経血量が少なくなる理由と女性ホルモンとの関係や、過少月経で病院へ行くべきかどうか、どんな治療をするのかなど、不安の解消を手助けする情報をご紹介します。
女性ホルモンのバランスによって引き起こされる生理ですが、分泌バランスが崩れることで、量が少なくなったり、日数が短くなったりすることがあります。
経血が少ないほうが不快感は少ないとはいえ、あまりに少ないと不安になってしまいますよね。
短すぎる生理や、経血が少なすぎる生理には、どのような原因があるのでしょうか?考えられる原因や疾患と、婦人科を受診する目安をお伝えします。
正常な月経は25~38日の周期で繰り返され、4~7日間続きます。経血量は正確に測ることができないため、明確な定義はありませんが、1回の月経で100ml程度が正常とされています。
経血量が極端に少ない生理を「過少月経」、2日以内で終わるほど期間が短い生理を「過短月経」と呼びます。
過少月経や過短月経は、主に以下の3つが原因となることが多いです。
子宮内膜を増殖させる作用をもつ女性ホルモン・エストロゲンの分泌量が減少すると、子宮内膜が厚くならないために経血量が少なくなります。また、子宮内膜を剥がす役割をもつ女性ホルモン・プロゲステロンの分泌量が減ることによっても経血量が少なくなります。
ホルモンバランスの乱れは、日常生活におけるストレスや過度なダイエットによって起こるケースがほとんどです。この原因によるものである場合、大きな心配は不要です。
女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンは、脳下垂体からの刺激を受けて、卵巣で分泌されています。このため、下垂体腫瘍のような脳の病気、多嚢胞卵巣症候群や黄体機能不全などの卵巣の病気によって女性ホルモンの分泌異常を生じることがあります。
先天的な子宮発育不全や内膜癒着などの病気があると、女性ホルモンの分泌は正常でも、子宮内膜が正常に増殖・成熟できず、過少・過短月経の原因となることがあります。
どのような原因で過少・過短月経が生じているかは、基礎体温を記録することである程度予測することが可能です。女性ホルモンの分泌に異常がない場合は、卵胞期では低体温となり、黄体期では高体温になります。体温の高低がはっきりと分かれていない場合、女性ホルモンの分泌に異常があると考えられます。
生理の短すぎ・少なすぎは、いずれも女性ホルモンの分泌異常が原因のことが多く、初潮を迎えたばかりの人や更年期などホルモンバランスが乱れやすい人にとってはよくあることで、心配ないケースがほとんどです。
しかし、以下のような場合には思わぬ病気が潜んでいることもありますので、婦人科で相談することをおすすめします。
過少・過短月経で婦人科を受診すると、以下のような検査・治療が行われます。
超音波検査や血液検査によるホルモン分泌量の測定が行われます。
超音波検査では、子宮や卵巣の異常を確認することができます。また、血液検査では女性ホルモンの分泌量だけでなく、女性ホルモンの分泌を促す性腺刺激ホルモン、排卵を抑制するプロラクチンの分泌量もチェックされます。
治療方法は原因によって異なりますが、女性ホルモンの分泌量が少ない場合にはホルモン剤の投与が行われ、排卵が起きていない場合には排卵誘発剤が使用されることもあります。
また、子宮や卵巣に器質的な病気がある場合には、手術によって根治的な治療が行われることもあります。
経血量が少なすぎる過少月経や、生理が2日以内で終わってしまう過短月経の多くは、女性ホルモンの分泌異常が原因です。女性ホルモンの分泌はストレスやダイエット、疲れなどによって乱れやすく、生活習慣を改善すれば症状も良くなることがほとんどです。
しかし、こういった異常には思わぬ病気が潜んでいることもあり、健康や将来の妊娠・出産のことを考えると不安を解消しておきたいところです。気になることがある場合は婦人科を受診し、医師のアドバイスを受けるようにしましょう。
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