東日本大震災から10年が過ぎましたが、熊本地震、北海道胆振東部地震、今年2月には東北、和歌山で大きな揺れが観測されたり、毎年のように発生する台風・集中豪雨による水害など、私たちにとって自然災害は身近な出来事です。普段から、どんな備えをすればよいでしょうか。
ここでは、暮らしのなかでできる防災について伝える、NPO法人プラス・アーツ東京事務所長の小倉丈佳さんに備蓄の基本についてお聞きしました。
備蓄を普段から心がけているだけで、災害時の安心感は大きく異なるというもの。特別なものを用意するのではなく、いつも使っている日用品が役立ちます。
災害はいつ起きるかわからず、だからこそ日ごろからの備えが肝心です。クラブエリエールが実施したユーザーアンケートでも、ティシューペーパーやトイレットペーパー、マスクなどの日用品を備えている人が多いとわかりました。
こうした備蓄に対して、「災害時に断水で水道が使えなくなると、ウエットティシューをはじめとした日用品は重宝します。普段からストックしておきたいものです」とアドバイスするのは、 NPO法人プラス・アーツの東京事務所長・小倉丈佳さん。企業や自治体、地域団体とともにイベントや講座を開催したり、マニュアルや教材を制作するなど、様々な形で防災を伝えています。
愛媛県出身。大学・大学院と教育学を学ぶ。WEB 制作を中心とするデザイン事務所を経て、2007年にプラス・アーツに入社。「教育」、「デザイン」というスキルを活かし、防災を楽しく学べる教材や啓発ツールの作成、企業の社内向け防災啓発活動のコンサルティングなどを手掛ける。
避難所で配給されるのは非常食や水など、生きていくうえで最低限の物資です。生活の質に関する部分は、各自で備えないといけません。
コロナ禍では感染症対策のため避難所の定員を半分にして、自宅や友人・知人宅、旅館などを使う「分散避難」が推奨されるようになりました。住み慣れた場所で家族とともに過ごし感染症のリスクを抑えられる「在宅避難」のメリットはその中でも高く、そのためには自宅での備蓄を進めておく必要があります。
自宅で避難生活を送るとして、どのくらいの備蓄量があれば安心でしょうか。小倉さんは次のようにアドバイスします。
少なくとも家族が1週間過ごすための備蓄が必要だとわかりました。その際に実践したいのが、備蓄の基本である「ローリングストック法」です。
これは、日用品であれ食品であれ、災害時にも役立つモノを少し多めに用意しておき、日用品は普段使い、食品は定期的に食べ、減った分を買い足し補充する方法です。
普段使いの日用品と備蓄品を区別しないで多めに買い、普段から使いながら補充するのが「ローリングストック法」のコツ。家族に人数に合わせて必要数量を備えましょう。
在宅避難を想定して、具体的には何を備蓄しておくべきでしょうか。状況によっては電気・ガス・水道のインフラが止まる可能性もあります。それを踏まえたうえで、小倉さんは以下の13のグッズを挙げました。
日用品は、先ほど述べたローリングストック法で持っておくのがポイント。トイレットペーパーやティシュー、除菌ウエットティシュー、ペーパータオル、マスクなど、エリエールでお馴染みの製品もあれば、生活の質が保てそうです。
ここまでで、ローリングストック法で備蓄しておくべきモノと、その量の目安がわかりました。いざ用意を始めたとして、次はおすすめの収納方法についてです。
備蓄品収納のポイントは、1か所にまとめるのではなく、キッチンや寝室、1階、2階と数か所にわけて収納する「分散備蓄」です。
備蓄品を玄関や倉庫などだけにまとめず、各部屋に備蓄することで、予期せぬトラブルにも対応しやすくなります。
ローリングストック法と備蓄の基本について、いかがでしたでしょうか。こういった基本のグッズのほかにも、情報収集や連絡ツールに必須のスマートフォンは、電池で使える充電器と一緒に用意しておいたり、屋内外のガレキを想定して運動靴もあるとよいでしょう。
「備えあれば憂いなし」の言葉通り、ローリングストック法で普段から十分な量の備蓄をしておくと、災害はもちろん、万が一の際に日用品や食品が手に入らないときに、安心と安全が実現します。
今回は「基本のき」をお伝えしましたが、今後は「乳幼児や高齢者のいる家庭」「女性が気を付けたいこと」「持ち歩きや避難用グッズ」など、生活シーンなどに応じた心構えや備蓄のノウハウも、定期的にお伝えしてまいります。
こんなことを教えてほしい、自分は過去の経験からこんなものも備蓄している、など、ぜひコメント欄から皆さまの声もお聞かせください。
エリエールではティシューペーパーやトイレットペーパーなどの日用品だけではなく、ベビー用品や生理用品、介護用品・吸水ケア用品など、世代・性別ごとに必要な衛生用品も多数扱っています。災害時にも重宝するものなので、ローリングストック法で備蓄しておきましょう。
水洗トイレを使用できない場合には、[大人用おむつ(パンツタイプ)]がお役に立ちます。