キベラにあるフリパルス助産院の院長です。
1995年の11月にこの助産院を開設して23年になります。
ここで分娩をしても、入院費を節約するために日帰りで帰宅する人がほとんどです。
皆はお金がなく分娩代金が払えないので、自宅で出産する人も多いです。
また、妊娠中の診察にも来られない人ばかりで、すでに死産しているのにそれに気づかない人もいます。
生理のときには、古い布の端切れを使うのが主流です。
キベラは不衛生な布ばかりですので、感染症、破傷風、膀胱炎などの健康被害が出ています。
感染症にかかる女性は、清潔を保つための水すら手にいれることができないこともあり、子どもまで感染症にかかってしまうケースもあります。
キベラに流れている川はひどく汚染されています。
生活水は有料で20リットルで5シリング(約5円)もしますので、ここの住民にとって水は貴重なのです。
また、キベラで布ナプキンを使うのは現実的ではありません。
過去にも布ナプキンの作り方を教えるプログラムや、布ナプキンの配布などが行われていましたが、布自体の質が悪かったために健康被害が出てしまいました。
洗う水が確保できないために、使用済みの布ナプキンをきちんと洗って衛生を保つこと自体も難しいです。
そしてここではHIVの感染率が高いので、血のついたものを小中学生が正しく扱うのは困難が伴います。
生理用ナプキンの支援はキベラに住む女性にとって、衛生面の改善につながるばかりでなく、彼女たちが抱える日常の困難を取り除けるものです。女性の生き方そのものの質が向上するものと信じています。