REPORT vol.3
アフリカ・ザンビアで支援を行うルサカ市保健局とピアエデュケーターの女の子
ザンビアの女の子たちの現状を踏まえて「ハートサポートプロジェクト2021」では、再利用が可能な布ナプキン作製の支援と、衛生や健康に関する情報提供を行う場としてコミュニティスペースの設置を行います。
詳しい支援内容はこちら
今回、現地でプロジェクトの指揮を執るルサカ市保健保健局とピア・エデュケーター(※)の役割や活動内容をリポートしました。
※ピア・エデュケーターとは、仲間に対し教育をする人、仲間に伝える人たちのこと。ピアは「仲間」「友人」という意味を指します。
(出典:ピア・エデュケーターってそもそも何ぞや?)
現地の様々な課題に取り組むルサカ市保健局
ルサカ市保健局では、ルサカ市の公的な保健サービスを提供。市内には約30の保健センターがあり、それぞれが一般診療や予防接種、妊産婦健診、出産介助、感染症対策、家族計画、栄養改善など、さまざまな業務を行っています。
ルサカ市の女の子が抱えている課題は多岐にわたりますが、特に子どもから大人に成長する過程にある思春期の女の子には、心身ともにケア が必要です。
ところが、文化・習慣的に生理について話すことが基本的にはばかられることから、生理を含む体や心の変化について、正しい知識を身につけたり、誰かに相談したりする場は限られています。また、生理用ナプキンが手に入らず、学校を休まざるを得ないケースも少なくありません。
ルサカ市保健局も、そのような状況を解決する方法を検討してきましたが、なかなか対応できない状況でした。そのため、今回ハートサポートの協力を得て、ようやくルサカ市の女の子の生理をとりまく環境改善の支援が実現したのです。
気軽に相談や知識をつけられる場を提供するコミュニティスペース
思春期の女の子が適切かつ十分なサービスを受けられる環境の実現に向けた取り組みの一つが、コミュニティスペースの設置。
市内で貧困層が多い場所の一つ、ジョージ地区の一角に、コミュニティスペースを開設。ここでは、気軽にどんな人でも健康相談や、衛生に関する情報を得ることができます。新型コロナウイルス感染症への対応を優先せざるを得ない状況にありますが、2021年4月中のオープンに向け、現在は準備の真っ只中。
コミュニティスペースを訪れると、気軽にピア・エデュケーターや看護師に身体や心の相談をしたり、悩みを友達と話したりできるようになります。思春期の女の子たちの場合、年齢の近いピアエデュケーターであれば普段言えないような、悩みを打ち明けやすくなります。これまでそういった場がなかった女の子たちにとって、生理をはじめ、体に関する正しい情報を得やすくなるのは、画期的なこと。
他にコミュニティスペースでは、ピア・エデュケーターが作製した生理用布ナプキンやコンドームを、使用方法などの説明文とともに思春期の女の子・男の子たちに配布する予定です。
課題解決のために、一人でも多くの女の子たちに伝えたい
今回様々な活動を行ってくれる中心となるのが、ピアエデュケーターの女の子たち。ピア・エデュケーターになるのは、同じルサカ市に住む女の子たちです。ピア・エデュケーターの仕事で最も大切なのは、同じ立場の人に必要な情報を伝えること。
例えば生理の問題はなかなか他人に相談しにくいものですが、似た境遇にあるピア・エデュケーターが生理期間の安心な過ごし方を伝えることで、女の子たちも実践しやすくなるのだそうです。
今回インタビューに協力してくれた女の子がピア・エデュケーターになろうと思ったきっかけも、「自分が抱えている問題は自分のものだけじゃない」と知ったことだといいます。
みんなで力を合わせれば、みんなの課題を解決できる。そのために、まずは自分が正しい知識を身につけて、みんなに伝えていこう。そんな想いから、活動を始めたのだとか。最後に、ピア・エデュケーターとしてやりたいことを語ってくれました。
「悩みを抱えているのは自分だけじゃないし、それを解決する方法もある。それを一人でも多くの同世代の女の子たちに伝えたいです。そして、自分たちの世代だけの活動で終わるのではなく、次世代の女の子たちにも引き継いでいきたいです」
次回からは、開設されたコミュニティスペースの様子や、布ナプキン作製についてレポートします!
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