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子どもの夜尿症の原因とは?何科を受診すべき?対策と治療法について|おむつの「GOO.N(グ~ン)」

記事公開:2024.9.6

「夜尿症」は、生活習慣の見直しや適切な治療によって改善が見込まれるものです。夜尿症とおねしょの違いや原因、治療の流れについて詳しく解説します。

子どもの夜尿症とは? 対策と治療について

子どもの成長過程の一つとも言える「おねしょ」。誰にでもあることとして、小さいうちは神経質に考える必要はなく、その頻度は成長とともに自然と減っていきます。しかし、小学校入学頃になっても頻繁におねしょが続くと心配になりますよね。

そこで今回は「おねしょ」とともに語られる「夜尿症」について原因や対策、病院受診のポイントなどを詳しく解説します。

大人の夜尿症についてはこちら
大人の夜尿症~原因と対策~

夜尿症とは~おねしょとの違い~

夜尿症は、寝ている間に無意識に排尿してしまう点ではおねしょと同じですが、「5歳を過ぎて1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上つづくもの」※と定義されています。(※日本泌尿器科学会 『おねしょ』(夜尿症)が治らない)

夜尿症の原因

おねしょは膀胱機能の未熟さなどが原因である一方、成長後も続く「夜尿症」にはどのような原因があるのでしょうか? 詳しく見てみましょう。

尿意を感じても目が覚めない

人間の体は睡眠中であっても膀胱に多くの尿が溜まると尿意を感じて目が覚める仕組みになっています。しかし、夜尿症では尿意で目を覚ましにくいという覚醒障害が基礎にあります。このため、尿意が生じたとしても目を覚ますことができずに、おねしょをしてしまうことがあります。
一般的に子どもの睡眠は大人よりも目覚めにくいですが、夜型の生活を送っていたり、慢性的に睡眠時間が足りていない場合などは睡眠が深くなる傾向にあります

自律神経の乱れ

膀胱は筋肉でできており、伸縮性が高い臓器です。腎臓で生成された尿は膀胱に蓄えられますが、容積が大きくなった膀胱が収縮すると尿道に尿が送り出されて排尿に至ります。このような膀胱の収縮・弛緩を司っているのは自律神経です。このため、ストレスや生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが乱れると膀胱が収縮して容積が小さくなり、6歳以上であってもおねしょをしやすくなります。

腎臓や膀胱の病気

腎臓や膀胱など、尿を生成して排出するまでの過程に何らかの疾患があるとおねしょをしやすくなることがあります。とくに、睡眠中だけでなく起きているときもおもらしをする場合、尿の回数が多い場合、発熱を繰り返しやすい場合は腎臓や膀胱などに疾患が潜んでいる可能性があります。

夜尿症かもと思ったら、何科を受診すべき?

夜尿症の定義にもあるように、5歳を過ぎても月に1回以上おねしょをする場合は小児科や泌尿器科を受診して、生活改善や投薬等により治療をすることができます。
また、5歳以下であっても、日中もトイレに間に合わない回数が多い場合や大便のお漏らしも伴う場合、おねしょが治ったと思っていてもまた始まってしまった場合、その他心配なことがある場合は腎臓や膀胱に何らかの病気がある可能性も考えられますので早めに受診することをおすすめします。

夜尿症の対策・治療方法

夜尿症と診断された場合は次のような対策・治療が進められます。

夜尿症対策の原則は「焦らない・怒らない」

成長してもおねしょがなくならないと、ついつい焦ってしまうものです。また、対策を練ってもおねしょを繰り返すときにはイライラが募って怒ってしまうということもあるでしょう。
しかし、夜尿症は育て方や子どもの性格の問題ではありません。本人の不注意などが原因で生じるものではないので、長い目で見て「焦らない・怒らない」姿勢で対策に取り組んでいきましょう。

生活改善

夜尿症は好ましくない生活習慣によって引き起こされていることもあります。
夜尿症と診断された場合、利尿作用のあるカフェインを含んだお茶類を控える、夕食後は水分摂取を控えめにする、就寝前に排尿する習慣をつける、十分な睡眠時間を確保するなどの生活習慣の見直しを行います。

薬物療法

生活習慣を改善してもおねしょが続く場合はお医者さんが薬物療法をすすめる場合があります。
使用されるのは、尿の生成量を抑える「抗利尿ホルモン剤」、膀胱の筋肉を柔らかくして容積を増やす「抗コリン薬」などが中心になり、「三環系抗うつ薬」が使用されることもあります。

アラーム療法

パンツの中にセンサーをセットして、おしっこでパンツが濡れるとアラームが鳴って目覚めさせるという仕組みのものです。おねしょをした直後に目を覚ますことで、夜間膀胱に溜めておける尿量が増え、尿量自体も減少します。

最初はアラームに気づかず起きることが出来ないお子様もいるため、ご家族の協力でトイレまで連れて行くなどの、対応が必要になります。根気と訓練が必要ですが、「治癒率が62~78%、再発率が15%※」(※日本夜尿症学会 夜尿症診断ガイドライン2016 P.88 アラーム療法解説)と再発率が低いという特徴もあります。また、お薬を飲まないので副作用の心配がないというメリットがあります。

夜尿症は治る?

夜尿症は適切な生活改善や治療を行うことで治る可能性があります。未治療の場合、3年後に治癒する割合は33%であるものの、適切な対処を行った場合には3年後に80%以上が治癒するとのデータ※もあります。(※帆足英一, 小児科臨床:65(4), 931-939, 2012)
繰り返しになりますが、夜尿症は焦らず・怒らず、お子様の成長を見守りながら、状態に合わせて根気よく続けていくことが大切です。


監修者のご紹介

山中 岳先生
東京医科大学小児科 准教授。子供の心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医と数多くの認定資格を所持。東京医科大学講師として、次世代の医師の育成にも力を入れている。 



おねしょの原因・対策についてはこちら
① おねしょの原因と対策

よくあるご質問

夜尿症とおねしょの違いは?

夜尿症は、寝ているあいだに無意識に排尿してしまう点では、おねしょと同じです。なお、一般社団法人日本泌尿器科学会は、5歳を過ぎて1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認めるものが3か月以上続くものと定義しています。

夜尿症の原因は?

夜尿症の主な原因としては、下記の3つが考えられます。

・尿意を感じても目が覚めない
人間は、睡眠中でも膀胱に多くの尿が溜まると尿意を感じて目が覚めます。しかし、夜尿症では、尿意で目を覚ましにくい(覚醒障害)ため、おねしょをしてしまうことがあります。夜型の生活を送っていたり、慢性的に睡眠時間が足りていなかったりする場合は睡眠が深くなり、目覚めにくくなる傾向があります。

・自律神経の乱れ
尿を蓄える膀胱は、筋肉でできた伸縮性の高い臓器です。膀胱の収縮・弛緩は、自律神経が司っていますが、ストレスや生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが乱れると、膀胱が収縮して容積が小さくなり、おねしょをしやすくなります。

・腎臓や膀胱の病気
腎臓や膀胱など、尿を生成して排出するまでの過程に何らかの疾患があると、おねしょをしやすくなることがあります。特に、睡眠中だけでなく、起きているときもおもらしをする場合、尿の回数が多い場合、発熱を繰り返しやすい場合は、腎臓や膀胱などに疾患が潜んでいる可能性があります。

夜尿症は何科を受診すればいい?

5歳を過ぎても月に1回以上おねしょをする場合は、小児科や泌尿器科を受診しましょう。生活改善や投薬等により治療をすることができます。
また、5歳以下であっても、日中トイレに間に合わない回数が多い場合や、大便のお漏らしも伴う場合、おねしょが治ったと思ったのにまた始まった場合などは、小児科や泌尿器科を受診することをおすすめします。

画像提供/PIXTA
 

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