記事公開:2024.11.26
生理痛の重さには個人差があり、自分の痛みが軽度なのか重度なのか、判断がつかない人も多いかもしれません。しかし、自分の生理痛の重さをきちんと把握することは、適切な対処法や受診のタイミングを知る上でとても重要です。
この記事では、婦人科医監修のもと、生理痛の重さを3つのレベルに分けた診断方法をご紹介。さらに、生理痛が重くなる原因や、婦人科を受診する目安などについて解説します。
生理痛は、「鎮痛剤を飲めば問題ない」「毎回、寝込むほどつらい」など、人によって重さのレベルが違います。しかし、生理痛がひどくても、病院に行くべきか悩む人は多いかもしれません。
そんなときは、下記で紹介する「軽度レベル」「中度レベル」「重度レベル」の生理痛の目安を参考に、自分の生理痛がどれにあてはまるのかをチェックしてみましょう。
軽度レベルの生理痛は、日常生活にほとんど支障をきたさない、軽い痛みを指します。鎮痛剤を服用しなくても、普段どおりの生活ができる程度の痛みが該当します。
<軽度レベルの生理痛の目安>
・腹痛や腰痛、頭痛などはない、またはあっても軽い
・痛みはあまり気にならず、鎮痛剤を服用する必要はない
・日常生活に支障はなく、通学や通勤は問題なくできる
中度レベルの生理痛は、鎮痛剤を服用することで痛みが軽減される程度の痛みです。腹痛や腰痛、頭痛などの症状で、時々横になる必要があるため、日常生活に多少支障をきたすことのある程度の痛みがあてはまります。
<中度レベルの生理痛の目安>
・腹痛や腰痛、頭痛などの症状が出る
・鎮痛剤を服用すれば、痛みがある程度治まる
・時々生理痛で横になる必要があるなど、日常生活に少し支障が出る
重度レベルの生理痛は、耐えられないくらい強く、鎮痛剤を服用しても効かないほどの痛みです。強い腹痛、腰痛、頭痛などにより、座っていられずに寝込むことも多くあるでしょう。重度レベルの生理痛にあてはまる場合、婦人科を受診することをおすすめします。
<重度レベルの生理痛の目安>
・耐えられないほどの腹痛や腰痛、頭痛がある
・生理のたびに鎮痛剤を服用しており、飲んでも効かないことがある
・強い痛みで座っていられない、寝込むことがあるなど、日常生活に支障が出る
生理痛はプライベートな悩みのため、身近な人にも相談しにくいことが多いもの。そのため、どのくらいの人が重い生理痛を経験しているのか、想像できないかもしれません。
そこで今回は、クラブエリエール会員の女性を対象に、生理痛に関するアンケートを実施しました。どのくらいの人が重い生理痛を経験し、婦人科へ行ったことがあるのか見ていきましょう。
【調査概要】
調査対象:10~50代の女性
調査期間:2024年8月26日~9月1日
調査手法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:4,058件
クラブエリエール会員の女性4,058人に、「座っていられない」「寝込んでしまう」など、日常生活に影響が出るほど重い生理痛の症状を経験したことがあるかを伺ったところ、47.7%が「はい」と回答しました。回答者の約2人に1人は、重い生理痛を経験していることになります。
続いて、生理痛がつらくて婦人科を受診したことがあるかを伺ったところ、21.8%が「はい」と回答しました。重い生理痛を経験した人は多くても、婦人科を受診する人は少ないことから、受診に対するハードルが高いことがわかります。
多くの人が「生理期間中だけ我慢すればいい」「どの程度の生理痛で受診したらいいのかわからない」という思いから、受診を先延ばしにしている可能性が高いといえるでしょう。
この回答を年代別に分けると、下記のような結果になりました
■年代別・生理痛がつらくて婦人科を受診した人の割合
生理痛がつらくて婦人科を受診したことがある人を年代別に見てみると、最も多いのは20代で25.9%でした。次いで、30代が24.3%、40代が24.1%と、ほぼ同じ割合となっていますが、20代をピークに受診者は徐々に減少しています。
生理痛は、子宮内膜がはがれ落ちる際に分泌される「プロスタグランジン」という物質によって引き起こされます。プロスタグランジンは、子宮を収縮させる働きがあり、この収縮が生理痛の原因です。プロスタグランジンの分泌量には個人差があるため、痛みの強さも人によって異なります。
しかし、生理痛が特に重く感じられる場合は、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気のほか、子宮収縮が強い、子宮頸管が狭い、冷え・ストレスによる血行不良などが影響していることも考えられます。特に病気が原因の場合は治療が必要なケースもあるため、早めの受診が必要です。
生理痛が重くなる原因のひとつに、子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科系の病気が関係している可能性があります。子宮内膜症とは、通常は子宮内にあるはずの子宮内膜が、卵巣や子宮筋層内、骨盤内で発生してしまう病気です。
また、子宮筋腫は、子宮平滑筋に良性の腫瘍ができる病気になります。これらの病気が原因となる生理痛は「器質性月経困難症」と呼ばれ、特に20代後半以降に多く見られます。年齢とともに生理痛が悪化し、生理の期間中ずっと痛みが続くのが特徴です。
子宮内膜症や子宮筋腫などの病気がないにもかかわらず重い生理痛がある場合は、子宮収縮が強い、子宮頸管が狭いといったことによる「機能性月経困難症」の可能性があります。
機能性月経困難症は、プロスタグランジンの分泌量が多いことや、子宮の発育が未熟なことなどが関連しており、初潮から2~3年経った頃から生理痛が重くなり始めます。10~20代前半の女性に多く見られ、経血量が多い生理の2、3日目に生理痛が重くなるのが特徴です。
機能性月経困難症の場合、年齢とともに生理痛が軽くなるケースもあります。
冷えやストレスによる血行不良も、生理痛を重くする原因です。特に下半身が冷えると、骨盤内の血行が悪くなり、生理痛がさらに悪化することがあります。
また、ストレスは、自律神経のバランスを乱して血行を悪くし、生理痛を重くする原因になります。
そのため、生理中は体を冷やさないようにしたり、ストレスを溜めないようにしたりすることが大切です。
生理痛の原因と対処法については、下記のページをご覧ください。
生理のつらい症状はなぜ起こる?心身の不調の原因と対処法を解説
前述の生理痛の重さのレベル診断で、中度・重度レベルに該当した人は、婦人科を受診することをおすすめします。
特に、下記のような重度の症状がある人は、病気が隠れている場合がありますので、早めに受診をしてください。
<婦人科を受診すべき主な症状>
・生理のたびに鎮痛剤を服用するほどの痛みがある
・鎮痛剤を服用しても効かないほどの強い痛みがある
・通学、通勤が困難なほどの強い痛みがある
・寝込むほどの痛みがある
・以前よりも経血量が増えている
・ゴルフボールくらい大きなレバーのような血のかたまりが出る
・不正出血や吐き気、下痢などがある
監修者のご紹介
佐藤杏月先生(八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医)
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子どもの子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人と共に2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
八丁堀さとうクリニック
中度・重度レベルの生理痛に加え、経血量が多いときは、少しでも快適に過ごしたいものです。女性のこころとからだに寄り添うナプキン「エリス」シリーズをご紹介します。
「エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用 ブラックカラー」は、スタイリッシュなブラックカラーのショーツ型ナプキンです。夜用ナプキン3枚分※1の吸収力で360°しっかりガードし、12時間※2モレ・ズレ安心。「経血量が多い日」「なかなかナプキンを取り替えられない日」「経血モレを心配せずに眠りたい夜」などにもおすすめです。
※1 大王製紙「エリス新・素肌感 多い日の夜用羽つき」との比較。
※2 大王製紙調べ。個人差がありますので経血量に合わせて適宜取り替えてください。交換不要を推奨するものではありません。
「エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用 ブラックカラー」については、下記のページをご覧ください。
エリスショーツ 昼・夜 ⾧時間用 ブラックカラー
生理中は十分に睡眠を取り、体を休めることが重要です。しかし、寝返りを打つたびに経血のモレが気になり、なかなか熟睡できない人も多いでしょう。「エリス 朝まで超安心」は、通常の夜用ナプキン2枚分の吸収力※に加え、<三日月ブロッカー><横モレガードギャザー><後ろモレストッパー>とスリット入りの<すきまフィット吸収体>により、前モレ・横モレ・後ろモレを防止。横向きでもあお向けでも、伝いモレを気にせず、ゆっくり眠ることができます。
※ 大王製紙「エリス 新・素肌感(多い日の夜用)羽つき 29cm」との比較。
「エリス 朝まで超安心」については、下記のページをご覧ください。
エリス 朝まで超安心
経血量が多い場合は、過多月経専用のナプキン「エリス 朝まで超安心 クリニクス」がおすすめです。夜用ナプキン5枚分の吸収力※と2層構造で、経血を素早くたっぷり吸収。<防水ダブルフィットギャザー>を採用しているので、ギャザーからのしみ出しモレも防ぎます。
※ 大王製紙「新・素肌感29cm」との比較(2020年7月時点)。
「エリス 朝まで超安心 クリニクス」については、下記のページをご覧ください。
エリス 朝まで超安心 クリニクス
生理痛の痛みの程度には、個人差があります。特に、日常生活に支障をきたすような重い生理痛には、適切な対処が必要です。今回ご紹介した生理痛のレベル診断で、「中度レベル」または「重度レベル」に該当する場合は、婦人科の受診を検討してください。
専門的な治療やアドバイスを受けることで生理痛が軽減されれば、生活の質を改善することができるでしょう。
クラブエリエール会員の女性4,058人に、「座っていられない」「寝込んでしまう」など、日常生活に影響が出るほど重い生理痛の症状を経験したことがあるかを尋ねたところ、47.7%が「はい」と回答しました。回答者の約2人に1人は、重い生理痛を経験していることになります。
寝込むほどの重い生理痛は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気による「器質性月経困難症」のほか、子宮収縮が強い、子宮頸管が狭いといったことによる「機能性月経困難症」、冷えやストレスなどによる「血行不良」が主な原因として挙げられます。
生理痛で悩んでいる場合は、婦人科を受診することをおすすめします。特に、「鎮痛剤を服用しても効かない」「寝込むほどの痛みがある」「痛みで通学、通勤が困難になる」といった症状があるときは、早めに婦人科を受診しましょう。
画像提供/PIXTA