記事公開:2025.3.27
頻繁に生理が来たり、反対に数ヵ月来なかったりすると、「何か病気が隠れていたらどうしよう」と不安になりますよね。生理周期がバラバラになる背景にはさまざまな理由があり、女性の心身の健康と深く関係しています。
今回は、クラブエリエール会員の女性に、「生理不順」に関するアンケートを実施。生理不順で悩んだ経験の有無や体験した生理不順の内容などについて伺いました。併せて、生理不順の種類やその原因、適切な対策について解説します。
※コメントは一部抜粋しています。
【調査概要】
調査対象:クラブエリエール会員の20代以上の女性
調査期間:2025年1月6日~1月15日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:1,418件
クラブエリエール会員の女性に「生理不順の症状で悩んだことはありますか?」と聞いたところ、61.3%が「ある」と回答。過半数を超える女性が、生理不順の症状で悩んだことがあるようです。
■生理不順の症状で悩んだことはありますか?
また、体験した生理不順の症状について聞いたところ、「生理不順の経験がない」と回答したのは21.4%で、悩んだことがある人以上に多くの女性が何らかの生理不順を体験していることがわかりました。その中で、「生理周期がバラバラ(不安定)」と回答した人は32.8%です。
■ご自身の体験した生理不順の症状を教えてください(複数回答)
生理期間に関するもの以外では、「経血量が多かった」と回答した人が33.7%と最も多い結果に。「その他」と回答した人からは、次のような体験の声が寄せられました。
「その他」の体験した生理不順の症状(自由記述)
「生理が終わって1週間後にまた生理が来た」
「生理が来たり来なかったり、経血量に違いがあったりなど、年々バラつくようになった」
「生理以外の出血があった」
「生理周期が短い上に経血量が多い」
生理周期は、生理が来た日から次の生理が来る前日までの期間のことです。一般的に、正常な周期は25~38日とされています。
生理周期がバラバラになると不安なものですが、正常とされる生理周期から多少ズレる月があっても、6日以内のズレなら問題ありません。生理周期は、その月の心身の状態に左右されることが多いからです。
また、初潮が来て間もない10代のあいだは生理周期が安定しないことも珍しくありません。一般的には、20代になると安定してくる傾向があります。
頻発月経とは、生理周期が24日以内で繰り返される月経のことです。
頻発月経の原因は、何らかの影響で卵巣機能が低下して女性ホルモンの分泌量が減少し、ホルモンバランスが崩れることだといわれています。頻発月経では、月に2回生理が来る場合もあります。思春期の場合、体が成熟していないことで生理周期が不安定になりやすいですが、次第に安定してくるでしょう。
生理周期が39日以上の月経を希発月経といいます。
頻発月経と同様、卵巣機能が低下することによる、女性ホルモンの分泌量の減少が大きな要因と考えられます。少しずつ生理周期が長くなる場合もあれば、急に長くなる場合もあり、症状の現れ方はひとつではありません。
注意したいのは、妊娠を希望している場合です。希発月経であっても、排卵があれば妊娠・出産は可能です。ただし、希発月経の中には排卵を確認できない無排卵月経が隠れている場合もあるため、早めに婦人科への相談をおすすめします。
初潮がきた後、これまであった月経が3ヵ月以上にわたって停止した場合は、続発性無月経が疑われます。生理が始まって間もない思春期のあいだは、視床下部・下垂体・卵巣などの機能異常や構造的な異常のほか、無理なダイエットによる体重の減少などが原因であることも多いようです。
ただし、思春期以外の時期を含め、無月経は多嚢胞性卵巣症候群、早発閉経、甲状腺の機能不全などの初期症状である可能性もあるため注意しなければなりません。無排卵の場合も多く、妊娠を希望している場合は原因に応じた治療を早期に行うことが大切です。
一般的な生理期間は4~7日間ですが、2日以内で終わってしまう場合は、過短月経が疑われます。
過短月経の主な原因としては、女性ホルモンの分泌異常が挙げられます。思春期や更年期といったホルモンバランスが乱れやすい時期には珍しくないため、それほど心配はないと考えられるでしょう。
しかし、成人しても過短月経が続いたり、急に過短月経になったりした場合は、疾患が原因の可能性もあるため、婦人科を受診することをおすすめします。
過短月経とは反対に、生理期間が8日以上続く状態を、過長月経といいます。
ホルモンバランスの乱れがよくある原因として挙げられますが、血をサラサラにする薬の影響で血が止まりにくかったり、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患が影響していたりする場合もあります。過長月経が続くと、血が足りなくなって貧血を引き起こすこともあるため、放置せず婦人科を受診するようにしましょう。
過少月経は、1周期あたりの経血の量が20ml以下と、極端に経血量が少ない状態のことです。
例えば、一般的に出血量が最も多くなるといわれる2日目でもナプキンにほんの少し血が付く程度の人や、おりものシートのみで間に合う人は過少月経の可能性があります。主な原因としては、子宮内癒着などの器質的疾患や女性ホルモンバランスの乱れ、ピルによる影響などです。過少月経の場合、妊娠を希望しているか、明確な疾患の有無などによって治療法が判断されます。
過多月経は、経血の量が異常に多く、1回の月経で150mlを超える出血量がある状態です。
日中でも夜用のナプキンが必要な場合や、経血の中にレバー状の大きな塊がある場合のほか、ナプキンを替えても1時間ももたないといった場合は、過多月経の可能性が高いと考えられます。過多月経は、生理期間中に貧血気味になったり、鉄欠乏性貧血で疲れやすくなったりするなどの症状を伴うことも少なくありません。落ち着いて勉強や仕事に取り組めないなど、日常生活に影響を及ぼす可能性もあるため、不調を感じる前に婦人科に相談してください。
生理周期は、なぜバラバラになってしまうことがあるのでしょうか。原因としては、主に以下の3つが挙げられます。
生理周期がバラバラになる原因のひとつは、女性ホルモンのバランスの乱れです。女性ホルモンは女性の年齢や生活習慣、精神状態の影響を受けやすく、さまざまなきっかけでバランスが崩れてしまいます。
女性ホルモンのバランスが崩れる主な理由は、ストレスや無理なダイエット、睡眠不足をはじめとした生活習慣の乱れが挙げられます。ホルモンの分泌を司る、脳の視床下部や脳下垂体はデリケートです。そのため、「イライラしている」「食べる量が極端に少ない」「あまり寝ていない」といったいつもと違う状況に弱く、指令を誤って周期性を損なうことがあります。
生理周期がバラバラになる背景には、卵巣や子宮のトラブルが隠れている場合もあります。
卵巣のトラブルとしては、卵巣からうまく卵子を放出できない多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、卵巣が正常に機能しない卵巣機能不全などです。子宮の疾患としては、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮筋腫などが挙げられます。
閉経を迎える年齢の前後5年、一般的に40代後半から50代前半までを更年期といい、生理周期の乱れを含む心身の変化が現れます。卵巣機能が低下することでエストロゲンの分泌量が減り、ホルモンバランスが乱れるためです。
また、30代後半から40代前半にかけて更年期と同様の症状が起こるプレ更年期でも、生理周期が乱れることがあります。
生理周期が乱れているかどうかを知るためには、普段の自分の生理周期を知る必要があります。
前述の「生理不順」に関するアンケートで「ご自身の生理周期を把握していますか?」と聞いたところ、83.1%の人が「把握している」と回答。多くの女性が、自身の生理周期を把握していることがわかりました。
■ご自身の生理周期を把握していますか?
生理周期を把握する方法としては、手帳やカレンダーに生理開始日と終了日をメモしたり、生理周期を記録できるアプリを活用したりするのがいいでしょう。生理周期と併せて、経血量や生理中の体調も併せて記録すると、健康状態の変化にも気づきやすくなります。
生理周期がバラバラになるなど、生理不順になった場合にはどのような対策をするといいのでしょうか。ここでは、主な3つの対策についてご紹介します。
生理不順の対策のためには、脳の視床下部や脳下垂体が適切に機能するよう、ストレスをためない生活を心掛けることが大切です。
ストレスの背景には、ライフイベントによる疲労や睡眠不足などの身体的な要因のほか、健康面の悩みや経済的な不安といった心理的な要因などがあります。自分の心や体と向き合う時間を設け、ストレスを引き起こしている問題を解決する方法を探りましょう。ストレスの解消法方法はさまざまですが、好きなものを食べたり軽い運動をしたりなど、自分自身が楽しさや心地よさを感じられる行動をしてみるのもおすすめです。
生理不順の対策のためには、生活習慣を見直すことも重要です。
無理なダイエットは避け、1日3食、栄養バランスを意識した食事をとるように心掛けましょう。適度な運動や、睡眠環境を整えて質の良い睡眠をとることも大切です。
生理周期がバラバラの状態は、疾患によって引き起こされている場合もあります。不安解消のためにも、おかしいなと感じたら早めに婦人科を受診しましょう。
生理不順で婦人科を受診する場合、問診のほか、血液検査や超音波検査でホルモンの分泌状況や卵巣の働きなどを診るのが一般的です。排卵の有無やホルモンの状態を把握できると診断の精度が増すため、基礎体温表を持参することをおすすめします。
監修者のご紹介
佐藤杏月先生(八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医)
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子どもの子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人とともに2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
八丁堀さとうクリニック
生理不順と一口に言っても症状はさまざまです。「生理周期がバラバラで乱れがち」「出血量が多いけれど、何度もナプキンを交換できない」など、悩みも多岐にわたります。特に過多月経や過長月経の場合、吸収力や素材感に優れたナプキンでないと日常生活に支障を及ぼすこともあるでしょう。
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生理周期がバラバラになる主な背景には女性ホルモンのバランスの乱れがあり、その理由はひとつではありません。まずは生活習慣を見直し、状況に応じて婦人科の受診を検討しましょう。
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生理不順とは、正常の月経周期として定義される25~38日に当てはまらない場合や、月経量が多すぎる・少なすぎる状態を指します。また、生理期間が2日以内に終わったり、反対に8日以上続いたりする場合も生理不順に該当します。
生理周期がバラバラになる主な原因は、女性ホルモンのバランスが乱れることです。その背景としてはストレスや無理なダイエット、生活習慣の乱れなどが挙げられます。そのほか、婦人科系の疾患や更年期などが原因となり、生理周期がバラバラになる場合もあります。
生理不順の対策のためには、ストレスを解消し、規則正しい生活を心掛けましょう。生理不順が続くときは、婦人科を受診することも、疾患の早期発見・治療のために大切です。
画像提供/PIXTA
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