記事公開:2025.2.20
生理前に、「体がむくんで重い」「顔が腫れぼったい」と悩む女性は少なくありません。このようなむくみは、月経前症候群(PMS)の代表的な症状のひとつで、月経周期に伴う体の変化が関係しています。
この記事では、生理前に見られるむくみの原因を解説するとともに、不快な症状をやわらげる対処法を紹介します。すぐに取り入れられるセルフケアを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
生理前は、特にむくみを感じやすい時期といわれています。では、どのくらいの女性が生理前のむくみを経験しているのでしょうか。クラブエリエールの女性会員を対象に、アンケートを実施しました。
【調査概要】
調査対象:クラブエリエール会員の10代以上の女性
調査期間:2024年12月5日~12月11日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:3,164件
■生理前にむくむことはありますか?
クラブエリエールの女性会員に生理前のむくみを経験したことがあるかを伺うと、48.8%が「はい」と回答しました。約2人に1人が生理前のむくみを経験しており、多くの女性にとって悩みの種となっていることがわかります。
生理前のむくみは、月経前症候群(PMS)の代表的な症状のひとつです。
むくみは、血管やリンパ管からしみ出した水分が皮下組織に溜まり、手足や顔、首などに現れる症状で、圧迫感や痛みを感じることもあります。特に、生理前はむくみが現れやすい時期で、主な原因として考えられるのは、ホルモンバランスの変化です。
生理前には、体内に水分を溜め込む働きを持つプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が急増します。その影響で過剰に溜め込まれた水分が、むくみとなって現れます。
こうしたむくみは、生理の1週間~数日前に現れやすく、それに伴い体重が増えることもありますが、生理が始まると徐々に治まるでしょう。
むくみの原因は、生理だけが関係しているわけではありません。「食生活の乱れ」や「病気」が引き金となる場合もあります。
食生活で特にむくみにつながるのが、塩分のとりすぎです。体内の塩分濃度が高くなると、体はその濃度を薄めるために水分を溜め込みます。この水分が排出されずに血管やリンパ管にとどまると、むくみが発生するのです。
また、甲状腺や腎臓、膵臓などの自律神経やホルモンに関係する器官の病気をはじめ、心臓や血圧に関わる病気なども、むくみの原因となります。
これらの病気が原因の場合、生理周期とは関係なくむくみが続くことも多いので注意が必要です。むくみが慢性的に見られる場合は、医療機関に相談することをおすすめします。
生理前のむくみの対処法には、どのようなものがあるのでしょうか。生理前にむくみの症状があると回答したクラブエリエールの女性会員に、むくんだときによくする対処法について聞いてみました。
■生理前にむくんだときによくする対処法は?(複数回答可)
生理前にむくんだときによくする対処法としては、「マッサージをする」と回答した人が最も多く、全体の4割以上にあたる675人でした。次いで、「足を少し上げて横になる」が529人、「十分に睡眠をとる」が502人となっています。
マッサージやストレッチをしたり、足を少し上げて横になったりするなど、体を直接ケアする対処法が多くの票を集める結果となりました。また、睡眠時間を確保したり、食生活に気を使ったりと、生活習慣を見直す対策をしている人も目立っています。
ここからは、生理前のむくみにおすすめの、具体的な対処法を紹介します。日常生活に取り入れられる簡単な方法も多いので、ぜひ試してみてください。
生理前や生理中にむくみを感じたら、マッサージで血行を促進するのがおすすめです。むくみが気になる部位を、末端から心臓に向かって、やさしく揉みほぐすようにするといいでしょう。
特に、ふくらはぎや二の腕など、血液を心臓に戻す役割を持つ筋肉が多い部位を重点的にマッサージすると、むくみ軽減に効果的です。
心臓から遠く、体の低い位置にある足は、ほかの部位に比べて血行が滞りやすく、特にむくみやすい部位です。長時間の立ち仕事やデスクワークが続くと、足の血流が悪くなり、むくみがひどくなることもあるでしょう。
そのような足のむくみには、足を心臓よりも高い位置に上げる方法がおすすめです。クッションなどを足の下に置いて横になるだけで血流が促進され、むくみをやわらげることができます。
睡眠不足になると、自律神経が乱れやすくなり、むくみにつながります。しっかりと睡眠をとることで、自律神経だけでなく、ホルモンバランスも安定しやすくなるので、むくみを軽減することにつながります。
特に、生理前や生理中は普段より意識して、早めに寝るように心掛けましょう。
生理前や生理中のむくみ対策には、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動もおすすめです。これらの運動は、血行の促進や自律神経の安定にもつながり、むくみの軽減に効果的です。
ただし、生理中は体調が不安定になることがあるため、激しい運動は控えてください。生理痛が強い日や経血量が多い日には、めまいや立ちくらみが起きる場合もあるため、無理をせず、自分の体調に合わせて運動量を調整することが大切です。
生理前や生理中は、体内の水分バランスが崩れやすく、水分を溜め込みやすくなります。この時期に塩分をとりすぎると、体内の塩分濃度を薄めようとして、さらに水分を溜め込むため、むくみが悪化しやすくなります。
水分は体内でも作られ、食事からも摂取できるので、飲み水として必要なのは1日2L程です。生理前や生理中のむくみやすい時期は、必要な水分量を意識してとりすぎに注意し、塩分を控えるようにしましょう。
市販されている着圧ソックスや弾性ストッキングも、むくみ予防に効果的です。着圧ソックスは、足の下から上に向かって圧をかけることで、筋肉が心臓に血液を戻すポンプ機能をサポートします。
着圧ソックスを使用する際は、自分がむくみやすい部位に合ったタイプを選び、正しい位置に装着することが重要です。特に、就寝時や長時間の立ち仕事の際に活用すると、むくみ軽減に役立ちます。
カリウムは、体内の水分バランスを調整して、余分な水分や塩分を排出する働きがある栄養素です。カリウムは汗や尿で失われやすい栄養素なので、生理のたびにむくむ人は、生理前から積極的にカリウムをとるといいでしょう。
カリウムは、小豆やじゃがいも、かぼちゃ、さつまいも、きゅうり、トマト、トウモロコシ、オクラ、バナナ、きのこ類、海藻類などに多く含まれています。
生理前のむくみがひどく、前述したようなセルフケアでは改善が難しい場合は、婦人科を受診するのもおすすめです。
むくみの原因がホルモンバランスの乱れであれば、低用量ピルを服用することで改善が期待できます。低用量ピルを服用し始めると、副作用でむくみが出ることもありますが、服用を続けてホルモンバランスが安定すると解消されるケースがほとんどです。
また、むくみを改善する効能のある漢方を検討してみるのもいいでしょう。むくみが続いて気になる場合には、一度、婦人科を受診して相談してみてください。
監修者のご紹介
佐藤杏月先生
八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子供の子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人とともに2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
八丁堀さとうクリニック
生理前や生理中のむくみを始め、生理に関する悩みは人それぞれ違います。そのような多様な悩みに寄り添い、生理中でも自分らしく快適に過ごせるようにサポートしてくれるのが、エリエールの生理用ナプキン「エリス」シリーズです。
こすれから肌を守り、肌へのやさしさを追求した「素肌のきもち」、極薄シート&生理用品らしくない個包装で持ち運びしやすい「コンパクトガード」、肌にふんわりやさしくフィットする「新・素肌感」など種類も豊富。経血量やシーンに合わせて選べる「エリス」シリーズで、生理中も自分らしく快適な時間を過ごせます。
「エリス」シリーズについては、こちらもチェックしてみてください
エリス
生理前や生理中のむくみは、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、ストレス、食事など、さまざまな原因が関係しています。この時期は、水分や塩分のとりすぎに注意し、軽い運動や十分な睡眠を心掛けてください。
また、セルフケアで改善が難しい場合は、婦人科に相談し、PMSなどの治療を検討するのもおすすめです。自分に合ったむくみ対策を取り入れて、生理前や生理中をより快適に過ごせるようにしましょう。
生理前のむくみの主な原因は、体に水分を溜め込む働きがあるプロゲステロン(黄体ホルモン)の増加です。プロゲステロンの働きにより、過剰に溜め込まれた水分が皮下組織に溜まり、むくみの症状が現れます。
生理前のむくみをやわらげる対処法は、水分摂取量を調整し、塩分を控えることです。水分バランスを整えてくれる、カリウムをとるのもいいでしょう。さらに、血流を促すことも、むくみ解消につながります。軽い運動やマッサージを行い、十分な睡眠をとるようにしてください。
また、着圧ソックスを取り入れるのもおすすめです。足のむくみが気になるときは、足を少し上げて横になると、むくみが楽になります。
毎回のように生理前にむくみが出る場合は、婦人科を受診するのもおすすめです。むくみは、PMSの代表的な症状のひとつであり、症状や体質によって、低用量ピルや漢方での治療を検討しましょう。
生理前のむくみをセルフケアだけで対処するのが難しいなら、一度婦人科に相談してみてください。
画像提供/PIXTA