夏の終わりに風邪をひいたり、夏風邪がなかなか治らないという方は多いのではないでしょうか?もしかすると、それは風邪ではなく花粉症かも? 秋にも油断出来ない花粉症。東京本駒込のとくなが耳鼻咽喉科徳永先生に、秋の花粉症について伺ってきました。
▼Doctor’s Profile
徳永雅一(とくなが耳鼻咽喉科院長)
東京慈恵会医科大学卒業後、聖路加国際病院など幾つかの病院勤務を経てとくなが耳鼻咽喉科を開業。
地域に愛される医院を目指して、親切な対応と必要かつ十分な診療を心掛けている。
日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。
とくなが耳鼻咽喉科
〒113-0021東京都文京区本駒込1-6-19サンユービル2階
電話:03-5815-5887 FAX:03-5815-5883
花粉だけじゃない?
秋の花粉症アレルゲン
原因となる花粉の種類が春と秋では異なります。春はなんといっても有名なのはスギ、ヒノキですが、秋はキク科のブタクサ、ヨモギ、キリン草、カナムグラなどといった植物の花粉が原因となります。
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ブタクサ -
ヨモギ -
キリン草 -
カナムグラ
しかし、秋のスギ花粉にも注意が必要です。実はスギの花粉は秋から冬にかけて作られていて、春に暖かくなってから飛ぶんですね。その秋の時期に作られる花粉が少し洩れだして、秋にもスギ花粉が飛ぶことがあります。花粉に凄く敏感な人は、ほんのちょっと洩れ出るだけのスギ花粉にも反応してしまいます。
一方で、ヒノキは春の蕾(つぼみ)が開く直前に花粉が作られるので、秋に花粉が飛ぶことはありません。
そういった草木以外にも、秋に花粉症と同様の症状を引き起こすものがあります。それはダニです。夏の暑い時期にダニがたくさん増え、秋になるとそのダニの死骸が空中に舞ってアレルギー症状を引き起こします。ダニアレルギーはアレルギー性鼻炎だけではなく、喘息も好発させますので、秋は花粉だけではなくダニアレルギーに関しても注意が必要です。
夏の稲科もそうですが、秋の花粉の原因は基本的に草花です。高所には生えていませんし、スギほど密集・群生していないので、風で遠くから飛んでくるという事は少なく、基本的に都市部にいる限り直接影響はないかもしれません。
都市部でも秋の時期にアレルギーがひどくなるという人は、ブタ草などの秋の花粉よりも、むしろその夏に増えたダニの死骸や、秋のスギ花粉などの原因が多いとも考えられます。
また、自動車などの排気ガスと花粉等が混じって、より症状を悪化させているということも考えられますよね。都市部では花粉以外にも原因となるアレルゲンが多くあるため、一年を通して注意が必要です。
それから、花粉症との関係性が指摘されているものに、口腔アレルギー症候群があります。
この口腔アレルギー症候群は、特定の果物・野菜などを食べることによって起こるアレルギー反応で、口腔内の痒み、腫れ、じんましん、吐き気、腹痛や下痢、
ひどい場合は急性アレルギー反応を起こし命に関わる場合もあります。
特定の果物・野菜とは、キウイ、メロン、スイカ、リンゴ、パイナップルなど色々な果物、野菜などが当てはまります。
なぜ発病するかというと、花粉の抗原性と特定の果物・野菜などの抗原性、それぞれが性質的に似ていて体が錯覚し、食べた時に口腔粘膜でのアレルギー反応が起こるんですね。
花粉症の人が全員発症するわけではないですが、食物アレルギーを持っている人は、花粉症との関係性を疑ってみることも大事です。
秋のブタクサ、ヨモギとの関係が指摘されているのは、メロン、スイカ、セロリなどです。