今回の活動レポートでは、ハートサポート2018から継続して支援を続けている学校のひとつ「マゴソスクール」についてご紹介します。
マゴソスクールがあるのは、ケニアの首都ナイロビの中心から5kmほど離れたスラム街キベラ。東アフリカ最大級の大きさといわれるキベラには、2.5km平方メートルの土地に100万人から200万人の人々が暮らしているといわれています。
キベラの街並み
マゴソスクールの子供たち
この街の奥深くに位置する学校「マゴソスクール」は、日本の小学校~中学校にあたる生徒たち、およそ500人が通っているプライマリースクールです。生徒たちの多くは孤児だったり、元ストリートチルドレンだったり、または虐待を受けていたのを保護された子、強制的に労働させられていた子といった、厳しい環境にいる貧困児童です。
この学校は、こうした子どもたちだけではなく、スラムの中で行き場を失った大人や若者たちも、困った状況にある人たちが頼ることができる、共に生きていけることを目指した駆け込み寺のような存在でもあります。なかでも事情があって家に帰れない人、身寄りがない人は、マゴソスクールで保護をして生活ができるようになっています。学校の敷地内で暮らしている「マゴソファミリー」と呼ばれる人々は、子どもと大人を合わせて常時約40名ほどです。この学校で働いている約40名のスタッフもまた、全員がスラム住民です。
そして、スラムの学校としては珍しく、朝と昼の給食を毎日提供しています。生徒たちのなかには極度の貧困のため、食べるものがまったくないという家庭が多いためです。給食以外なにも食べられないような家庭の生徒は、給食をわざと残して、家で待つ妹や弟のために持ち帰ることも。
朝の給食は「ウジ」と呼ばれるお粥、昼の給食は「ギゼリ」という豆とトウモロコシを煮たものです。
給食の様子
ギゼリ
マゴソスクールの創設者・主宰のリリアンさんは「スラム住民にとって、教育は希望なのです」と語ります。「絶望するような状況のなかでも、ここに来れば暗闇に光を感じられる。勇気がわいてくる。そんな場所にしたいと思って、日々働いています。お金は盗まれてしまうかもしれません。でも、自らが学んだことは誰にも奪われない財産になりますから」
マゴソスクールの創設者・主宰のリリアンさん
授業の様子
大王製紙「ハートサポート」プロジェクトでは、マゴソスクールをはじめ、貧困が理由で生理用品を使うことのできない女性に、生理用ナプキンの支援や月経教育などを実施しています。これまでの活動レポートもぜひご覧ください。
次回は「ハートサポート」で支援している、女子生徒のための課外活動「ガールズクラブ」についてレポートします。