今回のレポートでは、支援先のひとつであるスラム街キベラの学校「マゴソスクール」で開催されたクリスマスパーティー&ファッションショーの様子をご紹介します。
※ ハートサポートでは、本校に生理用ナプキンの支援を実施しています。また、2020年に開催されるファッションショーの一部費用を支援する予定です。
この催しは生徒をはじめ、保護者、卒業生、近所の人々などが招待され、毎年12月に盛大に行われます。スラム街キベラの各家庭では、クリスマスを祝う余裕のない人が多いため、マゴソスクールが主体となり今年一年の無事を感謝し、来年への祈りを共に捧げる機会を設けているのです。
イベントの準備は朝早くから行われます。クリスマスを祝う特別な料理を振る舞うため、肉だけで64キロ、小麦粉52キロ、白米にいたっては205キロもの量が用意されます。そのほかにも、魚や野菜、飲み物など、年に一度のパーティーに向けて保護者や卒業生たちが手分けして料理をつくっていきます。みなさん「このあと校庭で行われるステージがとても楽しみです」と話してくれました。
クリスマスパーティーでは、まず生徒や卒業生による歌や踊り、楽器の演奏など様々なステージプログラムが披露されます。その後に始まるのが、メインイベントであるファッションショー。
このファッションショーは、生徒たちの自主性や自信を育み、自己肯定感を高められる取り組みとして、マゴソスクールで毎年開催されています。衣装は先生や有志のスタッフによる手作りです。
スラム住民である生徒たちが、新品の服を着られる機会はめったにないため、このファッションショーの衣装が「生まれて初めて着る新品の服」であることも多いのです。そのためか、衣装を着る前までは緊張の面持ちだった女の子たちも、袖を通した瞬間から表情がみるみる明るくなっていくのがわかります。
これからステージに向かう生徒のひとり、メトリンさん(右の写真の一番右)に話を聞きました。
「美しい衣装を着ることができてうれしいです。このファッションショーは自分の美しさに出会い、自信を持てる機会だと思います。
いままでは『もしファッションショーの日に生理がきてしまったらどうしよう』と心配でした。そのとき家に生理用ナプキンがあるとは限らないです。布のハギレで代用すると、衣装を汚してしまうかもしれません。もし大勢の人の前に、汚れた衣装で出てしまったらと思うと……。
いまはハートサポートでたくさんの生理用ナプキンを支援してもらったので、生理がきても怖くありません。もし今日が生理だったとしても、安心して衣装を来て、しっかり前を向いて歩けると思います。」
そう話す彼女たちは、しっかりとした足取りでステージへと向かっていきました。
次回のレポート(2020年1月更新)では、このファッションショーに参加した生徒とその保護者へのインタビューをお届けします。