

REPORT vol.14
ハートサポート支援活動報告・総括
『誰もが生理によってあきらめない』社会へ

ハートサポートプロジェクトは、2020年からザンビアで支援活動を行ってきました。
2020年10月から約1年間、ザンビアで布ナプキン3,000枚分の作製支援からスタートし、2021年には支援の拠点となるコミュニティスペースが正式にオープン。2023年度は「世界女の子会議」をオンラインで行い、2024年度は日本の女子中学校で特別授業「私たちと生理」を開催しました。
また、X(旧Twitter)上で感想や応援コメントをいただくSNSキャンペーンを実施してきました。
本レポートでは、これまでのハートサポートプロジェクトでの支援活動の総括として、ザンビアの女の子たちやザンビア保健省の方、現地で支援を行っているアムダマインズの担当者の声も併せてお届けします。
ザンビアの女の子たちに起きた変化とは

2020年からはじめた支援活動を通して、「生理」に対する考え方や行動の変化を、ザンビアの女の子たち(SGYGのメンバー)が話してくれました。
「自分自身で布ナプキンを作製し、コミュニティにて生理に関する保健教育や布ナプキンの配布を行うことで、生理に関する理解がより深まりました。そして、布ナプキンが身近なものになってきた結果、生理に左右されずに、より積極的に行動できるようになってきました」

「これからも生理に私の人生を左右されるのではなく、私の一部として受け入れ、上手く付き合っていくことができればと思っています」
多くの女の子と若者たちの幸せに繋げたい
ハートサポートプロジェクトの継続支援を通して感じたことや改善されたことについて、ザンビア保健省の方からも声が届いています。
「以前と比べて、生理に関する理解と布ナプキンの存在が、コミュニティの若者・女の子たちを中心に少しずつ浸透し、彼らの意識が着実に向上してきていると思います。以前は多くの人が布ナプキンのことは知りませんでしたが、今では啓発活動の際に、布ナプキンを求められることもよくあります。
また、ピア・エデュケーター(※) の若者は、質の高い布ナプキンを作製できるようになり、さらに女の子は衛生的に生理をコントロールする方法を、男の子は生理を取り巻く問題を知り、関わることで、より女の子たちを守ることができるようになりました」
(出典:ピア・エデュケーターってそもそも何ぞや?)
ハートサポートの支援を受けて、今後ザンビアでの生理に対する考え方がどのようになってほしいかという質問には希望の声を聞くことができました。
「生理に関する理解と布ナプキンの存在が、できるだけ多くのコミュニティの人々により深く浸透することで、『誰もが生理によってあきらめない』社会に繋がり、多くの女の子と若者たちの幸せに繋がることを願っています」
これまでザンビア現地や日本から支援を行ってきたアムダマインズ(AMDA社会開発機構)の担当者は次のように話します。

「大王製紙からの温かいご理解とご支援のお陰で、ハートサポートプロジェクトでは、ピア・エデュケーターによる保健教育及び、無償もしくは安価での布ナプキンの提供を通じて、コミュニティの貧しい家庭の女の子の衛生的な月経管理向上に、自立的かつ継続的に取り組むことができました。4年間にわたる支援は、現地だけでなく、私たちにとっても試行錯誤の連続でしたが、現場第一の活動を続けることができたお陰で、主体的に動ける核となるメンバーが見つかりました。
そして、彼女たちが中心となり、継続的にピア・エデュケーターが養成され、布ナプキンや保健教育の質も向上し、彼女たちがこれからも自ら活動を続けていくために必要なスキルをある程度習得することができたことを大変嬉しく思っています。これからも彼らの成長を温かく見守りながら、『誰もが生理によってあきらめない』社会を目指して、彼らに伴走していくことができればと思っています」
生理に限らず、世界であきらめる理由を解決・支援していきたい

4年間にわたる活動に関わってくれた方々すべてに「ありがとう」と感謝を伝えたいとハートサポートプロジェクトを実施している大王製紙の担当者は振り返ります。
「私たちのしたことはきっかけ作りにすぎず、ザンビアでの意識や行動の変化はすべて現地の方の主体的かつ積極的な活動によるものと思います。2024年度に実施した女子中学校での特別授業でも、学生たちからはフレッシュでありながら想像以上に思慮深い意見を多数いただきました。そして、私たちの活動内容に対して、さまざまな形で共感を示してくれた多数の方々からも、ハートサポートの掲げる『ひとりの小さなアクションをきっかけに、少しずつ世界を変える』という目標へ近づいている手応えを実感できました。
社外からの反応として印象的だったのは、採用面接時にハートサポートの活動に共感したという理由を挙げる就活生が増えてきたことです。入社後にハートサポート活動に共感したことをわざわざ伝えにきてくれる新入社員もいて、ハートサポートの活動意義を再認識しました」
最後に、今後の取り組みについてお話します。
4年間継続してきたザンビアでの活動は、みなさまのご協力のおかげで目標を達成することができました。これまでのケニア、ザンビアでの活動を踏まえ、来年度以降ハートサポートは、女性支援にとどまらず、世界中で困っている人を助けるプロジェクトへステップアップすることとなりました。
今期でエリスとしてのザンビアでの活動は終了しますが、今後はエリエールとして、老若男女問わず、様々な国と地域に支援を拡大し、活動を継続していきます。今後のハートサポートプロジェクトにも、ぜひご期待ください。
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