キベラで暮らす女の子にとって一番大きな問題は、生理用ナプキンが手に入らないことだと考えています。
兄弟・姉妹の多い家庭が大半ですから、一世帯に女性が4人、5人いることもあります。
そうなると生理用ナプキン代だけでも毎月かなりの出費になってしまいます。
生理用ナプキンがないときには、私は布の切れ端を使っています。
布はかゆくなりますし、経血があふれてしまうので困っています。
以前にも学校で制服や椅子など、いろんなところを汚してしまって……。まわりのみんなに笑われました。からかわれました。いじめも受けました。
すごく恥ずかしかったです。
だから、いまでは生理中に学校へ行くことはできません。
不登校の日は家で休んでいるだけで、他には何もできません。
生理用ナプキンを使えるようになれば、毎月つらい気持ちになることはありません。
下着に挟んでいる布が落ちてしまうかも、漏れてしまうかも、またいじめられるかも……という心配もなく、いつもと同じように思いっきり走ったり、遊んだりできます。
家の手伝いもしっかりできるから、お母さんの助けになれるし、学校を休まなくていいどころか、授業にきちんと集中できるようになると思います。私の学年は受験する子もいますから、生理中に欠席せず学校で勉強ができるのはとても大きな助けになります。
お母さんにお金があるときは生理用ナプキンを買ってもらえます。
でも、実際に買ってもらえることはほとんどありません。
家族みんなのごはんを買わないといけないから。
私に生理用ナプキンを買ってしまうと、家族がごはんを食べられないんです。
だから普段は布の切れ端を使っていますが、血が漏れて制服を汚してしまうので、生理中は学校には行くことはできません。
五年生のとき、授業中に血が漏れてしまってるのがバレて、クラスのみんなにからかわれました。
また同じようにからかわれるのはつらいので、生理中は学校を休んでいます。
いまも生理用ナプキンがあるときには学校に行くことができますが、貴重なので何度も交換したりはできません。
1枚しかなければ、その1枚をずっと使い続けています。
いっぱいになったら臭いも気になるけど、生理用ナプキンは私と家族にとっては貴重ですから。
もし1日に3枚も使うことができたら、取り替えることもできるし、クラスメイトにバレることもなくなります。
なにより、大好きな学校を休まなくてよくなるので、それがなによりもうれしいです。
たまにですが……お母さんは商店にツケにしてまで、生理用ナプキンを買ってきてくれることがあります。
お母さんはシングルマザーで、一人で家計を支えてくれています。
私の父はひどいDVでしたし、再婚者も暴力を振るうので、いまは母と兄弟だけで暮らしています。
お母さんが無理してまで買ってきてくれた12枚入りのパックは、1日に2枚ずつ大切に使います。
でも、生理用ナプキンを買ってもらえないことのほうが多いです。
手に入らないときには、古い布の端切れをあてて、学校は休んで家でじっとしています。
布を使っていると、虫が来ることもあります。
かゆくなってしまうことも多いです。
布の質が悪いせいだと思うのですが、布自体も私たちにとっては貴重なので仕方ないと思っています。
もしも生理用ナプキンが支援してもらえるのなら、私はお姉ちゃんに分けてあげたいです。
そしたらお姉ちゃんも生理中に学校を休まなくていいし、もっとしたいことが自由にできるようになると思います。
生理用ナプキンが買えないので、お母さんが布の端切れをくれますが、布は使うとかゆくなるからつらいです。
お金があるときには生理用ナプキンを買ってくれることもありますが、それは食べ物が十分にあるときだけ。
先週は生理用ナプキンを買ってきてくれたけど、その前に買ってもらえたのは何ヶ月も前のことです。
9人兄弟で、姉と妹あわせて3人いますが、女の子は全員、古い布の端切れを使っては、かゆみに苦しんでいます。
勉強が好きだし学校は休みたくないから、端切れしかなくても、私は絶対に学校に行きます。
でも端切れを使っていると、かゆみがひどくて……塩を入れたお湯で洗っていますが、それでもつらいです。
もし生理用ナプキンが使えるようになったら、とてもうれしいし、私たちに大きな助けになります。
もう端切れのせいでかゆくなったり、病気になったりすることもなくなりますから。
高校生の姉が働いたお金で生理用ナプキンを買い、私に分けてくれたことがあります。
生理用ナプキンを使ってみたら、すごくよかったんです!
漏れないし、臭いもしないから、誰にも生理だって知られずにすみます。
授業中ずっと座っていても、大丈夫かなって気にしたり心配したりしなくていいんです。
1日に3枚も使うことができたら、とても快適だろうなって思います。
でも生理用ナプキンを使えないことのほうが圧倒的に多いです。
ないときには椅子に座ってすらいられないので、学校は休むしかありません。
生理用ナプキンを買うお金を、自分で働いて稼いでいる子もいます。
キベラ住民の賃金は、成人男性でもかなり安く、女の子の賃金はさらに安いんです。
毎月の生理のために、生理用ナプキンを買うためだけに、わずかなお金と引き換えに労働をする同級生がいます。
もし、いつも生理用ナプキンが使えるようになれば、女の子の人生はもっといい方向に変わると思います。
生理用ナプキンさえあれば、女の子だからといって生理用ナプキンのためだけの労働をしなくてもよくなるんです。
それは私たちにとって、大きな前進になります。