新米ママたちにとって出産前後の体の変化は、初めての経験です。自分の体に起こることに、 みなさん不安や戸惑いを感じています。
「産後、生理がこない…。いつになったら再開するの?」「血の量が増えた気がする。 これってもしかして私だけ?」そんな産後の生理についてのお悩みつぶやきを、婦人科・産科のジュノ・ヴェスタ クリニック八田、 八田院長がフォロー。新米ママのみなさん、モヤモヤをスッキリさせましょう!
産後しばらく経つけど生理がまだ来ない…。悪露?ってやつはあるんだけど、逆にこれはいつまで続くの?
※悪露…産後、からだが妊娠前の状態に戻るまでの回復期間に、女性器から分泌されるものの総称。個人差はあるが、生理のような血液から少しずつ色が薄くなり、だいたい1ヶ月を目安に減っていく。
産後の生理再開時期は、
授乳が終わるころが一つの目安!
母乳に含まれる「プロラクチン」という成分には、排卵を止める作用があります。今ほど食生活に幅がなかった昔は、授乳中は排卵が抑制されて生理が止まって、避妊になっていたようでした。
ところが最近では、食生活が改善され栄養価の高い食品が多いこともあり、授乳中でも排卵し生理が再開する人が増えています。
なかには、産後2ヶ月ほどで再開したり、そのまま妊娠したりする方もいるそうですよ。生理の再開は年齢や体重などとはあまり関係なく、個人差が大きいのです。
生理の再開が早くても、決して悪いことではないので安心して!
生理の再開は排卵し、「妊娠の準備ができましたよ」という体のサインともいえます。なので、妊娠を希望してなければきちんと避妊する必要があります。悪露も生理も、ナプキンを使ってケアしましょう!
産後の仕事復帰は焦らないで!
1ヶ月は無理せず安静に、3~4ヶ月は休養を
産後は赤ちゃんを支えていた骨盤や関節が緩くなっていますが、3~4ヶ月くらいかけて体は元の状態に戻っていきます。この時期に無理をしてしまうと、年齢を重ねてからの骨盤臓器脱や排尿トラブル(頻尿や尿漏れ)などにつながる可能性があるのでご注意を!
できるだけ、ゆっくり休養をとりましょう。この時期は、長時間重い物を持ったりなど、無理をすることは禁物。トレーニングをするときは、必ず骨盤底筋を意識して行うとよいでしょう。
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また今朝も血の量が…服も汚れちゃったし最悪! なんか出産してからの生理、出血の量が多い気がするんだけど気のせい?
産後の生理再開時期は、
授乳が終わるころが一つの目安!
産後に経血の量が増えるように感じるのは、以下の原因が考えられます。
・出産により子宮口が緩くなったことで、経血がまとまって出てきている
・女性ホルモンの増加により、経血に混じって粘液が以前よりも多く分泌されている
・妊娠中はなかった久しぶりの生理なので、単に経血量が多く感じる
多い日用のナプキンを使いましょう!
いつもより量が多いかも…と
感じている人におすすめのナプキン
エリス「朝まで超安心」
より吸収量の多い商品をお求めの方に
エリス「CLINICS(クリニクス)」
商品情報はこちら > ご購入はこちら >子宮筋腫や子宮内膜症、ポリープといった婦人科疾患は経血増加の要因に!
経血の量には個人差があるので、産後に経血が多くなっているかどうかは診察をしてみなければわかりません。通常のナプキンが1時間、ナイト用ナプキンが2時間でいっぱいになるような日が2日以上あれば、産婦人科を受診しましょう。また、疲れやすい、階段で息切れするなど、貧血症状がある場合は治療が必要です。
主な婦人科疾患
子宮筋腫
子宮筋層にできる良性の腫瘍。発症には女性ホルモンが関与し、4人に1人と頻度が高く、遺伝性もあると考えられています。30〜40代に多く、最近は低年齢化の傾向もあります。できる場所によって症状が異なり、子宮内腔に近いと過多月経になりやすくなります。
子宮内膜症・子宮腺筋症
「子宮内膜症」は、子宮内膜と似た組織が子宮内膜以外の場所で増殖し、排卵し生理の度に進行する病気です。生理痛以外に性交痛、排便痛などの痛みが特徴です。子宮の中にできて子宮筋が厚くなる「子宮腺筋症」は、痛みだけでなく過多月経にもなります。つらい痛みや生理の量が増えてきたら、迷わず産婦人科を受診しましょう!
ナプキンを替える感覚が短くなったり、使う枚数が増えたりと感じたら病院に相談を
最近のナプキンは吸収できる量が増え高性能なので、経血がたくさん出ていても気づかないことがあります。以前より替える時間が短くなった、枚数が増えた、漏れが起こるなどの変化がある場合や、貧血を指摘されたら、まずは病院に相談してみてくださいね。
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産後の尿漏れ、こんなにひどいと思わなかった……。これじゃあ気軽に外出もできないし、何かいい対策ないかなあ〜
尿漏れは一時的なもの
尿漏れライナーなどでうまく付き合って
妊娠中や産後の尿漏れに年齢は関係なく、若い人でも起こすことがあります。ただし多くは一時的なものなので、少しの間の辛抱です。尿漏れライナーや骨盤底筋を引き締めるエクササイズなどで、うまく付き合っていきましょう。
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監修:八田 真理子
聖順会 ジュノ・ヴェスタ クリニック八田
理事長・院長1990年 聖マリアンナ医科大学医学部卒業。昭和50年9月に実父が開院した「八田産婦人科」を継承し、地域に密着したクリニックとして思春期から老年期まで幅広い世代の女性の診療・カウンセリングに従事する。女性のヘルスケアに関する相談会やセミナーへの登壇など通じて、性教育・不妊・更年期などの正しい知識の啓蒙にも積極的に取り組んでいる。