記事公開:2024.6.5
生理の長さは、人それぞれ違います。ですが、「生理が始まって1週間経つのに、まだしっかり出血が続く」といった場合は、「過長月経」かもしれません。
今回は、過長月経の主な原因や不正性器出血との違い、過長月経の対処法などを解説。また、長い生理期間を快適に過ごすための「エリス」シリーズについてもご紹介します。
生理があまりにも長引く場合は、過長月経という状態かもしれません。人によって違いはありますが、一般的な生理期間は3~7日程度。公益社団法人日本産科婦人科学会は、8日以上続く生理を過長月経と定義しています。
なお、元々生理が長めの方や、生理の終わりかけに、ほんの少しの経血が数日出るといった方の場合は、生理が8日以上続いても問題がないこともあります。ですが、「いつもは4~5日で生理が終わるのに、なかなか終わらない」といった場合は注意してください。
過長月経を放置すると、長期間の出血が原因で貧血(鉄欠乏性貧血)となる可能性があります。貧血になると、全身が酸素不足となるため、倦怠感やめまい、頭痛などのほか、顔色の悪化や肌荒れ、爪の変形といったさまざまな不調が起こります。生理が長いことは、単に不便なだけではなく、健康上のリスクを伴う可能性があるのです。
過長月経は、体の不調や、何らかの病気などが原因で起こることがあります。「ただ生理が終わらないだけ」と、自己判断で放置しないようにしましょう。ここでは、過長月経の主な原因をご紹介します。
ホルモンバランスの乱れは、過長月経の主な原因のひとつです。特に、生理をつかさどる女性ホルモン、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが重要。この2つのホルモンの分泌バランスが乱れることで、月経周期が乱れたり、子宮内膜が適切にはがれずに生理がダラダラと続いたりします。
更年期とは、閉経を迎える前後5年、45~55歳頃の時期です。この時期は、女性ホルモンの分泌量が変わるため、心身にさまざまな不調が起こります。その結果、月経サイクルが不規則になり、過長月経を引き起こすことがあります。
無排卵性周期症(無排卵月経、無排卵性月経)とは、生理のような出血があるにもかかわらず、排卵が起こらない状態です。無排卵性周期症になると生理周期が不安定となるほか、長期間出血が続くことがあります。
無排卵性周期症は、卵巣機能が未熟な思春期や、卵巣機能が低下する更年期に起こりやすい症状です。また、ストレスや過剰な体重の過不足、脳の異常や卵巣の病気などが原因で引き起こされるケースもあります。
何らかの理由で出血しやすい状態だと、生理が長くなることがあります。例えば、高血圧などで血液をサラサラにする薬を服用していたり、病気で血液を固める成分に異常があったりすると、血が止まりにくくなります。そのため、生理の出血が止まらず、過長月経となることがあるのです。
子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が原因で、過長月経となることがあります。子宮の病気は、初期のうちは自覚症状がないことが多いため、病院で別の検査をした際にたまたま見つかるケースもよくあります。生理が長期間続く場合は、早めに婦人科を受診することが重要です。
過長月経と間違いやすいものに、不正性器出血(不正出血)があります。不正性器出血とは、生理以外の理由で起こる性器からの出血です。生理がいつまでも終わらないと思っていたら、実は不正性器出血だったということもあります。
不正性器出血の原因はさまざまで、病原菌の感染などによる炎症、生活習慣の乱れやストレスなどによるホルモンバランスの乱れ、良性の腫瘍といったもののほか、悪性腫瘍(がん)などの重大なトラブルが潜んでいることもあります。不正性器出血がある場合も、婦人科を受診することをおすすめします。
過長月経の影には、さまざまな子宮の病気が潜んでいるケースもあります。ここでは、過長月経を引き起こす可能性のある、子宮の病気をいくつかご紹介します。
子宮筋腫は、子宮の内側や筋肉の中、子宮の外側などにできる良性の腫瘍です。筋肉にできることで子宮の収縮機能が低下し、はがれた子宮内膜を排出しきれずに生理が長引くことがあります。
子宮内膜ポリープは、子宮内膜にできる良性のできものです。自覚症状はほとんどないケースが多いのですが、過長月経のほか、経血量が非常に多くなる過多月経や、不正性器出血などを招くことがあります
子宮内膜症は、本来、子宮の内側を覆っている子宮内膜が、子宮外の部位にできてしまう病気です。生理周期に合わせて子宮の外で増殖・排出されるため、過長月経を引き起こすことがあります。
子宮腺筋症は、本来、子宮の内側を覆っている子宮内膜が、子宮の壁である筋肉(子宮平滑筋)の中にできる病気です。子宮の壁が厚くなって生理痛がひどくなるほか、過長月経や過多月経を引き起こすことがあります。
子宮頸がんは、子宮頸部にできる悪性腫瘍(がん)です。初期段階では無症状のことが多いのですが、進行するとおりものの増加や不正性器出血、過長月経などを引き起こすことがあります。
子宮体がんは、子宮体部分にできる悪性腫瘍で、不正性器出血や過長月経を引き起こすことがあります。なお、子宮体がんのほとんどは、子宮内膜にがんが発生する「子宮内膜がん」です。
なかなか生理が終わらず、「もしかして過長月経かも?」と思ったときには、まず婦人科を受診してください。ダラダラと続く生理の影に、思わぬ病気が潜んでいるかもしれません。たとえ重大な病気であっても、早期発見・早期治療することで治癒の可能性が高まります。
また、過長月経を含む生理不順は、ホルモンバランスの乱れが原因であることも多いもの。ストレスや生活習慣の乱れ、過度なダイエットなどは、ホルモンの分泌バランスを崩しやすいとされています。
栄養バランスのとれた食事、規則正しい生活リズム、十分な睡眠、適度な運動といった、健康的な生活習慣は、過長月経を予防する意味でも大切といえるでしょう。
過長月経の対処法は、症状の原因や個人の健康状態などによって異なります。医師の診断・治療方針に従って行われる、主な対処法についてご説明します。
低用量ピルは、ホルモンレベルを調節し、生理周期を安定させるために用いられます。過長月経に対しても効果的で、出血量を減らし、月経期間を短縮する助けとなります。
漢方薬も、過長月経の治療にしばしば使用されます。特に、体内の血の巡りを改善し、月経不順に効果があるとされる「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」などを用いることが多いようです。
ただし、漢方薬は体質などにより効きめも異なるもの。自己判断で服用せず、医師や薬剤師の指示に従うことが大切です。
過長月経が、何らかの疾患によって引き起こされている場合、その病気を治療することが最も効果的な対処法となります。専門医と相談の上、症状改善のために適切な治療を行ってください。
監修者のご紹介
佐藤杏月先生
八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子供の子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人とともに2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
八丁堀さとうクリニック
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生理と思われる出血が8日以上続く場合は、過長月経である可能性が高いといえるでしょう。過長月経は、単に生理が長引いて不便なだけでなく、貧血などを引き起こすことがあります。また、過長月経の原因が何らかの病気ということもあるのです。
生理に関して、いつもと違う症状が見られる場合は、迷わず婦人科を受診してください。
生理が長くなる原因としては、ホルモンバランスの乱れ、更年期、無排卵性周期症、薬の服用や血液成分の異常により出血しやすい状態であること、子宮の病気などの可能性が考えられます。なお、8日以上続く生理を「過長月経」といいます。
生理が長いときには、まず婦人科を受診してください。ダラダラと続く生理の影に、思わぬ病気が潜んでいるかもしれません。重大な病気も、早期発見・早期治療することで治癒の可能性が高まります。
また、過長月経を含む生理不順は、ホルモンバランスの乱れが原因であることも多いものです。栄養バランスのとれた食事や規則正しい生活リズム、十分な睡眠、適度な運動といった、健康的な生活習慣を心掛けてください。
過長月経の治療法は、その原因によって異なります。ホルモンバランスの乱れが原因であれば、低用量ピルが用いられるほか、漢方薬などを使用するケースもあります。
また、子宮の病気など何らかの疾患が原因であれば、その病気に応じた治療が行われます。いずれにしても、治療法は医師の診断にもとづいて決定されるため、適切な医療機関での相談が必要です。
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