生理が月に2回来るほど周期が早まってしまう原因や、不正出血と頻発月経の違いと見分け方、婦人科を受診するべき基準などをご紹介します。
前回の生理からそれほど日数が経たないうちに経血が出て、焦った経験があるという方も多いことでしょう。
生理周期が短く、特に月に2回も生理が来るようなペースだと、生理ではなく不正出血だったらどうしようと不安になるかもしれません。
では、不正出血と生理を見分ける方法はあるのでしょうか。また、生理の回数が多い場合の原因や病院を受診する目安についてもご紹介します。
不正出血とは、生理中以外のときに性器から出血することです。
生理は剥がれ落ちた子宮内膜と血液が排出されるものですが、不正出血は子宮や卵巣の病気などによって生じるものが多いです。
基本的に生理以外の理由で性器から出血することはありません。また、出血の症状だけで原因や部位を特定することは難しく、経血の見た目だけで区別するのは困難です。
そのため、不正出血のような症状が2~3日続くときは婦人科の受診をおすすめします。もし不正出血だった場合、子宮頸がん・体がん等の悪性腫瘍、流産・子宮外妊娠などの異常妊娠、卵巣機能異常などの疾患が潜んでいる可能性があります。
「頻発月経」とは、生理と生理の間隔が24日以下で、生理の回数が多くなる症状のことです。出血が続く期間はさまざまですが、一般的には10~14日ほどダラダラと長く続くことが多いです。
頻発月経の原因には、以下の3つが考えられます。
生理終了から排卵までの期間が短くなることによって生理周期が早くなることがあります。この期間を卵胞期と呼び、エストロゲンの分泌量が増えることによって卵胞内の卵子が成熟して排卵に備え、子宮内膜は妊娠に向けて肥厚していきます。
通常、卵胞期は生理が終了してから10日ほど続きますが、女性ホルモンの分泌バランスが乱れると、脳から分泌される卵巣刺激ホルモンが過剰に分泌されて卵子の成熟が早まることがあります。この現象自体は病気ではありません。
排卵から生理が始まるまでの期間が短くなることで、生理が早まることがあります。この期間を黄体期といい、排卵が終了してプロゲステロンの分泌量が増える時期です。プロゲステロンは、肥厚した子宮内膜を成熟させ、着床に適した環境に調える作用があります。
通常、黄体期は12~16日ほど続き、妊娠が成立しないとプロゲステロンとエストロゲンの分泌量が急激に低下して子宮内膜が剥がれ落ち、生理が来ます。
黄体期は女性ホルモンや卵巣刺激ホルモンの分泌異常、ストレスなどによって短縮することがあります。黄体期が短縮すると生理周期が短くなり、頻発月経の原因になります。また、子宮内膜の成熟が行われないため、不妊症や流産の原因になることもあります。
無排卵周期症とは、定期的に生理のような出血があるものの排卵が起こっていない病気のことです。原因は、何らかの疾患によって卵胞が上手く育たなかったり、排卵が障害されていたりなどとさまざまです。少ない経血量で長く続くのが特徴です。
排卵が起こらないため、黄体期が短く頻発月経を引き起こします。思春期や更年期に多く見られます。
卵胞期の短縮による頻発月経は治療が必要ないことがほとんどですが、黄体期の短縮や排卵の無い生理の場合、脳や卵巣の病気が原因となっているケースがあります。
頻発月経の原因を推測するために、まず基礎体温を測定してみましょう。
女性の体温は、女性ホルモンの分泌量によって変化します。卵胞期は低体温期と呼ばれ、排卵時には体温がガクンと低下します。そして黄体期に突入すると高温期になり、次の生理が始まると低体温期に戻るという周期を繰り返しています。
基礎体温を記録すれば、排卵が行われているのかどうか予測をつけることが可能です。
基礎体温のチェック方法は、こちらのページも参考にしてください。
基礎体温のチェック
最初に述べた通り、出血の症状だけで原因を見分けることは難しいです。
いつもの生理の時期では無いのに2~3日以上出血が続いていて、病気かどうか不安なときは、婦人科を受診して検査・治療を受けましょう。
婦人科では、エコー検査やホルモン検査、子宮頸部や内膜の細胞診によって出血の原因を調べ、生理の間隔を整え正常な排卵を誘発する治療を行うことができます。
生理が月2回来たり、間隔が短くなったりといった症状は、煩わしいだけでなく貧血になりやすい状態であり危険です。重篤な病気が潜んでいることもあり、将来不妊の原因になることもあります。婦人科を受診して病気がないかどうかを確認し、適切な治療を始めましょう。
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