内されたのは、パルパーと呼ばれる攪拌機。この機械の中でパルプに水を加え、繊維をほぐしていきます。
パルパーを経ておかゆの様な状態になったパルプに、柔軟剤などを調合していきます。
「Theエリエール トイレットティシュー」の特長のひとつであるやわらかさを生み出す、大事な工程です。
ちなみに、ベストなやわらかさを目指して試作したトイレットペーパーは、4万個にも上るのだとか。地道な開発に頭が下がります。
続いての工程は抄紙機。調合された液状の原料を、網(ワイヤー)の上に均一に噴射して、紙を抄(す)いていきます。
目にも止まらぬ速さで紙が抄かれていく様子には、圧倒されてしまいます。
抄紙機で抄いたばかりの紙は湿った状態。それを乾燥装置に通して、瞬時に乾かしていきます。紙を乾燥させるために大量の熱を使用することから、工場内は気温、湿度ともに高く、立っているだけでじんわりと汗が出てきます。
乾燥装置を経て完成した紙を巻き取ったものが、ジャンボロールです。その名のとおり、幅2.4m、直径1.7mというジャンボサイズ!
前島さん:
ジャンボロール1巻の長さは2万6,000m。トイレットティシューに換算すると、約2万800個分になります。
ジャンボロールが1巻分できると作業員の方が来て、数m分のペーパーを巻き取りながら品質のチェックを行います。
巻き取られたペーパーは、まるで1枚の布が風をまとったようにふんわりとしていて、見た目からもやわらかさが伝わってきました。
ここまでが、トイレットティシューの元となる原紙を作る工程です。
このジャンボロールが、どのように「Theエリエール トイレットティシュー」になるのでしょうか。
抄紙工程で作られたジャンボロールは、別棟にある加工工程のエリアに自動で運ばれてきます。
ここで最初に行われるのが、2つのジャンボロールをワインダーという大型の巻き取り機でダブル仕様に重ね合わせて、エンボス&ラミネート加工を施すこと。
一連の工程はすべてワインダーの中で行われ、あっという間に「Theエリエール トイレットティシュー」の特長のひとつである、「水に濡れても破れにくい丈夫な紙」になっていきます。
その後、コアマシンと呼ばれる機械で作られたトイレットティシューの芯に、できたばかりのペーパーを巻き付けて、幅の広いトイレットティシューが続々と完成していきます。
なお、トイレットティシューの香りは、芯の部分につけられています。ペーパー自体についていると思っていた方も多いのではないでしょうか。
幅2.4mのロールを、大きな裁断機でトイレットティシューサイズにカットしていきます。
1本のロールからできるトイレットティシューは20個。ワインダーで巻かれた際にばらつきが出る両端は、約5cmずつ切り取られます。
前島さん:
ここで出た端切れや、ジャンボロールの品質チェックに使った紙など、製品にならなかったものは再び溶かして原料にします。貴重な資源ですから無駄にしませんよ。
完成したトイレットティシューは12ロールずつ包装機で包装されます。お店で見かける「Theエリエール トイレットティシュー」が、次々と流れてきます。
その後、検品装置を経て箱詰めされた「Theエリエール トイレットティシュー」は、隣接する倉庫で保管され、順次出荷されていきます。
工場内部で印象的だったのは、ほぼすべての工程がオートメーション化されていたこと。
トイレットティシューという直接肌に触れる商品だからこそ、徹底した衛生管理のもとで作られていることがわかりました。
エリエールの工場見学に、興味がある方も多いのではないでしょうか?大王製紙では現在、クラブエリエール会員様向けに「工場見学ツアー」を計画しています。
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商品の開発背景やこだわりを知り、原料から製品になるまでの工程を知った上で、「Theエリエール トイレットティシュー」を使ってもらえば、まさしく“ひとつ上のやさしさ”を感じられるはず。最高品質を目指したトイレットペーパーという表現にも、納得していただけるのではないでしょうか。