記事公開:2023.9.29
大事な予定が生理と重なって、憂鬱な思いをしたことがある方は多いはず。中でも、キャンプなどのアウトドアイベントの際に生理になると、「痛みがひどくて動けなくなったらどうしよう…」「寝ているときにモレたら困る」と不安になりますよね。
本記事では、キャンプと生理が重なりそうなときの対策や持ち物、生理中の体にやさしい食事など、安心してキャンプを楽しむための方法をご紹介します。さらに、女性向けアウトドアウェブメディア「なちゅガール」編集長の森風美さんに、キャンプと生理に関するお話を伺いました。
1ヵ月に1回程のペースで来る生理。症状の出方や経血の量には個人差がありますが、重い方は下腹部の痛みや腰痛、倦怠感のほか、気持ちの落ち込みや貧血症状などを伴うこともあります。比較的軽い方でも経血がモレて洋服や椅子を汚さないように気を使ったり、なんとなく体が重く感じたりと、いまいちアクティブになれない期間ですよね。
不安があるときや、体調が優れないときは、せっかくのイベントも楽しめないもの。キャンプの予定と生理がかぶりそうであれば、まずはキャンプのスケジュール変更を考えてみてください。
どうしても日程調整が難しかった場合は、生理中でも快適に過ごせるよう、当日の所持品やキャンプ先での行動を工夫してみてはいかがでしょうか。
また、可能であれば、いっしょにキャンプに行く人に生理中であることを伝えておきましょう。何も伝えていないでいると、同行者は「つまらないのかな?」と心配してしまうかもしれません。事前に生理だと伝えることで、お互い変に気を使うこともなく、楽しいキャンプを過ごすことができるはずです。
生理時にキャンプをする場合、最低限持っていくべきものと、持っていくと便利なものをご紹介します。
キャンプ場でサニタリー用品が足りなくなるのを避けるため、少し多めに持っていくのがポイント。トイレなどが遠く、こまめに交換できないことも考えられるので、夜用ナプキンやショーツタイプのナプキンがあると安心です。
キャンプ場にもよりますが、基本的にごみは自分たちで持ち帰るのがルール。また、ごみ箱があるキャンプ場でも、サニタリーボックスがないこともあります。中身が見えにくい黒いごみ袋と、ニオイがモレないようにジップ付きのポリ袋を持っていきましょう。
また、汚れたショーツの持ち帰りなどなにかと便利なので、多めに持っていくことをおすすめします。
キャンプ場の標高などにもよりますが、暖かい季節でも、夜になると意外に冷えるもの。さらに、生理中は普段より体温が下がり、血行も悪くなります。ブランケットやカイロ、湯たんぽなど、体をさっと温められるアイテムを用意しておくことをおすすめします。体を内側から温める、ホットドリンクも用意しておくといいですね。
生理中、腰やおなか、頭などが痛くなる方は、普段から服用している鎮痛薬も忘れずに。なお、眠気を引き起こす成分が入っていなくても、人によっては眠くなってしまうことも。鎮痛薬を服用したときは、車などの運転を避けてください。
最近では、温水洗浄便座を備えたキャンプ場もありますが、基本的にはないと思ったほうがいいでしょう。ハンディータイプのおしり洗浄器があれば、デリケートゾーンに付着した経血を洗い流して、清潔に保つことができます。
電動タイプ、手動タイプ、ペットボトルにつけるタイプなどいろいろありますが、汚れやムレ、ニオイが気になるときにも活躍するので、1つ持っていくと便利です。
経血がモレて服などについてしまったときは、すぐに水で洗い流すのが一番。でも、近くに水道などがない場合は、乾いてしまう前にウエットティシューやぬれタオルで拭き取りましょう。なお、血液は温めると固まって落ちにくくなるため、お湯で拭いたり洗ったりするのは禁物です。
ただし、アルコールには血液のたんぱく質を凝固させてしまう作用があります。そこで、ノンアルコールタイプと、テーブルなどの消毒・除菌に使用するアルコールタイプ、2種類のウエットティシューを持っていくと安心です。
経血がモレて洋服を汚してしまったときのため、替えのショーツとボトムスは普段のキャンプより多めに持っていくことが大切です。また、ボトムスは明るい色よりも黒など暗めの色でまとめておくと、もしものときに周りに気づかれにくいでしょう。
ショーツも、通常のものではなくサニタリーショーツがおすすめ。デリケートゾーンの部分が防水仕様になっていたり、ナプキンの羽部分をしまえる構造になっていたりと機能的で、ぴったり体に沿う形なので、ズレやモレを予防できます。
せっかくキャンプに来たのですから、楽しまなくちゃもったいない!ここからは、生理中でもキャンプを楽しむために、意識しておきたいポイントをご紹介します。
「もしかしてモレたかも」「たくさん出た感じがした」というときは、すぐトイレに駆け込みたいもの。キャンプ場に到着したら、まずはトイレの場所を確認しましょう。
キャンプ場によっては、テントを設営できる場所からトイレまでの距離が遠いこともあります。可能であれば、できるだけトイレに近い場所にテントを張るようにすると不安がやわらぎますよ。
ムレやかぶれを防ぐには、こまめにナプキンを替えたほうが良いですが、キャンプ中は頻繁にトイレに行けない、あるいは行きづらいこともあります。そこで、夜用ナプキンや通常タイプの夜用など、長さがあってしっかり吸収するナプキンを使用しましょう。通常タイプの昼用よりもたくさん経血を吸ってくれるので、モレを気にせず活動できます。
座るときは、汚れても気にならないような使い古したバスタオルをお尻の下に敷いておきます。もしモレてしまっても、アウトドアチェアーなどに経血が付着するのを防ぎ、汚れを最小限に抑えることができます。
また、夜は寝袋の中にバスタオルを入れて、モレに備えましょう。
日中にかいた汗や、体についた汚れは不快なもの。キャンプ場にシャワー設備がない場合、シートタイプの体拭きを使えば、汗や汚れを拭き取ってリフレッシュできます。また、髪についた焚き火のニオイなどはアウトドアイベントの醍醐味として楽しみたいものですが、どうしてもニオイが気になるようであれば、水を使わないドライシャンプーなどもあります。
森さん「ソロキャンプのときは日程をずらしたり、同じ姿勢で長時間移動するのを避けて、家から近いキャンプ場にしたりといった対策を事前に講じておくといいと思います。みんなで行くキャンプのときには、お友達に相談して頼るのはもちろん、食事は調理が簡単なものに。夜は早めに就寝して、疲れを溜めないようにしましょう。夜、ほかの人といっしょに寝るのが心配だったら、設営が簡単なソロ用のワンタッチテントで、自分だけの個室を作るのもおすすめです!」
日中は汗ばむくらいの気温でも、キャンプの夜は冷え込むことが多いもの。体の冷えは、生理痛を悪化させる原因のひとつとされています。生理中は温かいものや、体を温める食材を積極的にとるのがおすすめ。ここでは、キャンプで手軽に作ることができる、生理中の体にやさしい料理をご紹介します。
生理中におすすめの食材のひとつが生姜。体を温める効果があるとされ、料理に少量の生姜を加えるだけで、体がぽかぽかしてきます。生姜の成分を効果的にとるには、細かく刻んだ生姜を煮込んだスープが一番。さまざまな食材を刻んで煮込むだけなので、生理中のキャンプでも作るのが簡単です。じっくり煮込んだ具沢山のスープを食べれば、体が温まるだけでなく、生理中の体に必要な栄養素を十分にとることができるでしょう。
生理中の体は、鉄分不足になりがち。そこで、鉄分を多く含む肉類を入れた鍋料理がおすすめです。また、豆腐を入れて、味噌ベースの出汁で味付けをすれば、イソフラボンをたっぷり摂取することができます。
生理中でもキャンプを楽しむために活用できる、エリエールの商品をご紹介します。キャンプ場の設備や使用シーンなどに合わせて適切なアイテムを用意し、キャンプの不安・不快を軽減しましょう。
寝返りを打つたび、経血のモレが気になる夜。キャンプ場での夜はゆっくり睡眠を取って明日の活力を養いたいものですが、生理中はなかなか熟睡できない方も多いでしょう。
「エリス 朝まで超安心」は、通常の夜用ナプキン2枚分の吸収力※に加え、三日月ブロッカー、横モレガードギャザー、後ろモレストッパーとスリット入りのすきまフィット吸収体により、前モレ・横モレ・後ろモレを防止。横向き寝でも仰向き寝でも、伝いモレを気にせずゆっくり眠れます。
※「エリス 新・素肌感(多い日の夜用)羽つき 29cm」との比較
「エリス 朝まで超安心」については、下記のページをご覧ください。
エリス 朝まで超安心 | エリス(elis)
「エリスコンパクトガード(多い夜用)/(特に多い夜用)」は、極薄シートなのにたっぷり吸収して、8時間つけても快適をキープするナプキンです。超吸収ポリマーがぎっしり詰まった、わずか1.9mmの極薄シートは吸収量が普通のナプキンの2倍(※1)。ショーツの接着部分の面積を122%(※2)にアップし、サイドギャザーのなめらかさを向上したことで、しっかり固定しつつ、足まわりの違和感も低減しました。生理用品らしくないデザイン個包装は、荷物の中で悪目立ちすることもありません。
※1「エリス 新・素肌感 多い日の夜用 羽つき」との比較
※2 エリス従来品比
エリス コンパクトガード | エリス(elis)
生理とキャンプが重なっても、しっかり事前準備をすれば十分にキャンプを楽しめます。機能性の高いグッズや過ごし方の工夫で、気になる点や不安な点を1つずつクリアして、キャンプに備えましょう。
体の調子も気持ちも落ちぎみな生理中だからこそ、大自然の中でゆっくり心身を癒やしてみては?
画像提供/PIXTA
監修者のご紹介
森風美さん(なちゅガール編集長 アウトドアコーディネーター)
幼少の頃からアウトドア好きな家族の影響でキャンパーとして育ち、キャンプ歴は年齢=27年。車中泊やキャンプなど、誰でも楽しめるアウトドアスタイルを発信する。テレビ・雑誌・イベント出演など幅広い分野で活動中。著書に「はじめよう!ソロキャンプ」(山と渓谷社)。
なちゅガール
佐藤杏月先生(八丁堀さとうクリニック副院長 医学博士 日本産婦人科学会専門医)
日本医科大学卒。日本医科大学武蔵小杉病院を中心に16年間産婦人科医として地域のハイリスク妊婦や、婦人科疾患の診療を行ってきた。3人の子どもの子育てと仕事の両立を目指し、整形外科医のご主人とともに2020年八丁堀さとうクリニックを開業。
八丁堀さとうクリニック