記事公開:2023.7.04
私たちの生活になくてはならないトイレットペーパーですが、意外に知らないことも多いのではないでしょうか。
「シングルとダブルはどっちがお得なの?」「トイレットペーパーの正しい使い方ってあるの?」など、トイレットペーパーにまつわる素朴な疑問を、「エリエール」のブランドマーケティング担当・森脇哲平にぶつけてみました。
大王製紙株式会社 H&PC部門マーケティング本部
ファミリーケア・ブランドマーケティング部 係長
森脇哲平
主にトイレットティシュー、ティシューペーパーの商品コンセプト、パッケージ・商品開発、プロモーションなどを行っています。トイレットペーパーでは、主に「消臭+」や「i:na」シリーズの企画・開発などに携わってきました。
初めてトイレットペーパーとして一般的に市販されたのは、1857年にアメリカのJoseph Gayettyが発売した「Gayetty’s Medicated Paper」です。ですが、この商品はティッシュのような形状で、紙を巻いたロール状ではありませんでした。
ロール状のトイレットペーパーは、1890年にアメリカのScott paperが発売した商品が初となります。当時の特許などを見ると、最初のロール状トイレットペーパーは、シングルタイプだったようです。
ちなみに、最初のダブルのトイレットペーパーは、1942年にイギリスのSt. Andrew’s Paper Millが発売した「ANDREX」という商品のようです。当時の広告によると、女性やお子様、敏感肌の方のために開発されたようですね。
シングルは、ダブルと比べて1ロールあたり約2倍の長さとなっています。また、1枚の紙でダブルと同程度の丈夫さが求められるため、1枚あたりで見るとダブルよりも丈夫で破れにくい設計となっています。
ダブルは、2枚重ねでシートを形成しており、シングルより厚くやわらかいのが特長です。なお、エリエールのトイレットティシューは、1枚ずつエンボス(型押し)加工するダブルエンボス技術を採用しており、型押しした凸部が向かい合わせとなるように重ねています。
そのため、表面がなめらかで、シートとシートのあいだに空気の層を挟み込むことで、ふんわりとした肌触りとなっているんですよ。
シングルでもダブルでも、1回に使用する長さが同じだった場合、シングルは1ロールあたりの長さが長いので、ダブルよりも経済的に使用できる可能性があります。
ですが、ダブルはやわらかいだけでなく、水分の吸収性も高いのが特長。そのため、1回あたりの使用量が少なくなり、1ロールを使い切るまでの期間はシングルでもダブルでもほぼ変わりません(大王製紙調べ)。お好みの使い心地でお選びください。
日本国内での販売金額で比較すると、シングルが約3割、ダブルが6割以上と、圧倒的にダブルのほうが売れています。
ちなみに、世界的に見るとシングルのトイレットペーパーは少なく、ダブル以上、3~4枚重ねのものが一般的です。日本では薄くやわらかいトイレットペーパーが好まれる傾向にあることから、シングルやダブルが多いのですが、アメリカやヨーロッパなどでは、厚みのある商品が好まれる傾向があるようです。
エリエールのトイレットティシューの表面に施した凸凹とした加工を、エンボス(emboss:浮き彫りにする)加工と言います。トイレットティシューにエンボス加工をすると、シートが肌に接触する面積が小さくなり、その分摩擦が減って肌触りが良くなります。
また、シートに凸凹があることで、重なったシート間にすきまが空くため、水分を吸収しやすくなります。そのほか、エンボス加工をすることで、紙があたかも揉まれたようになるため、紙自体がやわらかくなるという効果もあります。
トイレットペーパーには表と裏があります。紙をすく(作る)ときと、エンボス加工をするときに、どうしても表裏ができてしまうのです。特にエンボス加工による影響が大きく、表側は肌触りが良くなるように丸みを帯びたエンボスとしている一方、裏側はザラザラした形となっています。
シングルのトイレットペーパーは、裏側が内を向くように巻いてあります。ご使用時、裏側を外に向けてたたむ方が約20%もいらっしゃるという調査結果もありますが(大王製紙調べ)、表側が肌にあたるように使っていただくほうが、より心地良くお使いいただけますよ。
なお、ダブルのトイレットペーパーの場合は、裏側同士を重ね合わせているため、巻いてあるどちらの面を使っても表をお使いいただけます。ただし、ダブルでも表と裏のある設計の商品も存在するので、その際は、ぜひ表側を使うことを意識してみて下さい。
特に決まった量はありませんが、衛生面から考えると、便が直接手につかない十分な厚さが出るように重ねていただくことをおすすめします。一概にはいえませんが、温水洗浄便座などをお使いになった場合はダブルで5枚、シングルで10枚程重ねると、水分をしっかり吸い取りながら、手にも染みにくくお使いいただけると思います。
なお、近年増えつつある節水タイプのトイレは、一度に大量のトイレットペーパーを流すと、詰まってしまうことがあります。節水タイプのトイレをお使いであれば、どのくらいの使用量が推奨されているのか、説明書などを一度ご確認いただくと良いかと思います。
トイレットペーパーの「正しい使い方」というものはありませんが、やはり肌に触れるものですし、衛生用品であることから、肌を痛めないようにこすらず、かつ、手が汚れないことを意識して使っていただければと思います。
また、トイレットペーパーを折りたたむのではなく、丸めて使うという方も約3割程度いらっしゃるといいますが、これも間違いではありません、トイレットペーパーを丸めることで、よりふんわりと空気が含まれることになり、使い心地良く感じられると思います。
トイレットペーパーにはシングル、ダブルのほかにも、シャワートイレ専用品や消臭機能がついたもの、取り替えの手間が少なくて済む長巻タイプなど、さまざまな商品があります。ご自身のお好みに合わせて、いろいろな商品をお試しいただければと思います。
用途に合わせて、バリエーション豊かなラインナップがそろった「エリエール」のトイレットティシュー。その一部をご紹介します。
エリエールのブランド名を冠する「エリエール トイレットティシュー」は、上質な肌触りにこだわり、やわらかさを追求し続けてきたハイクオリティ商品です。原材料はピュアパルプ100%で、New Soft & Bulk製法により、ふっくらやわらかな肌触りを実現。吸水性に優れているので、温水清浄トイレでの使用にもぴったりです。
シングル、ダブルのほか、やさしいフローラルの香りの「フワラープリント」と、さわやかなグリーンの香りの「リーフプリント」をラインナップしています。
エリエール トイレットティシュー | エリエール
消臭&防臭のW効果で、トイレのニオイのお悩みを解決できるのが「エリエール 消臭+(プラス) トイレットティシュー」です。トイレットティシューの芯に、トイレを快適空間にする爽やかな香りと、嫌なニオイを軽減する揮発性消臭成分を配合。
さらに、防臭コート成分が壁や床に付着し、尿ハネから発生するアンモニア臭を抑えます。フレッシュクリアの香りとナチュラルクリアの香りの2種類をラインナップ。ピュアパルプ100%&柔軟仕上げで、独自のエンボス加工による上質なやわらかさとふんわりした肌触りも魅力です。
エリエール 消臭+(プラス) トイレットティシュー | エリエール
「エリエール シャワートイレのためにつくった吸水力が2倍のトイレットペーパー」は、シャワートイレでの使用に特化したトイレットティシューです。
厚手のしっかりした使い心地で、水にぬれても破れにくいのが特長。また、スーパーWエンボス加工により、2倍の吸水性※と、拭き取り時の肌へのはりつきにくさを実現しています。
※大王製紙 通常品との比較
エリエール シャワートイレのためにつくった吸水力が2倍のトイレットペーパー | エリエール
「エリエール i:na(イーナ)トイレットティシュー」は、かわいらしいデザインで使いやすさに優れたトイレットティシューです。ピュアパルプ100%で、普段使いにうれしいやわらかい肌触りが特長。
また、購入・交換回数を減らすことができる長巻タイプで、1.5倍巻から3.2倍巻までの3タイプをそろえています。シングル、ダブルに加えて、シャワートイレ用やフラワープリント付きなど、お好みに合わせて選べるバリエーションも魅力です。
エリエール i:na(イーナ)トイレットティシュー | エリエール
「エルフォーレ トイレットティシュー」は、「人にも、森にも、やさしい」環境配慮型トイレットペーパーです。
原材料をリサイクルパルプ配合からピュアパルプ100%に変更。独自のエンボス技術と柔軟剤仕上げ製法で、ふんわりとしたやさしい肌触りに仕上げています。
エルフォーレ トイレットティシュー | エリエール
皆さんのトイレットペーパーにまつわる疑問は解決しましたか?普段、何気なく使用しているトイレットペーパーですが、長い歴史とノウハウに裏付けられた、さまざまな最新技術が投入されているのです。そのほか、お知りになりたい疑問があれば、どんどんコメントをお寄せください。
「エリエール」のトイレットティシューは、お使いになる方の好みや用途に合わせて、今回ご紹介した以外にもさまざまな商品をラインナップしています。ご自身のライフスタイルに合った商品を、ぜひ探してみてください。