生理でレバー状のドロドロした血の塊が出る原因や、どのぐらい経血量が多ければ病気が疑われるのかなど、気になる情報をご紹介します。
生理のときに出る経血の量や期間には個人差がありますが、経血の性状も人によって異なります。サラサラの液体のような経血の人もいれば、ドロドロと粘度の高い経血が出る人もいます。レバーのような血の塊や、ゼリー状の経血を目にして、どうしてこんなものが出るのだろうと不思議に感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
生理でドロドロとした経血や血の塊のようなものが出る場合、何らかの病気の可能性はあるのでしょうか。ここでは、その原因をご紹介します。
生理のときに出る経血は、妊娠に向けて成熟した子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに排出されたものです。ホルモンの働きによって子宮収縮が起こることで、不要になった子宮内膜を体外へ押し出して排出します。
剥がれ落ちたばかりの子宮内膜は、ドロッとした血液の塊です。しかし、血の塊を排出するには強い子宮収縮が必要であり、強い生理痛を起こしかねません。そこで女性の身体には、スムーズに経血を排出するために、血液の塊をサラサラの液体成分に変える仕組みが備わっています。
それは、酵素の働きによるものです。子宮内膜から分泌される「酵素」の一種には、血液の塊を溶かしてサラサラにする作用のものがあります。この酵素の働きによって血の塊状の子宮内膜がサラサラの液体になり、より少ない子宮収縮力で経血を排出することができるようになるのです。
それでは、ドロドロの経血が出るということはどのようなことなのでしょうか。
剥がれ落ちた子宮内膜は、酵素の働きによってサラサラな経血になります。しかし、排出される子宮内膜や血液の量が多いと、酵素の働きが追い付かないことがあります。その結果、ドロドロの経血や血の塊のような経血のままで体外に排出されてしまうのです。
ドロドロの経血や血の塊のような経血は、たまに混じる程度であれば特に問題はありません。むしろ、子宮内膜がきちんと成熟して排出されていることを意味します。
血の塊やドロドロの経血は、たまに出る程度であれば問題ありません。しかし、月経期間中にほぼ毎日、多量の血の塊やドロドロした経血が排出される場合は、過多月経の可能性があります。
過多月経とは、経血量が多い症状のことです。1回の月経でおよそ150ml以上のものを指します。
経血の主成分は血液であるため、過多月経になると貧血を起こしやすく、めまいやふらつき、息切れ、動悸などさまざまな全身症状を引き起こすことがあります。
過多月経について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
生理の経血が多い…これって異常?
婦人科を受診する目安としては、以下のようなものが挙げられます。
これらに当てはまる人は、早めに婦人科を受診するようにしましょう。
過多月経を自覚して病院を受診すると、基礎体温のチェックや月経の状態について詳しい問診が行われます。そして、超音波検査やホルモン検査によって病気の有無が調べられます。
治療方法は、月経過多の原因によって異なりますが、子宮筋腫など子宮の器質的な病気の場合は手術や貧血改善のための鉄剤投与などを行われます。また、ホルモンの分泌異常による場合には、ホルモン剤の投与によってホルモンバランスの安定を図る治療が行われます。
ドロドロした経血や血の塊のような経血は、たまに出る程度であれば特に問題はなく、ドロドロしていること自体は病気ではありません。しかし、頻繁に見られる場合は、何らかの病気が原因のことがあります。月経量に個人差があるため、見過ごされることも少なくありませんが、過多月経は放置すると深刻な貧血を引き起こすことがあります。早めに婦人科を受診するようにしましょう。
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